ステップメールツール12選を徹底比較！ 導入メリットや選び方のポイントを解説

ステップメールツールとは？

ステップメールツールは、顧客の行動や属性に合わせて、事前に設定した複数のメールを段階的に自動配信するシステムです。見込み客の育成、顧客との関係構築、販売促進などを目的とし、マーケティング活動の効率化と効果向上に貢献します。

一斉配信が主体のメルマガと比べて、ステップメールは顧客一人ひとりに合わせたタイミングと内容で、継続的なコミュニケーションを自動で行えるのが大きな特長です。

例えば、資料請求した見込み客に対して、1通目でお礼メール、2通目でサービスの特徴、3通目で導入事例、4通目で限定オファーといった流れで、段階的に興味・理解を深め、最終的な購買へつなげるよう設計できます。

ステップメールツールの基本機能

ステップメールツールの中心的な機能が、メールの自動配信設定です。顧客の行動（メール開封、リンククリック、資料ダウンロードなど）や属性（業種、役職、購買履歴など）に応じて、最適なタイミング・内容でメールを自動送信できます。

また、顧客リスト管理機能により、顧客情報を一元管理し、細かなセグメントに分類することが可能です。効果測定機能も充実しており、開封率、クリック率、コンバージョン率などの指標をリアルタイムで把握できます。

これらの分析結果を活用することで、配信内容の改善やマーケティング施策の最適化がスムーズに行えるのも大きな魅力です。

メルマガ配信ツールとの違い

ステップメールツールとメルマガ配信ツールは、どちらもメール配信に特化したツールですが、目的と機能が異なります。

メルマガ配信ツールは、主に最新情報やキャンペーン情報などを、不特定多数の購読者に一斉送信するためのツールです。定期的な配信が基本で、内容も比較的汎用的です。

一方、ステップメールツールは、資料請求や商品登録など特定のアクションを起点に、個別の顧客に最適化されたメールを段階的に配信するのが特徴です。配信タイミングは事前のスケジュールではなく、顧客の行動や状態に応じて自動的に決まるため、よりパーソナライズされたコミュニケーションが可能になります。

なお、多くのステップメールツールはメルマガ配信機能も備えており、目的に応じて両者を組み合わせて活用することで、より効果的なメールマーケティングが実現できます。

ステップメールツールを導入するメリット

ステップメールツールの導入には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ステップメールツールを導入する主なメリットは、以下のとおりです。

上記のメリットについて、詳しく解説します。

見込み客育成の自動化で、業務効率が上がる

ステップメールツールの最大のメリットは、見込み客へのフォローアップを完全に自動化できることです。従来、営業担当者が個別で行っていたメール送信やフォロータイミングの管理などの作業負担が、軽減されます。

ツールが24時間365日稼働し、最適なタイミングで自動的にメールを配信するため、人的ミスや対応漏れの防止にも効果的です。

さらに、顧客一人ひとりの状況に合わせた、きめ細かなアプローチが自動で可能になります。その結果、営業やマーケティング担当者は、配信結果の分析や施策の立案といった、戦略的な業務に注力できるでしょう。

顧客との関係性が深まる

ステップメールを活用することで、顧客と継続的なコミュニケーションを築きやすくなり、関係性の深化につながります。定期的に有益な情報を提供することで、顧客との接触頻度が自然に増え、企業やブランドへの親近感も高まります。

重要なのは、顧客の興味やニーズに合ったコンテンツを、最適なタイミングで届けることです。

例えば、製品購入後の使い方ガイドや活用事例の紹介など、顧客の状況に応じた価値ある情報を提供できます。このような顧客のニーズに合った情報提供は、顧客満足度を高め、長期的なファン育成につながります。

顧客生涯価値（LTV）が高まる

ステップメールツールの活用により、顧客生涯価値（LTV）を向上できるのもメリットです。継続的なコミュニケーションを通じて顧客との関係を深め、アップセルやクロスセルのタイミングを逃さず提案できるようになるため、顧客単価の引き上げが期待できます。

また、定期的なコミュニケーションを通じて顧客との関係を維持できれば、解約率や離脱率が低減するでしょう。満足度の高い顧客は、自然とリピート購入の頻度が高まり、安定した収益基盤となります。

さらに、顧客の満足度が高まれば、口コミや紹介による新規顧客獲得にもつながるため、その点で長期的に顧客との関係を深めていけるステップメールツールが有効です。

ステップメールツールおすすめ12選

市場にはさまざまなステップメールツールが存在し、それぞれに特徴や強みがあります。自社のニーズや予算、既存システムとの連携性などを考慮して、最適なツールを選定することが重要です。

以下では、主要なステップメールツールの特徴と、それぞれの適用シーンについて詳しく紹介します。

WiLLMail

ノーコード・HTMLメールエディタを搭載し、プログラミング不要でリッチなメールを簡単に作成可能。

通数課金プランでキャンペーン時のコスト最適化に強く、スマホ対応や2要素認証も標準装備されています。1ヵ月単位で契約変更が可能で、継続率99％という使いやすさが評価されているサービスです。

アララ メッセージ

アララ メッセージは、高速かつ大量配信に強みを持つ国産クラウド型メール配信プラットフォームで、セキュリティ面でも安心感があります。

毎月50,000通以上の配信に対応し、ISPチューニングとドメイン認証（SPF/DKIM/DMARC）によって高い到達率を実現。マーケティング用途からトランザクションメールまで、幅広く活用可能です。

CuenoteFC

Cuenote FCは、独自開発の高速配信エンジンとISP別の到達率チューニングにより、キャリアメールやGmailなどでも安定して高い到達率を実現。

初心者でも使いやすい直感的なHTMLメールエディタを搭載し、ドラッグ＆ドロップでデザインが可能なうえ、ステップメールやシナリオ配信、A/Bテスト、クリック率・開封率の詳細分析まで、メールマーケティングに必要な機能を網羅しています。

WEBCASe-mail

WEBCASe-mail（ウェブキャス イーメール）は、大手企業・官公庁をはじめとした多数の導入実績を持つ、信頼性の高い国産メール配信システムです。

毎時1,000万通規模の大量配信が可能な高性能エンジンを搭載し、SPF/DKIM/DMARCの認証対応やISPごとの到達率最適化設計により、確実にメールを届ける力が強みです。

Benchmark Email

Benchmark Email（ベンチマークイーメール）は、米国発で世界50万社以上に導入されているクラウド型メールマーケティングプラットフォームです。直感的に使えるドラッグ＆ドロップのHTMLエディタと、500種類以上のレスポンシブテンプレートをそろえ、メール作成をプロ並みにスムーズ化します。

Synergy!

Synergy!（シナジー）のメール配信機能は、企業内の顧客データベースと密接に連携。タイミングやセグメントに基づくオートメール、ステップメール、リターゲティング配信、A/Bテストやキャンペーンの自動化など、多彩な設定に対応できる点が大きな特徴です。

オレンジメール

オレンジメールは、初めてメール配信を行う企業や団体でも安心して使える、国産のクラウド型メール配信サービスです。操作は非常にシンプルで、導入から配信までわずか10分。

専門知識がなくても直感的にHTMLメールが作成でき、Gmailをはじめとする主要キャリアのガイドラインにも準拠しており、高い到達率を実現しています。

メール商人

メール商人は、予約配信・ステップメール・セグメント配信・フォーム連携・パーソナライズ機能を1つのプラットフォームに統合した、オールインワン型メールマーケティングツールです。

HTMLメールの直感的エディタを備え、顧客を属性や行動に応じて細かくセグメント化し、そのセグメントに合わせたパーソナライズ配信を実現できます。

アスメル

アスメルは、あらかじめ設計したメール配信シナリオを自動で送る、ステップメール機能に特化したサービスで、運用歴は20年以上、利用実績はのべ約1.9万社を突破。

固定料金で配信無制限かつ送信回数・登録リストに制限がなく、メールマーケティングを継続的に展開したい中小企業や個人事業主にとって、コストパフォーマンスに優れています。

ワイメール

ワイメールは、読者登録数や配信数、ステップメールなど機能はすべて無制限ながら、月額4,980円（税別）からという定額制が最大の魅力です。

HTMLメール作成や多言語配信、中国語・韓国語などのUTF‑8対応のテキストエディタを備え、予約/ステップ/ループメールや高度なセグメント配信も可能。開封率・クリック率のリアルタイム分析も標準で提供されるため、マーケティング施策の効果も可視化できます。

ジェイシティメール

ジェイシティメールは、初心者にも扱いやすいWeb管理画面と低価格を武器に、導入から配信までをスムーズに進められるクラウド型メール配信サービスです。

ステップメールや誕生日メール、未配信者へのリマインド配信、添付ファイル送信など、マーケティングに不可欠な機能を網羅し、HTMLメールも直感的な編集で作成可能な点が特長です。

Zoho Campaigns

Zoho Campaigns（ゾーホー・キャンペーン）は、ドラッグ＆ドロップによる直感的なエディタと多種多様なモバイル対応テンプレートを搭載し、誰でもプロレベルのメールデザインが可能なメールマーケティングプラットフォームです。

A/Bテストやステップ配信、詳細なレポート機能により、開封率やクリック率、配信地域ごとの効果分析もリアルタイムで行えます。

ステップメールツールの選び方

自社に合ったステップメールツールを選ぶ際は、以下のポイントを意識してみましょう。

目的に合った配信機能を見極める

ステップメールツールを選定する際は、自社の目的達成に必要な機能が備わっているかを軸に見極めましょう。基本的な自動配信機能に加え、以下のような高度なマーケティング機能があると、より戦略的な運用が可能です。

また、どのような顧客情報をトリガーとして利用できるか、シナリオの分岐数に制限があるかなど、柔軟性の有無も要確認です。

加えて、HTMLメールエディタの使いやすさや、スマホ対応、テンプレートの充実度も、訴求力あるメール作成には欠かせません。将来的な機能拡張の可能性も考慮し、自社の成長に合わせて柔軟に対応できるツールを選びましょう。

操作性とサポート体制を確認する

ステップメールツールは日常的に使用するツールだからこそ、操作性の良さは業務効率に直結します。マーケティング部門に専門的なシステム担当がいない場合でも、非エンジニアが直感的に使えるUIが理想です。

サポート体制については、導入時の初期設定支援から運用開始後の疑問点への対応まで、包括的なサポートが受けられるかを確認します。電話、メール、チャットなど、複数のサポートチャネルが用意されているか、対応時間や言語も重要です。

操作感とサポート体制を確認する際は、無料トライアルやデモンストレーションを積極的に活用するのが良いでしょう。

費用対効果の高いプランを選ぶ

ステップメールツールの料金体系はツールによって大きく異なるため、見かけの価格だけでなく、費用対効果を重視した選定が重要です。

主な比較ポイントは、以下のとおりです。

また、将来的な事業拡大や配信規模の増加を見据えて、柔軟にプラン変更できるかも確認しておきましょう。安価なプランでも、必要な機能が制限されていたり、サポートが不十分だったりする場合があります。

既存システムとの連携の可否を調べる

SFA/CRM、MAツール、ECシステムなど、すでに社内で利用している外部システムとのAPI連携が可能かも確認しましょう。複数ツールの連携と顧客データの一元管理により、システム間でのデータの二重入力や不整合を防げます。

また、連携実績のあるシステムの種類や、連携設定の容易さ、必要に応じた開発コストも事前に調査しておきましょう。標準的なAPI以外にも、Zapierなどの連携プラットフォームへの対応状況も確認しておくとなお良いです。

セキュリティ体制と導入実績を確かめる

ステップメールツールは顧客の重要な個人情報を扱うため、堅牢なセキュリティ体制が欠かせません。

通信の暗号化（SSL/TLS）、データの暗号化、アクセス制御、定期的なセキュリティ監査など、基本的なセキュリティ対策が施されているかを確認しましょう。ISMS認証やプライバシーマークなど、第三者機関による認証取得状況も、信頼性を測る重要な指標です。

併せて、ツールの導入実績や企業規模、業界別の事例もチェックしましょう。自社と近い業種・規模の企業での導入例があれば、実際の運用イメージを掴みやすくなります。導入事例や顧客の声を参考にして、必要があれば事前にベンダーに問い合わせておくと安心です。

無料プランやトライアルで試せるツールを見つける

多くのステップメールツールには、無料プランや一定期間の無料トライアルが用意されています。実際に使ってみて、操作性や画面設計を体感できるため、導入前に利用しておくことをおすすめします。

無料プランでは配信数や登録アドレス数、利用可能機能に制限があることが一般的ですが、基本的な機能の確認には十分です。

トライアル期間中は、実際の業務フローに沿った検証を行い、操作性、機能の充実度、サポートの質などを総合的に評価します。この際、複数のツールを並行して試用し、比較検討することが望ましいです。

ステップメールツール導入・運用時の注意点

ステップメールツールの導入は、それ自体が目的ではなく、効果的な運用により成果を上げることが重要です。

ステップメールを導入・運用する際は、以下の注意点を押さえておきましょう。

ここでは、上記の注意点について詳しく解説します。

効果的な配信シナリオを設計する

ステップメールの成否は、配信シナリオの質に大きく左右されます。ただツールを導入するだけでは十分な効果は得られず、顧客の関心や行動ステージに寄り添った戦略的な設計が必要です。

まずは、誰に向けてどのような情報を届けるかを明確にするため、ペルソナ設定とカスタマージャーニーの可視化からスタートしましょう。例えば、資料請求直後のタイミングで「導入メリットの解説」を配信する、数日後には「活用事例」や「FAQ」を送るなど、購買行動を後押しする構成を検討します。

なお、初期段階では、あまり複雑なシナリオは避け、シンプルで効果測定しやすい設計から開始するのが望ましいです。効果測定の結果を見ながら、段階的に施策を改善していきましょう。

定期的に効果測定をして、改善サイクルを回す

ステップメールの運用は、配信して終わりではなく、成果を可視化しながら継続的に改善を図ることが不可欠です。メール配信後は必ず開封率、クリック率、コンバージョン率などの重要指標を測定し、効果を客観的に検証しましょう。

特に、単純な数値の追跡だけでなく、「なぜ反応率が上がったのか」「どの部分で離脱が起きているのか」といった要因分析が非常に重要です。

A/Bテスト機能を積極的に活用し、件名、本文コンテンツ、配信タイミング、CTAボタンのデザインなど、さまざまな要素を比較検証します。これらの分析結果に基づいて、シナリオを継続的に見直し、PDCAサイクルを回していきましょう。

関連法規を遵守した運用を徹底する

ステップメールの配信においては、特定電子メール法や個人情報保護法などの関連法規の遵守が絶対条件です。メール受信者からの事前同意（オプトイン）の取得は必須であり、同意を得ていない相手への配信は違法行為となります。

また、配信停止（オプトアウト）の手段を明確に提示し、希望者には速やかに配信を停止する体制を整えてください。送信者情報の明記、件名での広告表記など、法令で定められた表示義務も確実に履行しましょう。

法令違反は高額な罰則だけでなく、企業の社会的信用を著しく損なうため、常に最新の法規制情報を確認し、コンプライアンスを最優先とした運用が大切です。

ステップメールツールで、マーケティング効果を最大化しよう

ステップメールツールは、顧客の行動や属性に合わせて、事前に設定した複数のメールを段階的に自動配信するシステムです。

メルマガは不特定多数へ一斉に情報を送信するのに対し、ステップメールツールは個別の顧客に合わせて長期的かつ自動でアプローチをかけます。そのため、見込み客の育成が効率化され、顧客生涯価値が高まるでしょう。

ツール選定においては、自社の目的に合った機能、操作性とサポート体制、費用対効果、既存システムとの連携性、セキュリティと実績などを総合的に評価することが重要です。また、導入後も効果的なシナリオ設計と継続的な改善、法規制の遵守を怠らないことが成功の鍵となります。

ぜひ本記事を参考に、自社に最適なステップメールツールを見つけ、マーケティング効果の最大化を目指してください。