クラウドPBXの導入に必要なコストは? 相場や比較ポイントについて解説

クラウドPBXは、従来型PBXと比べて導入コストとランニングコストを大幅に削減できます。では、なぜクラウドPBXはコストを抑えることができるのかご存じでしょうか。
この記事では、クラウドPBXのコスト相場や、コストが削減できる理由、コスト管理のポイントを詳しく解説します。代表的なクラウドPBXサービスのコスト比較も行っていますので、自社に合ったサービス探しの参考にしてください。
クラウドPBXのコスト相場は?
クラウドPBXのコスト相場を知ることは、導入検討において欠かせないポイントです。ここでは、クラウドPBXの導入コストとランニングコストの相場について詳しく解説します。
導入コスト
クラウドPBXの初期費用は従来型PBXの初期費用を大きく下回るため、コストを抑えた導入が可能です。
従来型PBXでは、主装置の購入や配線工事に多くのコストを割いていました。一方、クラウドPBXでは、サーバー設定費用や設定料金のみで済むため、大幅なコスト削減を実現できます。
また、工事不要型のクラウドPBXを選択すれば、アプリケーションのインストールのみで利用開始できるため、さらに初期費用を抑えられます。
ランニングコスト
クラウドPBXの月額料金は、基本利用料とライセンス費用、通話料金から構成されていることが一般的です。
もし、ランニングコストを軽減したいと考えている場合は、適切なプラン選択と内線通話を活用しましょう。なかでも、通話料金は拠点間や社員間の通話がすべて内線扱いされ、無料になるため、多くの費用を削減することが可能です。
従来型PBXと異なり、全国一律料金になるので、コスト予測の安定化にもつながるでしょう。
特に、拠点が複数ある企業や外回りの多い営業部隊を抱える企業では、月間通話コストを大幅に削減できます。
クラウドPBX導入でコスト削減できる理由
クラウドPBXを導入することで、従来型PBXと比べて大幅なコスト削減が可能になります。ここでは、なぜクラウドPBX導入でコスト削減できるかについて、見ていきましょう。
従来型PBXからの乗り換え
クラウドPBXへ移行すると、高額な設備投資が不要になります。そのため、保守費用と管理工数を削減でき、総コストを抑えることが可能です。
障害対応やシステム管理の専任担当者も不要なため、保守運用管理にかかる人件費削減効果もあります。これにより、今までITに割いていたリソースを他の業務に振り分けることができるのです。
また、電話機能の追加・変更が管理画面から簡単に行え、部署移動や人事異動の際にかかる内線設定変更のコストも大幅に削減できます。
初期投資が回収できるため
クラウドPBXを導入した多くの企業は、サービス導入後しばらくすると初期投資を回収し、以降は毎月の通信コスト削減効果を継続的に享受しています。特に、中規模企業では年間で大幅なコスト削減が実現しやすく、非常に多くの総所有コストを減らした事例もあるほどです。
通話料金の削減だけでなく、業務効率化によるコア業務への集中が可能となり、間接的な生産性向上効果も大きいです。
クラウドPBXのコスト管理のポイント
クラウドPBXのコスト管理には、以下のポイントがあります。
- 隠れコストを把握する
- 予算を戦略的に配分する
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
隠れコストを把握する
クラウドPBX導入時の予想外のコスト増加は、インターネット回線の品質確保対策と不要なオプション機能の追加が主な原因です。
通話品質を確保するためには、既存回線の拡張や新規契約が必要になる場合があります。そのため、もし十分な帯域を持つビジネス向けインターネット回線の確保が必要になると、コストがかさんでしまうのです。
また、契約期間中の解約やプラン変更には違約金が発生するケースもあります。契約内容の確認と将来的な変更可能性も踏まえた計画策定を行いましょう。
予算を戦略的に配分する
クラウドPBXの予算最適化には、必要な機能に絞った最適なプラン選択を行わなければなりません。そのためにまずは、自社の通話パターンと使用状況を詳細に分析しましょう。
多くのサービスでは無料トライアル期間を設けているため、この期間に実際の業務環境で検証してみることをおすすめします。必要な機能と不要な機能を明確に判断することで、コスト効率を高めることが可能です。
トータルコストを抑えるためには、無料オプション機能の活用や適切なライセンス数も見極めてください。余剰ライセンスを抱えることなく、最適な規模での契約が理想的です。
クラウドPBXコスト比較3選
クラウドPBXサービスには、さまざまなプランが存在します。ここでは、低価格なサービスで代表的なものを3つ紹介します。
03plus
項目 | 内容 |
提供形態 | サービス |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | - |
月額費用 | 2,180円~ |
初期費用 | 5,000円 |
03plusは、スマホで固定電話番号が使えるクラウドPBXです。1つの電話番号を複数人で共有でき、電話番号を追加することも可能。クラウドFAXや時間外の自動応答、WEB電話帳など機能も豊富です。
また、東京都23区内に現住所や拠点住所がなくても、オプション機能で03番号を利用できます。ほかにも、10分かけ放題や通話録音といったオプション機能があり、自社が欲しい機能をカスタマイズして使えます。
トビラフォン Cloud
項目 | 内容 |
提供形態 | クラウド/SaaS/ ASP |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | - |
月額費用 | 3,000円~ |
初期費用 | 30,000円~ |
トビラフォン Cloudは、会社電話のクラウド化に最適なサービスです。上場企業が運営しており、セキュリティとサポートに安心感があります。
自動テキスト化や規制番号登録などの多彩な機能を搭載。内線転送や自動外線転送、留守番電話といったビジネスフォンの基本機能も充実しています。
IVRy
項目 | 内容 |
提供形態 | サービス |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | 0円 |
月額費用 | 2,980円~ |
初期費用 | 0円 |
IVRy(アイブリー)は、自動応答と人が受ける電話を振り分け、電話業務を効率化するクラウドPBXです。電話自動応答機能に強みを持ち、簡単な問い合わせを音声案内やSMS返信で完了することで、システムによる効率的な顧客対応を実現します。
時間や場所を問わない受発信や、AIによる電話履歴の文字起こし・要約など多彩な機能が魅力。電話業務を効率化したい企業におすすめです。
企業規模別クラウドPBXでのコスト比較のポイント
企業規模によって、クラウドPBX導入時のコスト比較のポイントは異なります。ここでは、「小規模企業」と「中規模企業」に分けて、クラウドPBXでのコスト比較の方法を詳しく見ていきましょう。
小規模企業
小規模企業がクラウドPBXを導入する際は、スマートフォンアプリを活用した最小構成から始めます。事業成長に合わせて段階的に機能拡張する方法が、最も効果的かつ経済的です。また、従業員が私物のデバイスを活用すれば、専用機器の購入費用を抑えながら素早く導入できます。
小規模企業向けには、基本プランで十分な機能を備えたサービスが多いです。そのため、自動応答や通話録音など、必要最小限の機能に絞ることで月額コストを抑えられます。
中規模企業
中規模企業のクラウドPBX導入では、複数拠点の連携と既存システムとの統合による業務効率化によってコスト削減効果が得られます。従来型PBXよりも高機能な環境を構築しながら、コスト削減が期待できるでしょう。
CRMやグループウェアとの連携機能を活用することで、単なる通話コスト削減だけでなく、顧客管理や社内コミュニケーションの効率化による生産性向上効果も大きいです。
クラウドPBXのコスト対効果と投資回収の目安
クラウドPBXの導入は、初期費用や月額費用を投資する必要はありますが、通話料金や人件費などをカットし、結果的に総所有コストの削減につながります。同時に業務効率化も実現が可能です。
大規模なハードウェア投資や専門技術者による保守も不要です。IT管理の負担軽減と柔軟な働き方の実現という2つのメリットが、特に大きなポイントでしょう。
クラウドPBXはスケーラビリティに優れており、事業拡大や縮小、拠点の追加や移転などの変化にも柔軟に対応できます。そのため、長期的な経営変化にも耐えうる投資となるのです。
クラウドPBXを最適なコストで導入しよう
クラウドPBXは、従来型PBXと比べて大幅なコスト削減が可能な通信サービスです。経営者はクラウドPBXの導入を検討する際、単なるコスト削減だけでなく、テレワーク対応や顧客対応品質向上などの付加価値も含めた総合的な投資判断を行いましょう。
複数のベンダーから見積もりを取得し、比較することでコストパフォーマンスの高いサービスを選定できます。一度に全面導入するのではなく、段階的に導入しつつ、効果検証しながら最適なシステム構成を模索することで、より高いROIを実現できるでしょう。
今回の記事を参考に、クラウドPBXの特性を理解し、自社に最適なコストで導入することで、通信コストの削減と業務効率化を目指してください。