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はじめての事業計画書作成!ターゲット選定と販促計画(リラクゼーションサロン編)

著者: 中小企業診断士  山本 哲也

はじめての事業計画書作成!ターゲット選定と販促計画(リラクゼーションサロン編)

あなたの顧客は誰ですか?

その顧客は今、何をしているでしょう?

今日、来店してくださったお客様は、なぜ来てくれたのでしょう?

どのようにすれば、あと1日早く来店していただくことができたのでしょう?

そして、どうすれば誰かにこのサロンの話を伝えてもらえるでしょう?


1. あなたの顧客はどんなひと?

早速ですが、「あなたのサロンのお客様ってどのような方でしょう?」

即答できた方へ。「それは本当ですか?そのお客様はすべての顧客のうち、どれくらいの割合ですか?また、売り上げはどれくらいの割合を占めていますか?その顧客はいつ来店されていますか?そして、どのメニューを利用されていますか?」

即答できなかった方へ。「待ちの姿勢になっていませんか?あなたのサロンをひいきにしてくださっている顧客のことをもっと知るべきではないでしょうか?」

(1)ペルソナを設定しましょう

“ペルソナ”という言葉を聞いたことがありますか?1980年頃から提唱されている考え方で、マーケティング戦略を検討するために設定する“最もサロンを利用してもらいたい、または、最も利用すると考えられる想像上の顧客”のことを指します。

【ペルソナを設定する際に検討すべき項目】

ひょっとすると「ターゲットのこと?」と思われた方もいるかもしれませんね。ターゲットという言葉にとても近いのですが、「ペルソナ」は顧客に関して詳細な情報を設定することで、よりリアリティを追求します。この想像上のお客様に名前までつけることもしばしばです。

ペルソナを設定するメリットは、“顧客視点でサロンの運営が考えられるようになる”ことや“店内スタッフ間で共通認識を持った話し合いができる”こと。また、“ユーザーの性格やライフスタイルなどを店内のサービスに反映できる”ことが挙げられます。一方で注意すべき点もあります。それは、“ペルソナを自分たちの理想像にする”ことや“先入観や思い込みを持つ”ことが挙げられます。そうならないためには、顧客アンケートやスタッフ間の意見出し、来店情報、周辺住民(住居、仕事場を持っている)など、しっかりとした調査による根拠に基づいてペルソナを設定することです。また、“作りっぱなしにしないで、定期的に見直す”ことが重要です。近隣の住宅事情やオフィス事情、競合店の営業状況は日々変化しますので、それらを加味し続ける必要があります。

(2)彼らは何を求めて来店してくださったのでしょう?

ペルソナの設定ができたら、顧客のニーズについて考えてみましょう。先ほどお伝えしたように、サロンの顧客情報やアンケート、スタッフが顧客から直接得た情報などをベースに検討を進めます。なぜなら、私たちは印象に残ったお客様や自分たちの理想の情報を重要視して考えがちだからです。間違った情報をもとに検討を進めてしまわないよう、注意が必要です。


2. 販促は計画的に

販促とは販売促進の略称です。その名の通り“販売を促進すること”を指します。つまり、見込み客や過去に来店した顧客に「また行きたい」「誰かに教えたい」と思ってもらうための活動のことです。販促活動においては、事前計画がとても重要です。計画では、「いつ、誰に、何を、どんな手法で、どのような内容で実施し、どういった効果を狙うのか?そのために必要な費用、担当、時間は・・・」といったことを決定します。


(1)大切なことは、正しい評価。

「どんな販促が一番よいのでしょう?」「●●は効果がないでしょう?今は△△でしょ!?」。販促に関してよく質問されることです。これらは、どれも正しい考え方である一方で、正確性のない主観だけの発言でもあります。自分たちの販促を正しく理解し評価するためにも、細かいところまで意識したいものです。

まず、効果について。自分たちが行った販促の効果を評価するためには、必ず事前に準備しておかなければならないことがあります。実はほとんどの方が、これができていません。そもそも“その販促の目的は何だったのか?”“合格点は、どこにあったのか?”。つまり、目的と評価基準について販促活動を行う前に設定しておくことが必要です。

例えば、あなたのサロンが、インスタグラムの運用に力を入れ、継続して投稿をしているとしましょう。まず、投稿の目的を考えます。フォロワーを増やすため?サロンのファンを増やすため?“いいね”を集めるため?

評価の計算式は、以下のようになります。評価=目的÷投稿数。つまり1投稿あたりの目的達成数。これを同じ投稿と比較することになります。しかし、貴店は広告業ではありませんので、評価だけをしても意味がありません。評価は、改善のためにあるのです。

(2)PDCAしかない。PDCAだけでよい。

先述のように販促活動でまず初めに行うことは、目的や評価基準を設定したうえで、計画を立てることです。計画を立てたら、さっそく実行に移します。販促の目的を達成するために必要なこととして、“継続して実行する”ということがあります。「効果があるよ」と聞けば飛びつき、すぐに結果が感じられないとまた違うアイデアに走るという人が多いですが、これが一番やってはいけない方法です。これを防止するための特効薬に「計画段階で実行期間や回数を長めに設定する」という方法があります。つまり、きちんとした結果が得られる前に、いろいろな販促アイデアに目移りしないために数か月分の計画を事前に立てるのです。ぜひお試しください。

計画期間が終了したら、評価のフェーズに移行します。評価は、先ほどお伝えしたように計算式で数値にして判断しましょう。

活動コストとは、媒体広告なら広告費用に加えて、打ち合わせに要した時間×時間給も含めて考える必要がありますし、SNSなどの無料ツールであっても、投稿に要した時間×時間給は当然コストと考えます。同じ活動コスト同士で比較する場合は、1回あたりの効果で比較します。ここで注意すべきことは、“すべての販促をコストパフォーマンスだけで判断しない”ことです。販促には、それぞれ特徴と得手不得手があり、代替手段がないこともあります。TPOに合わせて活用するようにしましょう。

評価ができたら、その結果に応じた改善を行います。その結果を招いた要因は、内容なのか、時期なのか、サロンスタッフ全員で知恵を絞ってみるだけでなく、来店客や常連客にヒアリングすることをお勧めします。「お客様の立場に立って・・・」といいますが、オーナーやサロンスタッフの視点からお客様の気持ちを想像することは簡単なことではありません。そのため、お客様の生の声を集めることが、販促活動の質を高めるために有効な方法です。

このように、販促は、言葉で表すとたったの2文字なのですが、非常に大変な活動なのです。


まとめ

いかがでしたでしょうか?販促は、長くお客様にかわいがってもらえるサロンにするために、お店作りと同じくらい大切な活動になります。先ほど、よく質問されることとして「今は、どんな販促が一番よいのでしょう?」ということを書きました。私は、いつも「まずは、継続することです」と答えています。そして、「実施記録を取ってください」とお願いしています。つまり、継続して振り返ることで、自然と改善が進み、結果として必ず効果が表れてきます。たったこれだけのことですが、できているサロンはなかなかありません。そのため、それをやるだけでも他のサロンよりも一歩リードできるのです。やらない手はないでしょう。

今後は、広告のセールスパーソンと打ち合わせをするにも、今日お話しした内容を忘れず、彼らの意見を取り入れてみることをお勧めします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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著者プロフィール

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山本 哲也

中小企業診断士

PROFILE
ライター,コンサルタント
1966年生まれ,大阪府大阪市出身。
1998年ビルクリーニング技能士取得
2019年年中小企業診断士登録
総合サービス事業会社にてオープンイノベーションによる新規事業開発を担当。得意分野は新規事業開発、事業企画、営業チームビルディング、フランチャイズビジネス

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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