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電子契約にかかる費用とは? 内訳や相場を紹介

電子契約にかかる費用とは? 内訳や相場を紹介

電子契約は電子ファイルに電子データを登録して契約を締結するものです。電子署名を行うことで、書面での契約と同様の法的効力が認められます。

電子契約を行いたい場合、一般的には電子契約サービスを導入しなければなりません。電子契約サービスの導入には初期費用のほか月額基本料金や送信料などがかかりますが、書面での契約と比べてコスト削減や業務効率化が可能です。

この記事では、電子契約サービスの導入に必要な費用や対応などを詳しく解説します。


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電子契約にかかる費用の内訳

電子契約にかかる費用は、大きく分けて以下の3つがあります。

  • 電子契約サービスの利用料金
  • 電子証明書の取得費用
  • 自社システムの構築・メンテナンスにかかる費用

それぞれの具体的な金額は、利用するサービスやプランなどにより異なります。さまざまなサービスを比較して選びましょう。

電子契約サービスの利用料金

まず、電子契約サービス自体の料金が必要です。
電子契約サービスの料金タイプは、一般的に以下の3つに分類されます。

  1. 月額基本料金制
  2. 契約締結ごとの従量課金制
  3. 上記2つを組み合わせたタイプ

さらに、月額基本料金制は以下の2タイプに分けられます。

  • 契約書の保管件数や利用者数(アカウント数)によって料金の変動があるサービス
  • 補完件数や利用者数(アカウント数)に関わらず一定額のサービス

契約締結ごとの従量課金は、契約書を締結するたびに発生する料金のことです。契約書のページ数や署名者数によって金額が変動します。

両方を組み合わせたタイプは、月額基本料金と契約締結ごとの従量料金の両方の支払いが必要です。また、サービスによってはオプションが用意されている場合もあり、これにも費用が発生します。

電子証明書の取得費用

電子契約システムを利用する際には、法務省から電子証明書を取得する必要があり、これにも費用がかかります。

電子証明書とは、電子文書の作成者や送信者が本人であることを証明するものです。紙の契約書における印鑑証明書と同様の役割があります。

電子証明書の料金は、証明期間によって異なります。証明期間とはその契約が間違いなく本人によって行われたものと証明できる期間のことです。証明期間中は、電子契約やオンライン申請などで何度でも電子証明書が利用できます。ただし、証明期間中に電子証明書の内容が変更された場合、期間内であっても失効する可能性があるので注意しましょう。

主な証明期間別の電子証明書の取得料金は以下の通りです。

証明期間

費用

3か月

1,300円

6か月

2,300円

12か月

4,300円

24か月

8,300円

出典:法務省「電子証明書取得のご案内

自社システムの構築・メンテナンス費用

単に電子契約を導入するだけであれば、それほど手間や費用はかかりません。しかし、顧客管理システムや営業支援システムなどとデータを連携したい場合は新たにシステム構築が必要になるため、別途費用がかかります。

システム連携の開発費用は、連携の規模や複雑さによって異なるため注意しましょう。さらに、システムの保守やアップデートなど、継続的なメンテナンスも必要で、自社で対応するか外部委託するかによっても費用に差が出ます。


電子契約システムの料金体系と費用相場

電子契約システムの料金体系や費用について、以下の4つに分けて解説していきます。

  • 初期費用
  • 月額基本料金
  • 契約件数ごとの従量料金
  • オプション料金

初期費用

電子契約システムの初期費用は、0円から数十万円程度までと、サービスによって大きく異なります。初期費用に含まれるサービスのサービス内容は、システムセットアップ、初期設定サポートなどさまざまです。

また、初期費用が無料のプランがある場合もあります。こういったプランは、コストを抑えて電子契約を導入したい企業にとっては良いかもしれません。

ただし、初期費用が無料のプランは、ユーザー数や送信数が限られているなど、何かしらの制限があるので注意が必要です。安全性やセキュリティが低い場合もあるため、充分に検討する必要があります。

月額基本料金

月額基本料金は、毎月一定金額を払うことで、プランごとの機能が利用可能です。

利用できる機能は、選ぶプランや会社によって変わります。相場は5,000~20,000円程度となっており、ユーザー数や契約数に応じた料金プランが用意されているケースも多いでしょう。

また、年間払いや長期契約による割引の有無があるプランもあります。さまざまな電子契約サービスを比較して、会社の規模やユーザー数・契約数に合う電子契約サービスを選びましょう。

契約件数ごとの従量料金

従量課金制とは、アカウントの契約件数に応じて料金が変わる課金方式のことを示します。
契約件数の計算方法はサービスごとに異なり、以下の基準があります。

送信数

契約書の送信回数を基準とする

署名者数

契約書に署名した人数を基準とする

完了数

署名が完了し、確定した契約書の数を基準とする

また、送信料は、以下のような要素で決まります。

  • サービスの品質(セキュリティレベル・安定性など)
  • 付随するサービス(保管サービス・監査証跡の提供など)
  • 契約の複雑さ(署名者数・添付ファイルの容量など)

従量課金制は1件の契約につき100~300円ほどの送信料がかかるため、契約件数が多いほど送信料も高くなります。

ただし、大量契約するほど割引になるケースもあるため、必要に応じて電子契約サービス会社へ問い合わせ、自社の契約状況に最適なプランを選択しましょう。

オプション料金

電子契約サービスでは、次のようなオプションが用意されていることがあります。

  • AI契約書管理機能や、書類情報の管理などの書類管理機能
  • 承認権限設定やIPアドレス制限などの内部統制・セキュリティ機能
  • 複数部署管理機能の「メンバーグループ」、「キャビネット」

オプションサービスには費用が数百円台のものもありますが、不要なものを選んでしまうと無駄なコストになります。自社の業務フローに本当に必要なものなのか十分に検討したうえで判断しましょう。


電子契約を利用する際の相手側の負担

電子契約サービスには、「立会人型」と「当事者署名型」の2種類があります。選ぶ種類によっては、相手に費用が発生する場合があるので注意しましょう。

それぞれの種類の違いと、利用料金が発生するシーンについて解説します。

立会人型(事業者署名型)と当事者型の違い

「立会人型(事業者署名型)」とは、契約を結ばない第三者が当事者の指示に基づいて電子署名を付与する電子契約です。
反対に「当事者署名型」は、当事者全員が本人確認をしたうえで電子証明書を発行します。そのため電子証明書は契約者本人だけでなく、契約相手にも準備してもらう必要があるのです。

以下の表で立会人型と当事者署名型のメリットとデメリットを比較します。

 

メリット

デメリット

立会人型

(事業者署名型)

  • コストや手間がかからない
  • 相手が同様のシステムを導入していなくても契約を締結できる
  • 当事者署名型よりも法的効力が弱い
  • なりすましのリスクがある

当事者署名型

  • 立会人型よりも強い法的効力がある
  • なりすましのリスクが低い
  • コストや手間がかかる
  • 契約相手に同じ方法を導入してもらう必要がある

「立会人型」か「当事者署名型」かを選ぶには、取引先との関係性や契約の重要度、コスト面などを総合的に見て判断しましょう。

相手側の費用負担の有無

相手側に費用負担が発生するのは、「当事者署名型」です。当事者署名型の場合は双方が電子署名を行う必要があるためです。相手側が負担する費用は電子証明書一枚につき、数千円~数万円程度となるでしょう。

「立会人型」の場合、通常は契約書を送信する側(自社)のみが費用を負担します。そのため、相手側は特別な準備や費用負担がなく、メールで送られてくるリンクをクリックして署名するだけです。

ただし当事者署名型は本人の電子署名を付ける分、立会人型よりも法的効力が一層強化されます。

相手側の業務フロー変更の必要性

当事者署名型の場合、相手側の業務フローに変更が生じるケースがあることを知っておきましょう。当事者署名型の場合は相手側にも電子契約サービスを導入してもらったり、契約書の送受信方法を決めてもらったりしなければなりません。

相手側の状況によっては、当事者署名型の電子契約サービスの導入が難航する可能性もあります。相手の理解の元、電子契約に切り替えましょう。


書面契約と電子契約の費用対効果比較

電子契約を導入するには費用がかかりますが、その分、削減できる費用も多々あります。それぞれの費用と削減金額の目安を解説します。

印紙税・郵送費・印刷代などの削減

書面契約から電子契約に変更することで、印紙税・郵送費・印刷代などが削減可能です。書面契約に必要な各種費用の内訳と、電子契約に切り替え後の費用を表で解説します。

項目

書面契約での費用

電子契約での費用

印紙税

契約金額に応じて数百円から数万円

0円

郵送費

  • 一般書類で400円程度
  • 特定記録郵便で310円程度

インターネット通信量はかかるが、書面を郵送する場合より安価

印刷代

1枚当たり5~10円程度

0円

封筒代

1枚当たり10~20円程度

0円

このように、書面契約と電子契約では一度の契約でかかる費用が大きく変わります。特に印紙税は、契約数によっては100~120万円ほど削減できる可能性もあります。長い目で見ると、紙契約よりも費用を抑えられるでしょう。

契約締結にかかる作業時間の短縮

電子契約を導入することで契約締結にかかる作業時間も短縮できます。ここでは書面契約の場合と電子契約の場合でかかる作業時間を比較します。

作業内容

書面契約の場合

電子契約の場合

契約書の作成

30分~2時間

 

30分~2時間(テンプレートの活用でさらに短縮可能)

印刷・製本

10~30分

なし

署名・押印・送付

5~15分

1~5分

ファイリング

5~15分

なし(自動化可能)

電子契約にすることで書面契約にかかる時間と手間を大幅に減らせるでしょう。
また、書面契約は郵送が必要で、相手側に届くまでに1週間程度かかります。電子契約サービスを利用すればすぐに相手側に届くため、スピーディーな契約締結ができるでしょう。

保管コストの削減

電子契約にすることで、保管コストを削減することも可能です。
書面契約の場合、以下のような保管コストもかかります。

  • 保管スペースの賃料
  • 書類保管のためのキャビネットや棚の購入費用
  • 書類の整理・検索・管理にかかる人件費
  • 施錠設備や監視カメラなどセキュリティ対策の費用

一方、電子契約であれば、過去の契約書でも相手の名前・締結日などがわかれば簡単に探せます。また、契約書類はパソコン内にデータとして保存できるため、書類を保管するスペースも不要です。


費用対効果を見極めて電子契約サービスを選ぼう

電子契約システムの料金体系や、費用相場などをご紹介しました。電子契約サービスはプランによっては初期費用がかかる場合もありますが、書面契約よりも月々の費用は安くなることがほとんどです。

また、税金や人件費などの削減にもつながります。自社のユーザー数や契約数に合わせたプランを選択し、契約業務の効率化を図ってみてはいかがでしょうか。


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