このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

新規事業を成功させる方法は? 立ち上げまでに必要なプロセスや役立つフレームワークを紹介!

新規事業を成功させる方法は? 立ち上げまでに必要なプロセスや役立つフレームワークを紹介!

新規事業の立ち上げによって、収益拡大や優秀な人材の獲得に期待できます。

しかし、新規事業を立ち上げようとした場合、やるべきことは多岐にわたるため、必要な手順を知り、漏れなく対応することが重要です。

この記事では、新規事業立ち上げのメリットや手順などを解説します。


この記事の著者

新規事業を立ち上げる必要性・メリット

新規事業を立ち上げることには、さまざまなリスクがはらんでいます。特に中小企業は、慎重に検討する必要があるでしょう。

しかし、以下のようなメリットもあり、会社を継続・発展させていくためには必要不可欠です。

会社の収益を拡大できる

立ち上げた新規事業が成功すれば、会社の収益・規模の拡大につながります。

たとえ、現在取り組んでいる事業が不調でも、新規事業で収益を出せれば、会社全体の収益が拡大できます。

もし、現時点で事業が好調なのであれば、さらに業績を伸ばせるでしょう。

長期的なリスク分散になる

新しい分野への進出をすれば、多様な収益源が確保できたり、変化する市場環境に適応する力を養えたりするため、長期的なリスクヘッジにもなります。

事業を多角化しておくことで、どれか1つの事業が立ち行かなくなっても、ほかの事業で経営を支えられるでしょう。

社会情勢や外部環境の変動があっても、それほど影響を受けずに済むかもしれません。

優秀な人材を獲得・育成できるチャンスになる

新規事業立ち上げをきっかけに、優れた人材が集められる可能性もあります。

新規事業には、多くの新しい人材が必要です。その過程で採用を増やせば、新たに優秀な人材と出会えるチャンスも増えるでしょう。

既存の従業員を新規事業立ち上げにあてがう場合も、従来の業務で身に付くものとは異なるスキルや経験を得る機会となります。

立ち上げのチームに複数の部署の人間が集まっていれば、コミュニケーションの機会も増え、組織も活性化するかもしれません。


新規事業立ち上げまでのプロセス

新規事業を立ち上げる手順は、以下のとおりです。

  1. 事業のビジョンを明確にする
  2. 事業ドメインを決定してアイデアを考える
  3. 市場調査を行い顧客のニーズを分析する
  4. 新規事業立ち上げのための環境整備をする
  5. ロードマップ・行動計画を立てる
  6. 商品・サービスの開発

いずれも、大切な内容が含まれています。新規事業が失敗に陥らないよう、順番に確認しましょう。

1.事業のビジョンを明確にする

新規事業を展開する際、その事業のビジョンを明確にすることが重要です。

「事業で何を達成したいのか」「社会にどう貢献するのか」といったように、新規事業の目的を具体的に言語化しましょう。

ビジョンは新規事業の方向性を固めるだけでなく、従業員のモチベーションや、会社の社会的な存在意義の確認にも欠かせません。

明確なビジョンが社内で共有されていると、従業員が協力しやすくなり、組織の方向性も理解してもらいやすくなるでしょう。

2.事業ドメインを決定してそのなかでアイデアを考える

続いて、どんな事業領域(ドメイン)で事業を展開していくのか考えます。

始めに考えたビジョンと、ターゲットとしたい市場や自社の専門性を踏まえつつ、自社が「誰に対して」「何を提供できるか」を考えましょう。

特定のドメインに焦点を当てることで、市場でのニーズに対応しやすくなり、競争優位性も高めやすくなります。

ただし、この段階では、具体的な商品・サービスの内容は検討しません。あくまでも、自社が事業を展開する事業の検討のみに留めます。

3.市場調査を行い顧客のニーズを分析する

顧客のニーズを正確に把握するために、市場調査を行いましょう。

代表的な調査方法として、次の5種類が挙げられます。

調査方法

実施する内容

デスクリサーチ

文献調査や二次データの収集

アンケート調査

全数調査・サンプル調査など

訪問・インタビュー調査

面談・電話などで取材し実態を把握

データ解析

POSの購買履歴・サービス利用履歴などの調査

観察調査

対象者の行動・動作・実態などを観察して記録

対象者の行動・動作・実態などを観察して記録

市場調査は事業の実現・成功のために必要不可欠です。市場調査がどれだけできたかによって、事業の成功率が変動すると言っても過言ではありません。

自社が知りたい顧客のニーズが獲得できるものを選んで、実施してください。

4.新規事業立ち上げのための環境整備をする

調査を経て立ち上げる事業が見えてきたら、環境整備に取り組みましょう。

新規事業立ち上げには、以下のようなものが必要です。

  • ヒト
  • モノ
  • カネ
  • ノウハウ

まず「ヒト」ですが、事業立ち上げのために適切な人材確保が不可欠です。求めるスキルや経験を洗い出し、募集したい人材像を固めましょう。

「モノ」では、必要な物資や設備を手配し、事業遂行に必要なリソースを確保することが重要です。

資金面では「カネ」の調達や相応の資金計画が必須。さらに、リスクを最小限に抑えるための慎重な資金管理も求められます。

業界や市場に関する知識や経験を「ノウハウ」として蓄積し、変化する環境に柔軟に対応する力を養うことも欠かせません。

これらの要素をバランスよく整えることが、新事業を成功へ導く鍵になります。

5.ロードマップ・行動計画を立てる

新規事業立ち上げのロードマップや、行動計画を具体的にしましょう。

「5W1H」を明確にし、現実的なプランを構築することが重要です。

最初に「いつまでに、何をする」という明確なゴールを設定します。そこから逆算してロードマップを策定し、必要な工程を段階的に設置します。

ロードマップで期限や担当者、具体的な行動内容を設定しておくことで、立ち上げ失敗リスクを低減する効果も期待できるでしょう。

6.商品・サービスの開発

ロードマップが出来上がったら、提供する商品・サービスの開発に着手してください。

なおこの時、いきなり大規模なビジネスモデルを想定して開発にあたることはおすすめしません。

理由は、新規事業の立ち上げでは迅速な行動が求められるためと、立ち上げる事業がいきなり軌道に乗るとは限らないためです。

新規事業立ち上げの際は、「リーンスタートアップ」や「オープンイノベーション」などの手法が効果的です。

リーンスタートアップは、始めは資金や展開する商品・サービスを少なめにして新事業を立ち上げる手法です。

低リスクでの立ち上げや、速やかな市場への参入が可能です。オープンイノベーションは外部の企業や人材と提携し、彼らが持つ知見・技術などを取り入れて効率的な開発を実現することです。


新規事業立ち上げに役立つフレームワーク5選

新規事業立ち上げの際は、人材・資金・提供する商品についてなど、さまざまなことを考える必要があります。

この時、フレームワークを利用してみてはいかがでしょうか。

フレームワークとは思考や情報を整理して、アイデアや問題解決策を出しやすくするための「枠組み」のことです。

代表的な手法としては、以下の5つが挙げられます。

  • マンダラート(マンダラチャート)
  • SCAMPER法
  • PEST分析
  • 3C分析
  • VRIO分析

それぞれの内容や特徴を解説します。

マンダラート(マンダラチャート)

マンダラート(マンダラチャート)は、実現させたい「最終目標」を中心に据え、周囲にテーマやアイデア、取り組みを放射状に展開する図表の一種です。

中央のマスに目標を書き、そのために必要なことをいくつかのテーマやジャンルに分けて書き出します。

そして、さらにその必要なことを達成するためのアクションや関連する要素を整理するのです。

マンダラートは、プロジェクト管理や目標設定において有用です。

全体の構造を理解しやすくするだけでなく、各要素の関連性も俯瞰できるため、効果的な戦略の策定や実行に役立つでしょう。

SCAMPER法

SCAMPER法は、アイデアを創出したい場合に利用される手法です。

以下の7つの質問への答えを考えていくことで、新たな発想を生み出すことを目的とします。

  1. Substitute(代える):ほかに置き換えられるか
  2. Combine(組み合わせる):ほかのものと組み合わせられるか
  3. Adapt(適応させる):類似品はあるか・以前のアイデアは使えるか
  4. Modify(修正する):サイズや色などは変更できるか
  5. Put to other uses(ほかの使い道):ほかの使い道は考えられるか
  6. Eliminate(削減する):現行品から省けるものはないか
  7. Reverse・Rearrange(逆転・再編成):逆にして問題ないか・並べ替えは可能か

新商品の開発はもちろん、既存の商品・サービスの改良や、すでに出ているアイデアのブラッシュアップにも活用可能です。

PEST分析

PEST分析は、企業が周囲の外部環境を整理・把握するために用いるフレームワークです。

次の4つの要素に焦点を当て、自社の現在と将来にどんな影響がありそうかを分析します。

  • Politics(政治):法改正・規制など、ルールを変えるもの
  • Economy(経済):景気や物価変動、失業率など、経済動向に影響を及ぼすもの
  • Society(社会):人口動態や流行、ライフスタイルの変化など、人々の生活に影響を与えるもの
  • Technology(技術):IT技術や特許など、競争に影響するもの

法律の変更や経済の動向、社会の価値観の変化、技術の進歩などが企業戦略に影響を与える可能性は否定できません。

PEST分析を行っておくことで、環境の変化にも素早く対応し、戦略の調整もしやすくなります。

3C分析

3C分析は、市場環境を理解するためのフレームワークです。

以下の3つの要素を軸に、どういった戦略にすべきかを検討します。

  • 顧客(Customer)
  • 自社(Company)
  • 競合他社(Competitor)

3C分析では顧客のニーズや要望を把握し、自社の強みや弱みを評価したうえで、競合他社との差別化ポイントを明確にすることを目的としています。

継続的に3C分析を実施することによって、変化する環境に適応し、時代に即したビジネスを展開できるでしょう。

VRIO分析

VRIO分析は、自社の経営資源の競争優位性を把握する際に有効な手法です。

経営資源を「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つに分類し、競合他社と比べて、どのくらい優位性があるかを評価します。

VRIOとは以下の4つの単語の頭文字を取ったものです。これらの観点から資源の価値を判断します。

  • Value(価値)
  • Rarity(希少性)
  • Inimitability(模倣可能性)
  • Organization(組織力)

VRIO分析を通じて、企業は自身の強みと弱みを理解し、意思決定に活用できます。


新規事業を失敗させないためには?

新規事業は立ち上げて終わりではなく、その後も安定して収益を出せるようにしなければなりません。

立ち上げた事業を失敗で終わらせないために注意したいことを解説します。

新規事業が失敗する原因

まず、新規事業が失敗に終わる原因を知っておきましょう。

よくあることとしては、次の4つが考えられます。

  • 事前の計画や準備の不足
  • 組織の人員配置のミス
  • 資金不足
  • 顧客ニーズをしっかり把握できていない

どれも、準備段階で丁寧に対応していれば回避できることばかりです。それぞれで注意したい点は以下のとおりです。

事前の計画や準備の不足

立案した計画が甘かった場合、事業は頓挫しやすくなります。

また、計画はできていても、必要な準備ができていない場合も、失敗しやすいものです

組織の人員配置のミス

人員配置を誤ると、新規事業は難航することが予想されます。

「適材適所」とよく言われますが、有能かつ適切な人材が欠けると、計画の実現は難しくなるでしょう。

資金不足

資金不足も大きく影響します。

事業に必要とされる十分な資金が確保されなければ、計画の実行やトラブルへの対処が著しく困難になるでしょう。

顧客ニーズをしっかり把握できていない

事前の調査が浅く、顧客ニーズを理解できていない時も、事業が失敗する可能性が高まります。

市場調査や分析が十分にできているか、よく考えてみてください。

新規事業を失敗させない方法

新規事業を不成功に終わらせないためには、次の点にも留意しなければなりません。

  • 事業撤退ラインを定めておく
  • PDCAと仮説検証を繰り返す
  • 積極的に情報を集めて柔軟な対応をする
  • 開発から顧客に商品が届くまでを意識する

失敗しやすい原因とともに把握しておきましょう。

事業撤退ラインを定めておく

新規事業を成功させるためには、あらかじめ「撤退ライン」を明確に定めておくことが重要です。

撤退ラインの決め方は企業によって異なりますが、以下のようなことが基準になるでしょう。

  • 立ち上げ後、5年以内に目標を達成できなかったら
  • 赤字が5,000万円になったら
  • 月商が1,000万円を下回ったら

撤退すべき時の基準が明確にあることで、経営判断もしやすくなります。

PDCAと仮説検証を繰り返す

「PDCAサイクル」と「仮説検証」を繰り返すことも重要です。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)というプロセスを循環させ、業務効率を改善するフレームワークのことを指します。

事業を進めていて何か課題があると感じた場合は、ぜひ取り組んでみてください。

積極的に情報を集めて柔軟な対応をする

立ち上げ後も随時、情報収集をしましょう。社会や市場は絶え間なく変化しています。

常に最新の情報をキャッチアップし、対応すべきことがあればすぐに対応することが重要です。

開発から顧客に商品が届くまでを意識する

事業者として、開発の初期段階から顧客へ商品が提供されるまでの全過程を意識することも不可欠です。

どこか1つの視点がおろそかになっているだけでも、事業は立ち行かなくなるものです。どの過程もないがしろにしないよう注意してください。


まとめ

新規事業を立ち上げるまでには、さまざまな過程があります。

しかし、当然ですが立ち上げて終わりではなく、その後に収益を安定させていかなくてはなりません。

そのためにも、事前の入念な準備や、立ち上げ後の振り返り・改善は必須です。

今回紹介した内容を参考にして、成功率の高い新規事業の立ち上げを目指してください。


この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

bizocean事務局

bizocean(ビズオーシャン)は、トライベック株式会社が運営する「仕事の面倒を失くして、新しいビジネススタイルを提案する」をモットーとしたビジネス情報サイトです。

この著者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ