預け金とは? 預り金との違いや他の勘定科目を使用する際の仕訳例も紹介
預け金は、一時的に第三者に預ける金銭や資産です。
返還を前提するもので、会社によっては保証金や差入保証金、担保差入金などを使い勘定を設定することもあるでしょう。
この記事では、預け金の基本と仕訳例について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
預け金とは
預け金とは、企業が第三者に対して一時的に預けるお金や資産のことです。第三者というのは、取引先や金融機関、役員や社員などが該当します。
預け金は一時的に預ける金銭なので、返還が約束されているものしか該当しません。金銭を預けた時点で返還が保証されていないものは、預け金とはみなされないので注意が必要です。
また、預け金には信用取引での担保差入金や、営業保証金も含まれます。
預り金との違い
預け金と混同しやすいものに預り金がありますが、預け金の真逆にあるのが預り金です。
預け金は企業が取引先や役員に金銭を預けますが、預り金は企業が第三者から金銭を預かる際に使う勘定科目です。
そのため、預り金は返還が約束されているものしか該当せず、必ず返す金銭は預り金とされます。
財務諸表での位置付け
預け金の財務諸表での位置付けは、貸借対照表(B/S)の借方の資産の部です。
1年以内に返される場合には流動資産、1年を超えてから返される資産は、固定資産の「投資その他の資産」に計上します。
預け金の仕訳例
ここでは、預け金の仕訳を具体例と共に紹介します。
外部へ資金運用を委託した場合
A社は親会社に資金運用を委託するため、10,000,000円を支払った。
▼仕訳方法
借方 |
貸方 |
預け金 10,000,000円 |
預金 10,000,000円 |
差入保証金
A社は仕入先B社との取引開始にあたり、差入保証金1,000,000円を支払った。
▼仕訳方法
借方 |
貸方 |
差入保証金 1,000,000円 |
預金 1,000,000円 |
担保差入金
A社は有価証券の信用取引を行うにあたって、証券口座に委託保証金1,000,000円を入金した。
▼仕訳方法
借方 |
貸方 |
差入保証金 1,000,000円 |
預金 1,000,000円 |
デポジット
A社は従業員に交付するICカード乗車券のデポジット1,000円を支払った。
▼仕訳方法
借方 |
貸方 |
預け金 1,000円 |
預金 1,000円 |
預け金についてのまとめ
預け金とは企業が取引先や金融機関、役員や社員などの第三者に対して一時的に預ける金銭のことです。
一時的に預けるというのがポイントで、返還が約束されていない金銭や資産は預け金に該当しません。
また、預け金と預り金は似ているが真逆の意味を持っています。性質を理解して混同しないようにしておきましょう。
保証金などは毎期同じ数字になることもありますが、処理の違いを把握して決算時に内訳の確認をする必要があります。
返還予定の預け金も、適切に処理されているかの確認が大切です。
この記事を参考に、正しい知識を持って預け金を適切に処理しましょう。