市場シェア率の高いBIツール5選! 市場動向や将来展望も解説

データ収集や分析の効率化のために、BIツールの導入を検討している企業も多いでしょう。では、BIツールの市場シェアは現在、どのようになっているのでしょうか。
そこで本記事では、BIツールの市場シェアの現状と将来の展望、人気のBIツールの特徴などについて解説します。BIツール選定のコツも併せて紹介するので、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
BIツールの市場シェアの現状と将来展望
BIツール市場は近年急速に拡大しており、今後もさらなる成長が見込まれています。ここでは「BIツール市場が拡大している要因」と、「数年後に向けての市場予測」について解説します。
なぜBIツール市場が拡大しているのか
BIツール市場の拡大は、企業のデータ活用ニーズの高まりが主な要因です。企業は、大量のデータを収集・分析し、意思決定に活かすことでビジネスの競争力を高めようとしています。
BIツール以外にも、会計から勤怠管理まで、さまざまな業務がデジタル化されているのが現状です。そのうえで経営戦略に直結するデータ活用の効率化と正確さ向上のために、今後もBIツールの注目度は高まっていくでしょう。
データドリブンな経営が求められるなか、BIツールはなくてはならないソリューションとなっているのです。
数年後に向けての市場予測
BIツール市場は、2028年までに大幅な成長が見込まれています。特にクラウドに関しては、オンラインストレージやクラウド会計ソフトなど、その他のビジネスツールでも、近年クラウド型が主流になりつつあります。
今後はクラウドベースのBIツールの普及や、AI・機械学習機能を搭載したBIツールの登場が、市場成長を後押しするでしょう。
国内企業のBIツール市場の動向
ここまで、BIツール市場の現状と将来予測について、大まかに説明しました。では、国内企業に焦点を当てると、市場はどのような動きをしているのでしょうか。
国内企業におけるBIツールの導入は、企業規模を問わず進んでいるのが現状です。ここでは、企業規模別のBIツール導入率と、導入ニーズの特徴について解説します。
企業規模別の導入率
BIツールの導入は、大企業だけでなく、中小企業でも進んでいます。大企業では、すでに高い割合でBIツールが導入されているのはもちろん、中小企業でも導入率は増加傾向です。
この背景には、クラウド型BIツールの登場があります。従来のオンプレミス型では、自社でサーバーを管理する必要があり、多くの手間とコストがかかっていました。
しかし、クラウド型BIツールの登場により、自社でサーバーを管理する必要がなくなりました。また、低いコストで導入できるため、中小企業でも活用されやすくなっています。
導入ニーズの特徴
BIツール導入の主なニーズは、データ活用による意思決定の迅速化や業務効率化です。企業はBIツールを使ってデータを可視化し、経営判断のスピードアップを図っています。
活用するデータが多ければ、より正確かつ緻密な経営戦略につながります。しかし、同時に集計の手間が増え、分析の難易度も高まってしまうのです。
そこで、複数のデータ収集を自動化し、分析のアシストをするBIツールが注目されています。また、業務プロセスの無駄を発見し、効率化を進めることもBIツール導入の目的となっているでしょう。
市場シェア率の高いBIツール5選
市場にはさまざまなBIツールが存在するものの、どれを選ぶべきか迷ってしまいます。
そこで、ここでは市場シェア率が高く、信頼性のあるBIツールを厳選してご紹介します。
Tableau
項目 | 内容 |
提供形態 | クラウド/オンプレミス |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | - |
月額費用 | 1,800円〜 |
初期費用 | 0円 |
Tableau(タブロー)は、クラウドやオンプレミスでの導入が可能な分析プラットフォームです。AI・機械学習やガバナンスとデータ管理、コラボレーションなど、多彩な機能が備わっています。
直感的な操作性で、データ分析に集中できるのが強みです。データカルチャーの育成にも貢献し、データ分析への投資価値を引き出せるでしょう。
Domo
項目 | 内容 |
提供形態 | クラウド |
従業員規模 | お問合せ |
従量課金 | お問合せ |
月額費用 | お問合せ |
初期費用 | お問合せ |
Domo(ドーモ)は、データ活用のためのAI搭載プラットフォームです。データの取得や前処理、モデル作成、評価、結果の可視化まで実現。データを基にした迅速な経営判断・意思決定を促進します。
また、プラットフォームには自動化機能が組み込まれており、最新情報を把握しながら業務を効率化することが可能。ミスを減らし、よりコアな課題に集中できるようサポートします。
Yellowfin
項目 | 内容 |
提供形態 | クラウド/オンプレミス |
従業員規模 | お問合せ |
従量課金 | - |
月額費用 | お問合せ |
初期費用 | お問合せ |
Yellowfin(イエローフィン)は、データエクスペリエンスに必要なものをすべて網羅したプラットフォームです。データ接続・データ準備、ダッシュボードの構築、管理レポートの準備まで対応しています。
自動ビジネスモニタリング機能では、アラートやAI対応シグナルにより、データの変化・外れ値を迅速に発見します。ビジネスに影響する変化を見逃さず、対応できるでしょう。
FineReport
項目 | 内容 |
提供形態 | サービス |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | - |
月額費用 | お問合せ |
初期費用 | お問合せ |
FineReportは、ローコード開発とシステム連携で多様な業務に対応できるBIツールです。さまざまなデータソースを統合し、帳票とダッシュボードを作成可能。帳票設計やBIダッシュボード、可視化グラフ、デプロイ統合、モバイルBIなどの豊富な機能により、迅速な意思決定とビジネス成長を支援します。
Power BI
項目 | 内容 |
提供形態 | クラウド |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | - |
月額費用 | 0円〜 |
初期費用 | 0円 |
Power BIは、あらゆるデータに接続し視覚化できるのが強みの分析情報ツールです。AI機能や使いやすいレポート作成ツールで、データを魅力的なビジュアルに変換。TeamsやExcelなど、普段使い慣れたアプリでデータを探索して、共有ができます。
市場で人気のBIツールの特徴
ここまで、国内外のBIツール市場の動向を説明しました。では、具体的にどのようなBIツールが市場で人気なのでしょうか。
市場で人気のBIツールの特徴は、以下のとおりです。
- AIや機械学習機能が搭載されている
- モバイルアプリに対応している
- ETLとデータ統合機能が備わっている
ここでは、上記の特徴を詳しく解説します。
AIや機械学習機能が搭載されている
先進的なBIツールは、AIや機械学習による高度な分析が可能です。膨大なデータのなかから、人間では見落としがちなインサイトを自動的に発見できます。
データの集計と分析では正確さが求められるため、AI機能によってヒューマンエラーを防止できる点が魅力です。異常値の検知や将来予測など、高度な分析をGUIベースで実行できます。
モバイルアプリに対応している
BIツールのモバイルアプリによる、データへのアクセス性の良さは、重要な機能です。経営者や営業担当者など、外出の多いユーザーにとって、モバイルからのデータへのアクセスは欠かせません。
インタラクティブなダッシュボードをモバイルで閲覧できることで、いつでもデータを活用できます。
ETLとデータ統合機能が備わっている
BIツールには、さまざまなデータソースを統合できるETL(※)機能が不可欠です。社内の基幹システムやクラウドサービス、外部データなど、多種多様なデータを連携できます。
※ETL:「Extract(抽出)」「Transform(変換・加工)」「Load(書き込み)」の3つのプロセスのこと
また、ETLでは専門知識がなくても、データの統合や連携がしやすいです。データベースエンジニアといった専門職がいない場合、ETL機能の備わったBIツールは重宝するでしょう。
データ統合により、全社横断的なデータ活用や、部門間のデータ連携が可能になります。
BIツール選定の際の注意点
では、実際にBIツールの選定では何を意識すればよいのでしょうか。
BIツールを選定する際のポイントは、以下のとおりです。
- 柔軟な拡張ができるか
- 自社の目的と適合しているか
- ユーザーが使いやすい操作性か
ここでは、上記の注意点について解説します。
柔軟な拡張ができるか
BIツール選定の際は、将来的なデータ量の増加に対応できる拡張性が重要です。事業の成長に伴い、扱うデータ量は増加するため、将来を見据えた拡張性の確保が必要になります。
事業内容に見合ったデータ量を概算したうえで、実際の業務で難なく対応できるカスタマイズ性があるものを選びましょう。また、オンプレミス型からクラウド型へ移行できるかなど、柔軟なスケーリングも考慮すべきです。
自社の目的と適合しているか
BIツールは、自社のデータ活用目的に合致したものを選んでください。経営の意思決定支援なのか、営業やマーケティングの効率化が目的なのかで、必要な機能が異なります。
まず、BIツールの導入で優先的に解決したい問題や、達成したい目標を明確に洗い出しましょう。そのうえで、自社のビジネスモデルや業務フローに適したBIツールを選定することが重要です。
ユーザーが使いやすい操作性か
BIツールのUIは、エンドユーザーにとって使いやすいものであるか確認が必要になります。データ分析の専門家でなくても、直感的に操作できるUIが望ましいです。
そのため、無料トライアルなども活用し、現場の声も最大限取り入れたうえで選定を進めましょう。その際、ドラッグ&ドロップ操作やビジュアルなクエリビルダーなど、使いやすさを重視してください。
BIツール市場の将来性
最後に、BIツール市場は今後どのように発展していくのでしょうか。ここでは、BIツール市場の将来性について、以下3つの観点から解説します。
- リアルタイム分析の重要性向上
- AI融合によるインサイトの発見の進歩
- クラウド型の普及加速
リアルタイム分析の重要性が増してきている
リアルタイムでのデータ分析ニーズの高まりに伴い、対応するBIツールの需要が増加するでしょう。ビジネスのスピードが加速するなかでは、リアルタイムデータを基にした迅速な意思決定が重要です。
ストリーミングデータへの対応や、迅速なデータ処理が可能なBIツールが主流になると予測されます。
AI融合によるインサイトの発見が進歩している
AIとBIツールの融合により、より高度なインサイトの発見が可能になるでしょう。機械学習アルゴリズムを活用し、データのなかから新たな気付きを見出せます。
ユーザーの分析スキルに依存せず、AIが自動的にインサイトを提示するようになるはずです。
クラウド型BIツールの普及が加速している
クラウドベースのBIツールの主流化により、導入のハードルがさらに下がってきているのが現状です。この流れが進めば、初期投資が不要で、スモールスタートが可能なクラウド型BIツールが普及するでしょう。
クラウドならではのスケーラビリティや、自動アップデートのメリットを享受できます。
市場シェアの高いBIツールを選択して、データ活用を加速させよう
本記事では、BIツールの市場について解説しました。企業のデータ活用ニーズの高まりにより、BIツール市場は拡大しています。クラウドベースのBIツールの普及やAI・機械学習機能を搭載したBIツールの登場で、今後も市場規模が拡大していくでしょう。
そのなかで企業は、自社のニーズに合ったBIツールを選択し、データドリブンな経営を推進すべきです。BIツールを活用し、経営の意思決定や業務効率化を図ることが競争力の源泉となります。
そのため、自社に適したBIツールを選定し、全社的なデータ活用を加速させることが重要です。どのようなBIツールが人気なのかを把握し、自社の目的に合ったツールを選択することで、データ活用の推進力を高めていきましょう