費用対効果とは? 計算方法や重要性についてわかりやすく解説!
ビジネスにおいて費用対効果は非常に重要な要素です。費用対効果の算出は、意思決定に大きな影響をもたらし、費用や収益のバランスがわかります。
とはいえ、そもそも費用対効果とはなにか、どのように計算すればよいのかなどの疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
この記事では、費用対効果の概要や種類、重要な理由や計算方法などを解説します。
費用対効果とは
ここでは費用対効果の概要や、似た用語について解説します。
費用対効果の概要
費用対効果は、ある活動やプロジェクトにかけた費用がどれだけの効果をもたらしたかを評価するための指標です。
予算を使う際には、「投じた費用がどの程度の効果を生んだのか」を理解することが必須といえます。
例えば、広告費に200万円をかけて300万円の売上が出た場合の費用対効果は1.5倍です。
実際に費用対効果を提示する際にも、数字で答えると効果が明確に伝わります。
費用対効果と似た用語との違い
費用対効果という概念に似た言葉に「投資対効果」、「コストパフォーマンス」があります。
これらの言葉は「投じたお金(費用や投資)」と「そこから得られる効果」を比較・評価することが目的です。
ただし少し違いがあるので、それぞれ解説します。
投資対効果との違い
投資対効果とは、投資に対してどれだけの効果を得られたかを評価するための指標です。
一般的に費用は投下をやめると効果が切れる、投資は投下をやめても効果は継続するといった性質の違いがあると考えられます。
コストパフォーマンスとの違い
コストパフォーマンスとは、価格や価値に対して値する魅力があるかを評価する指標です。
基本的には顧客が商品やサービスを購入するときに考えられるもので、費用対効果とは異なります。
費用対効果が重視される理由
ここでは、費用対効果が重視される理由について紹介します。
意思決定の指針となるから
費用対効果は意思決定の指針となるため重要視されています。
というのも、費用対効果の分析を活用することで、規模が異なる事業間での比較が可能となるからです。
また、費用対効果が低い事業は、投じた費用に対して十分な効果が得られていないことを意味し、無駄な費用となり利益の見込みも低くなります。
費用対効果が高い事業は、利益を生み出しやすく、さらなる成長の可能性も秘めていると判断できるでしょう。
費用と収益のバランスが確認できる
費用対効果は、費用と収益のバランスを考える際に非常に重要な役割を果たします。
費用対効果の分析を通じて、投資した施策が期待通りのパフォーマンスを発揮しているか、また収益とのバランスが取れているかを検証できるからです。
費用と収益のバランスを確認することで、施策や商品の見直し、改善を適切に行えます。
少ない費用で多くの利益を生んでいるか確認できる
企業においては、収益から必要な費用を差し引いた金額が利益となるため、控除する費用が少なければ少ないほど利益は大きくなります。
費用対効果を指標として使用することで、少ない投資で最大の効果(利益)を得る施策を見つけやすくなるでしょう。
企業にとっていかに利益を増やして費用を減らすかは重要なポイントなので、費用対効果が重視されています。
費用対効果の指標と計算方法
ここでは、費用対効果の指標と計算方法を紹介します。
ROAS
ROASとは、Return on Advertising Spendの頭文字をとったもので、「広告の費用対効果」という意味があります。使った広告費に対してどれだけの売上があったかを示す指標です。
ROASの計算式は次の通りです。
「広告から得た売上 ÷ 広告費 × 100(%)」
ROASを正確に求めるには、かけた広告費と広告から得た売上を把握しなければなりません。
CPA・CAC
CPAとは、Cost Per ActionまたはCost Per Acquisitionの頭文字をとったもので、1コンバージョンあたりの獲得単価のことです。
顧客獲得単価と言われていて、CPAの数字が低いほど広告効果が高くなります。
また、同じ「顧客獲得単価」として知られるCAC(Customer Acquisition Cost)もあります。
CPAは、広告費(配信費用など)の直接費のみを扱いますが、CACの場合、商談や受注に割いた人件費などの間接費も含めている点に違いがあります。
CPAの計算式は以下の通りです。
「広告費 ÷ コンバージョン数」
※コンバージョンはサービスなどによって設定が変わります。購読や会員登録などが挙げられます。
CPAは、施策ごとのピンポイントな効率性を比較できますが、CACはユニットエコノミクス(顧客やアカウントごとの利益や損失)を計ることができ、事業の採算性の判断などに使うことが多いです。
なお、ユニットエコノミクスについては、「LTV(顧客生涯価値)÷CAC」によって算出できます。
CPA・CACのどちらも目的に応じて算出と分析が必要になります。
費用対効果を高める方法
ここでは、費用対効果を高める方法を3つ紹介します。
費用をいかに抑えられるか検討する
費用対効果を高めるためには、事業や施策にかける費用を効率的に管理し、必要最小限に抑えることが重要です。
費用を削減する際には、成果の質や量を損なわないよう注意が必要です。
過度な費用削減は避けて、今の成果を維持しながら費用対効果を高める工夫をするようにしましょう。
生産性を高める工夫をする
費用対効果を上げるためには、単に費用を削減するだけでなく、生産性の向上にも注目することが重要です。
例えば、業務効率を向上させるためにフローやツールの改善なども効果的でしょう。
費用対効果を向上させるためには、直接的な費用だけでなく、業務の効率や使用するツールの有用性にも注意を払うことが求められます。
外部リソースを効果的に活用する
費用対効果を改善するためのアプローチとして、外部リソースの活用を検討することも有効な戦略です。
外部への委託には追加の費用が発生しますが、これによって生産性が高まり、結果として全体の費用対効果が向上する可能性があります。
費用対効果に注目する上で経費の削減は重要なポイントです。経費削減のメリットやアイデアは「経費削減のメリットやアイデアを紹介! 実行する前に注意すべきこととは?」にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
費用対効果のまとめ
費用対効果が高い施策を採用することは、企業経営の安定や成長に直接的に貢献します。
費用対効果の考え方は、単に費用面だけでなく、従業員のモチベーションにも影響を与える要素です。
状況や目的に合わせて最適な方法を選択し、常に高い費用対効果を追求しましょう。