【民法改正】成人年齢引き下げによって企業が対応すべきことは?
成人年齢引き下げの民法改正により、2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
本記事では、成人年齢引き下げに伴い企業が対応すべきことをご紹介します。
具体的には次のような内容について解説しています。
民法改正による成人年齢の引き下げによって企業が対応すべき3つのこと
- アルバイトに対して保護者の同意が必須でなくなることの2つのメリット
- 成人年齢引き下げの民法改正後のそれぞれの企業の2つの対応
- 成人年齢引き下げに伴って企業側が対応すべき対策を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
成人年齢の引き下げによって企業が対応すべき3つのこと
まずは、成人年齢の引き下げによって企業が対応すべきことを3つ紹介します。
その1:アルバイト採用時に保護者の同意書の提出を求めるかの見直し
2022年3月末までは未成年がアルバイトをする際は必ず保護者の同意が必要でした。
しかし、2022年4月1日以降は、18歳と19歳の方は保護者の同意なしでもアルバイトができるようになります。
そのため、2022年4月1日以降も民法改正以前と同じく保護者の同意を必須とするか、はたまた保護者の同意は不要とするか企業側は見直す必要があります。
アルバイトに対しての保護者の同意が必要なくなるとどんなメリットがあるかについては、後程ご紹介します。
その2:利用規約や契約書の変更
2022年4月1日までに企業側は利用規約や契約書の見直し、場合によっては変更する必要があります。
具体的に「20歳未満の方は、保護者の同意が必要になります。」このような記述をこれまではよく目にしました。
しかし、成人年齢が引き下げられた後は、「20歳未満」を「18歳未満」に変更する必要がある場合があるため、注意しましょう。
その3:システム情報の変更
2022年3月末までのシステムは、20歳以上を成人年齢として登録するシステムになっています。
そのため、2022年4月1日以降18歳以上を成人年齢として登録するようにシステム情報を変更しましょう。
アルバイトに対して保護者の同意が必須でなくなることの2つのメリット
アルバイトに対して保護者の同意が必須でなくなると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、具体的なメリットを2つご紹介します。
メリット1:契約を取り消されるリスクがなくなる
保護者の同意のない未成年との労働契約は、保護者による取り消しが可能です。
これにより、企業側はせっかく18歳、19歳のアルバイトを雇っても保護者によって契約を取り消されてしまうリスクがありました。
しかし、成人年齢引き下げ後は、18歳、19歳の方と親の同意なしで労働契約を結んだ場合でも契約を取り消されるリスクがなくなったのです。
メリット2:採用を増やすチャンス
これまでアルバイトをしたくても親の同意が取れずに、働けない18歳、19歳の方が少なからずいました。
しかし、親の同意が不必要になり、18歳、19歳の方がアルバイトに申し込むハードルが下がりました。
その結果、2022年4月1日以降18歳、19歳のアルバイト申し込み者数が増加すると予想されており、企業側は採用を増やすチャンスが拡大するでしょう。
民法改正後のそれぞれの企業の2つの対応
成人年齢引き下げの民法改正後、それぞれの企業がどのような対応をしていくのか具体策を挙げて紹介します。
対応1:親の同意をなくす予定の企業
親の同意をなくす予定の企業は、民法改正後18歳以上は大人として扱われるため、親の同意は必要ないと考えるようです。
親の同意がなくても18歳と19歳の方が安心して働けるように、18歳、19歳の方と雇用契約を結ぶ際は、仕事内容だけでなく契約についても丁寧に説明するといった対策を取る予定の企業もあります。
対応2:親の同意を今後も提出する予定の企業
成人年齢引き下げ後も保護者の同意を必須とする予定の企業は、18歳、19歳は親の援助を受けて生活している人が多いことから、親の同意は必要だと考えるようです。
今後保護者の同意を不要とする企業がどの程度現れるのか、また保護者の同意がなくても18歳と19歳の方が安心して働けるように企業側がどんな対策を取るのか注目が集まります。
民法改正後は社会経験の少ない18、19歳に分かりやすい説明を心掛ける
この記事では、成人年齢引き下げの民法改正後に企業が対応すべきことについて解説してきました。18歳と19歳の雇用に対して、保護者の同意を必須とするか、不要とするかは多くの企業が慎重に決断をしており、企業側として悩む点だと思います。
保護者の同意を必須にする、不要にするどちらにせよ18歳、19歳は社会経験が浅く、初めて働く人も多いということを念頭に置き、業務内容や契約に関して分かりやすい説明を心がけていきましょう。