秘書業務の基本4
今回は、秘書に求められる能力と技術について紹介します。
必要とされる能力と技術はかなり幅広く、それだけ重要な仕事であることが分かるでしょう。
ある意味、立派に秘書が務まれば、他の仕事においても十分に活躍することができるものです。
秘書の能力と技術
仕事に必要とされる能力を以下に記します。
- 問題発見能力
これがあれば役に立つとか、これがあったらいいなと考える力
- 問題解決力
問題の「本質」を把握し、正確な判断や意思決定をして解決するため、幾通りかの方法を考える力
- 情報収集力
新しいビジネスチャンスや利益を得るために必要な情報を、より短期間に、より幅広く、確かな情報源から集めてまとめることができる力。
また、上司が意思決定するために必要な情報をすぐに提供することができる力
- 分析力
現状を分析し、目的や課題を明らかにする力
- 判断力
多くの情報を偏りなく、感情的にならずに把握し、仮説を立てながら何を優先して取り組むかを決める力
- 洞察力
ものごとを深く観察する力。表面的に事象を捉えず、信念を持って見つめる力
- 先見力
常に先を見通す力。変化を感覚的に捉えながらも、理論的な裏づけをもって証明することができる力
- 行動力
目的を設定し、確実に行動する力。よ<考え、タイミングを逸せず結果につなげる力
- 論理的思考力
ものごとの「本質」を把握する際必要になるさまざまな事実と予想を列挙して、優先順位をつけ実証していく力。また、言葉や考えを整理し関係づける力
- 柔軟な思考力
自分の立場、顧客や株主などのステークホルダーの立場、上司の立場など、さまざまな立場からものごとを考え、意見の違いを理解する力。
また、先入観にとらわれ過ぎず、同じものごとに対してさまざまな思考ができる力。臨機応変に対応する力
- コミュニケーション力
自分の意見をわかりやすく伝え、相手の意見を丁寧に聴くことによって伝え合い、結果を生じる、あるいは変化させることができる力。意思の疎通、共感的理解など双方向のやりとりをする力
- ホスピタリティ力
相手を思いやる心を行動で示す力。おもてなし力
- 創造力
新しい価値を生み出す力
- 一般的常識
社会を構成するさまざまな立場を尊重した価値観や知識力
これらの能力は「力」と表現されるように、トレーニングを積み重ねることによっていつでも高めることができます。
その方法は、常に「興味や関心」を持つ十「学習」すること十「実行」することです。
学習は、セミナー等に参加することもできますし、e‐ラーニングという方法もあります。
実行するときは、失敗を恐れず、経験値が上がれば成功する確率も上がると信じてチャレンジしてください。
業務知識についても、広範囲にわたり求められるものです。
上司がお客さまと話している会話の中に出てくる言葉が理解できなければ、補佐することも、先んじて準備をすることもできません。
経営者の補佐をするのにぜひ学習しておいていただきたいのが、会計と財務に関する知識です。
IR業務ができなければ秘書としての機能を果たしたとは到底いえません。IRは同時に広報です。
秘書にとって広報業務は何より重要な仕事です。
重要な任務だけに、上司が安心して取り組めるように、秘書は常にバックアップ機能を十分に果たすことも望まれます。
企業会計や税法についても学習しておくと、経理担当者や財務担当者との打ち合わせのための資料作成などにおいても強みを発揮することができます。
そのほか、企業倫理を問われるなど、経営法務についても深く専門的でなくても上司との間で会話ができるほどの知識を身につけておくようにしましょう。
特にコンプライアンスには、法令の遵守だけでなく、社内規則やマニュアル、企業倫理、社会貢献など遵守すべき範囲はここまでという明確なものがなく、各企業が自発的な取り組みとして行うものです。
したがって、それに応じた知識が求められます。
秘書の技術の磨き方
先輩がいる場合やマニュアルがある場合は、それをお手本に一日も早くまねができることを目指し、やがては自分の技として身につけ、そしてまた、後輩の指導につなげられるように磨いていきましょう。
来客応対の接遇のためにお茶やお花を習うという秘書も決して少なくありません。
グローバルな時代だからこそ、日本の伝統文化に触れ、学ぶというのも一つです。
仕事との出合いは、人生を豊かに、厚みを増すためのきっかけです。
パソコンが苦手な人がパソコンのスキルアップのためにスクールに通うこともあれば、ビジネス系のセミナーやスクールに通う。仕事の仕上がりを高めるための学びを楽しみましょう。
コミュニケーション技術の向上のためのトレーニングは、座学だけでは十分に高まりません。
学ぶ(インプット)と実行する(アウトプット)を、バランス良くトレーニングするようにしましょう。
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