レシートで経費精算はできる? 認められる条件から申請方法まで解説

経費精算において、レシートは重要な書類です。しかし、レシートで経費精算ができる条件や、正しい申請方法を理解していないと、トラブルにつながることがあります。
本記事では、レシートで経費精算が認められる条件や申請方法について、詳しく解説します。レシートを活用した効率的な経費精算のポイントを押さえて、スムーズな業務遂行を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。

レシートで経費精算はできる?
レシートでの経費精算は可能であり、多くの企業で正式な証憑(しょうひょう)書類として認められています。法律上も消費税法において小売業や飲食業、交通機関の利用などの日常的な経費については、レシートが領収書の代わりとして有効です。
ただし、社内規定でレシートでの経費精算を認めていない企業もあるため、事前に自社の経費規定を確認しておきましょう。
経費精算について、以下の記事で詳しく紹介しています。
レシートで経費精算が認められる条件
レシートで経費精算を行う際は、以下の条件を満たさなければなりません。
・必要な記載項目を確認する
・適切な発行者と取引内容か確認する
・金額の明確性がポイントになる
ここでは、レシートで経費精算が認められる条件について詳しく見ていきましょう。
必要な記載項目を確認する
経費精算の対象となるレシートには、以下の記載が必須です。
・発行日時
・店舗名
・取引内容
・金額
・税率
・インボイス番号
これらの情報は全て機械印字されている必要があり、手書きでの追記や修正が入ったレシートは、証憑書類として信頼性が低いとみなされます。
特に取引内容は「お品代」などの曖昧な表記ではなく、具体的な商品名やサービス内容が記載されていることが求められます。レシートで経費申請する際は記載内容を確認し、必要な情報がそろっていることを確かめましょう。
適切な発行者と取引内容か確認する
レシート発行者には、店舗名や所在地、電話番号、インボイス番号などの正規の事業者としての情報が、明確に印字されていなければなりません。取引内容は申請者の業務内容と確かな関連性があることが求められ、部門や役職に応じた妥当性が問われます。
経費申請時には、その支出が業務上必要だった理由を説明できる状態で提出しましょう。レシートの発行者情報と取引内容を確認し、自身の業務との関連性について適切な説明ができるよう、日頃から経費管理を心がけることが大切です。
金額の明確性がポイントになる
取引金額は税込・税抜の区分が明確で、必要に応じて内税・外税の別や消費税額の記載があることが求められます。割引やポイントの使用などがある場合は、その計算過程が明確に表示され、最終的な支払額が確認できなければなりません。
金額に関する数字は特に鮮明である必要があり、かすれや汚れで判読が難しい場合は、経費として認められない可能性が高いです。レシートの金額表示を確認し、明確で読み取りやすいものを選ぶよう心がけましょう。
レシートで経費精算が認められるケース・認められないケース
レシートでの経費精算が認められるかどうかは、購入した商品やサービスの内容によって異なります。業務との関連性が明確で、妥当な金額の支出であることが大きなポイントです。
ここでは、レシートでの経費精算が認められるケースと、認められないケースについて見ていきましょう。
認められるケース
コンビニエンスストアでの業務用品や消耗品の購入は、最も一般的に認められる経費精算のケースです。具体的には文具やコピー用紙などのオフィス用品や、会議用の飲料、取引先への手土産などが該当します。
これらの購入は業務との関連性がはっきりしており、金額も一般的な範囲内であることが認められやすい理由となっています。
日常的な業務に不可欠な物品の購入は、レシートでの経費精算が認められるケースと言えるでしょう。ただし、社内規定で定められている限度額内であることも大切なポイントです。
認められないケース
菓子類や日用品など、個人的な使用が疑われる商品が含まれているレシートは、経費として認められません。例えば、業務用の文具と一緒に個人用の飲み物を購入した場合、そのレシート全体が経費として否認される可能性が高くなります。
深夜の飲食や高額な商品の購入など、通常の業務範囲を超えると判断される支出も認められないケースが多いです。業務上の必要性と金額の妥当性を常に意識し、適切なレシートを選びましょう。
レシートを用いた経費精算をスムーズに行うためには
レシートを用いた経費精算をスムーズに行うには、以下のような日頃からの管理習慣が欠かせません。
・効率的に仕分けを行う
・申請漏れを防ぐために確認する
・レシートを受け取ったら、すぐに確認する
ここでは、スムーズな経費精算を実現するためのポイントについて解説します。
効率的に仕分けを行う
レシートの仕分けは、自社の経費規程に沿って日付順や経費項目別に分類することで、申請作業の効率化が可能です。日付順の分類は月次決算への対応を、経費項目別の分類は予算管理への対応をそれぞれ容易にします。
仕分け作業は週1回など、定期的に行うことで、申請漏れや期限切れを防げます。
申請漏れを防ぐために確認する
経費の申請漏れは、毎月の締め日の3日前から、使用したレシートを全て確認する習慣をつけることで防止できます。確認時は手帳やスケジュール帳と照らし合わせ、業務活動に伴う支出が漏れなく申請されているかに着目しましょう。
クレジットカードの利用明細との照合も有効で、特に定期的な支払いの見落としを防ぐことができます。
レシートを受け取ったら、すぐに確認する
レシートの不備による申請の差し戻しは、受け取り時の内容確認と速やかな処理でほとんど防止できます。特に注意すべきなのは、宛名や日付の確認、金額の読み取り、業務関連性の明確な記載です。
不明点がある場合は、その場で店舗に確認するか、上司や経理担当者に相談することで、後のトラブルを回避できます。
レシートの経費精算に関する、よくあるトラブルと対処法
レシートを使った経費精算では、ときに以下のようなトラブルに直面することがあります。
・レシートを紛失した場合
・印字が消えかかっている場合
・申請が却下された場合
ここでは、レシートの経費精算に関する代表的なトラブルと、その対処法について詳しく見ていきましょう。
レシートを紛失した場合
レシートを紛失した際は、領収書の発行元である店舗へ問い合わせをすれば、再発行してもらえます。ただし、再発行は義務ではないので、対応してもらえない場合もあります。利用明細や購入証明書を発行してもらい、代替として利用するのも一つの方法です。
支払い証明書を作成することもできますが、これは自分で作成をするため、信憑性が低く、税務調査があった場合には否認される可能性があります。
印字が消えかかっている場合
印字が消えかかっているレシートを受け取ったら、余白に日付や金額、店舗名などの詳細をメモしておきましょう。消えかかっているからといって、その上から金額を修正してはいけません。レシートだけでなく、領収書も一緒に発行してもらうのも良い方法です。
申請が却下された場合
申請が却下された際は経理担当者に明確な理由を聞き、追加で必要な資料があるかを確認してください。経費精算は社内規定に沿って行われるため、事前に社内ルールを確認しておく必要があります。
経費精算請求ができる期間は原則として5年ですが、基本的には会社の就業規則に従うようにしましょう。
レシートの経費精算を効率的に進めていこう
レシートを活用した経費精算は、適切な管理と運用方法の確立が鍵です。レシートを適切に管理し、スムーズな経費精算を実現することで、業務の生産性向上と経費管理の適正化が期待できます。
本記事で解説した、レシートで経費精算が認められる条件や、スムーズな経費精算を実現するためのポイントなどを参考に、自社の状況に合わせた、効率的な体制を整えていきましょう。これらの基本を押さえたうえで、自社の規模や業務フローに合わせて、より効率的な運用方法を目指してください。