適性検査とは? 種類やメリット、注意点も合わせて解説!
会社の人事異動や採用活動に適性検査を導入することになったけど、どの検査を導入すればいいかわからない、そもそも適性検査について詳しく知りたい、という人もいるでしょう。
そこでこの記事では、適性検査とはなにか、導入の目的や種類、導入時の注意点などを解説します。適性検査の導入を検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。
適性検査とは?
適性検査とは、採用にあたり企業が応募者の能力や適性を判断するための検査およびテストです。評価基準や要件は企業によって異なり、将来的に自社で活躍できるかを判断します。
適性検査は、能力検査と性格検査の2種類があり、能力検査では学力や一般常識、性格検査ではストレス耐性やコミュニケーション能力に関する問題が多いです。
能力検査
能力検査では、基礎学力と一般常識問題を含んだ検査を行います。知識や技術に加えて発想力や論理的思考力などを問う問題が多く、学力や一般常識を評価されるケースが多いです。
能力検査では、実際に現場で求められる知識を確認します。
性格検査
性格検査は、その応募者が企業の環境や風土に合っているか、社内で円滑に業務を進められるかを判断する検査です。特にコミュニケーション能力など、周囲と円滑なコミュニケーションが行えるかを判断しつつ、辛抱強く業務を遂行できるかなどの、ストレス耐性などもテストします。
適性検査を導入する目的は?
ここでは、企業が適性検査を導入する目的を3つ紹介します。
企業にマッチした人材を採用できる
適性検査を導入する大きな目的は、企業にマッチした人材を採用できることです。
採用において自社の環境にマッチした人材を見つけるのは重要なポイントでしょう。
企業と相性が悪いと早期の離職につながったり、チームの雰囲気が悪くなり業務効率が低下したりする恐れがあります。あらかじめ企業にマッチした人材を採用できるのは、双方にとって大きなメリットです。
最適な人員配置ができる
適性検査を行うことで、最適な人員配置ができるのも適性検査を導入する目的の1つです。
応募者の知識や技術、性格などを理解してその人に適したポジションに人員を配置できます。
応募者に合っている部署へ配属や異動ができると、離職防止にもつながります。
人材育成を適切に行うことができる
適性検査を導入する目的には、人材育成を適切に行うことができる点もあげられます。
適性検査で応募者の特性を知れると、適切な場所に適切な人材を配置できるため、人材育成をスムーズに行えるでしょう。
また、採用で行った適性検査のデータを基に、個人に合わせた指導方法などのカリキュラムを作成できるのがメリットです。
適性検査とSPIの違いは?
SPIは、リクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査の一つです。
「能力検査」と「性格検査」の二つから個人の資質を総合的に測定することができる高度な検査とされています。
SPIは多くの企業で導入されており、利用者数は年間15,500社、217万人※の受検者数を誇ります。採用選考の場で見かけたり、受検されたりした人も多いことでしょう。
※2023年3月実績
適性検査の種類
先述のSPIのように適性検査には種類があることを紹介しました。ここからは、適性検査の種類をそれぞれ紹介します。
SPI3
SPI3は、2024年現在で現行されている「SPI」のことです。SPIは1974年より実施されていますが、バージョンアップによりナンバリングされています。2013年から実施されているのがSPI3です。
先述の通り、SPI3を大別すると「能力検査」と「性格検査」の2つに分かれます。
能力検査
仕事を遂行する上で必要とされる知的能力を測定する検査です。言語分野・非言語分野という2つの種類の問題を通じて、総合的な能力を測定することができます。
言語分野では、言語や単語の意味を問うものから文章・話題の要旨を問うような読解問題までが出題されます。非言語分野では、数的な処理や文章題により論理的思考力を測定できるようになっています。
性格検査
日ごろの行動や考え方を問うことで、受検者がどのような人なのかを診断します。それによって、職種や組織の適性を測ることができるのです。能力だけでなくコミュニケーション能力や、仕事への意欲も診断することで、自社が求める人材との適合度をより具体的に考えることができるでしょう。
玉手箱
玉手箱は人事コンサルティングファーム「日本エス・エイチ・エル」が販売する適性検査です。
玉手箱の大きな特徴の一つに、同じ問題形式では1種類の問題だけが出続けることが挙げられます。たとえば、計数問題の「図表の読み取り」が出たとすれば、その試験では最後まで図表の読み取り問題だけが出続けます。
また、出題数が多く1問あたりにかけられる時間も短いです。企業は玉手箱のテストを通じて、受検者の正確性や回答へのスピードを測ることができます。そういった点から、コンサル・金融業界といった正確性・思考力を必要とする企業で採用されている傾向にあります。
GAB
GABは玉手箱と同じく「日本エス・エイチ・エル」が販売する適性検査で、主に総合職の採用などで使われます。出題形式は、言語理解・計数理解などの知的能力や、パーソナリティーやチームワークなどの性格適性検査です。
CAB
GABと同様「日本エス・エイチ・エル」が販売する適性検査で、IT業界で導入されることが多い検査です。出題形式は暗算・法則性・命令表・暗号・性格で、マークシートテスト形式が用いられています。
CUBIC
CUBICは、株式会社ジィ・ディー・エルが提供している適性検査です。「採用適性検査」「基礎能力検査」の2つの検査を提供しています。
採用適性検査
個人の資質や適性について「性格」「意欲」「社会性」「価値観」の4つにセグメントし、それぞれを診断することで、その人の特性や全体像を把握することができます。また、通常版だけでなく「ストレス耐性診断付き」のメニューを追加することもでき、これによって個人のストレス因子を測定できます。
基礎能力検査
職務遂行のための基礎能力を診断するテストです。「言語」「数理」「図形」「論理」「英語」の5科目・7種類(英語は4種類)から、その企業にとって必要な科目を組み合わせて出題できます。出題形式も多く、どのような科目を選択すれば良いか分からない場合には、「業種別おすすめパック」も用意されているため、参考にしてみると良いでしょう。
クレペリン検査
クレペリン検査は作業効率や処理能力を試す検査です。簡単な足し算を繰り返して行い、どれほど効率よく行えるかをテストします。
作業の推移を示す作業曲線を分析することで、行動から推測される性格などを検査できるのも特徴です。
適性検査を導入する際の注意点
ここでは、適性検査を導入する際の注意点を3つ紹介します。
企業のニーズに合った適性検査を選ぶ
適性検査を導入する際には企業のニーズに合った適性検査を選びましょう。適性検査には多くの種類があり、検査できるものが違います。
ニーズが合っていない適性検査を選んでしまうと、求めている人材が採用できません。企業が重要視する点や業種によって適性検査を選びましょう。
評価基準を明確にする
評価基準を明確にするのも適性検査を導入する際に重要なポイントです。なにをもとにどのような評価を下すかを明確にすると、適性検査の結果を上手に活用できます。
企業の風土や既存の社員の特性、作業状況なども考慮して、必要な人材を確保できるように努めることが大切です。
検査結果で決めつけない
検査結果ですべてを決めつけないようにするのも、注意点の1つです。適性検査の結果はあくまで1つの指標であり、応募者の能力や性格を決定するものではありません。
適性検査の結果があまりよくないものだとしても、実際の働き方には相違が出るため、結果が正しいと思わない意識が重要です。
適性検査を活用し企業とマッチした人材を探そう
適性検査は、企業が採用の際に能力や適性を判断するための検査およびテストです。評価基準や要件は企業によって異なり、将来的に自社で活躍できるかを判断します。
適性検査を導入することで、企業にマッチする人材を探しやすく、最適な人員配置や効率的な人材育成が期待できます。とはいえ、検査結果がすべてではないため、結果を信用しすぎないように注意しましょう。
また、企業のニーズに合わせた適性検査を選ぶと、求める人材を見つけやすくなるでしょう。