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CSOとは? 役割やCOOとの違い、メリットを紹介

監修者:北原中小企業診断士事務所 代表  北原 竜也

CSOとは? 役割やCOOとの違い、メリットを紹介

CSOという役職を聞いたことがあるでしょうか。企業の戦略に関する最高責任者であるCSOですが、大手を中心に導入される企業も増えてきています。

これには、変化の激しい経営環境において、戦略立案の重要性や、実施スピードが重要になっているからと言われています。そこで今回は、CSOの役割や、設置するメリットなどについて解説していきます。


CSOとは?

CSOとは「Chief Strategy Officer」の略であり、日本語では「最高戦略責任者」と訳されます。その名の通り、経営における戦略部門の最高責任者です。

企業戦略は、CEO(最高経営責任者)が担う場合も多くありますが、グローバル化や経営環境の変化が激しい昨今においては、CSOを設けて、CEOの右腕として活躍する場面も増えています。

CSOを設置することによって、経営戦略の立案や、意思決定のスピードが上がり、市況や環境の変化に負けない競争力をつけることに期待できるでしょう。

CSOの設置が増加している背景

先にも挙げたように、昨今の企業経営は、グローバル化をはじめとして経営環境の変化が激しくなっています。このようななかで企業の課題となるのが、競争力の向上です。そのため、経営戦略の意思決定の迅速さが求められています。

こういった背景からCEOだけでなく、CSOを設置している企業が増えているのです。例えば外資系であれば、Microsoft、モトローラ、ユニバーサル・ピクチャーズなどが挙げられます。また国内企業でも、三菱重工やSONY、帝人といった企業で導入されています。

CEO・COO・CFOとの違い

先にも、CSOも経営戦略に関する責任者となる場合があると説明しました。それでは、CSOとその他の役職の違いを知るために、それぞれの意味を解説します。

  • CEO
    CEO(Chief Executive Officer)は、「最高経営責任者」という意味であり、企業経営のトップを指します。日本企業における代表取締役と同じように用いられることが多いです。
  • COO
    COO(Chief Operation Officer)は、「最高執行責任者」のことです。CEOが決定する経営方針や事業計画の業務執行に関する責任者になります。CEOの右腕的な立ち位置であり、企業によってはCSOとも近い位置づけで扱っている場合も多いです。そのため、企業によってはCSOとCOOの役割があいまいになっているケースもあります。
  • CFO
    CFO(Chief Financial Officer)は、「最高財務責任者」を指します。経営戦略の財務面で最高責任者としての役割を担います。キャッシュフロー管理や財務諸表の作成、資金調達といった企業活動における財務全般を担当しています。

CSOの役割

ここからはCSOが企業活動にて担っている役割について解説していきます。より具体的にCSOのことを知っていきましょう。

経営戦略の策定

CSOが持つ、大きな役割として中長期的な経営戦略の策定が考えられます。3~5年程度の中期的なものから、10年以上を見据えた長期戦略まで、企業の成長のための戦略立案を行います。新事業の設立や、企業規模の拡大など、幅広い戦略に取り組みます。

戦略の共有

立案した戦略を実施するためには、組織全体が同じ方向を見るための共有が必要です。戦略をどれだけ従業員全体が共通で認識できているかによって、戦略の実施スピードやクオリティは変わってきます。

そのため、戦略のスムーズな実施のために、戦略の共有もCSOの重要な役割といえます。


CSOを設置するメリット

ここからは、企業がCSOを設置するメリットについて解説します。CSOの必要性を感じている経営者は、これらも考慮して設置を検討してください。

戦略への意思決定の高速化

CSOを設置することで得られるメリットとして代表的なものに「戦略への意思決定への高速化」が考えられます。

CSOは経営戦略の立案・実施に特化した責任者であるため、CEOだけでは時間がかかっていた戦略の意思決定のスピードアップが図れます。経営環境の激しい現代において、企業経営では、戦略の迅速な意思決定が求められます。その点でCSO設置は、大きなメリットが得られると言えるでしょう。

横断的戦略を推進する

部署を横断した戦略の推進ができることもCSO設置によって得られるメリットです。部署やグループごとでの改善だけでなく、CSOは企業全体の戦略を見据えているため、そういった隔たりのない考えを持つことができます。企業規模が大きい企業において全体や横断的な戦略は難しい場合もあるため、CSOを設置することで、そういった問題が解決できるかもしれません。

次期CEOを育成できる

CSOは、企業において経営戦略の責任者であり、CEOの右腕のようなポジションとも言えます。そのため、CSOの経験は、CEOにも共通する部分があり、次期CEOの育成にも期待できます。


CSOの設置が必要な企業

自社にCSOが必要かどうかを判断するためには、以下を基準に考えてみてください。

  • グローバル化を目指している
  • 急速な事業拡大を図っている
  • 転換期にあり、イノベーションや戦略立案に大きな負荷がかかっている

こういった大規模な戦略立案が必要であったり、転換を求められている場合には、CEOのみで戦略の立案・組織への共有・実施を行うのは困難です。CSOに戦略に関する役割を集中させることで、CEOには経営判断などの経営トップとしての業務を遂行しやすくできます。


CSOについてのまとめ

CSOは、企業の戦略に関する最高責任者であり、経営において重要な役割を持っています。特にこれからの急速な成長や変化を目指している企業にとっては、CEOだけでなくCSOが必要になるかもしれません。

変化も激しく、グローバル化が進む現代において、企業の意思決定のスピードアップが目指せるCSOは、必要になる場面が増えてくることも考えられます。今回で解説したことを参考に、CSOの設置について改めて検討してみてください。


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監修者プロフィール

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北原 竜也

北原中小企業診断士事務所 代表

2017年に中小企業診断士を取得。補助金等の事業計画書作成支援を中心にコンサルティングを開始。

ITコーディネータ、健康経営エキスパートアドバイザーの資格も保有しており、中小企業を中心に幅広い知見を活かした支援・助言を行っている。

カウンセラーとしての側面もあり、カウンセリングの聴く技術を活かし、クライアントが望む姿を明確にし、具体的な行動に移せるコンサルティングを得意としている。

【保有資格】

・認定経営等革新支援機関 中小企業診断士

・ITコーディネータ

・健康経営エキスパートアドバイザー

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