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ファイル転送サービスのセキュリティは大丈夫? 選び方と対策を徹底解説

ファイル転送サービスのセキュリティは大丈夫? 選び方と対策を徹底解説

ファイル転送サービスは、大容量のデータを手軽に共有できるツールです。しかし、適切な対策を怠ると、情報漏洩やマルウェア感染などの重大な事故につながりかねません。

本記事では、ファイル転送サービスに潜むセキュリティリスクや具体的な対策方法、安全なサービスの選び方、利用する際の注意点などを詳しく解説します。大容量のファイルデータを安心かつ安全に転送したい方は、ぜひ参考にしてください。


ファイル転送サービスに潜むセキュリティリスク

ファイル転送サービスは便利なサービスですが、使い方を誤ると、深刻な問題を引き起こす可能性があります。

主なセキュリティリスクは、以下のとおりです。

  • 意図しない情報漏洩につながる
  • マルウェア感染の踏み台にされる
  • 無料サービス利用時に想定される危険性

ここでは、上記のセキュリティリスクについて詳しく解説します。

意図しない情報漏洩につながる

ファイル転送サービスのセキュリティリスクの1つが、宛先の誤入力やURLの流出による情報漏洩です。機密情報が第三者の手に渡ると、企業への信頼は失われかねません。従業員の不注意による単純な操作ミスは、セキュリティ事故のなかでも発生頻度が高く、常に警戒が必要です。

特に無料サービスでは、一度アップロードしたファイルを削除できないことがほとんどです。そのため、ミスに気づいても情報漏洩を止められません。さらに、利用履歴の確認機能がないサービスが多いので、情報漏洩の発生源を特定するのも困難です。

マルウェア感染の踏み台にされる

ファイル転送サービスのセキュリティが脆弱だと、サイバー攻撃者にとって格好の標的となりやすいです。悪意のある第三者が、送信ファイルにマルウェアを仕込んで拡散させるケースが実際に報告されています。

受信者が感染したファイルを開くことで、PCがウイルスに感染し、社内ネットワーク全体へ被害が拡大する可能性があるので注意してください。最近では、取引先を装った攻撃メールに記載されたURLから、マルウェアをダウンロードさせる巧妙な手口も存在しています。

無料サービス利用時に想定される危険性

無料のファイル転送サービスは手軽に利用できますが、法人向けサービスと比べてセキュリティ機能が限定的です。ログ管理やアクセス制限が不十分な場合が多く、不正アクセスや情報漏洩が発生しても追跡が困難となるでしょう。

運営会社のセキュリティポリシーが不明確だと、預けたデータがどのように扱われるか保証されていないことも懸念点です。

さらに、突然のサービス終了や仕様変更のリスクもあり、ビジネスでの長期的かつ安定的な利用には適していません。広告表示による操作性の低下や、取引先への信頼性の問題も無視できないデメリットです。


ファイル転送サービスのセキュリティ対策方法

ここまで、ファイル転送サービスにおけるセキュリティリスクを紹介しました。それらを理解したうえで、次は具体的な対策方法を実践しましょう。

ファイル転送サービスのセキュリティ対策は、主に以下のとおりです。

  • 通信経路とファイルを暗号化する
  • ウイルスチェック機能で脅威を防ぐ
  • アクセス権限を厳格に管理する
  • 操作ログを監視・保管する

ここでは、上記の対策方法について詳しく解説します。

通信経路とファイルを暗号化する

通信の暗号化(SSL/TLS)は、第三者による送受信中のデータ盗聴や改ざんを防ぐうえで欠かせない機能です。暗号化された通信経路を使えば、ネットワーク上でデータが傍受されても、内容を解読される心配はありません。

さらに、ファイル自体の暗号化(AES256ビットなど)により、万が一データが漏洩しても中身の解読を防げます。サービス選定時には、どのような暗号化技術が採用されているか、その強度は十分かを詳しく確認することが重要です。

ウイルスチェック機能で脅威を防ぐ

アップロード時にファイルが自動でウイルススキャンされる機能は、マルウェア感染を防止するのに有効です。この機能により、自社が意図せずマルウェアの加害者になることも、被害者になることも避けられるでしょう。

最新のウイルス定義ファイルを使用しているサービスを選ぶことが、スキャン機能の能力を大きく左右します。複数のウイルス対策エンジンを組み合わせているサービスなら、検知率が高いです。

アクセス権限を厳格に管理する

IPアドレス制限機能を使えば、許可された拠点からのみアクセスを許可し、社外からの不正アクセスを確実に遮断できます。ユーザーごとに操作権限を細かく設定することで、権限のない従業員によるデータ操作といった内部リスクを大幅に減らせるでしょう。

また、上長承認フローを導入すれば、重要なファイルの送信前に第三者のチェックが入り、誤送信を未然に防ぐことが可能です。部署やプロジェクトごとにアクセス権を分離しておくと、必要最小限の範囲でのみ、ファイル共有を行えます。

操作ログを監視・保管する

操作ログ機能は「いつ、誰が、どのファイルにアクセスしたか」を詳細に記録し、不正利用の追跡や抑止に役立つ機能です。万が一情報漏洩が発生しても、ログを解析すれば、原因究明と影響範囲の特定を迅速に行えます。

ログの取得と保管は、セキュリティインシデントへの対応だけでなく、内部統制の強化にも直接つながります。定期的なログの監視により、異常なアクセスパターンを早期に発見し、被害を最小限に抑えることが可能です。


セキュリティが充実したファイル転送サービス選びのポイント

安全にファイル転送サービスを利用するには、セキュリティ機能が充実したサービスを選ぶことが大前提となります。

セキュリティが充実したファイル転送サービスを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 必要なセキュリティ機能がそろっているか
  • セキュリティ認証がついているか
  • 自社のセキュリティポリシーと適合するか
  • サポート体制や導入実績で信頼性を判断する

ここでは、上記のポイントについて詳しく解説します。

必要なセキュリティ機能がそろっているか

暗号化、ウイルスチェック、アクセス制限、ログ管理といった基本的なセキュリティ機能の有無は、必ず確認すべきです。自社のセキュリティポリシーで定められた要件をリストアップし、それを満たすサービスを候補として挙げることから始めましょう。

パスワードポリシーの強制設定や二要素認証など、より高度な機能が備わっているかも、比較検討の重要な要素です。加えて、送信取り消し機能や、ダウンロード回数制限など、誤送信対策の機能も確認しておくとよいでしょう。

セキュリティ認証がついているか

「ISMS(ISO/IEC 27001)」や「プライバシーマーク」の取得は、客観的にセキュリティレベルが高い証明です。これらの認証は、組織的な情報セキュリティ管理体制が国際基準や国内基準に沿って構築されていることを示しています。

官公庁や金融機関との取引がある場合、これらの認証取得がサービス選定の必須条件となるケースも少なくありません。

また、認証の取得だけでなく、定期的な更新が行われているかも確認してください。SOC2レポートやISMAP登録など、その他の第三者認証の有無も、サービスの信頼性を判断する材料になります。

自社のセキュリティポリシーと適合するか

検討中のサービスが、自社で定めている情報セキュリティに関する規定やルールに準拠しているかの精査が欠かせません。データの保管場所が国内のデータセンターに限定されているかなど、物理的な要件も入念に調べましょう。

導入前に情報システム部門や法務部門と連携し、サービス内容がポリシーに反しないか、多角的に検討することが望ましいです。

また、契約条件や利用規約の内容も詳細に確認し、責任範囲や補償内容が自社の要求水準を満たしているかを検証しましょう。監査への対応や、インシデント発生時の報告体制なども、社内ポリシーと併せて確認すべき項目です。

サポート体制や導入実績で信頼性を判断する

トラブル発生時に迅速に対応してくれるか、日本語での電話やメールによるサポート体制が整っているかも重要な判断基準です。同業他社や大手企業での豊富な導入実績で、そのサービスの信頼性や安定性を測りましょう。

また、サービスの稼働率(SLA)が公開されており、99.9%以上などの安定した運用が保証されているかもチェックすべきです。24時間365日のサポート対応や、専任担当者の配置など、サポート品質の高さも評価のポイントとなります。


セキュリティ万全のファイル転送サービスを利用する際の注意点

どれほど優れたセキュリティ機能を持つサービスを選んでも、利用方法が不適切では十分な安全性を確保できません。

ファイル転送サービスを利用する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 強力なパスワードを設定し、定期的に変更する
  • ダウンロード期限と回数を適切に設定する
  • 送信先や共有範囲を必ず確認する

ここでは、上記の注意点について詳しく解説します。

強力なパスワードを設定し、定期的に変更する

パスワードは、英数字や記号を組み合わせた複雑なものにし、第三者から推測されにくい文字列に設定するのが基本です。最低でも12文字以上、できれば16文字以上の長さにすることで、総当たりで特定されるのを防げます。

また、URLとパスワードはそれぞれ異なる通信手段で送付し、メールで両方を送るような危険な行為は絶対に避けてください。ファイルを保護するパスワードとサービスへのログインパスワードは、必ず異なるものを設定し、使い回しは厳禁です。

ダウンロード期限と回数を適切に設定する

ダウンロード可能な期間や回数は、必要最低限に限定しましょう。ファイルが不要になった後も、放置されるリスクを確実に防げます。一般的には3日から7日程度の期限を、それ以上長い期間は本当に必要な場合のみに設定すべきです。

共有が完了した後は、手動でURLを無効化する習慣をつけることで、セキュリティレベルがさらに向上します。ダウンロード回数も1回または必要最小限に設定し、無制限のダウンロードは控えましょう。必要以上に長い期限を設定すると、その間にURLが流出する危険性が高まります。

送信先や共有範囲を必ず確認する

ファイルを送信する直前に、宛先のメールアドレスや共有リンクの送付先に誤りがないか、必ず再確認してください。特に複数人に一斉送信する際は、意図しない相手が宛先に含まれていないか、入念なチェックが必要です。

また、オートコンプリート機能による誤選択を防ぐため、手動での入力確認を習慣化しましょう。サービスによっては送信取り消し機能がありますが、それに頼らず、送信前の確認を徹底することが大切です。


万全なセキュリティ対策で、ファイル転送サービスを安全に活用しよう

ファイル転送サービスは便利な反面、情報漏洩やマルウェア感染などのセキュリティリスクが潜んでいます。宛先の誤入力やURLの流出、セキュリティが脆弱なサービス選びなどが、トラブルにつながる要因です。

ファイル転送サービスのセキュリティレベルを高めるためには、通信経路とファイルを暗号化し、ウイルスチェック機能やアクセス権限機能を利用しましょう。

また、セキュリティが充実したサービスを選ぶことも重要です。必要十分なセキュリティ機能がそろっているか、サポート体制や導入実績が十分かなどを総合的に確認してください。本記事の内容を参考に、安心できるサービスを選び、万全なセキュリティ対策でファイル転送サービスを活用しましょう。


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