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エビングハウスの忘却曲線とは? ビジネスシーンで活用する方法も紹介

エビングハウスの忘却曲線とは? ビジネスシーンで活用する方法も紹介

エビングハウスの忘却曲線は、記憶の定着のために学習や研修の場面でしばしば活用されています。

エビングハウスの忘却曲線を活用した学習をすることで、効率的に知識を定着させられるでしょう。

新人社員の研修から既存社員のスキルアップまで、忘却曲線を意識した学習計画を実践することは、人材教育においても役立ちます。

そこで本記事では、忘却曲線とは何か、記憶の定着のさせ方、ビジネスシーンで活用する方法などを詳しく紹介します。


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エビングハウスの忘却曲線とは

エビングハウスの忘却曲線とは、時間の経過とともに人が忘却するメカニズムを表したグラフです。ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスによって提唱されました。

短期記憶や中期記憶は一時的に覚えていられますが、必要のない情報は時間とともに消えていきます。忘却曲線のメカニズムは学習や研修の現場で活用され、特に復習の重要性を示すために用いられます。

忘却曲線に基づくと、情報を効果的に定着させるためには定期的な復習が不可欠です。

エビングハウスの忘却曲線の実験

エビングハウスは、自分自身を被験者として記憶の定着に関する実験を行いました。

実験の手順は以下の通りです。

①2つの子音の間に母音をはさんだ3字(LAH、RORなど)からなる意味の持たない音節リストを作り、被験者に反復して暗唱してもらう。

②一定の時間が経過した後に、再び暗唱できるように学習してもらう。

そこで、初回で覚えるのにかかった時間や回数と、再学習でかかった時間や回数を、それぞれの経過時間ごとに比較して「節約率」を算出しました。

「節約率」とは、経過時間ごとに、②の再学習で必要な反復回数が減少した割合のことです。

「(節約された時間または回数)÷(初回覚えるのにかかった時間または回数)×100」で求められます。

「節約率」の推移

以下が、上記のエビングハウスの実験における経過時間と節約率の推移を示した表です。

経過時間

節約率

20分後

58%

60分後

44%

90分後

35%

1日後

34%

2日後

27%

6日後

25%

31日後

21%

例えば、1回目に10分かけて覚えることができたことを、20分後に再度覚えなおす際は、58%分の時間が節約できたため、4分20秒で再度覚えることができたことになります。

ここで注意したいのが、「節約率」が表すのは記憶の維持率ではなく、どれだけ早く覚えなおせるかという尺度だということです。

つまり、初回からの経過時間が短い方が覚えているというわけでなく、楽に思い出せるということになります。

また、実験では「意味のない子音」を用いたため、記憶がしにくい条件での結果でしたが、自分に関連する事柄など、意味のあるコンテキストがあれば、忘却曲線はより緩やかになる可能性が考えられます。


記憶を定着させるには?

忘却曲線によると、時間経過とともに、物事を覚えなおす効率も低下していくことがわかりました。

では、記憶を確実に定着させるには、どんな学習が効果的なのでしょうか。

ここでは、インプットとアウトプットの観点から記憶を定着させるポイントを紹介します。

繰り返しインプットする

覚えたことを長期記憶として定着させるためには、繰り返しのインプットが欠かせません。

同じ情報を何度も繰り返し学習することで、脳は覚えたことを重要な情報として認識して、長期記憶に定着させるのです。

また繰り返しのインプットによって、記憶の強度が増し、復習時の効率も向上します。長期記憶として定着してくると、復習にかかる時間も短縮されて、定着率もさらに高くなります。

長期記憶として確実に覚えたいなら、繰り返し学習を習慣化しましょう

学習したことをアウトプットする

覚えたことを確実に記憶に定着させるためには、インプットした情報をアウトプットすることも大切です。

人は情報を脳で受け取った後、その情報を改めて思い起こすことで、記憶が定着していきます。

例えば、覚えたことを人に教えるなど、インプットした情報をアウトプットすると記憶が定着しやすいです。

また、インプットとアウトプットを組み合わせると、学習の効率が向上し、知識の定着がスムーズに進みます。


忘却曲線をビジネスで活用するには?

忘却曲線は、非常に価値のある研究結果ですが、ビジネスでは一体どんなシーンで活用できるのでしょうか。

研修などの人材教育の場面や、リスキリングなどの自学の場面での、忘却曲線の取り入れ方について紹介していきます。

専門性の高い学習に取り入れる

エビングハウスの忘却曲線は、無意味なアルファベットの羅列を使用した実験でした。

そのため、ビジネスシーンでの活用でも、特に覚えることが難しい情報に対して使うのが有効です。

例えば、自学や人材教育において、専門用語や専門外の興味の持ちにくい知識を学習する際に活用できます。

ただし、すべての場面で忘却曲線を取り入れるのは避けましょう。

興味のある分野などの学習の際には効率が悪くなる可能性があるため、どこで忘却曲線を取り入れるかの見極めが重要です。

研修では復習の機会を設ける

忘却曲線が示すように、繰り返しの復習は知識の定着に欠かせません。

そのため、企業の研修においても復習の機会を設けることが重要です。

例えば、次のような機会を設けると知識が定着しやすいでしょう。

  • 長時間かけて一度の研修を行うのではなく、複数回に分けて研修を行う
  • 研修の理解を確認するテストを行う
  • 上司が受講者に研修内容を振り返る時間を設ける

受講者が繰り返し復習する機会を増やすことで、研修の効果を高めることができます。

日報で1日の振り返りを行う

仕事を効率よく覚えるために、日報を活用しましょう。忘却曲線から「復習は早ければ早いほど覚えるのにかかる時間は短く済む」ことがわかります。

そのため、その日のうちに仕事内容を振り返り日報にまとめることが、仕事を効率的に覚えるために有効です。

日報を通じて仕事に対する意識を高め、仕事内容を振り返る習慣を身につけると、自身の能力向上に繋がります。

仕事内容や課題を毎日振り返ると、スムーズに業務を遂行できるようになるでしょう。


まとめ

エビングハウスの忘却曲線は、人間の中長期の記憶のメカニズムを示したものです。

人は一度で知識や情報を覚えることは、なかなかできません。長期記憶として定着させるとなると、より覚えるのが難しくなります。

そこで本記事で紹介したように、繰り返しのインプットとアウトプットを組み合わせた、効果的な学習が重要です。

ビジネスシーンにおいては、研修や自学の適切なタイミングで忘却曲線を活用すると、効率の良い人材教育や自身のスキルアップに繋がります。


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著者プロフィール

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bizocean事務局

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