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忌引き休暇とは? 取得できる日数や申請方法、メール例文を紹介

忌引き休暇とは? 取得できる日数や申請方法、メール例文を紹介

身内に不幸があった場合、葬儀の準備や役所での手続きなどで数日かかるものです。何から手を付けてよいか迷う人もいると思いますが、まずは「忌引き休暇」の取得申請をしましょう。

ただし忌引き休暇にできる日数や、そもそも忌引き休暇があるかどうかは、企業によって異なります。

本記事では、忌引き休暇の概要や、取得時の注意点を解説します。


この記事の監修者
西岡社会保険労務士事務所  代表 

忌引きとは

「忌引き」とは、自分や配偶者の家族・親族が亡くなった際に、仕事や学校を休んで喪に服すことです。そのために用意されている休暇が「忌引き休暇」です。

忌引き休暇は法定外休日に当たるため、設置されているかどうかや、取得できる日数などは企業によって異なります。

忌引き休暇とは

忌引き休暇は、自分や配偶者の家族・親族が亡くなった際に取得する特別な休暇のことです。葬儀の手配や準備、役所での手続きなどを行うために、1日~数日取得できるのが一般的です。

忌引き休暇は、企業に設置が義務付けられているものではありません。

しかし、多くの企業で従業員の福利厚生として設けられており、休んだ日は年次有給休暇とは別の有給休暇(特別休暇=企業が独自に設ける休暇)とするのが一般的です。

給料が支払われるかは会社ごとに異なる

ただし、忌引き休暇中に給与が支払われるかどうかは、企業によって異なります。そもそも忌引き休暇は設置義務のない休暇(法定外休日)です。

そのため「出勤として扱うか」「賃金の支払いをするか」は、企業が任意で決定するものです。忌引き休暇を設けず、欠勤扱いや無給の休暇としても違法ではありません。

忌引き休暇の扱いについては、就業規則で確認できます。不明点があれば、自社の就業規則を確認してください。


忌引き休暇の対象となる範囲と日数

忌引き休暇は、亡くなった人と自分との間柄によって、取得の可否や取得できる日数が変わります。

対象となる親族の範囲

忌引き休暇の対象となる親族の範囲は、一般的に3親等までです。

そのため、以下のように4親等以降になる親族や、親族以外の人々の忌引き休暇を申請しても、受理されない場合がある点には注意が必要です。

  • いとこ
  • 大叔父・大叔母
  • 甥姪の子供
  • 友人・知人

なお、配偶者は本人と同等として扱われます。たとえば「配偶者の父母」も、自身の父母と同じく1親等としてカウントします。

対象となる休暇日数

忌引き休暇で取得できる日数は企業によって異なります。しかし、一般的には以下のように、亡くなった人と自分との血縁関係が近いほど、長めの休暇が取得できます。

亡くなった人

忌引き休暇にできる日数の目安

自分の配偶者

7~10日

自分の父母・子

5~7日

  • 自分の兄弟姉妹・祖父母
  • 配偶者の父母

2~3日

  • 自分の孫・叔父叔母
  • 配偶者の祖父母・兄弟姉妹

1日

なお、忌引き休暇の有無や取得できる休暇の日数は、雇用形態によっても変わるケースがあります。「正社員には忌引き休暇の制度があるが、パートやアルバイトにはない」といったこともあるため、併せて確認しましょう。


忌引き休暇の連絡方法

忌引き休暇を取得したい場合は、早急に上司に連絡しましょう。そして休暇明けには、丁寧にお礼を伝えることが重要です。

まずは直属の上司へ連絡する

身内が亡くなった場合は、すぐに直属の上司に連絡してください。緊急の連絡になるため、終業後に上司の自宅に電話することになっても仕方がないでしょう。

葬儀の準備や手伝いには数日かかりきりになることもあるため、連絡を後回しにするとそのまま忘れてしまう可能性もあります。

口頭でも、電話やメールなどでも構いませんので、連絡は早々に済ませてください。この時、できれば以下の点も伝えましょう。

  • 亡くなった相手と自分との間柄
  • 忌引き休暇を取得する期間や日数
  • 通夜・告別式の日程(未定の場合はその旨)
  • 忌引き休暇中の連絡先

上司へ連絡する際のメールの例文は、この後に紹介します。

休暇明けには感謝をしっかり伝える

忌引き休暇明けは、上司や同僚などにしっかりと感謝の気持ちを伝えましょう。

忌引き休暇を取得している間、自分の仕事は上司や同僚がカバーしてくれていた可能性が非常に高いです。

葬儀が無事に終わったことの報告と休ませてもらえたことに対するお礼、また仕事に前向きに取り組む意思を丁寧に伝えましょう。

菓子折りを持参すると、より礼儀正しい印象になります。

お礼を伝えるタイミングは、忌引き休暇明け初日の、なるべく早い時間がおすすめです。

できれば上司にはお礼を直接伝えたいところですが、不在の場合は取り急ぎメールでも構いません。


忌引き休暇のメール例文

忌引き休暇を取得したい旨を、上司や取引先にメールで伝える場合の例文を紹介します。

なお、忌引き休暇取得を伝える場合のメールでは、内容を事細かに書く必要はありません。

読んだ相手がすぐに内容を把握できるように、端的な記載に努めてください。

上司へのメールの例文

身内に不幸があった場合、真っ先に連絡すべき相手が自分の上司です。以下のように、「誰が亡くなったのか」「いつまで休むのか」を簡潔に伝えましょう。

また、件名にも「忌引き休暇」という単語を入れ、有給休暇とは異なる休暇の取得申請だと分かるようにしてください。

件名:忌引き休暇の承認をお願いします

本文:

△△部長

お疲れ様です、◯◯です。

◯月◯日に、父が急逝いたしました。
大変急なお願いで恐縮ですが、◯月◯日~◯月◯日まで、忌引き休暇取得の承認をお願いいたします。

通夜・告別式の日程や会場については、追ってご連絡させていただきます。
休暇中の連絡先は●●●-●●●-●●●●です。

よろしくお願いいたします。

通夜・告別式の日程や会場が決まっていない場合は、未定である旨を記載すれば問題ありません。

また、近年は家族葬で済ませたいという方も増えてきています。その場合は、家族葬であることを明記しつつ、以下のような文面で連絡を入れてください。

葬儀の対応に追われていると、会社と頻繁に連絡が取れない場合もあるため、最初の連絡時に必要なことはもれなく伝えておくことが重要です。

最初にはっきりと「家族葬で済ませる」と伝えることで、上司や同僚にも気を遣わせずに済みます。

件名:忌引き休暇の承認をお願いします

本文:

△△部長

お疲れ様です、◯◯です。

◯月◯日に、父が急逝いたしました。
大変急なお願いで恐縮ですが、◯月◯日~◯月◯日まで、忌引き休暇取得の承認をお願いいたします。

なお、故人の遺志により葬儀は親しい者のみの家族葬で執り行うこととなりました。また、誠に勝手ではございますが、ご参列や御香典、ご供花、御供物につきましては謹んでご辞退申し上げます。

通夜・告別式の日程や会場については、追ってご連絡させていただきます。
休暇中の連絡先は●●●-●●●-●●●●です。

よろしくお願いいたします。

取引先へのメールの例文

打ち合わせや商談などの予定があった取引先へも、早急に連絡してください。

件名:◯月◯日のお打ち合わせ日程変更のご依頼

本文:

株式会社△△
◯◯様

お世話になっております。
株式会社★★★ ◯◯部の◯◯です。

私事で大変恐縮ですが、昨日、母が急逝いたしました。
◯月◯日に予定しておりましたお打ち合わせは、
日程の変更をお願いしたく存じます。

お忙しいなか、急な予定変更となり恐れ入ります。
私が不在の間は、弊社◯◯部部長 ■■までご連絡いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

なお取引先へのメールには、身内に不幸があったことと、予定の変更をお願いしたいことのみを伝えれば、問題ありません。

告別式の日程や会場を詳細に記載すると、「参列や香典をしたほうがよいのでは」と気遣わせてしまう可能性があるためです。


忌引き休暇についてのよくある質問

忌引き休暇の設置は企業の義務ではないため、そもそも忌引き休暇がなかったり、社内で詳細に規定されていなかったりするケースもあります。

次のような不明点がある場合は、対処法を考えつつ上司に相談してください。

社内に忌引き休暇の規定がない場合は?

一般的には、以下のいずれかで対処することが多いです。

  • 忌引き休暇中も出勤したことにして賃金を払う
  • 出勤日として扱うが、賃金は支払わない
  • 有給休暇の取得を推奨する
  • 欠勤扱いにする

そもそも自社に忌引き休暇の制度があるのか、ない場合は自社ではどういった扱いになるのかを就業規則で確認しましょう。

忌引き休暇日数を超えて取得したい場合は?

自社で定められた忌引き休暇の日数より長く休暇を取りたい場合の対処法も、企業によって異なります。

従業員の有給休暇を取得させるところが多いものの、無給の休暇を認めるところもあるようです。

まずは上司に相談して、具体的にどういった対応を取るかを決めてください。


忌引き休暇のまとめ

身内に不幸があった場合、真っ先に直属の上司に連絡するとともに、忌引き休暇の取得について許可を得てください。

加えて、同僚や取引先などへの連絡も必須です。忌引き休暇中は、職場を数日間不在にしなければならないため、周囲への配慮と、復帰後のお礼も欠かさないようにしましょう。


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監修者プロフィール

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西岡 秀泰

西岡社会保険労務士事務所 代表

生命保険会社に25年勤務し、FPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。
2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。
得意分野は、人事・労務、金融全般、生命保険、公的年金など。

【保有資格】社会保険労務士/2級FP技能士

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