ストレスマネジメントの方法や効果は? コーピングについても解説
仕事をするうえでの悩みや不安があり、ストレスを抱えていませんか。適度なストレスは好影響を及ぼすこともありますが、溜め込みすぎると心身の不調の原因にもなります。健康を保って働くためにも、ぜひ「ストレスマネジメント」を身に付けましょう。
ストレスマネジメントとは、ストレスへの対処法を考えることです。具体的な方法や、行うことで得られる効果を解説します。
ストレスマネジメントとは
ストレスマネジメントとは、「ストレスとの上手な付き合い方を考え、適切な対処法をしていくこと」です。
心身にストレスがかかったときの対処法や、どのように接するかを考えていくことだとも言えます。そのためには、そもそもどんなものがストレスの原因になるかも知っておかなくてはなりません。
ストレスの原因(ストレッサー)の例
ストレスの原因となる外的刺激を「ストレッサー」と呼びます。ストレッサーの例としては、以下のとおりです。
物理的なもの |
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化学的なもの |
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生理的なもの |
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心理的・社会的なもの |
※ほかのストレッサーに比べて、受けるストレスが大きいと言われている |
ストレスによって生じる不調
ストレスを感じると、人間の身体はそれを解消しようとします。軽度のストレスであれば適応できることもありますが、そうでない場合は適応できません。
その結果、心身に以下のような症状が現れる場合があります。
心理面の不調 |
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身体面の不調 |
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ほかにも、ぜんそくや高血圧、胃潰瘍といったさまざまな障害・疾患が現れる可能性もあります。こうしたもののうち、ストレスから来るものを「心身症」と言います。
心身症で見られる症状には、ストレス以外の原因で生じるものも多いものです。
そのため、何らかの症状が見られた場合は、まずそれがストレスによるものかを見極めなくてはなりません。そのうえで、ストレスによるものならば、ストレスを取り除く方法を考える必要があります。
ストレスマネジメントで期待できる効果
ストレスマネジメントを行うことで、以下のような効果が期待できます。
心身の不調が防げる
第一に、心身の不調を防ぎやすくなります。前述のとおり、ストレスが心身に与える影響は大きく、重大な病気や事故を引き起こす可能性もあるほどです。
その結果、休職・離職だけではなく、最悪の場合は命の危険につながるおそれもあります。
ストレスマネジメントの方法を体得することで、自身の不調を早い段階でキャッチし、対策できるようになるでしょう。
周囲とコミュニケーションが取りやすくなる
もしストレスが原因で周囲との関係性が悪化している場合、状況も改善されやすくなるかもしれません。
仕事をするうえでは、ある程度のストレスはつきものです。適度なストレスは、むしろ業務効率をアップさせる効果も見込めます。
しかし、過度のストレスでイライラしていると、周囲に当たってしまったり、職場の空気を悪くしたりしてしまうこともあるでしょう。
ストレスマネジメントにより自身の感情を適切にコントロールできるようになれば、こうした事態も防ぎやすくなるはずです。
仕事のパフォーマンスが向上する
日々の業務パフォーマンスも向上するでしょう。
ストレスを抱えてイライラしたり、体調に影響が出てしまったりすると、仕事の生産性にも影響が出ます。
しかし、ストレスマネジメントができるようになれば、そういったストレスにも適切に対処できます。
ストレスマネジメントの方法
ストレスマネジメントには、いくつかの方法があります。以下から、自分に合うものを試してみましょう。
セルフモニタリングの実施
セルフモニタリングとは、自分がどんなことにストレスを感じるのかを分析し、その対策を考えることです。
セルフモニタリングにも、さまざまな方法があります。よく知られているのは、その日ストレスに感じた出来事を分析し、そのストレッサーが何かを探る方法です。
何かイライラしたり、不安になったりした出来事があった際、以下の観点から分析します。
- ストレスを感じた状況
- ストレッサーが何か
- ストレスを感じたときに何を考えたか
- そのストレスにより、自分にどんな反応が見られたか
自身の感情を数値化し、その数値に合わせたリラックス方法を取り入れるものもあります。自分に合ったものを選んで、実践してみましょう。
ストレスマネジメントで欠かせないコーピング
ストレッサーに対処することを「コーピング」と言います。このコーピングの方法を体得することも、ストレスマネジメントをするうえでは欠かせません。
コーピングの種類は、大きく以下の3つに分けられます。
- 問題焦点コーピング
- 情動焦点コーピング
- ストレス解消型コーピング
問題焦点コーピング
「問題焦点コーピング」は、ストレッサーそのものに働きかけて変化を促すことで、ストレスの解消を図る方法です。
たとえば、以下のようなことが挙げられます。
- 長時間労働が常態化しているため、業務量の調整を上司に相談する
- 近隣住民との人間関係に悩んでいるため、引っ越しをする
問題焦点コーピングは、ストレッサーが自らの行動によって変えられるものである場合に有効な方法です。
情動焦点コーピング
一方、ストレスに対する考え方を変え、ストレスに適応する方法もあります。これを「情動焦点コーピング」と言い、たとえば以下のようなことが該当します。
- 多量の仕事を任されても、「成長のチャンスだ」と捉えて取り組む
- 取り返しのつかない失敗をしてしまって対応のしようがないため、話を友人に聞いてもらう
情動焦点コーピングは、問題焦点コーピングとは異なり、自らの行動によって対処できないストレッサーに対して有効です。
ストレス解消型コーピング
ストレスを感じてしまった後に行う、「ストレス解消型コーピング」もあります。感じてしまったストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする方法です。
具体的には、以下の行動が該当します。
- 好きなものを食べる
- 買い物に出かける
- 旅行に行く
自分の好きなことをして気分転換を図る方法であり、いわゆる「ストレス発散」として日常生活においても良く行われています。
自身の強みを知る
ストレスマネジメントでは、自己分析も効果的です。自身の強み・弱みを分析することで自信が付き、ストレスにも対処しやすくなります。
自己分析の方法もさまざまありますが、以下の観点から深掘りしてみるのも手です。
- 自分の長所・短所
- 持っている資格・スキル
- 職場における自分の役割
- どういったストレスに強いか
ストレスマネジメントにおける自己分析は、ストレスを感じる環境下で自分自身のストレスをどのように気付き、軽減(対処)できるかという視点から分析を重ねるものです。
そのため、自分自身がストレスを感じやすい状況や、ストレスに強い部分はどこかなどを把握する質問もあると望ましいです。
また、家族や友人・知人に頼んで、他己分析をしてもらうのも良いでしょう。自分では気付きにくい強みを発見でき、さらに自己理解を深められるかもしれません。
ストレスマネジメントのまとめ
ストレスマネジメントには、そのときどきの自分の感情や反応からストレスの原因を探る「セルフモニタリング」、行動や考え方を変えてストレッサーに対処する「コーピング」、自己理解を深めてストレス耐性を高める「自己分析」といった方法が挙げられます。
どれも、思い立ったらすぐにできるものばかりです。何かストレスを感じる出来事があったら、ぜひ取り組んでみてください。
ただし、ストレスマネジメントを行っても心身に不調を感じるときは、専門家や医療機関に相談してみてください。ストレスが溜まり続けると、心身に重大な影響を及ぼすおそれもあります。
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