クラウド型eラーニングシステム10選! 導入メリットやおすすめ製品を徹底解説

クラウド型eラーニングシステムは、インターネット経由で利用できる学習管理システムです。システムの構築が必要ないので導入へのハードルが低い特徴があります。
しかし実際どのような料金形態か、オンプレミス型と比べて何に秀でているのか分かりにくいかもしれません。
本記事では、クラウド型eラーニングシステムの導入メリットや選び方について解説します。おすすめシステムの紹介もしているので、ぜひ導入の参考にしてください。
クラウド型eラーニングシステム(LMS)とは
クラウド型eラーニングシステム(LMS)とは、インターネットを通じて利用可能な学習管理システムのことです。
ネット環境さえあれば、スマホやタブレットから場所・時間を問わずに学習できます。受講状況の管理や教育効果の測定など、教育研修に必要な機能を一元的に管理することが可能です。
自社でシステムを構築・運用する必要がなく、初期費用を抑えられます。メンテナンスやアップデートもベンダー側で対応してくれるため、社内のIT管理負荷を軽減できるはずです。
eラーニングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
クラウド型とオンプレミス型の違い
クラウド型とオンプレミス型の大きな違いは、以下のような料金体系とアクセス方式にあります。
|
クラウド型 |
オンプレミス型 |
料金体系 |
サブスクリプション型 |
買い切り型 |
月額料金といった定額制課金で、利用した分だけ料金を支払う |
初期費用は高額だが、長期的な運用コストが安くなる |
|
アクセス方式 |
インターネット経由でどこからでもアクセス可能 |
社内ネットワーク内でのみ利用可能 |
特に社外からのアクセスを考慮する場合は、クラウド型の方が柔軟に対応できるでしょう。
クラウド型eラーニングシステムのメリット
ここからは、クラウド型eラーニングシステムの主なメリットを以下の5つご紹介します。
- 気軽に導入できる
- 場所を問わずに受講できる
- メンテナンスの手間がかからない
- 導入コストを抑えられる
- 災害リスクを軽減できる
気軽に導入できる
クラウド型は自社サーバー内にシステムを構築する必要がないため、簡単に導入できます。
システム構築のための専門知識やエンジニアが不要で、教育担当者のみで運用開始できるのが大きな利点です。
最短1週間程度で利用開始できるサービスもあり、迅速なシステム導入ができます。
また、月額課金制のサービスが多く初期費用が低いので、スモールスタートで始めたい方におすすめです。
場所を問わずに受講できる
クラウド型はPCやタブレット、スマホからいつでもどこでもアクセス可能です。自宅やカフェ、移動中など、インターネットに接続できる環境であれば場所を問わず学習できます。
社員のリモートワーク・テレワークにも対応しており、働き方の多様化を推進する企業にも向いています。
サテライトオフィスや営業所など、拠点が分散している組織での集合研修にも活用できるのです。
メンテナンスの手間がかからない
クラウド型のシステムメンテナンスやアップデートはベンダーが実施するため、自社で行う必要がありません。常にシステムが最新かつ安全な状態なので、システム運用の負荷を大幅に下げられます。
自社の限られたITリソースを他の業務に振り分けることで、業務効率化にもつながるでしょう。
導入コストを抑えられる
クラウド型はサーバーやデータベース構築費用が不要なため、導入コストを削減できます。初期費用ゼロで導入できるサービスも多いため、システム導入のハードルが低いのです。
料金体系は月額数万円程度が一般的で、社内の利用人数に応じた柔軟なプラン設定ができます。社員数の増減にも迅速に対応可能で、無駄なコストをかけずに運用できるのが強みです。
eラーニングの費用については、以下の記事で詳しくチェックしてみてください。
災害リスクを軽減できる
クラウドサービスは、データを複数拠点に分散することで災害リスクを軽減しています。そのため地震の自然災害やサイバー攻撃によるシステム停止の危険性が低いです。
事業継続計画(BCP)の観点からもクラウド型の方が優れています。
万が一の際もベンダーがデータ復旧の対応をしてくれるので安心です。自社でバックアップを取る手間も省け、災害対策コストの削減にもつながります。
クラウド型eラーニングシステムの選び方
数あるクラウド型eラーニングシステムの中から、自社に最適な製品を選ぶためには以下のポイントを見ていきましょう。
- 自社の研修目的に合ったコンテンツは揃っているか
- システムのカスタマイズ性は高いか
- 既存教材の活用は可能か
- 学習管理システム(LMS)の機能は十分か
- セキュリティ対策は十分か
自社の研修目的に合ったコンテンツは揃っているか
システム選定時は、自社の研修目的に沿ったコンテンツが提供されているかを確認することが大切です。
ビジネススキルや階層別教育、コンプライアンス、ITスキルなど、eラーニング教材はジャンルが多岐にわたります。
利用できるコンテンツ数の量も、選定の判断材料です。幅広い階層・職種に対応できるよう、十分なボリュームが用意されているものを選びましょう。
システムのカスタマイズ性は高いか
自社ニーズに合わせたカスタマイズができるシステムを選びましょう。社名やロゴを表示できるか、使用する機能を取捨選択できるかなど、細かな設定変更に対応しているとより使いやすいです。
管理画面のUIや言語の変更、学習サイトのデザインカスタマイズ性が整っていれば、導入後の運用効率アップにつながります。
既存教材の活用は可能か
社内の既存教材をアップロードし、利用できるかという点も確認しておくべきです。
自社で作成済みのPDFや動画教材などの利用を希望する場合は、対応可能なファイル形式やデータ容量の上限に注意してください。
PowerPointの資料を変換してアップロードできるかなど、教材作成の手間を省ける機能もチェックしましょう。既存の資産を有効活用することで、eラーニングコンテンツの不足に備えられます。
学習管理システム(LMS)の機能は十分か
学習管理システムの機能としては、単なる教材配信だけでなく、社員の学習状況を可視化・分析できる機能があるとeラーニング運営に役立ちます。
管理者機能が充実していれば、教育担当者の事務作業を大幅に削減可能です。
一括受講指示や進捗状況の把握、修了率の集計などの機能を使いこなし、eラーニング運用を効率化しましょう。
セキュリティ対策は十分か
SSL暗号化などのセキュリティ対策が十分かどうかも見極めが必要です。
個人情報を含む社内データをクラウド上で管理することになるため、サービス提供会社のセキュリティ体制を慎重にチェックしなければなりません。
ISMS認証など、客観的な評価基準を満たしているサービスを選ぶと安心です。
おすすめのクラウド型eラーニングシステム10選
ここからは、便利なクラウド型のeラーニングシステムを10選紹介します。
費用の内訳や機能まで紹介していますので、自社に合ったサービス選びの参考にしてください。
SAKU-SAKU Testing
項目 |
内容 |
費用 |
※すべて税込 |
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(1カ月) |
主な機能 |
など |
対象規模 |
小規模企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
SAKU-SAKU Testingはクラウド型システムで、PC・スマホ・タブレットに対応し、場所や時間を選ばずに学習できます。ブラウザベースでアプリは不要なため、インストールの手間がかかりません。
コンテンツの登録後、配信機能により組織やグループを限定した配信が実現。同じコンテンツを定期配信することで、受講結果の比較を一元管理することも可能です。
ほかにも、リアルタイムでの受講状況確認や、学習用のドリルやテスト、アンケートの作成など、eラーニングに必要な機能が充実しています。
etudes
項目 |
内容 |
費用 |
|
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(1カ月) |
主な機能 |
など |
対象規模 |
小規模企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
etudesは、直感的な操作性と充実した機能で、企業のeラーニングをサポートするクラウド型システムです。
マニュアルを見なくても誰でも簡単に使えるようなUI/UXにこだわっています。PCやスマホ、タブレットに対応し、場所や時間を選ばずに学習できます。
動画、ドキュメントファイル、テストなど、多様な形式の教材を配信可能です。また、受講者の学習進捗をリアルタイムで確認できるなど、学習状況が可視化されます。
Cloud Campus
項目 |
内容 |
費用 |
※すべて税抜 |
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(1カ月) |
主な機能 |
など |
対象規模 |
大企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
Cloud Campusは、高度なITリテラシーは一切必要なく、誰でもカンタンにeラーニング運用ができるシステムです。面倒なサーバー構築やソフトウェアのインストールは不要で、迅速なシステム導入ができます。
サイバー大学がシステムの運用・管理を行うため、安心してeラーニングに集中でき、導入から運用まで専任スタッフが丁寧にサポートします。
また、コース設定画面で、顔認証を実施するチャプターを登録することで、受講開始前に本人確認を行うことが可能です。なりすましを防止でき、認証が成功しないと受講者は受講できません。
LECのeラーニング研修
項目 |
内容 |
費用 |
【基本料金(1講座あたり)】
【セレクト5プラン】
【セレクト10プラン】
【セレクト20プラン】
【セレクト30プラン】
【学び放題ベーシックプラン】
【学び放題アドバンストプラン】
※すべて税込 |
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(期間無制限) |
主な機能 |
|
対象規模 |
大企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
LECのeラーニング研修は、クラウド型の法人向けeラーニングシステムです。インターネット環境さえあれば、場所を選ばずに学習可能です。スマホ、タブレットにも対応しているので、スキマ時間を有効活用できます。
法務、コンプライアンス、ビジネススキルなど、幅広い分野を網羅した約300講座のラインナップで、基礎から応用まで、レベルも多種多様です。新入社員から管理職まで、それぞれのニーズに合わせて研修を行えます。
スライド形式と動画形式の2種類の受講方式から選択可能。管理者向けの機能も充実しており、受講者の進捗状況を簡単に把握できます。
タレントパレット
項目 |
内容 |
費用 |
要問合せ |
無料プラン・トライアルの有無 |
要問合せ |
主な機能 |
eラーニング・研修管理の機能
他機能
など |
対象規模 |
小規模企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
タレントパレットは、クラウド型の人材管理システムで、 eラーニング機能も充実しています。
プレゼンテーション、セキュリティテック、ビジネスマナーといった幅広いコンテンツを用意。受講した研修は、社員の研修受講履歴として自動的に蓄積されます。
また、自社オリジナルの eラーニングコンテンツの作成も可能です。 PDF、パワーポイント、動画、HTMLページなど、自社が持っている教材をeラーニングコンテンツとして反映できます。
さらに、教材を元に穴埋め形式や複数選択、自由記入など、様々な形式の問題作成を代行します。
サクテス学びホーダイ
項目 |
内容 |
費用 |
※すべて税込 |
無料プラン・トライアルの有無 |
要問合せ |
主な機能 |
要問合せ |
対象規模 |
小規模企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
サクテス学びホーダイは、導入前にトライアルできるシステムです。
内定者教育用コンテンツでは、6か月間で入社までに知ってほしい、理解してほしい8カテゴリーを、イントロと170問のドリル・解説で学べます。集合研修を組み合わせ、反転学習をすることで、さらに効果的な教育が行えるでしょう。
また、ビジネスマナーやコンプライアンスといった幅広い知識を学べる約3,000問の問題集も魅力の一つ。研修後のチェックテストや社内試験など、従業員教育の多くのシーンで活用できます。
GLEXA
項目 |
内容 |
費用 |
要問合せ |
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(30日間) |
主な機能 |
など |
対象規模 |
要問合せ |
スマホ対応の有無 |
〇 |
GLEXAは、クラウド型に対応しているeラーニングシステムなので、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも学習できます。
オフィスや自宅、カフェ、移動中でも、学習機会を逃しません。PCの他にスマホやタブレットにも対応しており、場所や時間に縛られず、従業員の学習機会を最大限に広げられます。
また、誰でも簡単に使えるUIで研修業務の効率化が可能。シンプルな操作性で快適な運用を促進し、システム管理者の業務負担を大幅に軽減できます。
e学びばこ
項目 |
内容 |
費用 |
【クラウド価格】
※300名以上は要問合せ
【オンプレミス価格】
※すべて税抜 |
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(2週間) |
主な機能 |
受講機能
学習管理機能
運用管理機能
など |
対象規模 |
中小企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
e学びばこは、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも学習できます。
受講者はパソコンやスマホ、タブレットを使って、好きな時間に好きな場所で学習を進めることが可能です。管理者も、場所を選ばずに受講者の学習進捗状況や成績などを確認できます。
さらに、e学びばこは初期費用無料。クラウド版は同時アクセスユーザー数最小5名から、8,000円~というリーズナブルな価格で利用できます。コストを抑えながらeラーニングを導入したい企業に最適です。
ひかりクラウド スマートスタディ
項目 |
内容 |
費用 |
初期費用:5,500円(税込)/契約 月額利用料:基本機能:198円(税込)/受講者ID |
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(2週間) |
主な機能 |
など |
対象規模 |
小規模企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
ひかりクラウドスマートスタディは、インターネット環境さえあれば、オフィスや自宅、移動中でも学習できます。
クラウド型なので、サーバーやソフトウェアのインストールは不要。すぐに使い始められるのが魅力です。
シンプルな操作画面で、誰でも簡単に教材をアップロードしたり、学習状況を確認したりできます。動画やクイズ、テストなど学習コンテンツを充実させるための機能も豊富です。
SmartHR
項目 |
内容 |
費用 |
要問合せ |
無料プラン・トライアルの有無 |
〇(15日間) |
主な機能 |
労務管理
タレントマネジメント
従業員データベース
など |
対象規模 |
小規模企業 |
スマホ対応の有無 |
〇 |
SmartHRは、従業員教育に役立つ学習管理機能を搭載しているクラウド型人事労務ソフトです。
スマートフォン対応なので、従業員はいつでも・どこでも研修用コンテンツを受講できます。研修を受けてもらうための場所確保や日程調整の手間もないため、従業員の受講負荷を削減可能です。
また、過去の受講歴を含め、誰がどの研修を受講しているのかひと目で分かります。職種や役職ごとに求められる研修要件を満たしているか、簡単に確認できるので便利です。
クラウド型eラーニングシステムで効率的に研修しよう
クラウド型eラーニングシステムの導入により、eラーニングをスムーズに活用できます。場所も時間も選ばずに学習可能で、管理コストを大幅に削減できるのが魅力です。
しかし、クラウド型と一概にいっても機能性やプラン、セキュリティはサービスによって異なります。
本記事で紹介した選び方やおすすめのシステムを参考に、自社の課題やニーズにマッチしたシステムを比較検討してみてください。
自社に合ったLMSシステムを導入し、効率的な研修を目指しましょう。社員の自己啓発を支援しながら、全社的な人材育成を効率的に進められるはずです。