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労務管理における目標設定の具体例|職種別・部門別に紹介

労務管理における目標設定の具体例|職種別・部門別に紹介

労務管理において適切な目標設定をすることで、従業員のモチベーションや組織の生産性の向上に大きく寄与します。目標を設定する際は、部門や職種に応じたものを設定すると良いでしょう。

本記事では部門別・職種別の目標設定例と、目標の管理方法について解説します。適切な目標設定と管理を行い、組織全体の成長に役立ててください。


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【部門別】労務管理における目標設定の例

企業の各部門には、それぞれ異なる役割と責任があります。そのため、部門ごとに適切な目標設定を行うことが重要です。

ここでは、人事部門、総務部門、経理部門、営業部門の具体的な目標設定例を紹介します。各部門の特性を理解して、効果的な目標設定をするための参考にしてください。

人事部門の目標設定例

人事部門は、企業の人材戦略の要となる部門で、採用や人材育成、各部署への人材の配置など、幅広い業務を担っています。

この部門では、採用面や人材育成面などにわけて目標設定をすると効果的です。例えば、以下のような目標が考えられます。

  • 「新卒採用過程を今年度中に見直し、変更する」
  • 「従業員満足度調査を年1回行い、スコアを前年比5ポイント増にする」
  • 「新卒者の入社研修だけでなく、中途採用者向けの研修・リーダー育成のための研修制度を作り、今年度中に運用開始する」

人事部門では、企業の運営や成長に欠かせない人材の管理を任されています。そのため目標を設定する際は、企業の経営戦略や企業理念に基づいて設定するとよいでしょう。

総務部門の目標設定例

総務部門は備品の管理・発注、社内イベントの企画、書類作成などさまざまな業務を行い、企業全体の運営を支えています。

そのため総務部門の目標設定では、経費削減率や業務効率化などの目標を立てると良いでしょう。総務部門の目標例は以下の通りです。

  • 「消耗品の値段や使い方を見直し、消耗品費を前年比5%減にする」
  • 「電子文書マニュアルを作成し、今年度中に社内文書の電子化率を80%に引き上げる」
  • 「会議時間を20%短縮し、実務時間を確保することで、業務効率を向上させる」

ただし、必要な経費を削りすぎたり作業効率化だけを重視しすぎたりしてしまうと、かえって業務を進めづらくなり従業員が不満を持ってしまうこともあります。
ときには、労務管理システムなどのソリューションを導入したほうが、ペーパーレスによる経費削減や、作業効率の改善に繋がる場合もあります。

目先の数字だけを指標とするのではなく、必要なものと不要なものの見極めが必要です。従業員がより働きやすくなることを考えた目標設定を心がけましょう。

経理部門の目標設定例

経理部門は、会社を経営するうえで生じたお金の流れを管理し、従業員の給与の振り込み、経費清算、決算報告書の作成などを担当しています。

以下のような目標設定をすることで、月末月初、決算期、年末のような繁忙期でもスムーズに対応できるでしょう。

  • 「今年度中に、請求書処理に関するマニュアル・定型文を作成し、全員が一定時間で処理を行えるようにする」
  • 「今年度中に部署内で日商簿記取得のための支援体制を作り、70%以上の従業員が日商簿記2級を取得している状態を目指す」

経理部門では、業務ルーティンを設定したり見直したりして、部門内でミスなく処理できるような、仕組み化を目指すことが大切です。

営業部門の目標設定例

営業部門はお客様に自社製品やサービスを提案し、購入してもらうことで、企業の売上を直接的に生み出す重要な部門です。また、新規の見込み客を作ることも営業部門の仕事です。

営業部門では、以下のようになるべく具体的な数値目標を設定することで、部門全体の方向性が明確になり、個々の行動指針となります。

  • 「個人の売り上げ目標を月100万円にする」
  • 「新規顧客を四半期ごとに10社獲得する」
  • 「既存顧客の継続率を95%以上に維持する」

加えて目標達成のための具体的な戦略立案や進捗管理をすることも、目標達成に有効です。


【職種別】労務管理における目標設定の例

ここでは、事務職、営業職、技術職、管理職における具体的な目標設定例を紹介します。前述した部門別の目標設定例と合わせて参考にしてください。

事務職の目標設定例

事務職はルーティンワークが多いため、業務時間の短縮や作業の正確性向上などを目標として設定すると有効です。

例えば、「社内会議に使用する資料の準備に3時間かかっているが、会議資料を電子化することでコピーや書類まとめにかかる時間をなくし、作業時間を1時間短縮する」などが挙げられます。前述した総務部と仕事内容が似ているため、目標設定の参考にしてください。

営業職の目標設定例

営業職も上述した営業部門と同じような目標が立てられます。営業職は、企業の新規見込み顧客を増やしたり、自社の製品・サービスを売ったりすることで、企業の売り上げに貢献します。そのため、「商談成約率を現状の20%から30%に引き上げる」など具体的な数字で設定することで、目標達成を実現しやすくなるでしょう。

技術職の目標設定例

技術職は、企業の製品開発やシステム開発に欠かせない職種です。
技術職では以下のような目標を設定すると良いでしょう。

  • 「今年中に製品作成手順マニュアルを作成し、技術職社員全員が同じやり方、一定の時間で作業できるように仕組み化する」
  • 「危機管理・安全管理を見直し、年2回の社員研修を行う」
  • 「プログラミング言語に関する資格を部署内の全員が取得する」

このほかに技術職では、目標達成に向けた研修や、研究活動の時間を増やすことを目標にできます。

管理職の目標設定例

管理職は、組織のリーダーとして部下の育成や組織全体の生産性向上を担う重要な職種です。会社や各部署全体の利益を増やせる目標を設定しましょう。以下で管理職の目標設定例をご紹介します。

  • 「部下全員の個人目標を把握し、適性に合った仕事を割り振ることで、社員満足度を70%以上にする」
  • 「業務マニュアルを作成し仕組み化を進めることで、担当部門の生産性を前年比10%増にする」
  • 「3名以上のプロジェクトリーダーを育成するため、リーダー研修会を月1回行う」

管理職者個人の目標としては、「マネジメント能力向上のために3か月に一度マネジメントの講習会に参加する」や、「1か月につき1冊組織運営に関する本を読む」などが挙げられます。自身のマネジメント能力の向上と組織全体の成長をバランスよく考えることが大切です。


労務管理における目標設定の作成ポイント

目標設定を行う際に、押さえておきたいポイントが2つあります。より実効性の高い目標設定をするために欠かせないポイントなので、ぜひ意識してください。

定量的な目標例の設定方法

目標を設定する際、数値化可能なものは具体的な数値と期限を含めて設定することが重要です。

例えば、「顧客満足度を向上させる」という漠然とした目標ではなく、「今年度末までに顧客満足度調査のスコアを4.2から4.5に向上させる」というように、具体的な数値と期限を含めた目標設定を心がけましょう。

これにより、目標の達成度を客観的に評価することができ、進捗管理も容易になります。ただし目標を数値化する際は、現状の数値を正しく把握し、達成可能な数値の設定が必要です。無理な数値を設定してしまうと、かえって従業員のモチベーションが低下する恐れがあります。

定性的な目標を具体化する例

定性的な目標は、具体的な行動レベルの目標を設定することで評価可能になり、目標達成のための取り組みが明確になります。

例えば、「コミュニケーション能力を向上させる」という定性的な目標を、「週1回以上のチーム会議を主催し、メンバーの意見を引き出す」または「月1回のコミュニケーションスキル研修に参加し、3ヶ月後のフィードバックスコアを5段階中4以上にする」というように具体化できます。


目標設定例を活用した目標管理シートの作成

目標管理を行う際、目標管理シートが役立ちます。ここでは、効果的な目標管理シートの記入例と、目標の進捗確認方法について解説します。

目標管理シートに設けるべき項目

目標管理シートとは、設定した目標の進捗を管理するためのシートです。以下の内容を、明確に記載しましょう。

  • 目標内容
  • 達成期限
  • 目標達成率
  • 具体的な行動計画

こうした項目を記載することで現状を把握しやすくなり、目標達成のために何をするべきなのかを把握できます。目標達成率が可視化されれば、自分自身を客観的に評価しやすくなるでしょう。

目標管理シートの作成には、以下のようなテンプレートを活用すると便利です。

【書式のテンプレートをお探しなら】

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自社のニーズに合わせてカスタマイズしながら、使いやすい目標管理シートを作成してください。

効果的な目標管理シートの記入例

効果的な目標管理シートの記入例は以下の通りです。

項目

内容

目標内容

顧客アンケートスコアを5段階中4.5以上にする

達成期限

今年度末まで

目標達成率

8月時点:30%

行動計画

  • 月1回の顧客フィードバック会議の実施
  • 四半期ごとの改善策の立案と実行
  • 顧客対応スキル向上のための研修参加(年2回)

目標を記入する際は、このように行動計画や期限を設けましょう。ただし、目標を増やしすぎないことも大切です。達成するべきことが多すぎると、目標の管理が難しくなります。1年間の目標は多くても5つ程度が良いでしょう。

目標例を用いた進捗確認の方法

目標の進捗確認は、月次や四半期ごとに行い、目標達成率、残りのタスク、障害となっている要因などを具体的に把握しましょう。

また、上司と部下で目標シートを共有することも有効です。お互いに進捗を確認し、フィードバックやアドバイスをさせることで、目標管理シートをより有効活用できるでしょう。

進捗確認の結果を踏まえて、目標や行動計画の見直しが必要な場合もあります。具体的には、目標を想定よりも早く達成した場合や、達成が難しそうな場合などです。想定よりも早く目標達成した場合は、自身にとって簡単すぎるものだった可能性があります。今のレベルに合った目標を上司に相談するなどして、再設定しましょう。

【注意】達成できない目標設定にしない

達成が困難なケースは、2つ挙げられます。
1つ目は、目標のハードルが自分のレベルに合っていなかった場合です。この場合は、現時点のレベルに合わせて目標自体を変更する必要があります。

2つ目は、行動計画が適切ではない場合です。すこし手を伸ばせば達成できそうな目標でも、行動計画が目標と結びついていないと目標達成に至りません。


目標設定の例を活用して労務管理を実践しよう

各部門や職種に合わせた具体的で測定可能な目標設定は、日々の行動が明確になり、従業員のモチベーション向上や組織の生産性向上に繋がります。

また、目標設定後は、定期的に上司・部下間、同僚間などで進捗管理の時間を設けるとより効果的です。フィードバックやアドバイスをさせることで従業員が客観的に自分自身の目標達成率を把握でき、労務管理が容易になります。

本記事を参考に、自社の状況に合わせた具体的な目標設定を行い、組織全体の成長や労務管理に役立ててください。


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