Z世代とは｜世代の特徴と効果的なアプローチ方法について

Z世代とは

Z世代とは、1995年ごろ～2010年ごろに誕生した若い人たちを指します。もともとはアメリカで発祥した言葉で、若い世代の総称である「ジェネレーションZ」が語源です。

「Z」の理由は、Z世代の前に「X世代」「Y世代」が存在しており、「その次の世代」という意味で「Z」がつけられました。

なお、世代区分に厳格な定義はなく、取り上げるメディアや国によって年齢が重なることもあります。

ではなぜ、世代別に名前がつけられているのでしょうか。

それは、世代を適度に分けることで、その時代に起きた出来事が人々に及ぼす影響について研究しやすくするためです。また、区分することで各世代の行動パターンや思考、価値観が把握しやすくなり、マーケティングなどに活用できるからです。

Z世代の3つの特徴

Z世代に向けた効果的な戦略を練るには、その特徴をよく把握しておく必要があります。Z世代の特徴について見ていきましょう。

情報収集力に長けている

Z世代の特徴としてまず挙げられるのが、情報収集力に長けていることです。

幼いころからインターネット環境が整っているZ世代にとって、SNSでのコミュニケーション、インターネットを駆使した情報収集は当たり前です。そのため、Z世代はデジタル技術が高度に発達した時代を生きていることから「デジタルネイティブ」とも称されます。

また、テレビや新聞、雑誌などのマスメディア離れが進んでいる世代であり、情報収集はWEB、SNSを使いこなし、自分にとって必要な情報をうまく選別するのもこの世代ならではです。

そして情報に対する警戒心がとても強く、安全性や信頼できる情報かどうかを重要視するのも特徴といえるでしょう。

多様性を尊重している

Z世代は性別や年齢、人種、国籍、嗜好といった多様性を尊重しています。

それぞれの人間が違った価値観や考え方を持っていることを当たり前の事実として受け入れ、自分らしさや個性を大切にする人が多いです。そのため、商品を選ぶときもブランドや企業の知名度、流行のものかどうかよりも、自分にとって必要か、個性を表現できるかなどを重視する傾向があります。

また、Z世代は不特定多数に対する均一のサービスよりも、一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされた商品を好み、自分が認めたものであれば、少々高額でもお金を惜しまずに購入する傾向が高いです。

地球環境や社会問題に関心がある

上の世代と比べて社会問題などに関心があるのも特徴です。小さいころから多様性に関するさまざまな考え方に触れてきたこと、近年の異常気象や環境問題を目にして育ってきたこと、親世代から続く不景気の中で生きてきたことなどから、これらの問題に真摯に取り組む姿勢が見受けられます。

また、この世代はインターネットを利用してリアルタイムで世界中のニュースに触れ、世界的な問題に興味を持ちやすい環境であることも要因として挙げられます。

それらを裏付けするように、日本経済新聞社が2021年に19～69歳の日本在住の男女に行った「Z世代サステナブル意識調査」によると、Z世代の「関心のある社会的課題TOP10」には、ほかの世代にはない「人種差別」「飢餓・栄養不足」「ジェンダー不平等」「LGBTQ（性的マイノリティ）差別」がランクインしており、Z世代が社会的問題に興味があることが見て取れます。

（参照元：日本経済新聞社「Z世代サステナブル意識調査」）

Z世代とY世代（ミレニアル世代）との違い

では、Z世代はほかの世代とどんな違いがあるのでしょうか。ここではZ世代のひとつ前の世代である「Y世代（ミレニアル世代）」との違いについて見ていきましょう。

堅実な金銭感覚

「Y世代（ミレニアル世代）」は、1980年ごろ～1995年ごろに誕生した人たちのことです。この世代は、IT化・デジタル化がある程度進んでいたこともあり、情報リテラシーが高いことが特徴です。また、インターネットの扱いに慣れており、「デジタルパイオニア」とも称されます。

Z世代とY世代の大きな違いとして、まず金銭感覚や経済感覚が挙げられます。Z世代はY世代よりも不景気の中で育ったため、地に足の着いた経済的感覚を持っている人が多いです。ですので、リアリストなZ世代のお金の使い方は、支出を抑えて貯蓄する傾向があります。

現実的な暮らしに重きをおく

不景気を育ったZ世代は、Y世代に比べて夢を追いかけるというよりも現実的な暮らしに重きをおき、買い物も慎重です。

例えば、Z世代、Y世代ともにどちらもインターネットが身近な存在であることから、オンラインショップでの購入にあまり抵抗がありません。しかし、買い方はY世代が実店舗に行かずにオンラインショップのみで済ませることが多いのに対し、Z世代は実店舗とオンラインショップを併用して、十分に調べて自分が納得してから購入するといわれています。

そして、Y世代が非日常を楽しめることに興味を示す傾向があるのに対し、Z世代はリアルで共感できる「コト（体験）」に惹かれやすいのも大きな違いといえるでしょう。

Z世代に効果的なマーケティング戦略

Z世代はこれまでの世代とは価値観や消費行動が大きく異なります。そんなZ世代向け市場で成功を収めるためには、彼らの心を的確につかむことが求められます。

WEBを活用したアプローチ戦略を立てる

Z世代にアプローチする上で欠かせないのがWEBの活用です。

WEBの活用といっても、オンラインショップなどに商品をただ掲載するという意味ではありません。商品の背景にあるストーリーを掲載したり、商品購入ページへすぐにアクセスできるリンクを載せたりしておくなど、細かな配慮が必要です。また、Z世代は商品購入の際にWEBやSNSの情報を参考にします。そこで専門性や権威性を意識した信ぴょう性の高い情報をさまざまな形で発信するのが有効です。

このようにZ世代に刺さるマーケティングを目指すなら、WEBやSNSを上手に活用して商品の価値や魅力、信頼度を高め、価格以上の価値があることをアピールすることが求められます。

体験消費・参加型消費を取り入れる

Z世代向けの戦略では、体験消費や参加型消費を取り入れるのも効果的です。体験消費・参加型消費とは、「モノ」よりも体験や経験などの「コト」にお金を払う消費活動のことです。

近年、インターネットの普及や時代の変化につれて、消費者のニーズやお金の使い方が「モノ」の消費から「コト」の消費へと変化しています。特にZ世代は、リアルな体験への憧れが強いため、そこを満たす要素を取り入れたアプローチが有効です。

例えば、旅行をしてめずらしい旅館やホテルに宿泊すること、イベントや映画館、美術館などを体験・見学して有意義な時間を誰かと共有することにZ世代は価値を感じます。

また、リアルな体験同様にZ世代は「体験・参加型キャンペーン」にも興味・関心が高いため、SNSでハッシュタグを使って商品やサービスについて投稿してもらうキャンペーンを実施するのもおすすめです。さらに同世代の人気インフルエンサーを使ってのマーケティング戦略も有効な手段といえるでしょう。

Z世代は情報収集力に長け、多様性を尊重し、社会問題や環境問題に関心のある世代です。そのため、Z世代に刺さるマーケティング戦略を立てるには、モノ（商品）」よりも「コト（体験）」を重視し、社会問題や環境問題に触れつつ、WEBやSNSを巧みに利用することが大切です。