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企業が取り組むべき在宅勤務者の健康管理とは? 課題と対策を紹介

企業が取り組むべき在宅勤務者の健康管理とは? 課題と対策を紹介

在宅勤務には、通勤ストレスの軽減やワークライフバランスの向上といったメリットがあります。

一方で運動不足やメンタルヘルスの問題などのデメリットも存在するため、企業は従業員の健康管理に注力しなければなりません。

本記事では、在宅勤務が従業員の健康に与える影響や、企業が取り組むべき健康管理対策について詳しく解説します。

在宅勤務者の健康管理の重要性を理解し、適切な対策を講じることで、企業の持続的成長につなげましょう。


この記事の監修者
  社会保険労務士 

在宅勤務が従業員の健康に与えるメリット

在宅勤務は「通勤ストレスの軽減」と「モチベーションとワークライフバランスの向上」に寄与します。この2つが従業員の健康管理にどのようなメリットを与えるか見ていきましょう。

通勤ストレスの軽減

在宅勤務では通勤による身体的・精神的な負担が軽減されるため、従業員の心身の健康状態が改善されます。

電車の混雑や道路の渋滞などのストレス要因がなくなることで、従業員はリラックスした状態で仕事に取り組めるのです。

また通勤時間が不要になることで、その分の時間を睡眠や余暇に充てられます。このメリットも心身のリフレッシュにつながる重要なポイントです。

モチベーションとワークライフバランスの向上

在宅勤務では従業員が自分のペースで仕事を進められ、自律的に働けます。自分で仕事の優先順位を決めて集中して取り組むことは、仕事への意欲とモチベーションの向上にとって大切です。

さらに通勤時間が不要になることで生まれた余裕時間を、家族との団らんや趣味などに充てることも可能です。このようにワークライフバランスの改善にも貢献するでしょう。


在宅勤務が従業員の健康に与えるデメリット

在宅勤務は従業員の健康にとってメリットがある一方、「運動不足による体調不良リスク」や「メンタルヘルスの問題」など、デメリットを与えることもあります。

在宅勤務がどのようにそれぞれのデメリットに起因するか見ていきましょう。

運動不足による体調不良リスク

在宅勤務では、通勤や社内での移動による歩行などの日常的な運動が減少するため、運動不足に陥りやすいです。

長時間のデスクワークによって身体の各部位への負担が増加し、肩こりや腰痛、眼精疲労などの体調不良を引き起こすリスクが高まります。

また運動不足が続くことで、生活習慣病のリスクも増加します。従業員の健康状態に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。

メンタルヘルスの問題

在宅勤務による職場での対面コミュニケーション減少は、従業員が孤独感や疎外感を感じやすくなる大きな原因です。

同僚や上司とのコミュニケーションの機会が減ると仕事上の悩みを相談しづらくなり、ストレスを抱え込みやすくなります。

コミュニケーション不足の長期化は、チームワークの低下や業務効率の悪化を引き起こしやすいです。従業員のメンタルヘルスにも悪影響を及ぼす可能性があるため注意しましょう。


在宅勤務者の健康管理における企業の課題

在宅勤務者の健康管理には、企業が取り組むべき課題があります。ここでは、以下の課題について詳しく見ていきましょう。

  • 労務管理の難しさ
  • コミュニケーション不足
  • 健康状態の把握の難しさ

労務管理の難しさ

在宅勤務では、従業員の労働時間を正確に把握することが難しいです。そのため在宅勤務者の労働時間管理と過重労働防止が、企業の労務管理上の課題になっています。

在宅勤務者の年次有給休暇の取得促進に取り組むことも、労務管理における課題の1つです。

過重労働を防止するための適切な管理が重要になります。そのためにも、やむを得ない理由で自己申告制で労働時間を把握するケースを除き、使用者が従業員の労働時間を把握することが大切です。

上司や人事担当者自らが従業員の勤怠を現認により確認することや、タイムカード、ICカード、パソコンなどの使用時間の記録から、適正な勤怠管理を把握する方法が考えられます。

コミュニケーション不足

在宅勤務によるコミュニケーション不足は、従業員の心理的な負担や業務効率の低下につながります。

対面でのコミュニケーション減少は業務連絡や情報共有を非効率にさせる要因です。これにより従業員の孤立感や疎外感が高まります。

また上司や同僚との関係性が希薄になることは、従業員の一体感や帰属意識低下を引き起こしかねません。モチベーションにも影響を与える可能性があるため注意しましょう。

健康状態の把握の難しさ

在宅勤務者の健康状態を把握することが難しく、適切な健康管理対策の実施が困難になります。

定期健康診断の実施や受診率の向上、メンタルヘルス不調の早期発見と対応など、在宅勤務者の健康状態を適切に管理することを心がけてください。

定期健康診断は、労働安全衛生法に定められていますので、たとえ在宅勤務であっても実施しなければなりません。

また在宅勤務者の生活習慣病予防対策も大きな課題です。企業は従業員の健康状態を把握し、必要な支援を提供しなければなりません。


企業が取り組むべき在宅勤務者の健康管理対策

企業は在宅勤務者の健康管理のために、以下のような対策を講じる必要があります。

  • 適切な労務管理を実施する
  • コミュニケーションを活性化する
  • 健康管理体制を整備する
  • 在宅勤務者向けの教育・研修を実施する

それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。

適切な労務管理を実施する

企業は在宅勤務者の労働時間を適切に管理するために、労働時間管理ツールの導入と運用を検討すべきです。

在宅勤務者の労働時間を上司や人事担当者が正確に把握し、過重労働を防止するための36協定の締結と遵守が求められます。

また在宅勤務者の年次有給休暇の計画的付与と取得奨励も、適切な労務管理の一環として実施すべきです。在宅勤務者の適切な労務管理は企業の責務であり、健康管理の基盤になります。

コミュニケーションを活性化する

在宅勤務者のコミュニケーション不足を解消するために、オンライン会議やチャットツールの活用がおすすめです。

定期的なオンライン会議や一対一面談を実施し、在宅勤務者とのコミュニケーションを積極的に行いましょう。

非公式な交流機会の提供も、在宅勤務者の孤立感の解消とチームワークの向上につながります。在宅勤務者のコミュニケーション活性化はメンタルヘルス対策にも効果的です。

健康管理体制を整備する

企業は在宅勤務者の健康管理を支援するために、オンライン健康相談窓口の設置などの体制整備をしてください。

ストレスチェックの実施と集団分析により、在宅勤務者のメンタルヘルスの状態を把握し、適切な対策を講じましょう。

ストレスチェックは、労働安全衛生法により50人以上の労働者がいる事業場で義務付けられています。

また健康増進プログラムの提供と参加奨励も、在宅勤務者の健康維持・向上に有効です。

健康管理システムについて、詳しく知りたい方は以下のページで紹介しています。

在宅勤務者向けの教育・研修を実施する

在宅勤務者がセルフケアを実践できるように、セルフケア研修や健康管理情報を提供することが大切です。

在宅勤務者に対して、仕事と私生活の切り替え方法や、運動・食事などの健康管理に関する指導・情報提供を行うことが要求されます。

教育・研修を通じて、従業員の健康管理意識を高め、自律的な健康管理行動を促進しましょう。


在宅勤務者の健康管理の効果と企業のメリット

在宅勤務者の健康管理は、企業にとっても以下のようなメリットをもたらします。

  • 生産性を向上させる
  • コストを削減する
  • 企業イメージを向上させる

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

生産性を向上させる

在宅勤務者の健康維持は、業務パフォーマンスの安定と生産性の向上につながります。

従業員の心身の健康が維持されることで業務の質と効率が向上し、創造性の発揮とモチベーションの向上につながるのです。

また在宅勤務者の健康管理は欠勤率や離職率の低下にも寄与し、企業の生産性向上にも貢献します。

コストを削減する

在宅勤務者の健康管理は欠勤率の低下などを通じて、企業のコスト削減効果をもたらします。従業員の健康維持により、健康保険料の負担軽減や人材採用・育成コストの削減が可能です。

また在宅勤務の導入はオフィス関連コストの削減にもつながり、企業の経費節減に貢献します。在宅勤務者の健康管理を行うことは、企業のコスト削減に寄与すると言えるでしょう。

企業イメージを向上させる

在宅勤務者の健康管理を含む健康経営の実践は、企業のブランド力向上に貢献します。従業員の健康を重視する企業姿勢は優秀な人材の獲得と定着に有利に働き、企業の競争力強化に寄与するはずです。

健康経営の取り組みは、ステークホルダーからの信頼獲得にも寄与します。健康管理は企業イメージの向上に貢献し、企業の社会的評価を高めるために欠かせない要素なのです。


在宅勤務者の健康管理で企業の持続的成長を実現しよう

在宅勤務者の健康管理は、企業の持続的成長に欠かせません。在宅勤務者の心身の健康を維持・向上させることが、生産性の向上とコスト削減につながることを認識しましょう。

また在宅勤務者の健康管理を含む健康経営の実践が、企業の競争力強化とブランド力向上に寄与することを理解し、積極的に取り組むことも重要です。

企業は在宅勤務者の健康管理に注力し、従業員の健康と企業の成長を両立させる健康経営を推進してください。在宅勤務者の健康管理への投資は、企業の持続的成長を実現するための重要な鍵となるはずです。


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監修者プロフィール

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小島 章彦

社会保険労務士

大学卒業後、某信用金庫にて営業と融資の窓口業務に関わる。
現在は、某システム開発会社に勤務。
会社員として働きながら、法律系WEBライターとして人事労務関係や社会保険関係のライティングを約5年行っている。

執筆実績:
「マネーの達人」というサイトで180以上の執筆を行っている。
その他、社会保険労務士事務所、法律事務所のコラム等の執筆等多数。

他にも行政書士の資格も保有。

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