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離職率の計算方法は? 公表時に留意したいことについても解説

離職率の計算方法は? 公表時に留意したいことについても解説

離職率の計算方法は明確に定められておらず、法的根拠もありません。公表するかどうかも企業の判断によるため、離職率を計算する時には目的を持って行うことが大切です。

今回は、離職率の一般的な計算方法や公表時に留意したいことについて解説します。離職率を計算し、経営の改善に活用したい方は、ぜひ参考にしてください。


この記事の監修者
北原中小企業診断士事務所  代表 

離職率の計算方法

離職率の計算方法には法的根拠はなく、明確な計算方法も定められていません。そのため、場合によってさまざまな計算方法が考えられますが、一般的な計算方法は以下のとおりです。

【離職率の計算式】

  • 離職率=離職した従業員数÷従業員数×100(%)

離職率については、上記の計算をベースに「新卒入社3年以内の離職率」や「中途採用者の離職率」など、入社年数や属性を分けて、さまざまな種類の離職率を求めることができます。

離職率をどのように活用するか、目的を定めてから計算式を検討するとよいでしょう。


状況別の離職率計算方法

1.新卒3年以内離職率の計算式

2022年に新卒3年以内の離職率を計算する場合、起算点は3年前の2019年となるため、以下のような計算式になります。

【新卒3年以内の離職率の計算式】

  • 新卒3年以内の離職率=起算点から新卒3年以内で離職した従業員数÷起算点(2019年新卒入社)で採用した新卒従業員数×100(%)

たとえば、2019年に採用した新卒従業員数が10人、そのうち3年後の2022年までに離職した人数が3人の場合を計算してみましょう。

  • 新卒3年以内の離職率=3人÷10人×100%=30%

2.1年間の離職率の計算式

企業の年間の離職率を算出したい時の計算式は、以下のとおりです。

【年間離職率の計算式】

  • 年間離職率=期首から期末までの1年間で離職した従業員数÷期首時点での従業員数×100(%)

たとえば、期首に従業員数が100人おり、期末までの1年間に10人が離職した場合を考えてみましょう。

  • 年間離職率=10人÷100人×100(%)=10%

すでに述べたとおり、離職率には明確な計算方法の定義はありません。ただ、年間離職率を計算する場合は、期首の従業員数と期首から期末までの1年間の離職者数の比較が好ましいでしょう。

たとえば、1年間で10名が離職し、10名を採用していた場合、期首と期末の従業員数は変わらず、離職率は0%となり正しい状況把握ができなくなるからです。


計算した離職率を公表する際に留意したいこと

ここからは、計算した離職率を外部に公表する際に留意したいことについて見ていきましょう。

1.公表は義務ではないため、慎重に判断する

離職率の公表は義務化されていないため、公表するかどうかは慎重に判断するようにします。企業の規模や離職率の計算方法、またそれぞれの企業の事情により離職率は変動するからです。

やみくもに離職率を公表した場合、数字のみが一人歩きをして採用等に悪い影響が出てしまいかねません。そのため、離職率を公表する際には誤ったイメージが広がらないよう、注意して公表しましょう。

2.離職率の算出基準を明確にする

離職率の算出方法には基準期間や属性などさまざまな計算方法があり、計算方法によって数字が大きく変わることも少なくありません。そのため、離職率の算出の目的を明確にし、算出する基準も明確に定めることが大切です。

3.算出した離職率を経営に活かす

離職率は算出して終わらせないことも重要です。離職率は様々な算出基準があり、計算方法によって結果も大きく異なる場合もあります。

たとえば、「年間離職率は低いが、新卒3年以内離職率が高い場合」などは、「長く働いている従業員には働きやすいが、新卒従業員を育成するシステムが不十分」といった課題が読み取れます。算出した離職率に基づき、経営を改善する姿勢が大切です。


離職率の計算方法のまとめ

離職率の計算方法には法的根拠はなく、明確な計算方法も定められていません。離職率をどのように活用するのか、目的を定めてから計算することが大切です。

また、離職率は公表も義務付けられていませんので、公表には慎重な判断が必要です。ただし、離職率は経営の改善に活用できますので、目的に合った計算方法で算出するようにしてください。


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監修者プロフィール

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北原 竜也

北原中小企業診断士事務所 代表

2017年に中小企業診断士を取得。補助金等の事業計画書作成支援を中心にコンサルティングを開始。

ITコーディネータ、健康経営エキスパートアドバイザーの資格も保有しており、中小企業を中心に幅広い知見を活かした支援・助言を行っている。

カウンセラーとしての側面もあり、カウンセリングの聴く技術を活かし、クライアントが望む姿を明確にし、具体的な行動に移せるコンサルティングを得意としている。

【保有資格】

・認定経営等革新支援機関 中小企業診断士

・ITコーディネータ

・健康経営エキスパートアドバイザー

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