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ピボットとは? 注意点・成功事例を解説

監修者:北原中小企業診断士事務所 代表  北原 竜也

ピボットとは? 注意点・成功事例を解説

ピボットは、企業経営において方向転換や路線変更の意味で用いられる言葉です。

事業を成功に導くためには、市場の反応や事業成果を見て適切にピボットを行うことが重要だと考えられています。

今回は、成功への道筋を探るピボットの注意点や成功事例を解説します。

事業が上手くいかないとお悩みの経営者の方は、ぜひ参考にしてください。


ピボットとは?

ピボットは本来、英語で回転軸などを意味します。

企業経営においては、方向転換や路線変更の意味で使われており、アメリカのスタートアップ企業等で流行している言葉です。

特に、スタートアップ企業や創業間もない企業では、ビジョンなどを軸にした事業戦略の路線変更や商品サービスの方向転換などを行う場合に用いられます。

また、このような経営判断自体をピボットと呼ぶケースもあります。


ピボットのメリット

ピボットのメリットは「成功の道筋を探るプロセス」であることです。

スタートアップ企業をはじめ、企業が新しいアクションを起こすと、市場から反応が返ってきます。

その反応が良いものであれば問題ありません。しかし、反応が良くない場合などは、現状の方向に固執せず、方向転換、すなわちピボットを行うことも重要です。

このように市場の反応や事業成果を見て適切にピボットを行うことにより、事業の成功への道筋がはっきりとしていくでしょう。


ピボットの注意点

ここからは、ピボットを行う際の注意点について解説します。

経営理念まで変える場合がある

ピボットの注意点の一つ目は「経営理念」など企業経営における軸までも変える場合があることです。

経営環境や市場動向などにより、「経営理念」までピボットし、成功している事例もあるため、「経営理念のピボット」が悪いわけではありません。

場合によっては、有効なケースもあるでしょう。

しかしながら、「経営理念」は企業の軸となる部分であるため、経営理念をピボットする場合にはより注意を払う必要があります。

ピボットのタイミングによって機会損失につながる

ピボットする場合、タイミングにも注意を払う必要があります。

たとえば、ピボットのタイミングが早すぎたせいで、成功のチャンスを逃してしまう場合も考えられます

逆に、ピボットのタイミングが遅すぎたことにより、時間や資金など企業の重要な経営資源を逃すことや、競合の参入により機会を失うこともあるでしょう。

このように、ピボットはタイミングにより成否がわかれるため、タイミングを見極めることが大切です。

常に社内の状況や外部環境に目を光らせて、タイミングを逃さないないようにしましょう。

逃避として行わない

ピボットを逃避の手段として行わないよう、注意してください。「事業が上手くいかない」、「思ったような成果が出ない」という理由だけでピボットすることは危険です。

ピボットを行う際には「なぜ事業が上手くいっていないのか」、「思うような成果が出ていないのか」など、現状の分析と課題の抽出などをしっかりと行い、最終手段としてピボットを行う判断をすると良いでしょう。

メンバーを納得させる

ピボットを行う際には「メンバーを納得させる」ことが重要です。

ピボットする既存の事業に熱意ややりがいを持ち取り組んでいるメンバーがいる可能性があるためです。

そのような場合、メンバーが納得しないまま成果が出ないという理由のみでピボットしてしまうと、メンバーが不満を抱えて、組織の崩壊を招きかねません。

ピボットを行う前に、社内やピボットする事業に携わるメンバーが納得できるように説明を行うことが大切です。


ピボットで成功した企業事例

ここからは、ピボットによって成功を収めた企業の事例を3つ紹介します。

Slack

チームコミュニケーションのチャットツールで有名なSlackは、ピボットに成功した企業の一つです。

Slackは2009年にマルチプレイヤーゲームの会社として設立されました。

しかし、2012年にはゲームの販売不振によりサービスを中止し、ピボットを行って2014年に現在のSlackのサービスを開始しています。

Slackのピボットのタイミングは資金を使い切る前であったことも、ピボット成功の要因と言えるかもしれません。

また、ゲーム開発を効率的に進めるためのコミュニケーションツールが、現在のサービスにつながっている点もポイントと言えるでしょう。

Instagram

写真共有を主としたSNSのInstagramもピボットした事例の一つです。

Instagramの前身は、Burbnという写真も共有できる位置情報アプリでした。

Burbnはユーザーの用途を分析し、写真をメインとしたアプリであるInstagramにピボットしました。

「写真も共有できる位置情報アプリ」から「位置情報も共有できる写真投稿アプリ」へとピボットした事例です。

この事例は、ユーザー視点に立ったピボットの好例と言えるでしょう。

富士フイルム

富士フイルムもピボットに成功した有名な事例です。富士フイルムは名前のとおり、写真フィルムの大手メーカーでした。

しかし、デジタルカメラの普及とともに写真フィルムの需要が大幅に減少しました。

そこで富士フイルムは、写真フィルムで培った技術を応用して医薬品や化粧品分野にピボットし成長しています。

これは、老舗メーカーのピボットの成功事例と言えるでしょう。


ピボットについてのまとめ

ピボットは、企業経営において方向転換や路線変更の意味で用いられる言葉です。

市場の反応や事業の成果を見ながら適切にピボットを行うことで、事業の成功への道筋がはっきりと見えていきます。

ただし、ピボットを行う際にはタイミングや既存事業に関わるメンバーを納得させるような説明をすることが大切です。

ピボットを行って成功した企業の事例を参考にしながら、自社にピボットが必要かどうか、現状の課題の分析から始めましょう。


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監修者プロフィール

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北原 竜也

北原中小企業診断士事務所 代表

2017年に中小企業診断士を取得。補助金等の事業計画書作成支援を中心にコンサルティングを開始。

ITコーディネータ、健康経営エキスパートアドバイザーの資格も保有しており、中小企業を中心に幅広い知見を活かした支援・助言を行っている。

カウンセラーとしての側面もあり、カウンセリングの聴く技術を活かし、クライアントが望む姿を明確にし、具体的な行動に移せるコンサルティングを得意としている。

【保有資格】

・認定経営等革新支援機関 中小企業診断士

・ITコーディネータ

・健康経営エキスパートアドバイザー

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