このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

サテライトオフィスとは? メリットやデメリット・導入事例を紹介

著者:   bizocean編集部

サテライトオフィスとは? メリットやデメリット・導入事例を紹介

サテライトオフィスの設置は、「働きやすさ」や「業務効率化」をもたらす可能性があります。

しかし、導入にあたっては、メリット・デメリットを評価し、自社の適性を見極める必要があります。

本記事では、サテライトオフィスの概要やメリット・デメリットなどを解説した上で、導入事例も紹介していきます。


サテライトオフィスとは

サテライトオフィスとは、企業や団体の本拠地(本社)から離れた場所に設置された比較的規模の小さなオフィスのことです。

語源は英語の「satellite(衛星)」からきており、本拠とするオフィスを中心として、衛星のように設置される様子から名付けられました。

支社・支店との違い

本拠地とは異なる場所に設置されるという意味では、サテライトオフィスと支社・支店は、同じものに思えますが、その機能と目的には違いがあります。支社・支店は、事業や業務といった部分に重点をおく一方、サテライトオフィスは従業員の働き方に重点をおきます。

例えば、全国規模の食品大手企業では、日本国内に商品を流通させること(事業)を目的に各地方に支社をおいています。

しかし、サテライトオフィスの場合は、都市部に本社がある会社に通えない地方在住の従業員にも本社と同様の働き方ができるよう、本拠地とは別のオフィスが設置されます。

つまり、わざわざ遠くにある本社に出勤しなくても近くのオフィスで仕事ができるため、サテライトオフィスを活用した勤務体系はICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効活用できる柔軟な働き方といえます。


サテライトオフィスの種類

サテライトオフィスは、その機能や用途によって「都市型」「郊外型」「地方型」の3つに分類されます。それぞれ特徴が異なるため、自社にはどのタイプが適しているのか確認しましょう。

1.都市型サテライトオフィス

都市型サテライトオフィスは、都市部に本拠地を構えながらも、同じエリアに別のオフィスを設置するタイプです。

このタイプの多くは、第二営業所や第三営業所としての役割を求められており、従業員が出張や営業で外出した際に本社に戻らなくてすむことを目的としています。出先に近いオフィスで業務ができることによって、移動に要する時間が短縮され、従業員の生産性向上につながります。

2.郊外型サテライトオフィス

郊外型サテライトオフィスは、都心部から離れたベッドタウンなどに別のオフィスを設けるタイプです。

例えば、東京23区内に本社をもつ企業が、埼玉や千葉などにサテライトオフィスを構えるケースが該当します。従業員の通勤にかかる時間や費用の削減が主な目的であり、自宅から近い場所に職場が整備されていることで、育児や介護などと仕事を両立しやすくなります。

3.地方型サテライトオフィス

地方型サテライトオフィスは、都市部に本拠地をもつ企業が、地方に別のオフィスを設けるタイプです。

地方の特色に合わせたオフィス展開が可能であり、UターンやIターンなどによって引き起こされる離職率の低下や、従業員それぞれのワークライフバランスの充実に寄与します。

また、地方にとっては雇用の創出にもつながるため、積極的にサテライトオフィスの誘致に乗り出す自治体が多く見受けられるのも特徴です。


サテライトオフィスを設置する4つのメリット

サテライトオフィスを作ることによって、企業や団体は多くのメリットを享受できます。

代表的なメリットとしては、「コスト削減」「ワークライフバランスの実現」「優秀な人材の確保」「BCP対策」の4つが挙げられます。

交通費などのコスト削減

まず挙げられるメリットとしては、交通費などのコストが削減できる点です。

例えば、営業先や従業員の住居近くにサテライトオフィスを設置することによって、オフィスに移動するためのコスト(費用と時間)が抑えられます。

また、支社や支店のように設備や人員をしっかり整える必要はなく、最低限のインフラが整備されていればよいため、設備投資に必要なコストも抑えられます。

ワークライフバランスの実現

従業員一人ひとりのワークライフバランスの実現が期待できるのも、大きなメリットです。

仕事を選ぶ上で就業場所と自宅との距離に重点をおく人は多いため、サテライトオフィスによって通勤・移動時間が削減できることは大きな魅力です。

削減できた時間は業務に充てられるため、長時間労働が減少しプライベートの充実にもつながります。したがって、サテライトオフィスは、介護や育児と仕事を両立したい人などが、ワークライフバランスを実現するのに役立ちます。

優秀な人材の確保

サテライトオフィスを設けることで、「介護や育児と仕事を両立したい」「通勤時間を短縮したい」といったさまざまなニーズに応えられます。

そして、そのような要求に応えることで、働き方に課題を抱えている人や地方に住んでいる人など、多様で優秀な人材が集まる効果が期待できます。

また、職場環境に対する従業員の満足度が高ければ離職率も低下するため、人材の流出防止にもつながるでしょう。

BCP(事業継続計画)対策

BCPとは、台風や地震、火災やテロなど、さまざまな緊急事態に直面したときでも、事業を継続させ、早期に通常の状態に復旧させるための計画のことです。

もし、本社や本拠地が地震などの災害によって機能不全に陥っても、サテライトオフィスが無事であれば事業を継続できます。

つまり、本社以外に、必要最低限でも本社と同等の業務ができる環境を整備しておくことによって、万が一のリスクにも対応でき、それによって顧客からの信頼獲得にもつながります。


サテライトオフィスを設置する3つのデメリット

多くのメリットを享受できる一方で、サテライトオフィスにもデメリットが存在します。メリット・デメリットを見極めた上で、自社にとって設置が有効なのかどうかを判断してください。

コミュニケーションロス

サテライトオフィスでは、本社との連絡手段にメールや電話、チャットなどのコミュニケーションツールを用いるのが一般的になるため、直接会って対話する機会が減少してしまいます。

非対面のコミュニケーションが続くと、打ち合わせなどで細かなニュアンスの理解に違いが生じてしまったり、事務的なやり取りがメインとなることで斬新なアイデアが創出しにくくなってしまったりなどの問題が生じます。

また、個々の通信環境によっては、ノイズが多くてコミュニケーションが取りづらくなるといった問題も発生します。そのため、最新のICT技術を導入するなど、不自由なく業務ができるような工夫が必要です。

拠点間での格差

郊外型・地方型のサテライトオフィスを拠点とする従業員は、本社の従業員と同様の研修やセミナーを受けられない可能性があります。

研修やセミナーは、一か所に対象となる人を集めて大人数で行うことが多いため、本社やその近辺で開催されるのが一般的です。したがって、郊外や地方で勤務する社員にとっては、移動のハードルが高くなります。

また、都心と地方では、インプットする情報量にも差が生じるため、同じ企業にいながら拠点間で情報格差が発生してしまいます。

こういった課題を是正するためには、研修やセミナーをオンラインで開催したり、ICTツールを用いたりする必要があります。

日常的に情報共有の機会を設けることによって解消できる部分もあるため、格差是正のための努力が重要です。

セキュリティリスク

サテライトオフィスは、本社に比べてICT環境の整備をおろそかにしがちで、セキュリティ対策が不十分なケースも多く見受けられます。

対策を講じなければ、外部からのサイバー攻撃を受けやすくなり、機密情報や重要なデータが流出するなど、情報漏えいのリスクが高まります。

また、サテライトオフィスは自社専用ではなく、他の会社や団体とシェアするタイプもよくあります。人の出入りや施錠なども含めて管理を徹底し、情報漏えいを起こさないよう十分な対策が必要です。


総務省も推進するサテライトオフィス

総務省では、働き方改革や地方創生につながるサテライトオフィスの導入を推進しており、開設・誘致に取り組む地方公共団体を支援する「お試しサテライトオフィス」事業を行っています。

この事業の背景には、都市部から地方に向けた人の流れを創出するという目的や、地方自治体が具体的な誘致戦略を構築できるようにするといった狙いがあります。

企業にとっても、いきなり知らない土地でサテライトオフィスを開設するのはハードルが高いため、自治体が用意する施設を使って実際に仕事をしてみて、メリットを実感できる良い機会となります。総務省では特設サイトを設置しており、企業と自治体とをマッチングする機会を創出し、サテライトオフィスの導入をサポートしています。

(参照元:https://www.soumu.go.jp/satellite-office/index.html)


サテライトオフィス導入事例

では実際に、企業はどのような形でサテライトオフィスを導入しているのでしょうか。さまざまな問題点や課題を克服し、効果を実感している具体例を知ることで、導入を検討する際の良い参考になるでしょう。

事例1. 月5万人が88拠点を利用

電機メーカーのある大手企業では、PC紛失による情報漏えい事故をきっかけに、働き方改革への取り組みを強化しています。管理業務の内容やプロセスの刷新、職場マネジメントの強化、時間と場所の制約をなくす「タイム&ロケーションフリーワーク」を推進しました。

サテライトオフィスの設置は、この「タイム&ロケーションフリーワーク」のひとつで、2020年3月時点で計88拠点も設置され、グループ全体で月間延べ5万人以上が利用しています。

とくに、2017年に設置された東京都中央区にあるサテライトオフィスでは、23区内にあるという地理的な利点が活かされています。営業に要する移動時間や通勤時間が短縮されたことによって、ストレス減少や長時間勤務の改善など、さまざまな効果が現れています。

事例2. 首都圏の災害に備えて徳島県に設置

デジタルコンテンツサービス企画や映像メタデータ運用を行うある企業は、徳島県にサテライトオフィスを設置しています。そのオフィスは、徳島市内から車で約1時間の山間にあり、築90年の古民家を改修したものです。

設置のきっかけは、2011年に発生した東日本大震災によって、BCP対策への意識が一気に増したことでした。また、東京に一極集中する同業他社がリスク管理のために、サテライトオフィスの設置に取り組んでいたことも理由のひとつです。

実際に仕事を始めてみると、東京と何も変わらないことに気付き、むしろ2拠点化によってITツールを積極的に活用したため、業務の効率が飛躍的に向上したそうです。

導入にあたっては、サテライトオフィスを「東京本社に対する支社」という立場にせず、東京と同じ業務ができる環境を用意しています。

また、就業場所が従業員の人事評価や給与に影響しないことを会社が保証し、継続して働きたいと思ってもらえるよう心理的不安を取り除く工夫も実践しています。


まとめ

サテライトオフィスを設置することによって、従業員の働きやすさ向上や業務効率化につながります。

まずは、導入によって期待できる、コスト削減などの「量的効果」と、職場環境に対する満足度などの「質的効果」を調査し、自社に適しているのかを確認するようにしましょう。

そして、サテライトオフィスの設置で発生し得るデメリットとのバランスを考慮しながら、将来的に成長し続ける会社になるための選択をすることが重要です。

この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

bizocean編集部

この著者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ