ATS(採用管理システム)とは? 機能やシステム選びのコツを解説
ATS(採用管理システム)は、採用に関する業務をまとめて管理し、採用活動にかかる労力や時間を軽減できるシステムであり、近年導入する企業が増えています。
今回は、効率的な採用活動に役立つATSの機能やメリット、システム選びのコツを解説します。
自社にATSの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ATS(採用管理システム)とは?
ATS(採用管理システム)とは、Applicant(応募者)Tracking(追跡)System(システム)の頭文字を取った用語です。
採用に関する業務をまとめて管理し、採用活動にかかる労力や時間を軽減できるシステムとして注目されています。
ATSが注目されている背景
厚生労働省発表のデータが示すとおり、近年(平成26年度以降)は月間有効求職者数を月間有効求人数が常に上回っている状態が続いています。
令和4年10月の有効求人倍率(季節調整値)は1.35倍でした。
少子高齢化などを背景とした労働市場の状況を背景に、企業の人材獲得状況が年々厳しくなっていることが、採用管理システム(ATS)が注目されている大きな要因の一つです。
ATSの目的
ATSの目的は、採用に関わる一連の流れに必要な各作業を一元管理し、手作業で行う部分を可能な限り減らすことです。
採用活動は、企業にとって想像以上に時間と労力を要する業務です。
求人募集の媒体の選定や応募者との連絡、面接担当者の日程調整、各応募者の選考状況の追跡、関係者との情報の共有、採用不採用の判断、予算の管理、内定の最終判断など、一旦採用活動が始まれば、あらゆる対応を迅速かつ同時に進めていかなければなりません。
採用状況の見える化を図ることで、採用管理者の時間と労力を軽減し、効率的かつ効果的な採用活動を行うためにATSを導入する企業が増えています。
ATSでできること・主な機能
ここからは、ATSでできることや主な機能を紹介します。
情報の一元管理
ATSを用いることで、採用業務の一連の流れのほぼすべての行動を一元管理できます。
採用活動の起点となる、求人票の作成・媒体への掲載や応募者の受付管理、面接のスケジュール管理、選考状況の更新管理などを、すべてシステム上で入力・閲覧が可能です。
また、必要に応じて分析用のレポート作成なども行うことができます。
また、採用状況をほぼリアルタイムで把握できるため、経営判断による急な採用方針の変更が発生しても、柔軟な対処が可能になります。
採用データの分析
ATSは採用活動の各フェーズにおいて、採用データを基にしたより効果的な採用方法や求人媒体の選定に活用できます。
たとえば、応募者のデータを分析し、候補者の絞り込みを効率的に行うことが可能です。
また、複数の求人媒体を使用する場合、各媒体の対応力や応募率、採用率などをデータで比較できます。
採用データの分析を継続的に行うことで、社内の選考方針や採用基準も客観的なデータを元に見直すことができるでしょう。
ATSを導入するメリット
ここからは、ATSを導入する3つのメリットについて解説します。
時間とコストを削減できる
ATSは採用プロセスを管理する目的で構築されたシステムです。
基本的な採用の流れに沿って必要な作業項目があらかじめ用意されているため、担当者が一から採用活動のフローを構築する場合と比較して、時間とコストを大幅に削減できます。
また、採用プロセスに関わる社内の各部署の採用担当者や面接官など、それぞれの役割や立場に応じて必要な情報をシステム上で共有できるため、採用の基準や方針の見直しも効率的です。
業務の抜け漏れを防ぐことができる
採用活動にはさまざまな作業プロセスがあり、担当者には各候補者の選考状況に応じた臨機応変かつ迅速な対応が必要です。
さらに、応募者数の増加に伴い、担当者の作業量と時間は膨大かつ複雑なものとなります。
担当者がすべてを手作業で行う場合、必要な作業を忘れる、行うべき作業を見落とすなどの可能性が避けられません。
ATSを利用すれば、選考状況に応じて次の作業を予測した対策が見えるため、作業の抜け漏れ等を防ぐことができます。
更新がしやすく最新情報を常にチェックできる
ATSの種類によっては、採用活動に必要なさまざまな情報の自動更新を設定できる機能を備えています。
情報の更新がタイムリーかつ、自動または半自動で行えることで、担当者による細かい手作業のデータ更新を待たずに、関係者が最新の情報を共有できます。
一部のATSでは、応募者に対する面接日程の調整を半自動化してシステム上に最新のステータス情報が即座に反映されるため、関係者は常に最新情報をチェックできます。
ATSを選ぶ際のポイント
ATSにはさまざまなシステムがあるため、いざ導入を考えた際にどのATSがよいか迷うことも多いでしょう。ここからは、ATSを選ぶ際のポイントについて解説します。
コストと機能のバランスは適切か
どのATSが自社のニーズにより適していてかつコストが抑えられるか、コスト面と機能面の両面からバランスを考えて検討することが重要です。
コストが高い割には自社には必要のない機能が多い、あるいはコストは割安だが自社に必要な機能も足りない場合もあるかもしれません。
また、初期コストだけでなく、導入後のランニングコストや拡張時の追加コストも検討の対象になります。
さらに、各ATSの操作性も機能の一部として検討材料になるでしょう。
セキュリティ対策が整っているか
ATSの導入を検討する際、適切なセキュリティ対策が取られたシステムかどうかも重要です。
採用業務は個人情報を頻繁に扱う業務が中心となります。
よって、情報漏洩が発生しないよう、自社の担当者および関係者との情報共有の流れに沿って、十分なセキュリティ対策を講じておかなければなりません。
ATSにアクセスする人がテレワークで利用する場合も考慮し、必要なレベルのセキュリティ対策(例:SSL、Pマーク他)を講じる必要があります。
ニーズがあっているか
ATSは、開発を行う企業がそれぞれ独自の方針や目的で各機能を実装したシステムを販売しています。
そのため、ATSの導入を検討する際は、自社の採用に関してどのような機能のニーズがあるかを洗い出しましょう。
- 必須の機能
- コスト次第では利用したい機能
- なくても大きな支障はないがあると嬉しい機能
求職者が使いやすいか
ATSを選ぶ際には、求職者目線のシステムの操作性も確認しておく必要があります。
求職者にもシステムに直接応募情報を入力し、その後の選考の流れに沿って採用担当チームと連絡してもらう場合があるためです。
採用側の関係者が直接使用する機能面とコスト面に関心が向きがちです。
しかし、求職者の操作性に支障があると、応募を考えている求職者が会社に対して不信感を抱いたり、適切にシステムに情報を入力できずに応募をあきらめたりする可能性もあります。
ATSの代表的なツール
ここからは、ATSの代表的なツールについて解説します。
sonar ATS
- 新卒と中途の採用を統合管理できる
- 応募者へのメッセージ機能の自動化とフォローアクション機能で対応漏れを防げる
- 契約エージェントへの募集情報の一括公開やエントリーフォームとの連携ができる
sonar ATSは、さまざまな外部ツールとデータ連携ができます。
採用担当者が応募者と丁寧に向き合い、選考業務に集中できるように設計されているのが特徴です。
新卒と中途の採用を一括管理できるのも、入社後のタレントマネジメントの観点からも効率的です。
HERP Hire
- チャットツール連携でスムーズなスクラム採用(現場社員巻き込み型)の浸透ができる
- 多くの求人媒体と自動連携でき、採用・選考状況がリアルタイムで見える
- タレントプール機能のアプローチタスク管理で、アプローチ忘れや漏れを防止
HERP Hireは、Slack連携が非常に充実しており、現場メンバーの対応がほぼSlack内からの対応だけで完結できる高い効率性が特徴です。
サポートも充実しており、導入後の分析による改善アクションのノウハウや事例も提供されます。
フリープランも利用可能です。
採用見える化クラウド
- リファラル採用に対応した「限定公開求人」を作成できる
- ジョブカンの管理画面からメッセージの送受信ができる
- 候補者の情報を選考ステップ毎に表示させて職種別に確認できる
採用見える化クラウドは、操作が簡単で画面が見やすく、初めて採用業務を担当する方でも使い方が分かりやすいデザインが特徴です。
求人媒体経由の応募は候補者の情報が自動登録されるので手入力の手間が省けます。
無料アカウントが1分で発行され、有料申請するまで最長30日間システムを試すことができることも便利です。
ATSについてのまとめ
ATS(採用管理システム)とは、採用に関する業務をまとめて管理し、採用活動にかかる労力や時間を軽減できるシステムです。
コストと時間の削減のほかにも、社内で最新情報を更新しやすく、業務の抜け漏れを防ぐことができるメリットがあります。
ATSを導入する際には必要な機能を洗い出すことから始めましょう。
また、セキュリティ対策や求職者にとっての使い勝手、予算も考慮したうえで、自社に合ったATSを導入するようにしてください。
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