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インボイス制度スタートで経費精算はどう変わる? システム導入が解決のカギ

インボイス制度スタートで経費精算はどう変わる? システム導入が解決のカギ

インボイス制度は、適正な税務処理と複数税率対応を目的とした新たな仕組みです。消費税の仕入税額控除の方式として導入され、適格請求書の発行・保存を義務付けることで、税の透明性を高めることを目指しています。

本記事では、インボイス制度対応の経費精算システムの機能や選び方について解説します。インボイス制度対応の経費精算システムの導入を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にし、運用の成功にお役立てください。


インボイスが経費精算にもたらす影響

インボイス制度の導入により、経費精算業務は大きな影響を受けます。ここでは、以下の3点を紹介します。

  • 適格請求書の確認作業が新たに発生
  • 少額取引にも領収書の入手が必要に
  • 仕訳帳の記載ルールが大きく変更

適格請求書の確認作業が新たに発生

インボイス制度開始後の経費精算では、適格請求書の確認作業が必要になります。経費の領収書やレシートが「適格請求書」に該当するかどうかを1枚ずつチェックし、仕分ける作業が発生するのです。

適格請求書の記載事項に不備がある場合、仕入税額控除を受けられないため、慎重な確認が求められます。

少額取引にも領収書の入手が必要に

インボイス制度では、3万円未満の少額取引でも領収書の入手が必須です。従来は3万円未満の経費は帳簿のみの保存でも仕入税額控除を受けられる特例がありました。インボイス制度ではその特例が原則廃止されたのです。

そのため、コンビニでの文具購入などの些細な支出についても、漏れなく適格請求書を取得する必要があります。

仕訳帳の記載ルールが大きく変更

仕訳帳の記載ルールや必要情報にも、これまで以上の正確さが求められます。適格請求書の記載事項を仕訳帳に詳細に反映する必要があり、税率ごとに支払対価の額や消費税額などを記帳しなければなりません。

これまでの記帳方法では不十分となるため、経理担当者は新ルールを理解し、適切な処理を行う必要があります。


インボイス制度対応の経費精算システム導入のメリット

インボイス制度への対応は、手作業では非効率で多大な工数がかかります。そこで、経費精算システムを導入することで、以下のメリットを得られます。

  • 照合作業の大幅な削減で生産性アップ
  • 請求書チェックの自動化でミスがなくなる
  • システムを使えば、領収書スキャンで仕訳・税額計算ができる
  • 経過措置にも柔軟に対応できる

それぞれのメリットを、詳しく解説します。

照合作業の大幅な削減で生産性アップ

経費精算システムの導入により、領収書と申請内容の突合せや、適格請求書のチェックなどの作業を効率化できます。これにより経理担当者は照合作業から解放され、より付加価値の高い業務に注力することが可能です。

照合作業の自動化によって経理業務の負担が大幅に削減され、作業のスピードと精度が向上します。

請求書チェックの自動化でミスがなくなる

人力でのチェックでは見落としや計算ミスなどが起こりやすく、修正作業が必要になるものです。経費精算システムを使うことにより、請求書のチェックが自動化されます。

これにより人的なミスを防ぎ、確実・正確な処理を実現可能です。

システムを使えば、領収書スキャンで仕訳・税額計算ができる

経費精算システムの導入により、領収書のスキャンだけで仕訳や税額計算が可能です。AIやOCR(光学的文字認識)技術を活用し、領収書の情報を自動で読み取り、仕訳データを生成できます。

また、適格請求書のチェックや税率ごとの消費税額計算も自動化されるため、処理のスピードと正確性が格段に向上するのです。

さらに詳しくはこちら

AI-OCR機能搭載の経費精算システム8選! 導入のメリットや選ぶポイントを解説

経過措置にも柔軟に対応できる

経費精算システムは、インボイス制度の経過措置にも柔軟に対応可能です。制度開始から6年間は、免税事業者からの仕入れの一部について、経過措置として仕入税額控除の80%や50%の控除が認められています。

経費精算システムではこうした経過措置にも対応でき、法令に則った適切な処理も自動で実行可能です。


インボイス制度対応の経費精算システムの機能

インボイス制度への適切な対応には、専用の機能を備えた経費精算システムが不可欠です。ここでは、インボイス制度対応に必要な経費精算システムの主要機能について解説します。

  • 発行事業所の登録状況を自動判定
  • 消費税額を税率ごとに自動計算
  • 法令遵守の帳簿作成を自動化

こうした機能を備えたシステムを選定することが、制度対応の成否を分ける鍵となるでしょう。

発行事業者の登録状況を自動判定

インボイス制度対応には、適格請求書発行事業者の登録状況を自動で判定する機能が必要不可欠です。しかし、取引先が適格請求書発行事業者であるかを1件ずつ確認するのは、非常に手間がかかります。

そのため、経費精算システムには国税庁の公表サイトなどと連携し、取引先の登録状況を自動でチェックする機能が求められます。

消費税額を税率ごとに自動計算

システム選定の際には、税率ごとの消費税額を自動で計算できる機能があるか確認しましょう。インボイス制度下では、8%と10%の複数税率に対応し、税率ごとに消費税額を計算する必要があります。

人力での計算は手間がかかり、計算ミスも起こりやすいため、システムによる自動計算が不可欠です。税率ごとの自動計算により、処理の正確性と効率性が飛躍的に向上します。

法令遵守の帳簿作成を自動化

インボイス制度対応のためには、法令に沿った帳簿作成を自動化する機能が必要です。インボイス制度では適格請求書の保存と帳簿付けが義務付けられており、記載事項にも変更が生じます。

これらを正しく遵守して帳簿を作成するには、法令に精通した専門性が求められます。システムを活用することで、効率的に対応が可能です。


インボイス制度対応の経費精算システム7選

ここからは、インボイス制度に対応したシステムをご紹介します。適格請求書の発行や管理、税務申告の効率化など、業務負担を軽減する便利なツールを厳選しました。自社の業務フローに最適なシステムを導入することで、法令遵守と業務効率の両立を目指しましょう。

HRMOS経費

項目

内容

料金

初期費用:0円
月額費用:29,000円~(税抜)

無料トライアル

主な機能

  • 交通費精算
  • 経費申請・精算
  • 出張申請・精算
  • 支払依頼(請求書処理)
  • 汎用ワークフロー
  • 請求書発行
  • クレジットカード連携
  • ICカード読込

など

対応書類の範囲

  • 領収書
  • 請求書

HRMOS(ハーモス)経費は、経費精算に関連した法改正に合わせて、税理士法人監修の下で常に機能をアップデート。法改正のたびに発生する調査や対応コストを、大幅に削減できます。経費や出張の申請・精算、支払依頼、会計ソフトとの連携など、経理業務の悩みを解決する機能も豊富です。

freee経費精算

項目

内容

料金

月額10,000円(税抜)
+従量課金月額650円/人(税抜)

無料トライアル

主な機能

  • 交通系ICカード連携
  • 領収書の重複チェックアラート
  • 小口現金管理
  • Slackでの通知・承認コメント
  • 銀行やクレジットカードなどの金融機関と連携
  • 申請の共有機能
  • 入力ルール設定
  • 仕訳・消込自動化
  • レポート分析
  • 会計ソフト連携

など

対応書類の範囲

  • 領収書

freee(フリー)経費精算は、経費精算を自動化するクラウド型システムです。AIが領収書を自動で読み取るため、日付・金額などといった申請内容の入力の手間を省きます。スマホアプリを使い、領収書を撮影するだけで経費申請ができる、手軽さも魅力です。

さらに、freee人事労務と連携することで勤怠管理・経費精算を効率化し、給与計算や月次決算の早期化が実現できます。

ジョブカン経費精算

項目

内容

料金

初期費用・サポート費用:0円/月

  • 中・小規模企業

ジョブカンワークフロー:300円/月
ジョブカン経費精算:400円/月
経費精算・ワークフローセット:600円/月

  • 大規模企業(500名目安)

要問合せ

※1ユーザあたりの料金

無料トライアル

〇(30日間)

主な機能

  • スマホ申請
  • 代理申請
  • 承認とコメント
  • 承認経路分岐・作成
  • QRコード承認
  • 仕訳・FBデータ作成
  • 会社独自の仕訳項目設定
  • 交通費の自動計算(と定期券控除)
  • タイムスタンプ

など

対応書類の範囲

  • 領収書
  • 請求書

ジョブカン経費精算は、スマホで簡単に経費申請ができるクラウド型システムです。スマホで領収書を撮影し、そのまま添付や申請ができます。

また、承認作業は出張やテレワーク時でも、スマホアプリ・ブラウザからスムーズに行うことが可能。承認が必要な申請があるとメールやチャットで通知が届くため、承認漏れを防ぎ、迅速な対応が取れます。

バクラク経費精算

項目

内容

料金

月額30,000円〜(税抜)

無料トライアル

主な機能

  • 領収書一括自動読み取り
  • 二重申請自動検知
  • 稟議との紐付け
  • 承認経路分岐
  • 交通経路検索 /定期区間控除
  • 代理申請 / 代理承認
  • 請求書支払も対応
  • スマホアプリでの申請・承認
  • 自動仕訳と会計ソフト連携

など

対応書類の範囲

  • 領収書
  • 請求書

バクラク経費精算は、インボイス制度に対応したクラウド型経費精算システムです。インボイスの登録番号判定機能を搭載し、目視確認の手間を削減するとともに、不正や申請ミスを防止します。

複数枚のレシートや領収書をアップロードすることで、AI-OCR(AI技術を活用した光学的文字認識)での一括自動読み取りが可能です。最大100枚まで同時に読み取りできます。電子帳簿保存法にも対応し、タイムスタンプ付与により原本保存が不要のため、ペーパーレス化を実現します。

TOKIUM経費精算

項目

内容

料金

初期費用
+基本利用料:月あたり10,000円〜(税抜)
+領収書の件数に基づく従量課金制

無料トライアル

×

主な機能

  • スマホアプリで経費精算
  • 交通費精算
  • 領収書画像の自動データ化
  • 仕訳データは会計ソフトと連携
  • 電子帳簿保存法対応
  • API連携
  • 規定違反のアラート
  • 原本との突合点検・原本保管を代行

など

対応書類の範囲

  • 領収書

TOKIUM(トキウム)経費精算は、スマホから簡単に経費精算できるクラウドシステムです。領収書撮影からデータ化、原本保存まで対応し、経費精算にかかる時間を大幅に削減します。交通費精算も、交通系ICカードの読み取りやモバイルICカード明細の自動取得でスムーズに行えます。

入力作業は複数オペレーターでチェックを行い、高い精度を確保。使いやすさでNo.1を獲得した実績もあり、多くの企業で導入されています。

マネーフォワード クラウド経費

項目

内容

料金

  • 50名以下の企業

各プランの基本料金+従量課金(6名以上で利用の場合1名あたり500円)+各種オプション料金

  • 51名以上の企業

初期費用+月額料金

無料トライアル

〇(1ヶ月)

主な機能

  • 経費明細を自動取得
  • 領収書画像データの自動取得
  • オペレーター入力・OCR入力
  • ICカードから交通費入力
  • 申請・承認がアプリで完結
  • 仮払
  • 外貨対応
  • 領収書オンラインチェック、一括確認
  • 不備入力防止
  • チャット機能

など

対応書類の範囲

  • 申請書
  • 領収書
  • レシート

マネーフォワード クラウド経費は、経費精算を自動化するクラウド型システムです。交通系ICカードやクレジットカードと連携し、明細データを自動取得。領収書はスマホで撮影するだけでOCR機能が読み取り、入力の手間を省きます。

申請・承認もスマホアプリやWebで完結。マネーフォワードビジネスカードと連携すれば、従業員立替精算も不要です。

ジンジャー経費

項目

内容

料金

初期費用+ご希望サービスの利用料月額300円〜×利用人数
※すべて税抜

無料トライアル

〇(1ヶ月)

主な機能

  • スマートフォンアプリ対応
  • 規程違反の確認
  • クレジットカード連携
  • 領収書・請求書の自動読み取り
  • 各種申請・承認
  • 経費処理
  • データ出力

など

対応書類の範囲

  • 領収書
  • 申請書

ジンジャー経費は、経費精算業務を効率化するクラウド型システムです。申請から承認、仕訳、振り込みデータ作成までをワンストップで処理できます。OCR機能で領収書を自動読み取り、クレジットカード連携で明細の自動取得も可能。手入力の手間を削減し、ミスを防止します。

スマートフォンアプリにも対応し、外出先でも簡単に経費精算ができます。


インボイス制度対応の経費精算システムの選び方

インボイス制度対応の経費精算システムを選ぶ際は、自社の業務特性に合致して制度要件を満たすシステムを見極める必要があります。ここでは、システム選定の際に重視すべき観点について詳しく解説します。

  • 適格請求書の自動チェック機能があるか
  • 税率ごとの自動計算と仕訳作成ができるか
  • クラウド対応で場所を問わず利用できるか
  • 将来の法改正にも柔軟に対応できるシステムか

これらのポイントを踏まえて慎重に選定することで、インボイス制度への適切な対応を実現できるでしょう。

適格請求書の自動チェック機能があるか

経費精算システムには、取引先が適格請求書発行事業者であるかを自動で判定する機能が必要不可欠です。請求書発行事業者の登録状況を1件ずつ目視で確認するのは、非効率で工数がかかります。

そのため、国税庁の公表サイトなどと連携し、登録状況を自動チェックできるシステムを選ぶことが重要です。登録状況の自動判定により、適格請求書のチェック作業を大幅に効率化でき、インボイス制度に適切に対応することが可能になります。

税率ごとの自動計算と仕訳作成ができるか

インボイス制度では8%と10%の複数税率に対応する必要があるため、税率ごとに消費税額を自動計算できる機能が求められます。人力での消費税額計算は手間と時間がかかるうえ、計算ミスのリスクも高いです。

自動計算された税率ごとの消費税額を基に、インボイス制度で義務付けられている法令に則った仕訳まで自動で作成できる、システムの導入が必要になります。それによって、会計処理の正確性と効率性が格段に向上させられるのです。

クラウド対応で場所を問わず利用できるか

経費精算業務はタイムリーな処理が求められるため、場所を問わずいつでも利用できる環境を整えることが重要です。クラウド対応のシステムを選定することで、出張中や営業先、テレワークなどで社外にいる際にも、リアルタイムでの経費申請や承認、税額計算などが可能になります。

ペーパーレス化も実現できて、経費関連書類の電子化・一元管理により、経理業務全体の生産性アップにも寄与します。

将来の法改正にも柔軟に対応できるシステムか

消費税法は今後も変更される可能性が高いため、将来の法改正にも柔軟に対応できるシステムの選定が必要です。アップデートやカスタマイズがしやすい設計・構造のシステムであれば、法令変更の都度、速やかに改修を行い、新ルールに適合できます。

強固なサポート体制のあるベンダーのシステムを選ぶことで、法改正対応を任せられます。また、自社の工数を最小限に抑えることも可能です。


インボイス制度を乗り切るために、今すぐ経費精算システム導入を検討しよう

企業はインボイス制度対応のために、経費精算システムの導入を急がなくてはなりません。手作業での処理では非効率で、ミスのリスクも高いからです。経費精算システムを導入し、業務効率化と法令遵守を実現することで、制度変更を円滑に乗り越えることができます。

本記事で解説したポイントを参考に、自社に最適な経費精算システムを選定し、インボイス制度への万全な対応を実現してください。経費精算の仕組みを抜本的に見直すことで、業務効率化とコンプライアンス強化を同時に達成しましょう。


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