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経理業務を自動化するには? メリットや方法を解説

経理業務を自動化するには? メリットや方法を解説

「経理の業務が煩雑になっている」「経理部門の人員が不足している」といった問題を抱える企業も、少なくないでしょう。実際、事務的な経理業務に人員や時間を費やしてしまい、経理担当者が本来の業務に注力できないケースも多いです。

そこで本記事では、経理業務の自動化について、その目的や具体的なメリット、自動化する方法や経理担当者に必要なスキルなどを詳しく紹介します。


経理業務の自動化の意義と目的

経理業務の自動化は、業務効率の改善やコスト削減、ミス防止など、多岐にわたるメリットをもたらします。経理担当者は自動化により定型作業から解放され、戦略的な分析や経営支援などの高度な業務にシフトできるでしょう。

また、ペーパーレス化や電子帳簿保存、リモートワークなど、時代の要請に即した働き方改革の推進にも役立ちます。経理業務の自動化は、単なる業務効率化にとどまらず、経理部門の役割そのものを変革する取り組みです。

経理業務の自動化がもたらすメリット

経理業務の自動化には、さまざまなメリットがあります。主要なメリットは、以下のとおりです。

・業務効率が大幅に改善できる
・ミスの削減とデータ品質の向上
・コスト削減で経営が効率化できる
・属人化リスクの排除とガバナンス強化

ここでは、上記のメリットについて詳しく紹介します。

業務効率が大幅に改善できる

経理業務の自動化により、伝票処理や仕訳入力などの定型業務が自動化され、業務スピードが飛躍的に向上します。単純作業から解放された経理担当者は、より付加価値の高い業務に注力できるようになるでしょう。

また、月次・年次決算の作業時間が大幅に短縮され、早期の財務報告が可能になります。このように、業務効率の改善に大きく貢献するのが、自動化のメリットです。

ミスの削減とデータ品質の向上

経理業務の自動化により、人手によるデータ入力や計算のミスが防止され、業務の正確性が高まります。転記ミスや計算ミスに起因する決算数字の誤りを、未然に防ぐことができるのです。

さらに、AIによる自動チェック機能などを活用することで、不正や異常値の検知も可能になります。近年ではAI技術が進歩し、システムの正確性も向上しつつあります。

コスト削減で経営が効率化できる

自動化による工数削減で、残業代などの人件費を大きく抑えることができます。また、ペーパーレス化や電子帳簿保存によって、印刷コストや保管コストも削減されるのもメリットです。

経理業務の生産性向上は、管理部門のスリム化と経営効率の改善につながります。コスト削減は、経理業務自動化の大きなメリットの一つと言えるでしょう。

属人化リスクの排除とガバナンス強化

経理業務の自動化により、業務手順が標準化され、属人的な業務運営から脱却できます。担当者の習熟度に左右されない、安定した業務品質を維持できるようになるでしょう。

また、ルールに基づいた自動処理が徹底されることで、内部統制の強化にも寄与します。従業員のスキルに依存せず、ガバナンスが強化されるのは大きなメリットです。

経理業務を自動化する方法

ここまで、経理業務の自動化のメリットを紹介しました。では、どのように経理業務を自動化すればよいのでしょうか。

経理業務を自動化する方法は、主に以下のとおりです。

・マクロを活用して、Excelを自動化する
・RPAを適用する
・AIを活用する

ここでは、上記の方法について解説します。

マクロを活用して、Excelを自動化する

Excelのマクロ機能を活用することで、定型的な経理業務の自動化が可能です。請求書の作成や仕訳入力、データの集計など、繰り返し行う作業の効率化ができます。

Excelを使い慣れた経理担当者にとって、比較的に導入ハードルが低い自動化手法です。ただし、マクロによる自動化には、作業時間の短縮などのメリットがある一方、メンテナンスの手間などの注意点もあります。

RPAを適用する

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入することで、経理業務の自動化を幅広く実現できます。RPAとはアプリケーション操作を模倣するソフトウェアロボットで、定型的なPC作業を代行してくれる仕組みです。

伝票処理や取引先とのデータ送受信、帳票作成など、さまざまな経理業務の自動化に活用できます。経理業務向けのRPAツールを選ぶ際は、操作性や連携性、コストなどを総合的に判断しましょう。

AIを活用する

AIを活用することで、より高度で知的な経理業務の自動化が可能となります。単純な入力作業の自動化を超えて、会計処理の判断や不正検知などにもAIの力を活かせるのがメリットです。

AIによる自動化は、経理業務の付加価値をさらに高めるイノベーションとして注目されています。

AI-OCR(人工知能技術を活用した光学文字認識)技術を用いることで、証憑や請求書のデータを自動で読み取り、デジタルデータ化することが可能です。手書き文字の認識や、レイアウトが異なるさまざまな帳票の処理が可能になり、紙の証憑処理に費やしていた膨大な時間を削減し、経理業務の生産性を大きく高められます。

経理業務の自動化プロジェクトの進め方

経理業務の自動化を成功させるには、適切なプロジェクトの進め方が重要です。

経理自動化プロジェクトは、以下の手順を踏んで進めましょう。

・自動化対象業務を選定して、目標を設定する
・現行プロセスの分析を行う
・導入計画を策定する
・運用体制を整備する

ここでは、各ステップをそれぞれ解説します。

自動化対象業務を選定して、目標を設定する

経理自動化プロジェクトでは、まず自動化する業務を特定し、明確な目標を設定することが重要です。自動化による削減工数や、ミス率低減効果など、定量的な目標値を定めるのが望ましいでしょう。

自動化の対象は、処理件数が多く、ルールベースで判断できる定型業務から選ぶのが得策です。目標設定は、プロジェクトの方向性を明確にし、成果を評価するうえで欠かせません。

現行プロセスの分析を行う

現状の経理プロセスを分析し、自動化によって解消すべきボトルネックを明らかにします。業務フローを細かく可視化し、非効率や手戻りが発生している箇所を洗い出しましょう。

ボトルネック解消による業務改善効果を試算し、自動化の優先順位付けに活用します。現行プロセスの分析は、自動化の効果を最大化するために重要なステップです。

導入計画を策定する

自社の経理業務に最適な自動化ソリューションを選択し、導入に向けた具体的な計画を立案します。RPAやAI-OCR技術、マクロなど、各種ツールの特性を見極め、コストと効果のバランスを考慮して選定しましょう。

現行システムとの連携や、データ移行の手順、並行稼働期間なども計画に盛り込んでください。導入計画の策定は、自動化プロジェクトを確実に成功に導くために欠かせない作業です。

運用体制を整備する

自動化後の運用体制を整え、継続的な改善サイクルを回していくことが自動化の成功の鍵となります。自動化スクリプトのメンテナンスや、エラー対応を担う体制を整備しましょう。

また、自動化された業務のパフォーマンスを定期的にモニタリングし、改善につなげていく仕組みを作ることも重要です。運用体制の整備は、自動化の効果を持続させるために欠かせません。

自動化によって経理担当者に求められるスキル

経理業務の自動化が進むことで、経理担当者の役割はより戦略的で高度なものへとシフトしていきます。そのなかで、経理担当者には、以下のスキルが重要になるでしょう。

・データ分析・活用スキル
・マネジメント力

ここでは、上記のスキルをそれぞれ解説します。

データ分析・活用スキル

自動化時代の経理担当者には、財務データの分析・活用能力がこれまで以上に求められます。特に、大量のデータから本質的な情報を見抜き、事業部門に有効な提案をする力が重要です。

ITスキルを身に付け、AIやデータ分析ツールを使いこなせるようになる能力も欠かせません。近年は、AIの進化が目まぐるしいため、常に新しい技術にアンテナを張る姿勢が必要になります。

マネジメント力

経理部門が自動化プロジェクトを主導するには、強力なリーダーシップとマネジメント能力が不可欠です。自動化の目的や効果を社内に説得力をもって訴求し、関係部門の協力を引き出せる調整力が鍵を握ります。

不測の事態にも冷静に対処し、プロジェクトを軌道に乗せ続けるタフなマネジメント力も求められるでしょう。

経理業務の自動化を成功させて、新しい経理の役割を担おう

経理業務の自動化は、業務効率の改善やコスト削減、ミス防止など、多くのメリットをもたらします。自動化の主要な方法は、Excelのマクロの活用や、RPAの適用、AI-OCR技術の使用などです。

自動化プロジェクトを進める際は、まず目的と改善点を明らかにしたうえで、自社にとって費用対効果の高いシステムを選定しましょう。

自動化を推進したら、経理担当者は、より戦略的で付加価値の高い経理の役割を果たしていくべきです。自動化の推進は、経理部門にとって大きなチャンスであると同時に、避けては通れない変革の道でもあります。

変化を恐れず、新しい経理の在り方を追求することで、企業経営に不可欠な存在としての地位を盤石にしていきましょう。

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