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タレントマネジメントで人材活用! 効果や導入の手順を解説

タレントマネジメントで人材活用!  効果や導入の手順を解説

優秀な人材をどれほど獲得していようと、活用できなければ宝の持ち腐れです。従業員個々のスキルや経験、適性などを把握し、適材適所な人材配置を行うことで業績の向上、組織としての持続的な成長を望めます。

本記事では、タレントマネジメントの概要や必要性、得られる効果、導入の手順などについて詳しく解説をします。


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タレントマネジメントとは

タレントマネジメントとは、従業員個々のスキルや経験、適性などを一元的に管理し、適材適所の人材配置や育成に活かす手法、考え方です。タレント(Talent)は才能や素質を意味し、マネジメント(Management)は管理を意味します。

企業の人事業務における最大の目的は、人材の有効活用です。人材の採用活動や育成もすべて人材を有効に活用し、組織に利益をもたらすために行われています。

そう考えると、タレントマネジメントは「企業における人事活動」といえるでしょう。


タレントマネジメントが注目される背景

タレントマネジメントが注目される背景として、価値観の変化があげられます。

近年は、会社に忠誠を誓って貢献するよりも、ワークライフバランスを重視する人が増えています。そのため、組織からの一方的な配置ではなく、個々の適性や事情をくんだうえでの人材配置が求められています。

また、少子高齢化に伴う労働人口の減少で、多くの企業では人材確保が困難になりつつあります。外部からの人材確保が難しいのなら、自社のリソースを有効活用する方法を考えなくてはなりません。

グローバル競争に打ち勝つためにも、人材の有効活用が必要です。世界を相手に戦うには、一人ひとりの従業員が最高のパフォーマンスを発揮しなくてはなりません。そのためには、それぞれのスキルや適性を正確に把握したうえで人材配置や育成を行う必要があります。

また、IT技術の発達やDXの推進などにより、ビジネスの世界は大きく変化しています。従来よりも未来予測が困難な状況に対応するには、個々のスキルや適性を把握し、そのときどきに応じたベストな判断が求められます。


タレントマネジメントの目的

タレントマネジメントの目的は、組織の利益を最大化することです。

組織としての経営目標を達成するには、必要な人材を調達しなくてはなりません。現状を把握し、欠けている人材の可視化や社内に埋もれている優秀な人材の発掘を行います。

しかし、優秀な人材をたくさん獲得していてもうまく活用できなければ成果につながりません。必要な人材の個々の力を最大限発揮できる人材配置が求められます。

タレントマネジメントは、従業員に足りないスキルや経験を把握できるので適切な指導や教育を行えるほか、経験値を増やせる部署への配置換えなども可能です。個性や能力に合った最適な配置が実現できれば、パフォーマンスの最大化や人材の定着が望めます。


タレントマネジメントで参照する代表的な項目

タレントマネジメントの導入にあたり、従業員のどのような情報を管理すればよいのでしょうか。以下が管理すべき主な項目です。

基本情報

従業員に関する基本情報が必要です。氏名や年齢、性別、所属している部門などのほか、役職や入社日、家族構成などの項目も該当します。

タレントマネジメントでは、従業員個々のスキルや適性、経験などを管理するので個人の基本情報は必須です。氏名以外の項目は変更が生じる可能性があります。加齢や家族構成の変化、部門異動や昇進など、変更が生じたタイミングで適宜更新しましょう。

能力・スキル

タレントマネジメントの根幹をなす重要な項目です。業務に関する知識や経験、技術、ノウハウ、保有している資格などが該当します。

タレントマネジメントでは、社会的スキルと共通スキル、専門スキルの3つを軸に可視化を行うのが一般的です。

社会的スキルとは、コミュニケーション能力を含む、社会人に求められるスキルを指します。共通スキルは、従業員に共通して求められるスキルです。

基本的なパソコンの操作ができる、タスクの優先順位に従って業務を遂行できる、などが該当します。

専門スキルは、プログラミングなどのIT技術や語学力など、専門性の高いスキルを指します。

経験・実績

どの部署に何年勤務していたのか、どのような成果をあげているのかといった情報をはじめ、受賞や表彰歴なども対象です。経験や実績も、人材活用に不可欠な情報です。

これらの情報を可視化すれば、必要な経験を積める部署へ異動させる、実績に基づく人材の抜擢を行うといったことが可能です。

勤怠データ

残業時間や欠勤、1日の業務時間などの勤怠データも役立ちます。

たとえば、業務・残業時間と生産性の傾向を把握したり、遅刻や早退、欠勤と離職の関連性を分析したりするときにも用いられます。

遅刻や欠勤がなくても、残業時間が多ければ生産性が高いとは言えません。スキルや経験と勤怠データを照らし合わせることで、人材活用時の判断材料のひとつにできます。

価値観・キャリア志向

従業員の性格や価値観、仕事に対する考え方や将来ビジョンなどはなかなか目に見えません。

これらの情報を可視化しておけば、人材配置や育成に役立ちます。従業員がそれぞれに適した業務に就けることで、「やりがい」や「成長」を感じられるでしょう

希望するキャリアが把握できていれば、個々にマッチしたキャリアアッププランも提案できます。スムーズにキャリアアップできる道筋を示すことで、従業員のモチベーション向上にもつながります。


タレントマネジメント導入の効果

タレントマネジメントの導入を検討している企業経営者や担当者にとって、そこからどのような効果が得られるかがもっとも重要です。以下、個人と組織に分けて導入効果を解説します。

個人への効果

個人への効果として、従業員満足度の向上があげられます。

個々のスキルや適性、経験などのデータに基づく人材配置を行えるため、従業員は最大のパフォーマンスを発揮できる環境で働けます。より意欲的に働けるようにもなるため、やりがいの創出や従業員エンゲージメントの向上が期待できます。

自分の活躍が組織への貢献につながっていると認識できれば、さらに意欲や情熱がアップするといった良いスパイラルも生み出せるでしょう。生き生きと働けることから、メンタルが安定するといった効果も期待できます。

組織への効果

組織への効果として、生産性の向上があげられます。

個々の適性やスキルを見極めたうえで、最善の人材配置を行えるため、今まで以上に従業員のスキルアップやパフォーマンス向上が期待できます。適材適所への人材配置を実現でき、業務時間の短縮や品質向上、ミスの抑制などにつながり生産性が高まります。

採用や育成コストの削減につながるのもメリットといえるでしょう。社内の人材を有効活用できるようになるため、新たな人材の採用を減らせます。外部から採用する際にも、真に必要な人材に絞って採用できるため、コストを最低限に抑えられます。

従業員の定着率向上につながるのもメリットです。

従業員は自身の力を発揮できる環境で働けるため、満足度が高まり、仕事や会社への愛着度が増すでしょう。志望するキャリアも把握していれば、個々にマッチしたキャリアパスを描いてあげることで、さらに定着率向上が期待できるでしょう。


タレントマネジメント実行の手順

タレントマネジメントを実行する際は、やみくもに取り組んでも良い成果につながりません。基本的には、以下のステップに沿って取り組むとよいでしょう。

目的の明確化

経営戦略に基づく目的の明確化からスタートしましょう。

目的が不明瞭だとどのようなスキルを有する従業員が必要なのか、何人程度必要なのかといったことも見えてきません。目的を明確にしたうえで逆算すれば、必要なスキルや経験、人数などが把握でき、目的達成のために何をすべきかが見えてくるのです。

たとえば、5年以内に3つの支店を展開するにあたり、幹部候補生が10名必要になるとしましょう。このケースでは、従業員のマネジメントスキルや希望するキャリアなどを踏まえて人員を選出し、不足する経験値を補わせるため管理業務を担当させる、といったことが考えられます。

人材の把握

次に、組織に在籍する人材を把握しましょう。基本情報やスキル、経験、実績などを可視化したうえでデータベース化します。収集したデータから、目標達成に必要な人材を抽出します。

スキルや経験などに応じてタレントプールを作成するのもおすすめです。たとえば、入社5年以内でマネジメント業務の経験がない人材、入社3年以内で語学力とコミュニケーションスキルに長けたグループ、のようにわけて管理を行うと、効率的な育成、人材活用につながります。

なお、収集したデータは常に最新の情報で管理しなくてはなりません。古いデータでは誤った意思決定につながるおそれがあります。適宜情報のアップデートを行いましょう。

採用・育成計画の立案

採用と育成計画の立案は、タレントマネジメントの核となるプロセスです。

まずは、目標達成に必要な人材が社内にいるのか、いる場合には不足するスキルや経験がないかどうかを確認しましょう。

現状を把握し、社内人材の育成だけでは目標達成が困難であることがわかれば、外部からの人材採用を視野に入れなくてはなりません。具体的にどのようなスキルや資格を有する人材を求めるのか、どのように募るのかなども併せて考えるとよいでしょう。

人材の配置・活用

収集した人材データに基づき、人材配置や活用を行います。

ただ、この人材配置はあくまでデータに基づくものなので、必ずしも成功するとは限りません。データでは最適と判断した人材であっても、実際に配置すると能力を発揮できない、周りとうまくやっていけていない、といった問題が生じるかもしれません。

そのため、このプロセスでは管理者に大きな役割が求められます。配置された人材が最高のパフォーマンスを発揮できているか、モチベーションが十分にあるかなどを管理者は適宜確認し、必要に応じてフォローをする必要があります。

モニタリング

データに基づく人材配置や活用をスタートしたあとは、しばらくモニタリングを行います。

必要な経験をきちんと積めているか、モチベーションに変化はないか、能力を余すことなく活かせているか、といったことをモニタリングしてください。

モニタリングの結果に基づき、必要に応じて再配置や計画の見直しを行います。再配置などを行う際には、業務に支障が出ないよう迅速な引き継ぎを行います。

頻繁な異動や役割分担の見直しに時間をかけすぎてしまうと、生産性の低下につながるおそれがあるので注意が必要です。


タレントマネジメントシステムを選ぶ際の注意点

タレントマネジメントシステムとは、タレントマネジメントを効率的に行うためのツール、システムです。

さまざまなツールがリリースされていますが、選定の際には機能や費用、事例などを比較しつつ選ぶことが大切です。

自社の課題解決に適したツールか

導入するタレントマネジメントシステムによって実装されている機能が異なります。

多機能なツールも多々リリースされていますが、大切なのはそのツールで自社の課題を解決できるのか、目的を達成できる機能を実装しているのかどうか、ということです。

たとえば、ツールによってはAIを活用した人材マネジメントが可能なものや、高度な分析機能を実装したもの、人材育成のプランニングまで管理できるものもあります。

しかし、機能がどんなに高度でも、自社の問題解決に必要な機能がなければ意味がありません。また、ツールにより得手不得手があるため、事前のチェックをしっかりと行う必要があるでしょう。

従業員にとって使いやすいツールか

高機能なシステムであっても、従業員が使いこなせなくては意味がありません。

データを整理しにくく見にくい、操作が複雑すぎて使いにくい、となると浸透せず形骸化してしまうおそれがあります。課題解決や目的達成に必要な機能が備わっているかどうかはもちろん重要ですが、同じくらい「使いやすさ」も選定時における大切なポイントです。

運用を開始した直後は、操作がわからず業務が滞ってしまうかもしれません。このようなとき、きちんと対応してくれるサポート体制が整っていると安心です。具体的にどういったサポートを受けられるのかを確認しておきましょう。

なお、タレントマネジメントシステムの中には、無料トライアルが可能なものもあります。あらかじめ機能と操作性を確認できるため、試用期間が設定されているものもおすすめです。

適材適所な人材配置や効率的な人材育成を行うのに、タレントマネジメントは不可欠です。しかし、すべてを手動で設定するのには大変な時間と労力がかかります。タレントマネジメントシステムの導入も視野に入れ、生産性や組織力向上を目指してみてはいかがでしょうか。

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