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企業における緊急連絡網とは? 効果的な作り方や注意点を解説

企業における緊急連絡網とは? 効果的な作り方や注意点を解説

企業において、災害や事故発生時に迅速な対応を行うためには、緊急連絡網の作成が不可欠です。しかし、どのように連絡網を作ればよいのか分からない方も多いかもしれません。

本記事では、企業向けの緊急連絡網の意義や作り方、企業規模に合わせた運用方法などについて詳しく解説します。もしもに備えて緊急連絡網を作りたいと考えている企業は、ぜひ参考にしてください。


企業向けの緊急連絡網とは?

企業向けの緊急連絡網は、災害や事故発生時に従業員の安否確認と事業継続のための指示を迅速に伝達する仕組みです。「どのような順番で・誰が・どこに連絡するのか」が明確に示されているため、緊急時でも確実に情報を伝えられます。

また、どのような条件下で緊急連絡を開始するかを決めたり、連絡手段を複数用意したりすることで、より円滑な連絡が可能です。緊急事態発生時にも焦らずスムーズに連絡を回せるため、情報混乱を防ぐ役割を果たしていると言えます。


企業が活用できる緊急連絡網の作り方

効果的な緊急連絡網を作るには、以下のようなステップを踏みましょう。

  • どういった状況で緊急連絡を始めるかを決める
  • 誰から誰へ連絡するかを決める
  • 必要な連絡先情報を集める
  • 規模に応じて複数の連絡手段を検討しておく
  • 連絡のルールを決めて共有する

ここでは、それぞれの工程を詳しく解説します。

どういった状況で緊急連絡を始めるかを決める

どのような状況で緊急連絡を開始するのか、具体的な基準を設定しましょう。

自然災害の場合は、客観的な指標である震度や警報レベルなどを基準にすることで、判断に迷いません。震度5以上の地震発生時や、特別警報発令時など、緊急連絡を開始する条件を具体的に決めておくことで、連絡を始めるべきか迅速に判断できます。

システム障害や事故の場合は、影響範囲や重要度に応じた発動基準を設けるのが望ましいです。社長や危機管理責任者など、誰が発動を判断するかの権限も明確に定めましょう。

誰から誰へ連絡するかを決める

スムーズな連絡を実現するために、誰から誰へ連絡するかの順序と、責任者不在時の代理者を決めるべきです。

組織の階層構造に沿った効率的な連絡経路を設計し、1人に負担が集中しないよう配慮してください。加えて、部門や休日・夜間ごとの連絡責任者と、全体を統括する危機管理責任者の役割分担を明確にしましょう。

必要な連絡先情報を集める

社員の電話番号やメールアドレスなどといった、個人情報を収集する際の同意取得と管理方法を確立する必要があります。プライベートの連絡先を含める場合は、事前に利用目的を説明し、明示的な同意を得なければなりません。

また、連絡がつきやすいよう、会社支給・私用の携帯電話、自宅電話など、複数の連絡先を把握しておきましょう。定期的に情報を更新し、退職者の情報削除などの適切なデータ管理を行うことで、緊急時にも円滑に連絡を回すことができます。

規模に応じて複数の連絡手段を検討しておく

災害時に通信障害が起きる可能性を考慮し、異なる複数の通信経路を確保しておくと安心です。電話、メール、SMS、チャットツールなどの多様な連絡手段を組み合わせて、確実につながる連絡手段を準備しておきましょう。

効率的な連絡手段を選ぶ際は、企業規模や従業員の働き方を踏まえて検討することが大切です。

連絡のルールを決めて共有する

緊急連絡時の確認事項や報告方法など、具体的な運用ルールを全社員に周知しましょう。

連絡が取れない場合の対応や、情報のエスカレーションルールを定めておくことで、よりスムーズな情報伝達を実現できます。また、混乱時でも必要な情報を漏れなく伝えられるよう、連絡内容のテンプレートを用意しておくとよいでしょう。

ルールは一度決めて終わりではなく、定期的な訓練を実施して実効性を検証し、問題点の改善を繰り返すことが肝心です。


企業規模に合った緊急連絡網の作り方

企業規模によって、最適な緊急連絡網の構築方法は異なります。

ここでは、小規模の会社、中・大規模な会社、複数拠点や在宅勤務を取り入れている会社に合った緊急連絡網の作り方をそれぞれ見ていきましょう。

小規模の会社(50名以下)

小規模の会社には、シンプルな連絡体制と、電話・メール・SNSなどの既存ツールを活用した、低コストで効率的な連絡網が適しています。

社員数がそこまで多くないため、社長または危機管理担当者から直接全社員へ一斉連絡する方式が効率的と言えます。LINEやSlackなど、日常的に使用しているコミュニケーションツールを緊急時に活用するのもよいでしょう。

中規模・大規模な会社

部門別・拠点別の階層構造を持つ連絡体制と、専用システム導入による大量情報の効率的な管理が求められます。

部門責任者を介した階層型の連絡フローにより、情報の確実な伝達と効率的な集約を実現できます。一斉メール送信システムや安否確認専用アプリなど、多人数への同時連絡を可能にするツールの導入がおすすめです。

複数拠点や在宅勤務

分散型のオフィス環境や、在宅勤務の社員にも確実に連絡が届く仕組みを構築しなければなりません。

地域ごとに、発生する災害への対応を考慮し、拠点別の連絡体制と全社的な連絡体制を併用しましょう。クラウドベースの連絡システムを導入することで、勤務場所に関わらず、情報共有が可能です。


企業が緊急連絡に使う連絡手段の選び方

企業が緊急連絡に使う連絡手段には、以下のようなものがあります。

  • 電話とSMS
  • メールとビジネスチャット
  • 安否確認システム

それぞれの特性を理解し、自社に適した手段を選んでみましょう。

電話とSMS

即時性の高い電話と、到達率の高いSMSを組み合わせて、確実な連絡体制を構築できます。

電話は双方向の情報交換が可能ですが、災害時は回線混雑の可能性があることを考慮しましょう。SMSはデータ量が少なく、災害時も比較的つながりやすいため、最低限の情報伝達に有効です。

メールとビジネスチャット

詳細情報の共有にはメール、リアルタイムのやり取りにはビジネスチャットを活用する使い分け方が効果的です。

メールは一斉送信が容易ですが、受信確認が難しいため、既読機能のあるツールと併用するのがよいでしょう。ビジネスチャットは既読確認やグループ機能が便利ですが、全員がアプリをインストールしておく必要があるため、事前準備が欠かせません。

安否確認システム

社員数や拠点数、業種特性に応じて、安否確認システムの導入や、その費用対効果を検討すべきです。

従業員100名以上または複数拠点がある場合は、電話やSMSなどを使うと時間や手間がかかってしまうため、システムを導入する価値があると言えます。地震などの自然災害を自動検知して安否確認を開始する機能や、回答集計の自動化機能の有用性を評価しましょう。


企業が管理する、緊急連絡網の運用の注意点

緊急連絡網を適切に運用するには、以下の点に注意しなければなりません。

  • 個人情報を適切に集めて同意を得る
  • 緊急連絡網の情報を安全に保管する
  • 定期的に訓練して連絡網を更新する

ここでは、それぞれの注意点を確認していきます。

個人情報を適切に集めて同意を得る

個人情報保護法に準拠した、適切な同意取得プロセスと利用目的の明確化が不可欠です。私用の携帯電話番号やメールアドレスなど、プライベートな連絡先を収集する場合は、書面での同意を得ましょう。

収集する個人情報は緊急連絡に必要最小限の項目に限定し、目的外の利用はしないことを明示します。同意書には利用目的、管理方法、保管期間などを明記し、透明性を確保してください。

緊急連絡網の情報を安全に保管する

アクセス権限の制限や定期的な更新など、情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策が必要です。

紙の連絡網を配布する場合は、取扱注意文書として管理方法や廃棄方法を指定します。デジタルデータの場合は、パスワード保護やアクセス権限の設定、暗号化などの対策を講じましょう。

定期的に訓練して連絡網を更新する

定期的な訓練による実効性の検証と、人事異動や連絡先変更に対応した更新ルールが欠かせません。半年に1回程度の安否確認訓練を実施し、連絡網の実効性を検証しましょう。

訓練では応答率や応答時間を測定し、改善ポイントを洗い出すことが肝心です。人事異動や連絡先変更があった場合の更新手順を明確にし、常に最新状態を保つことが、迅速な連絡につながります。


実践的な利用ができる緊急連絡網を作ろう

緊急連絡網はただ作成して終わりではなく、災害や事故発生時に実践的な活用ができなければなりません。そのためには、発動基準の明確化や、複数の連絡手段の確保、定期的な訓練などといった、円滑な情報伝達を促す取り組みが不可欠です。

本記事で紹介した緊急連絡網の作り方や運用時の注意点を参考に、いざというときに確実に機能する緊急連絡網を構築してください。今日から緊急連絡網の整備を始め、いつ起こるか分からない災害から従業員の安全と事業継続を守る体制を整えておきましょう。


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