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イニシアチブとは? ビジネスシーンでの活用方法を紹介

イニシアチブとは? ビジネスシーンでの活用方法を紹介

イニシアチブは、主導権や率先を意味する言葉で「イニシアチブを取る」や「イニシアチブを握る」などの意味で用いられます。

ビジネスにおいてのイニシアチブは、主に積極的な行動の意味合いで使用します。

本記事では、イニシアチブの概要やビジネスでの使い方について解説します。本記事を参考に、イニシアチブについて理解を深めてください。


この記事の監修者
株式会社dacsfirm  取締役 

イニシアチブとは

イニシアチブは先手を打つことや、優位に物事を進めることを意味しています。

イニシアチブは、英語でinitiativeと表記されます。ビジネスシーンでは「率先して行動する」という意味で使用されます。

目標を達成することが重要なビジネスの場面では、必要な姿勢です。

大切な商談では、有利に商談を進めるためにイニシアチブを積極的に取ることが求められます。


【シーン別】イニシアチブの使い方・例文

イニシアチブは、ビジネスだけでなく、政治・経済やスポーツシーンでも使用されます。

ここでは、シーン別にイニシアチブの使い方や例文を紹介します。

ビジネスシーンでの使い方・例文

「主導権」や「実行力」の意味で使われることが多いビジネスシーンでは、積極的に行動することで、安定的な収益を確保したり、市場でのシェアを拡大しやすくしたりすることができます。

ビジネスシーンでの、イニシアチブの使い方は下記になります。

  • イニシアチブを取る

主導権を握りたい場面では「イニシアチブを取る」という使い方がされます。

イニシアチブを取るの類語として「イニシアチブを握る」という表現がありますが、やや高圧的な印象が強いため使い方に注意が必要です。

<例文>
「彼女が積極的に発案し続けたおかげで、イニシアチブを取ることができた」
「競合他社にイニシアチブを取られないようにしよう」

  • イニシアチブを発揮する

イニシアチブを「主導権」という意味合いで活用したい場合には「イニシアチブを発揮する」という表現をします。

組織やチームの一員としてイニシアチブを発揮する場合は、リーダーシップを発揮すると同様の意味になります。

<例文>
「イニシアチブを発揮したことで、商談を有利に進めることができた」
「彼がイニシアチブを発揮したおかげで、プロジェクトを成功させることができた」

  • 戦略的イニシアチブ

戦略的イニシアチブは、企業の目標達成において重要な役割を果たす取り組みのことを意味します。

新たなビジネスモデルの開発や企業の成長など「構想」といった意味合いで使用されます。

<例文>
「今度のプロジェクトは、戦略的イニシアチブになるだろう」
「今後の活動を見据えて、戦略的イニシアチブを立案することにした」

政治・経済における使い方・例文

政治・経済の世界でのイニシアチブは「構想」の他に、国民の発議権を認める制度である「国民発案」の意味で使用されることもあります。

政治・経済でのイニシアチブの使い方は下記になります。

  • 構想

政治・経済においてのイニシアチブは「構想」の意味合いで使用されます。気候変動イニシアチブや地域イニシアチブといった形で使われることがあります。

<例文>
「国家が国際的な指針作りを念頭に、イニシアチブを公表した」
「安全保障イニシアチブを提唱する」

  • 国民発案

国民発案とは、国家意志の形成について国民にも発案権を認める制度のことです。

日本では、国民発案に関する規定が存在していないため、国民発案制度は認められていません。

参考:衆議院憲法調査会事務局 衆憲資第59号

<例文>
「より良い国家形成のために、イニシアチブが必要だ」
「市民は、イニシアチブ制度の導入を望んでいる」

スポーツにおける使い方・例文

スポーツシーンでのイニシアチブは「優位に立つ」といった意味を持ちます。

スポーツシーンでのイニシアチブの使い方は下記になります。

  • 有利・優勢

スポーツシーンでのイニシアチブの場合、積極的なプレーを心がけたり相手にプレッシャーを与えたりすることで有利・優勢になることを意味します。

<例文>
「今回の試合では、イニシアチブを取ったため勝利できた」
「相手にイニシアチブを奪われないようにプレーしよう」


ビジネスシーンでイニシアチブを取る方法

ビジネスシーンでイニシアチブを取ることは、目標を達成するために重要な施策の1つです。

  • 積極的に自分の意見を主張する
  • 積極的に提案者となる
  • 聞き役にまわる

上記3つのビジネスシーンでイニシアチブを取る方法について解説します。

積極的に自分の意見を主張する

ビジネスシーンにおいてイニシアチブを獲得するためには、自身の意見を積極的かつ明確に伝えることが重要です。

自分の意見を主張しないと他者の意見に追従することになってしまう可能性があります。

商談やプレゼンでは「自分の意見を明確にわかりやすく伝えること」が大切です。

意見をはっきりと伝えることで、明確な自己主張が可能となりイニシアチブの取得に繋がります。

積極的に提案者となる

ビジネスシーンでイニシアチブを取るためには、積極的に提案する力が重要となります。

問題を明確にして複数の解決策を提案することで、どのような状況でもイニシアチブを取りやすくなります。

問題を明確化するためには、原因の特定や問題に対しての影響の範囲を把握することが大切です。

原因への対処法や実現できる可能性についてステップを踏んで検討する必要があります。

聞き役にまわる

自分の意見を主張することは重要であることを先述しましたが、一方的に主張を続けると逆効果になってしまいます。

自分の主張を伝えることと同時に、時には「聞き役」として行動することもイニシアチブを取るためには重要です。

相手の状況に合わせてうなずいたり、質問を行ったりして相手の話に耳を傾けている姿勢を示しましょう。

その場の状況に応じて「聞き役」にまわることで、自然にイニシアチブを取ることができます。


イニシアチブの類語・対義語

イニシアチブには、混同しやすい類語や対義語がいくつか存在します。

ここでは、イニシアチブの類語・対義語をそれぞれ詳しく解説します。

イニシアチブの類語

イニシアチブの類語には、リーダーシップや率先的・積極的などが挙げられます。

3つの類語についてそれぞれの意味を詳しく見ていきましょう。

リーダーシップ

リーダーシップは、集団を統制し先導する能力を指す言葉です。「主導する」や「他者を導く」という意味で用いられ、イニシアチブと似ています。

しかし、リーダーシップは主に集団の中での主導権や率先した行動を意味する点で異なります。

イニシアチブは、あくまでも個人の積極的な行動を指し、他者への影響や他者を巻き込んだ行動などの意味は含まれません。

率先的

率先とは、自らが先頭に立って物事を進めることを意味します。

自らが行動することによって、他者に良い影響を与え引っ張るといった行動を強調する言葉として使用されます。

イニシアチブも自発的な行動を意味しますが、こちらは単に個人の行動を示すことに焦点を当てるため他者を巻き込むといった意味合いは含まれません。

積極的

シーンに応じて、イニシアチブは「積極的」と同様の意味で使用されることがあります。

どちらも能動的な行動を示しますが、「積極的」は主に個人の行動様式を指すのに対し、イニシアチブは個人と組織全体の両方の行動を指すことが多いです。

言葉の意味としては、似ているため同様に使われることも少なくありません。

イニシアチブの対義語

イニシアチブの対義語には、追随・追従やフォロワーシップなどが挙げられます。

追随・追従とフォロワーシップの意味について詳しく解説します。

追随・追従

追随は先行する人を追いかける意味を持ち、加えて追従は他人に従うというニュアンスも含まれます。

イニシアチブは「主導権を取る」「率先して行動する」といった意味合いを持つため、後の人が追いかけるや他者に従うといった意味を持つ追随や追従とは対照的な概念を持ちます。

フォロワーシップ

イニシアチブが「リーダーシップ」として用いられる場合、その対義語は「フォロワーシップ」となります。フォロワーは、リーダーやチーム全体を補佐することです。

そのため、リーダーやチームを組織的にサポートする姿勢のことをフォロワーシップと表現します。

データの共有や部下にアドバイスをするなどもフォロワーシップとして大切な行動です。

リーダーだけに頼らず、その他のメンバーも多角的な視点が必要となった現代ではフォロワーシップが求められています。


イニシアチブについてのまとめ

イニシアチブは、ビジネスシーンで主導権や率先した行動を意味します。

政治・経済シーンでは「構想」や「国民発案」、スポーツシーンでは「有利」「優勢になる」といった意味合いで使われます。

ビジネスシーンでイニシアチブを発揮するには、積極的に意見を述べたり、新しい提案をしたり状況に応じて聞き役になったりすることが効果的です。

イニシアチブは、リーダーシップや積極性と類似する意味を持ちますが対象人物によって意味合いが異なるので注意して使いわけてください。

ぜひこの機会にイニシアチブを意識して行動してみましょう。


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監修者プロフィール

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下川 貴一朗

株式会社dacsfirm 取締役

国内中堅証券、監査法人系コンサル、独立系FA・PEファンドを経て、2019年12月より現職。得意領域は経営戦略の立案・実行・管理の全般。

常勤先の株式会社キャムでは、取締役としてコーポレート・マーケティングの2部門を新設し、現在はマーケティング部門を管掌。

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