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スタートアップとは? ベンチャーとの違いやメリットデメリットを解説

著者:   bizocean事務局

スタートアップとは? ベンチャーとの違いやメリットデメリットを解説

スタートアップは、「ベンチャー」や「スモールビジネス」とは異なる特徴があります。

スタートアップで働くためには、スタートアップの特徴や働くメリット・デメリットを理解し、入社前の入念な準備が必要です。

この記事では、スタートアップの意味や特徴、働くメリット・デメリットを解説し、スタートアップの成功事例もあわせて紹介します。スタートアップへの入社を検討している方は、ぜひご覧ください。


スタートアップとは

まず、スタートアップの定義や意味を説明します。あわせて、スタートアップと似た用語である「ベンチャー」「スモールビジネス」との違いについても解説します。

スタートアップの定義・意味

スタートアップの定義や意味は、個人や企業によって異なるものの、一般的には革新的なビジネスモデルを通じて短期間で成長を遂げる企業や組織を指します。

英語の「startup」が由来で、元々は世界的なIT企業が多く集まるアメリカのシリコンバレーで使われ始めた言葉といわれています。

スタートアップとベンチャーとの違い

スタートアップとベンチャーの違いは、ビジネスモデルです。

ベンチャーは、既存のビジネスモデルをもとに、大企業が進出していない領域で新しい事業を起こす小さい企業や組織を指します。

経済産業省が平成26年4月に実施した「ベンチャー有識者会議」による「ベンチャー宣言」の中で、ベンチャーを以下のように定義しています。

「ベンチャーとは、新しく事業を興す『起業』に加えて、既存の企業であっても新たな事業へ果敢に挑戦することを包含する概念である」

ベンチャーが既存のビジネスモデルを前提にしている一方で、スタートアップは、新しいビジネスモデルで今までにないイノベーションを目指す点が異なります。

スタートアップとスモールビジネスとの違い

スモールビジネスは、少ない資本や人数で始める事業を指し、スタートアップとスモールビジネスには多くの違いがあります。以下の表に違いをまとめました。

スタートアップ

スモールビジネス

ビジネスモデル

新しい市場を開拓する

既存の市場で事業を行う

資金調達

ベンチャーキャピタル

エンジェル投資家

自己資金

銀行からの融資

成長戦略

短期間に急成長する

安定収入を目指す

出口戦略

高値での株式売買

(=出資者の利益)

安定した収益

継続的な成長

スタートアップは、新しい市場を開拓して急成長により大きな利益を目指すため、ハイリスク・ハイリターンといえます。

一方、スモールビジネスは、既存のビジネスモデルを基に安定的・継続的な成長を目指す点が異なります。


スタートアップの特徴

経済産業省の「平成30年度地方創生に向けたスタートアップエコシステム整備促進に関する調査事業報告書」によると、スタートアップの特徴は以下の3つにまとめられます。

  • 革新的なイノベーション
  • 高い成長力
  • イグジットを検討している

一つずつ具体的に説明します。

革新的なイノベーション

スタートアップの特徴は、革新的なイノベーションです。

イノベーションとは、商品やサービス、ビジネスモデル、組織、システムなどに新たな考え方や技術などを導入して価値を生み出し、社会に大きな変革をもたらすことを指します。

スタートアップは、革新的なイノベーションによって新しいビジネスモデルを生み出し、見過ごされていた新たなニーズに着目して市場への参入や事業の開拓を行います。

スタートアップが起こすイノベーションには、ビジネスモデルが斬新ということだけではなく、社会への新たな価値提供が求められることも特徴です。

このようなイノベーションは「破壊型イノベーション」と呼ばれます。

高い成長力

スタートアップの特徴に、高い成長力も挙げられます。

スタートアップは、市場にライバルがいない状況で革新的なイノベーションを起こし、これまでになかった価値を創造して社会にインパクトを与えるため、急成長が可能です。

消費者のニーズをとらえて市場を独占できれば、爆発的な成長を遂げる場合もあります。

イグジットを検討している

イグジットを検討しているのもスタートアップの特徴です。

イグジットとは出口戦略のことで、スタートアップは株式売却による利益確定をイグジットとするのが一般的です。

スタートアップの資金調達は、ベンチャーキャピタルや個人投資家からの投資で行われるため、スタートアップとしても事業を急成長させて、早急なイグジットの達成を目指します。


スタートアップで働くメリット

スタートアップで働くメリットは、以下の3点です。

  • 担当業務の幅が広い
  • 意思決定スピードが速い
  • 向上心がつく

一つずつ詳しく説明します。

担当業務の幅が広い

スタートアップで働くメリットは、担当業務の幅が広いことです。

多くのスタートアップは少人数体制で、ビジネスの立ち上げから運営、拡張という一連の流れに関わるため、部署を越えて幅広い業務を担当する機会があります。

営業や顧客とのコミュニケーションなど、さまざまなスキルが必要になるため、人としても成長できるといえるでしょう。

意思決定スピードが速い

スタートアップは意思決定スピードが速く、スピード感を持った仕事ができる点もメリットです。

スタートアップは少人数体制のため、報告や連絡、相談、承認などに長い時間を必要としません。
市場の動きは変化が激しく、新しいビジネスモデルを開拓して成長するためには、速い意思決定が不可欠です。

大企業では意思決定に関わる人数が多い分、意思決定スピードが遅くなりがちです。スタートアップは、スピード感のある企業で働きたい人に適した環境といえます。

向上心がつく

スタートアップには、向上心がつくメリットもあります。

企業や組織が成長するためには、そこで働く人の成長が不可欠です。

スタートアップは、少人数体制で新しいビジネスモデルを開拓して急成長させる必要があるため、一人ひとりが担当する仕事の難易度は高くなります。

また、任される仕事の裁量も大きく、個人の成長が企業の成長につながることを意識しやすいため、向上心が身につきます。


スタートアップで働くデメリット

スタートアップで働くデメリットは、以下の2点です。

  • 業務負担が大きい可能性がある
  • 待遇が不十分な可能性がある

一つずつ具体的に解説します。

業務負担が大きい可能性がある

スタートアップで働くデメリットの一つは、業務負担が大きい可能性がある点です。

スタートアップは少人数で幅広い業務を担当するため、一人ひとりの業務負担が大きくなりがちです。業務にスピードが求められるため、残業も多いと考えておく必要があります。

ただし、スタートアップは個人の裁量が大きい分、工夫次第で、体力的な負担を減らす働き方ができる可能性もあります。

待遇が不十分な可能性がある

待遇が不十分な可能性がある点もデメリットといえます。
スタートアップは、新しいビジネスモデルを開拓しようとする企業のため、事業が軌道に乗るかは未知数です。

起業したばかりのスタートアップは財政面に乏しく、廃業のリスクもあります。大企業のように安定した給与や福利厚生などが保証されない点を考慮した上で、スタートアップへの就職を検討しましょう。


スタートアップで働くためには

スタートアップで働くために必要なことは次の2点です。

  • スタートアップでの働き方への理解を深めておく
  • インターンシップに参加してみる

一つずつ詳しく解説します。

スタートアップでの働き方への理解を深めておく

スタートアップで働くためには、働き方への理解を深めておく必要があります。

スタートアップは、一般企業とは異なる特徴や文化を持ちます。ミスマッチを防ぐために、その企業の特徴や社風、文化などを知っておくことが重要です。

スタートアップは、SNSやホームページで頻繁に情報発信をしていたり、会社の名前を掲げてSNSをしているメンバーがいたりすることもあります。

まずはインターネットで情報収集をして、スタートアップでの働き方への理解を深めておきましょう。

インターンシップに参加してみる

インターンシップに参加してみることも必要です。

スタートアップのインターンシップは、会社の風土や働く環境をリアルに体験できる貴重な機会です。インターネットなどにはない情報や有意義な経験を得ることができます。

インターンシップを実施していない場合は、スタートアップ主催のイベントや会社訪問で、スタートアップのメンバーと話す機会を作ると良いでしょう。

メンバーの生の声を聞くことは、自分に合った企業かどうかを確かめるチャンスです。


スタートアップ企業の事例

スタートアップ企業の事例について、以下の3社を例に紹介します。

  • スマートニュース
  • メルカリ
  • Preferred Networks

スマートニュース

スマートニュース株式会社は、スマートフォン向けの無料ニュースアプリ「SmartNews」を運営している企業です。

ニュースや天気、クーポンやセール情報などを完全無料で配信しており、提携メディアは約3,000、掲載記事数は2021年時点で34,000以上と他のニュースアプリを圧倒しています。2012年に設立され、完全無料かつ圧倒的なコンテンツ量から、多くの利用者を集めました。

2014年にはアメリカにも進出し、日米を合算した総ダウンロード数は2019年時点で5,000万以上となっています。

アメリカのニュースアプリの中で、月間滞在時間が長いアプリとして注目され、グローバル市場で成長を続けています。

メルカリ

株式会社メルカリは、インターネット上で不用品を売買できるサービスを提供している企業です。

2013年に設立され、当時、メルカリはパソコンではなくスマホアプリで、簡単に取引できるシステムを構築した点が革新的でした。

出品者や購入者が手軽に売り買いしやすいアプリの操作性や、ヤマト運輸と提携した全国一律送料の配送サービスで、急速にユーザー数を伸ばすことに成功したといわれています。

Preferred Networks

株式会社Preferred Networksは、AI開発を手がけている企業です。
2014年に設立され、社員の約8割が技術者というAI分野での圧倒的な技術力で、自動車業界やエネルギー、インフラ業界など、幅広い業界の技術支援を行っています。

2017年にはトヨタ自動車との共同研究・開発を行う目的で、105億円の資金調達を成功させるなど信頼も厚く、2023年1月時点で約300名を擁する開発企業へと急成長を遂げました。

その結果、国内スタートアップ評価額ランキングの2023年1月版では1位を獲得しています。


スタートアップとは?まとめ

スタートアップは、革新的なイノベーションにより新しいビジネスモデルを創り出し、急成長する企業です。

担当業務の幅が広く、スピード感のある組織の中で成長機会が多い反面、業務負担の大きさや待遇の不確実性を考慮する必要があります。

スタートアップへの入社を検討するときには、インターネットでの情報収集やインターンシップへの参加などを通じて、自分の目標や価値観に合っているかを見極めることが重要です。

入社前の入念な準備と自己理解を通じて、スタートアップへの入社を前向きに検討してみてください。


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bizocean事務局

bizocean(ビズオーシャン)とは、トライベック株式会社が運営する「仕事の面倒を失くして、新しいビジネススタイルを提案する」をモットーとしたビジネス情報サイト。主なサービスに「bizocean(ビズオーシャン)」、「書式ガイド」、「incore」などがある。

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