顧問契約とは? 契約の流れやメリット・デメリットを解説
外部の弁護士や税理士と雇用契約を結びたいけど、どのような契約かよくわからない、契約を結ぶ流れを知りたいという人もいるでしょう。
自社に不足している知識を補い、専門的な分野で迅速な対応をしてもらうためにも顧問契約を結ぶ企業が増えています。
最近では月額1万円ほどで弁護士と顧問契約を結べるケースもありますが、契約時にはいくつかの点に注意しないと失敗する恐れもあるでしょう。
そこで本記事では、顧問契約の概要からメリット・デメリット、契約締結までの流れと注意点について詳しく解説します。
顧問契約とは
企業が自社で不足している技術や知識を補う目的で、専門的な知識を有する人材と顧問契約を結ぶケースが増えています。
そもそも顧問契約とはなにか、どのような契約か解説します。
顧問契約の概要
顧問契約とは、継続的な業務委託に関する契約を指し、相談や手続きの依頼などを契約範囲内の業務として定期的に提供する制度です。
顧問契約の特徴は、依頼される業務の量にかかわらず、毎月一定額の費用でサービスが提供される点といえます。
また、雇用契約は専門的なスキルや知識を持つ人材と結ぶのが一般的で、特定の業務を対象に契約をします。
他契約との違い
ここでは、顧問契約と他の契約の違いを紹介します。
顧問契約と業務委託契約
顧問契約は特定の業務に対して結ぶものですが、似た契約として業務委託契約があげられます。
業務委託契約は通常、特定のプロジェクトや個別の業務に対して結ばれる契約で、その範囲や内容は具体的な業務に限定されるのが特徴です。
対して顧問契約は、特定の専門分野や知識・経験を持つプロフェッショナルを対象とすることが多い契約といえます。
業務委託契約では、特別なスキルや専門的な知識を持つ人材だけを対象にしているわけではないため、契約対象の人材が違います。
顧問契約と雇用契約
顧問契約と雇用契約の違いは、主に業務の範囲と関係の性質です。
顧問契約は特定の専門性に基づいた独立した業務提供に重点を置き、雇用契約はより広範な業務遂行と企業への従属関係を規定しています。
顧問契約では専門的な知識を持つ人材に専門領域での業務を依頼し、雇用契約では契約時間内にさまざまな業務を遂行してもらうという違いがあります。
顧問契約のメリット
ここでは、顧問契約のメリットを3つ紹介します。
的確かつ迅速に対応してくれる
顧問契約を結んでいると、迅速かつ的確な対応をしてもらえます。
例えば、顧問契約を交わしている弁護士がいる場合は、弁護士に相談したい問題が発生したときにすぐに対応してもらえるでしょう。
しかし顧問契約を結んでいない場合には、信頼して依頼できるかつ対応可能な弁護士を探す時間と労力がかかります。
経費削減
顧問契約には、経費削減のメリットがあります。
継続的な関与を通じて社員の雇用が不要になるため、アウトソーシングによる経費削減のメリットが生まれるのです。
さまざまな相談ができる
さまざまな相談ができるのも、雇用契約のメリットでしょう。
弁護士との顧問契約があれば、いつでも電話やメールを通じて法律問題について相談可能です。
会社の内情や業務を深く理解しているため、緊急事態にも迅速かつ適切なアドバイスを受けることができます。
顧問契約のデメリット
ここでは、顧問契約のデメリットを2つ紹介します。
短期間での解除が難しくなる
顧問契約のデメリットとして、一度契約を結ぶと契約解除が難しい点があげられます。
業務委託契約では特定プロジェクト終了時に契約を終了させることが可能ですが、顧問契約は長期継続が前提であるため、短期間での解除は困難です。
期待していた働きが実現しなかった、契約を結んでも想定した成果が出なかったなどの理由で、すぐに契約解除を行うのは難しいため慎重に契約を結ぶ必要があります。
ミスマッチの可能性
顧問が実績や経験を豊富に持っていたとしても、自社に適合しない可能性があるのもデメリットの1つです。
顧問契約の場合、契約期間が決まっており、途中解約すると料金の支払いが発生するケースがあります。
ミスマッチが生じるリスクも考慮し、無料相談などを利用して自社に合う顧問かどうかを事前に確認することが重要です。
顧問契約の流れ
ここでは、顧問契約を結ぶ流れを紹介します。
問い合わせ
まずは顧問に問い合わせを行います。
顧問契約に関する問い合わせは、電話または申し込みフォームから依頼するケースが多いです。
顧問契約の相談や見積もりは無料のところが多く、正式な依頼がなければ費用は発生しないところもあります。事前に確認の上、問い合わせをしましょう。
説明・提案を受ける
問い合わせ後は、事業内容・ニーズを説明の上、顧問契約内容について説明を受けます。
面談時には顧問契約書の見本を送付されることもあり、それらを基に契約を結ぶかの検討をしましょう。
申し込み・契約締結
契約を結ぶと決めたら申し込みをして契約締結です。
顧問契約を締結した日からサービスの利用が可能です。顧問業務内容について不明点があれば、いつでも相談できるため疑問があれば問い合わせをしましょう。
顧問契約時の注意点
ここでは、顧問契約を結ぶ際に意識しておきたい注意点を2つ紹介します。
相手をよく選ぶ
顧問契約を結ぶ相手を選ぶ際は、慎重に検討する必要があります。
例えば弁護士の場合、月額1万円以下で顧問契約が可能な場合もありますが、顧問料が低い場合は受けられるサービスも限定的となる可能性があるでしょう。
頻繁に利用することを前提とする場合は、高額な顧問料でも多くのサービスを受けられる方が経済的に有利です。
あらかじめ業務内容や対応範囲などをよく確認して、契約を結びましょう。
契約書の入念な確認
顧問契約を結ぶ際は、契約書の入念な確認を忘れずに行いましょう。
顧問契約を成功させるためには、契約書の詳細なチェックが重要です。
特に、金額に関する部分や顧問の業務範囲、契約期間については、多角的に確認することで、契約後に発生する可能性のあるトラブルを未然に防ぐことができます。
契約時には、必ず契約書を入念に確認しましょう。
顧問契約のまとめ
顧問契約とは、相談や手続きの依頼などを契約範囲内の業務として定期的に提供する制度です。
顧問を選ぶ際には顧問料だけでなく、実績や評判などを考慮しながら複数の候補から自社に合った顧問を選ぶことが大切です。
顧問契約は長期にわたる契約のため、締結前に内容を把握しておくと、適切な顧問契約を結べます。