法人カード×経費精算システム連携で手間とムダを削減! 選定ポイントと活用法

経費精算業務の効率化と適正化は、企業の生産性向上とコンプライアンス強化に直結する重要な課題となっています。その課題解決の鍵を握るのが、クレジットカード連携に対応した経費精算システムの導入です。
本記事では、カード連携で実現する経費精算の課題解決と、システム選定・運用のポイントについて解説します。法人カードと経費精算システムの連携で業務効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
従来の経費精算の課題とカード連携での解決策
従来の経費精算プロセスには、非効率性や不正のリスクなど、さまざまな課題が存在しています。そのなかで、クレジットカードとシステムの連携は、こうした課題を解決に導く有効な手段です。
ここでは、従来の経費精算の問題点と、カード連携がもたらす解決策について詳しく見ていきましょう。
申請・承認プロセスの非効率性と業務負荷の高さ
従来の経費精算は、紙ベースの申請・承認作業による手間とミスのリスクが課題です。領収書や申請書の収集、内容の確認、手入力によるデータ化など、一連の作業に多くの時間と手間がかかります。
また、紙ベースの処理では、申請内容の不備やデータ転記ミスなどが発生しやすく、修正作業が頻発します。こうした非効率性と高い業務負荷は、生産性の低下に大きくかかわってくるのです。
不正経費の抑止と法人カード導入の相乗効果
法人カードの導入により、利用明細から不正な経費をチェックできるようになります。個人のカード利用では、いつ・どのようなものに使用したのか、経費の実態が見えにくいでしょう。法人カードを導入すれば利用状況を可視化し、不正や過剰な支出を抑止できます。
また、経費ルールに基づいたカード利用を徹底することで、会社の経費管理方針に沿った、適切な支出が可能です。
システム連携で実現する経費管理のDX化
カード連携システムの自動連携機能により、ペーパーレス化とデータ活用を推進できます。領収書などの紙資料を電子化し、カード利用データと自動紐付けすることで、経費処理のデジタル化が可能です。
また、デジタル化されたデータを分析・活用することで、経費の可視化や予算管理の高度化につなげられます。経費管理のDX化は、業務効率化と経営の高度化の両面で大きな効果を得られるのです。
クレジットカード連携対応の経費精算システムの導入メリット
クレジットカード連携に対応した経費精算システムの導入は、以下のメリットをもたらします。
・手入力作業を削減できる
・スピーディーに経費を把握できる
・分析・レポート作成が容易になる
ここでは、カード連携システムならではの導入効果について、詳しく見ていきましょう。
手入力作業を削減できる
カード利用データの自動連携により、申請・入力の手間を大幅に削減できます。法人カードの利用明細を経費精算システムに自動で取り込むことで、手作業でのデータ入力が不要となるのです。
これにより、申請者の作業負担が減るだけでなく、経理担当者の確認・承認作業も効率化できます。手入力作業の削減は、経費精算業務の生産性向上に大きく寄与するでしょう。
スピーディーに経費を把握できる
リアルタイムの経費データ同期により、常に最新の情報を把握することが可能です。カード利用データをシステムにリアルタイムで連携することで、いつでも最新の経費状況をチェックできます。
また、部門やプロジェクト単位での予算消化状況をタイムリーに把握し、効果的な予算管理・統制が可能になります。経費情報のリアルタイム把握は、適切な意思決定とコスト最適化に役立つでしょう。
分析・レポート作成が容易になる
一元化された経費データにより、部門・プロジェクト単位の分析とレポートの作成が容易になります。カード利用データを含む経費情報の一元管理は、データの整合性と信頼性の向上に欠かせません。
また、統合されたデータを基に、部門別や案件別の経費分析、予実差異の把握、レポート作成などが簡単に行えます。経費データの活用は、経営を可視化し、意思決定の質を高める大切な要素です。
クレジットカード連携対応の経費精算システム10選
ここからは、クレジットカード連携に対応したシステムをご紹介します。
これらのシステムを導入することで、決済の自動化や取引の効率化が可能になり、ユーザーの利便性向上にもつながります。ビジネスの成長をサポートする多彩な機能を備えたシステムを、ぜひご検討ください。
らくらく通勤費
項目 | 内容 |
料金 | 初期費用:150,000円~ 月額費用:6,000円~ |
無料トライアル | 〇(14日間) |
主な機能 |
・経路検索エンジン搭載 など |
らくらく通勤費は経路検索エンジンや地図連携により、最適な通勤ルートの自動計算が可能です。高速道路料金にも対応し、定期券管理や勤務日数の取り込み、片道精算など、多様な機能を備えています。複数勤務地にも対応しており、通勤費精算の手間を大幅に削減します。
freee経費精算
項目 | 内容 |
料金 | 月額10,000円(税抜) +従量課金月額650円/人(税抜) |
無料トライアル | 〇 |
主な機能 |
・交通系ICカード連携 など |
freee(フリー)経費精算は、交通系ICカードやクレジットカードとの連携が可能な経費精算システムです。領収書の重複チェック、Slack通知、申請共有、仕訳・消込の自動化、レポート分析など、経費精算の効率化に役立つ機能が充実しています。
電子帳簿保存法とインボイス制度にも対応し、企業の経理業務をスムーズにサポートします。
ジョブカン経費精算
項目 | 内容 |
料金 |
初期費用・サポート費用:0円/月 ・中・小規模企業 ・大規模企業(500名目安) ※1ユーザあたりの料金 |
無料トライアル | 〇(30日間) |
主な機能 |
・スマホ申請 など |
ジョブカン経費精算は、スマホからの申請・承認や代理申請が可能な経費精算システムです。QRコード承認や仕訳・FBデータ作成、交通費自動計算などの機能があり、三井住友VISAコーポレートカードとの連携も可能です。
初期費用は無料で、中小規模企業向けにリーズナブルな月額料金プランを提供しています。
バクラク経費精算
項目 | 内容 |
料金 | 月額30,000円〜(税抜) |
無料トライアル | 〇 |
主な機能 |
・領収書一括自動読み取り など |
電子帳簿保存法対応 | 〇 |
インボイス制度対応 | 〇 |
バクラク経費精算は、AI-OCRによる領収書自動データ化、電子帳簿保存法対応、柔軟なワークフロー設定が可能なクラウド型経費精算システムです。単に文字を読み取るだけでなく、日付、金額、支払い先といった経費精算に必要な情報を高精度に抽出。会計ソフト連携で経理業務も効率化します。
TOKIUM経費精算
項目 | 内容 |
料金 | 初期費用 +基本利用料:月あたり10,000円〜(税抜) +領収書の件数に基づく従量課金制 |
無料トライアル | × |
主な機能 |
・スマホアプリで経費精算 など |
TOKIUM(トキウム)経費精算は、領収書のスマホ撮影から申請・承認まで一括して完結できる経費精算システムです。データ化、原本の点検・保管まで代行し、経費精算の手間を大幅に削減します。スマホ操作で直感的に利用でき、企業全体の効率化をサポートします。
導入企業数は2,000社以上、電子帳簿保存法にも対応しています。
マネーフォワード クラウド経費
項目 | 内容 |
料金 |
・50名以下の企業 ・51名以上の企業 |
無料トライアル | 〇(1ヶ月) |
主な機能 |
・経費明細を自動取得 など |
マネーフォワード クラウド経費は、経費精算の効率化をサポートするクラウド型システムです。クレジットカード・ICカード連携、領収書のOCR読み取り、自動仕訳、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応など、豊富な機能を提供しています。
企業規模に応じた料金プランも用意されており、中小企業から大企業まで幅広く利用可能です。
Concur Expense
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル | × |
主な機能 |
・ICカードとの連携 など |
Concur Expense(コンカーエクスペンス)は、SAP Concurのクラウド型経費精算システム。QR決済アプリやタクシー配車、ホテルなど、多様なサービスと連携し、経費支出明細が自動で取り込まれます。ICカード連携により、交通費精算の効率化も実現できるサービスです。
MOT経費精算
項目 | 内容 |
料金 |
初期費用31,500円+月額費用3,980円/20ID ※21ID以上のプランを希望の場合は要問合せ |
無料トライアル | 〇 |
主な機能 |
・経費精算 など |
MOT(もっと)経費精算は、交通費や出張費、交際費の精算など、経費管理業務を効率化するシステムです。SuicaやPASMOなどの交通系ICカード取り込み、「駅すぱあと」との連携による経路・運賃自動計算、会計ソフト「勘定奉行」との連携機能を標準装備しています。
WAVE225
項目 | 内容 |
料金 |
【CPUライセンスプラン】 ・WAVE225稟議 ・intra-mart Accel Platform アドバンスト版 【クラウドサービスプラン】 ・TypeM ・TypeL ・TypeXL ■オプション ※すべて税抜 |
無料トライアル | ? |
主な機能 |
・旅費・経費精算機能 など |
WAVE(ウェーブ)225は、旅費・経費精算や稟議の効率化を支援するパッケージソリューションです。業務ルールや社内規定に合わせた柔軟なカスタマイズが可能で、ペーパーレス化やテレワーク推進にも対応。グループ会社での共通利用や、複雑な決裁権限にも適応できる機能を備えています。
ライセンス料金もユーザー数や申請数に依存しないため、大企業にも多く導入されています。
ジンジャー経費
項目 | 内容 |
料金 |
初期費用+ご希望サービスの利用料月額300円〜×利用人数 ※すべて税抜 |
無料トライアル | 〇(1ヶ月) |
主な機能 |
・スマートフォンアプリ対応 など |
ジンジャー経費は、スマートフォン対応の経費精算システムです。クレジットカード連携、領収書・請求書の自動読み取り機能があり、申請・承認業務を効率化します。規程違反の確認やデータ出力など、便利な機能も充実しています。料金は「初期費用+月額利用料」で、プランが柔軟に選べます。
クレジットカード連携対応の経費精算システムの選定ポイント
クレジットカード連携に対応した経費精算システムを選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。
・利用予定のクレジットカードブランドに対応しているか
・データ連携のスピードを確認する
・自動仕訳・経費振り分けの柔軟性はどうか
ここでは、システム選定の際に重視すべきポイントについて詳しく解説します。
利用予定のクレジットカードブランドに対応しているか
経費精算システムの選定時は、VISAやMastercardなど、自社が利用予定のカードブランドへの対応状況を確認しましょう。一般的なクレジットカードだけでなく、購買系カードやデビットカードなどへの対応状況も、併せてチェックすることが望ましいです。
データ連携のスピードを確認する
システムがリアルタイム連携に対応しているか、また、連携の頻度はどのくらいかを確認することが肝要です。カード利用のタイミングでデータが反映されるリアルタイム連携が可能か、それとも日次や週次の連携かを確認してください。
リアルタイム連携の実現有無や、望ましい連携頻度がシステムで設定できるかの見極めも重要です。
自動仕訳・経費振り分けの柔軟性はどうか
カードデータ取り込みの精度と、経費科目の自動・手動設定機能の柔軟性を比較することが大切です。カードの利用明細が経費精算システムに正しく取り込まれ、過不足なくデータ化されるかに注目しましょう。
また、自動的に経費科目に振り分ける機能の精度を見極め、振り分けルールのカスタマイズや手動変更が可能かもチェックすべきです。
カード連携対応の経費精算システムの運用ポイント
カード連携に対応した経費精算システムを導入しても、運用面での工夫がなければ、その効果を十分に発揮できません。ここでは、システムを最大限に活用するための、以下の運用ポイントを解説します。
・継続的に改善を行う
・社内ルールに適した利用ガイドラインを策定する
・カード連携を起点とした承認フローの最適化
継続的に改善を行う
経費データを定期的にモニタリングし、無駄を発見・改善するサイクルを回すことが大切です。部門別や案件別など、さまざまな切り口で経費データを分析し、改善すべき点を洗い出しましょう。
分析で得られた気付きを関係者にフィードバックし、経費ルールや運用方法の見直しにつなげることが肝要です。
社内ルールに適した利用ガイドラインを策定する
経費ルールに合った法人カードを選定し、明確な利用ガイドラインを整備・周知徹底しましょう。経費の使途や上限額など、自社の経費ルールに適したカードの機能・特徴を備えたものを選ばなければなりません。
カードの利用目的や限度額、申請・報告の方法などを規定したガイドラインを作成し、従業員に浸透させることが不可欠です。
カード連携を起点とした承認フローの最適化
カード利用と連動した、効率的な申請・承認ルートを設計することが運用のポイントとなります。カード利用時に必要な申請や上長承認のステップ、タイミングなどをしっかり見直してから、最適化を図りましょう。
申請・承認・経理処理までの一連の流れを洗い出し、ボトルネックの解消や、無駄な手順の削減も欠かせません。
今すぐカード連携システムを導入して、経費精算を変えよう!
経費精算システムと法人カードの連携により、申請・承認作業の負荷軽減や、経費の可視化、不正の抑止など、メリットが非常に大きくなります。カード連携によって無駄なく、効率的な経費管理を実現しましょう。
導入の際は自社の経費ルールや運用体制を整備しつつ、最適なシステムを選定し、活用することが成功の鍵を握ります。本記事で解説した情報を参考に、カード連携対応の経費精算システム導入を検討してみてください。