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総務のイメージ。「皆さんは、総務をどのように見ていますか?」

総務から会社を変えるシリーズ

著者:株式会社月刊総務 代表取締役社長  戦略総務研究所 所長  豊田 健一

総務のイメージ。「皆さんは、総務をどのように見ていますか?」

総務は左遷?

コロナ禍が始まる前の2019年。日本列島を熱狂させたラグビーのワールドカップが開催されました。我らが日本代表、ブレイブ・ブロッサムズは史上初のベスト8に進出。南アフリカには負けたものの、多くの感動を与えてくれました。筆者も、アイルランド戦での福岡選手のトライに涙した覚えがあります。

その2か月前、テレビで放映された「ノーサイド・ゲーム」。社会人のラグビーチームのドラマを、見た方もいらっしゃると思います。この中で総務について語られている部分が、本日のテーマです。ウィキペディアにはこのようにあらすじが紹介されています。

「トキワ自動車経営戦略室次長の君嶋隼人は、滝川桂一郎が出したカザマ商事買収案件に反対する意見書で、滝川と対峙していた。この案件は、結局取締役会で見送られたが、それからおよそ3か月後、君嶋は横浜工場総務部長に左遷させられる。」

横浜工場総務部長に「左遷」させられる。

これが一般的な総務のイメージなのかもしれません、残念ながら・・・。かく言う筆者も、リクルートに新卒で入社し、4年目に東京は立川で山梨県担当の営業をしていて大きく営業目標を外し、次の期からは総務部に異動。これをどう捉えるか・・・。


総務はやってみないと分からない?

『月刊総務』で数多くの総務パーソンを取材してきました。入社してからずっと総務または管理部門という方もいますが、営業部門や人事部門など他部門から総務部に異動した方も数多くおられます。そのような時、必ず聞きます。「総務部への異動が決まった時、どう思われました?」

「まさか、自分が・・・」

「正直、落ち込みました」

「何をするところか、全く分かりませんでした」

大半が否定的な意見です。他部門から見て総務部門は何をしているか分からないところであり、従業員からの依頼事項に対応している部門、雑務や庶務が中心であると見られていることでしょう。総務部に依頼をして対応してもらえれば感謝しているはずですが、改めて聞かれると何をしている部門か判然としない・・・。偽らざる意見だと思います。

ところが、先に記した他部門から異動してきた人たちは、その後どのようなイメージを総務に持ち始めるかというと、

「総務の仕事は、奥が深いと思いました」

「何でも屋ですが、逆に考えると何でもしてよい部署なのですね」

「会社を変えることができる部署だと感じました」

このように、総務部門の可能性を肯定的に感じ始める方もいます。まさに、総務について語られる、次の言葉通りです。

「総務が変われば、会社が変わる」

本シリーズでは、総務部門の可能性を皆さんと共に考えていきたいと思います。


経営者が考える総務とは?

一方で、経営者は総務部門のことをどのように考えているのでしょうか。私が携わっている『月刊総務』の巻頭企画では、毎号経営者の方に、私が聞き手となり取材させてもらっています。有名企業の社長から、飛ぶ鳥を落とす勢いの社長、過去にはサッカーの日本代表監督や有名に登山家に登場いただいたこともあります。

毎回最後に、総務についてどのように考えているか、総務の可能性や総務パーソンへのメッセージを聞くことにしています。その中から、いくつかご紹介しましょう。

「全従業員とその家族が日々明るく生活しているか絶えず気を配り、助け合い、幸せに仕事ができる『場』を作るのが総務の仕事」

「従業員は皆、人間です。感情があります。日の当たらない部門や従業員をちゃんと見て、日を当てるのが、総務の大きな仕事」

「社内の環境を整備し、個々人の能力をアップすることができれば、それはそのまま利益に反映できる。総務の仕事はおもしろい仕事」

「経営者と同じくらいの見識を持ち、会社全体を見渡し、問題を発見し、的確に判断し、打つべき手を打つ。これは総務にしかできない」

「今は総務が会社の価値、会社の文化を創る部門になっている。まさに総務は、会社の基本方針を形にする重要セクションだ」

「総務は社内のマーケティング部門。全従業員に情報発信する部署でもある。元気で明るい情報を発信すれば、従業員も元気になる」

いかがでしょうか? 総務部門で働く方が読めば、感動するのではないでしょうか? とてもモチベーションが上がるのではないでしょうか? 経営者は実によく総務部門のことを理解し、その可能性と重要性を認識されています。これは毎回感じるところです。

さらに、以下のように、しっかりと指摘する言葉もあります。

「『平常』と『異常』の違いが分かる能力、感じる能力を常に磨いておくことが大事です」

「一つの部分を見るのではなく、大局を見る『会社の目』。それが総務だ」

「総務は会社の良心であってほしい」

この言葉の裏には、それほど総務は重要であり、それができる部門であるという信頼があるのだと思います。見るべき人が見れば、知っている人からすれば、総務部門は会社の軸であり、会社を変えていく大きな可能性を持った部門だと映るのだと思います。


それでは、総務部門の方、総務で働くことは楽しいですか?

日本全国で総務系の仕事についている方は30万人と言われます。そのうち、総務部門の可能性を感じ、日々エンゲージメント高く、楽しく仕事をしている方は、どれだけいらっしゃるでしょうか?

私の推測では、二割から三割程度です。総務部門の可能性や価値になかなか気付いてもらえずに、日々悶々と、やらされ感満載で仕事をしている方が大半のような気がします。実にもったいない。社会的にも大きな損失だと感じています。

先に記したように、「総務が変われば、会社が変わる」のです。総務部門で働く皆さんがワクワク仕事をすると、会社が変わるのです。その積み重ねにより、日本が変わっていく、私はそう信じています。このシリーズを通じて、皆さんのモチベーション、エンゲージメントを高めていければと思っています。

最後に『月刊総務』のブランドメッセージを掲載して、今回は終わりにしたいと思います。

ぜひ、皆さんと共に、会社を変え、日本を変えていきましょう。


会社の未来を動かそう。

ファシリティマネジメント、社内環境の整備、
健康経営、BCP、コミュニケーション施策、社内イベント。
総務の役割は多岐にわたる。
それは総務のミッションが「社員が幸せに働くためのすべてのこと」だから。
総務は何でもやるのではない、何でもできるのだ。

経営陣のブレーンであり、組織と組織、人と人をつなぐハブでもある。
人件費に次ぐ大きな予算を扱い、社員の働く場づくりをつかさどる。
こんなにおもしろい仕事があるだろうか。

総務パーソンが変われば、会社の未来は必ず変わる。
さあ、「戦略総務」へと一歩を踏み出そう。

すべての総務パーソンの心に、火を。


月刊総務

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著者プロフィール

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豊田 健一

株式会社月刊総務 代表取締役社長 戦略総務研究所 所長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム(FOSC)の副代表理事として、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。

毎日投稿 総務のつぶやき 

毎週投稿 ラジオ形式 総務よもやま話

毎月登場 月刊総務ウェビナー

著作

マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター) 

経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター) 

リモートワークありきの世界で経営の軸を作る 戦略総務 実践ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター)

講演テーマ:総務分野

総務の最新動向について

総務の在り方、総務のプロとは

戦略総務の実現の仕方・考え方

総務のDXWithコロナのオフィス事情

健康経営の進め方、最新事例の紹介、など

講演テーマ:営業分野

総務経験者が語る総務の実態、総務の意志決定プロセスを知るセミナー

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