ワーク・ライフ・バランスって古いの? 注目される新しい考え方、成功ポイントを解説!
ワークライフバランスの概念は社会に広く定着し、多くの企業がその普及に努めています。
しかし、最近になって「ワークライフバランスは時代遅れ」「ワークライフバランスは古い」との声も少なくありません。
そのため現在では、ワークライフバランスに代わって新しい考え方に注目が集まっています。
この記事では、ワークライフバランスがなぜ古いとされるのかと、それを補完する新しい考え方について紹介します。
ワーク・ライフ・バランスが古いと言われる理由
ワークライフバランスが古いと言われる理由は、仕事と家庭を分けて天秤にかけるといった間違った考え方が広がってしまったことが考えられます。
- 仕事と私生活は別で考える考え方が浸透した
- 評価制度が整っていない
- 社員の要望に対応しきれない
上記3つのワークライフバランスが古いと言われる理由について解説します。
仕事と私生活は別で考える考え方が浸透した
ワークライフバランスが古いと言われる理由の1つとして「仕事」と「私生活」を対立したものと考え、別のものとする考え方が浸透したことが挙げられます。
ワークライフバランス施策は、社員に対して短時間で高い成果を要求するため、業務効率と成果で従業員を評価することになります。
しかし、旧来の時間給システムでは対応が難しく、特に成果の測定が困難な職種では適切な評価の欠如やモチベーション低下のリスクが少なくありません。
そのため、仕事と私生活の「バランス」を取ることにいくつもの問題点が生じることになってしまったのです。
評価制度が整っていない
業務の効率化を重視するワークライフバランスは、労働者の成果に対しての評価を適切に行うことが重要です。
伝統的な時間に基づく給与制度では適応が難しく、特に成果が数字で示しにくい仕事では、適切な評価が困難な場合もあります。
給料減少による社員の不満やモチベーションの低下に繋がってしまう可能性があります。
社員の要望に対応しきれない
企業が個々のワークライフバランスを目指してはいるものの、特にチーム作業では休憩中の緊急対応が発生することがあります。
タイムリーな対応を求められる仕事では、全従業員に合わせた働き方を実現するには限界が生じる場合があるのです。
ワーク・ライフ・バランスに変わる新しい考え方
古いと言われているワークライフバランスに代わる新しい考え方はいくつかあります。
- ワークライフマネジメント
- ワークライフインテグレーション
- ワークライフブレンド
上記3つの新しい考え方について解説します。
ワークライフマネジメント
ワークライフマネジメントは、個々の主体性を尊重し、仕事と私生活の調和を目指す概念です。
企業は、フレックスタイム、リモートワークなどの多様な働き方について理解を深めるとともに、従業員が自らの働き方を管理できるように支援することが望ましいと考えられています。
ワークライフマネジメントを推進することで、従来の就業環境になじみにくかった方や、やむを得ず時間的制限を行っていた人が、自発的に業務に取り組みやすい就業環境にすることができます。
ワークライフインテグレーション
ワークライフインテグレーションは仕事と私生活の「統合」を図る考え方であり、休暇をとりながら働くことができる「ワーケーション」がその一例です。
このアプローチは仕事と生活の双方の充実を可能にし、メンタルヘルスの保持や生活の質を向上させることに繋がります。
生産性向上と従業員の成長が見込まれるため、企業の成長にとってもメリットがあります。
しかし、ワークライフインテグレーション実現のためには企業の柔軟な労働時間制度とテレワークの導入などの支援が必要であるため、新しい働き方について会社全体の理解を得ることが重要でしょう。
ワークライフブレンド
ワークライフブレンドは、仕事と私生活の境界を設けない考え方です。
自分の好きなことややりたいことと仕事が一致していることが特徴であるため、仕事に私生活の時間が奪われているという考え方ではありません。
ワークライフブレンドは、自由度が高く生活と仕事の相乗効果が狙えます。自分の好きなことを仕事にしているため、意欲的に仕事を進めることができ、充実した働き方ができます。
ワークライフブレンドを推進するためには、会社側と労働者側の間での認識のずれが生じないように、しっかりと話し合いや協議を深めることが必要です。
新しい考え方を成功させるポイント
ワークライフバランスに代わる新しい考え方を導入する際、企業として成功させるポイントについて解説します。
従業員が働きやすい体制を整備する
ワークライフバランスに代わって「ワークライフマネジメント」「ワークライフインテグレーション」「ワークライフブレンド」などの考え方を導入する際に成功させるポイントとして、従業員が働きやすい体制を整備することが挙げられます。
従業員が働きやすい体制を作るためには、社内外どこにいても連絡が取れるツールや、就業時間の把握・スケジュール管理が簡単にできる勤怠管理システムなどを整えることが大切です。
適切な評価体制制度を設ける
新しい考え方を取り入れる際には、従業員の成果に対して適切に評価できる体制が必要です。従来の長時間労働の評価が高くなるという意識を払拭することが重要になります。
企業側も、会社にいる時間を評価しがちになってしまうため新しい考え方を取り入れる際には、
まず、従来の評価制度がどのようなものであったかをしっかりと分析したうえで、現状の働き方が正当に評価される仕組み作りを行うことが重要といえます。
まとめ
ワークライフバランスが古いと言われる理由には、概念が間違って浸透してしまったことや評価制度の不備などがあります。
新たな考え方として「ワークライフマネジメント」や「ワークライフインテグレーション」「ワークライフブレンド」が提案されています。
しかし、どの概念も従業員の適切な管理と職場環境整備は必須です。新たな考え方の導入に対する理解をしてもらうことや評価体制制度を設けたり、従業員が働きやすい環境を整備することが重要です。
ワークライフバランスに代わる新しい考え方を取り入れるために、まずは働きやすい体制や適切な評価体制を整えましょう。