電子帳簿保存法の7つのメリット!概要やデメリットもわかりやすく解説
以前は国税関係帳簿や書類は紙で保存することが義務付けられていましたが、電子帳簿保存法の制定により電子データでの保存が可能になりました。
そこで今回は、電子帳簿保存法を適用する7つのメリットやデメリットについて解説します。電子帳簿保存法に対応している企業の担当者の方は、ぜひ最後まで読み進めてください。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、決算書や請求書などの国税関係の書類や帳簿を一定の要件を満たせば、電子データで保存することを認めた法律です。
電子帳簿保存法の「7つのメリット」
電子帳簿保存法により、今まで紙でしか保管できなかった書類も電子データとして保管できるようになりました。
この電子帳簿保存法を適用することによるメリットを7つ解説します。
メリット1:書類の保管スペースの削減
紙の書類を保存する場合、ファイルやバインダーを使って保存することが多いのではないでしょうか。
その場合、会社の規模が大きくなったり、年数が経ったりすると保存しなければならない書類が溜まり、オフィスのスペースを占領してしまうのが難点です。
電子帳簿保存法により電子データでの保存が可能になれば、オフィスにおける書類の保管スペースの削減に繋がります。
メリット2:業務の効率化
紙の書面を電子データに切り替えることで、確認が必要な書類を検索してすぐに確認できるため業務効率化に繋がります。
さらに最近はテレワークを導入する企業も増えており、会社にいなくても様々な書類を閲覧できる環境整備が求められています。そのため書類を電子データにすることで、テレワークにおける業務範囲の拡大も可能となるでしょう。
メリット3:コスト削減
電子帳簿保存法を適用することで、紙の文書を減らすことができ、社内のペーパーレス化を進められます。
ペーパーレス化に伴い、コピー用紙やインク、ファイルや保管スペースのコスト削減も可能です。書類の保管スペースをオフィスの家賃で割ってみると、その目に見えないコストの高さを実感できるでしょう。
メリット4:セキュリティの強化
社内の重要書類のペーパーレス化を進めることで、万が一オフィスに侵入者が入った場合などの盗難や情報漏洩のリスクを下げられるというメリットもあります。
また、電子化すれば書類の閲覧者を限定することも可能です。限られた社員のみ重要書類を閲覧できるようにすることで、セキュリティの向上にもつながるでしょう。
メリット5:災害対策の強化
日本は地震を中心に災害が多い国です。近年は気候変動の影響もあり、大雨の被害も増えています。
このような災害により、重要書類が紛失したり、燃えたり浸水して使えなくなるリスクも、電子データ管理に切り替えることで回避できます。
メリット6:DX化推進
紙ベースでアナログに業務を進めていた企業も、電子帳簿保存法を切り口に社内の様々な業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進するきっかけとなります。
メリット7:環境負荷の軽減
ペーパーレス化することで、資源の無駄を省き、SDGs推進や環境負荷の軽減に繋がります。
SDGsへの取り組みをしたくても、どう取り組めばいいかわからないという企業も多いため、ペーパーレス化からSDGsへの取り組みを始めるもの良いでしょう。
電子帳簿保存法の「3つのデメリット」
電子帳簿保存法を適用する際に考えられる3つのデメリットについて解説します。
デメリット1:導入コスト
電子帳簿保存法に則した業務を行うには、各種要件を満たした専用のシステムの導入を検討する必要があります。そのため、システムを導入する場合、ある程度の初期費用がかかってしまいます。
コスト面だけを考えるのであれば、現状のコピー用紙等のコストや保管スペース分のオフィス家賃を計算し、長期的に見てどちらにコストメリットがあるかを判断する必要があるでしょう。
デメリット2:新たな業務フローの策定
電子帳簿保存法に対応する場合、新しい業務フローを構築し、社内に浸透させなければなりません。
特に今まで紙の書類を使って管理をしていた企業では、電子帳簿保存法に対応したシステムでの管理に拒絶反応を示す社員が出てくることも想定し、丁寧な社員教育の機会を設ける必要があります。
デメリット3:電子データであるがゆえのリスク
電子データを利用していると、サーバーやシステムがダウンした際に、保存している書類が消えてしまうリスクがあります。
電子帳簿保存法に対応したシステムの中で、どのシステムを導入するかについては慎重に検討する必要があるでしょう。
電子帳簿保存法を適用して組織の成長に繋げる
今回は、電子帳簿保存法への適用のメリットやデメリットについて解説しました。
電子帳簿保存法を適用することは、重要書類の管理に関わる業務の効率化が図れるだけでなく、ペーパーレス化やDX化の推進に繋がるなど、様々なメリットがあります。
短期的な視点で見ると、システム導入の初期費用というコストに目が行きがちですが、電子帳簿保存法については長期的な視点で検討する必要があるでしょう。