ビジネス文書の書き方 寒中見舞いのマナー
この連載では、ビジネス文書の適切な書き方をお伝えします。
ビジネス文書や挨拶文には、一定の書式があります。今回は、寒中見舞いの文例9種を見てみましょう。
寒中見舞いとは
1年で最も寒さが厳しい季節に先方を気遣って送る便りです。寒中見舞いは用途が広く、冒頭に記したように各種のケースに利用できます。
寒中見舞いを送る時期
「寒中」とは、二十四節気の小寒から大寒(1月6日頃~2月3日頃)の時期を指します。松の内が明けた後、立春(2月4日頃)までに届くように出しましょう。「松の内」とは正月の門松を飾る期間で、一般に関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされています。
立春以降の便りは「余寒見舞い」と呼び、暦の上では春になっても寒さが続く時期に送るものです。いつまでと時期は厳密に決まっていませんが、2月末頃を目安と考えれば良いでしょう。
寒中見舞いの定型文
はがきを用いるのが一般的で、基本的な文章構成には定型があります。
1・季節の挨拶
「寒中お見舞い申し上げます」と、文頭に大きめの文字で記します。
2・本文
送る目的に合わせ、文を選びます。
・寒さ厳しい毎日ですがお変わりございませんか
・ご服喪中と伺い年始のご挨拶をご遠慮させていただきました
・喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきました
また、当方の近況をお伝えすると喜ばれるでしょう。
・お陰様でこちらは皆元気に過ごしております
3・結び
先方の健康を願う言葉などで結びます。
・どうかご自愛のほどをお祈り申し上げます
・お風邪など召されませんようお身体を大切になさってください
4・年号と月
最後に年月を記します。西暦でも和暦でも大丈夫ですが、縦書きの場合は漢数字を用いるのが一般的です。
・寒中見舞いの注意点
寒中見舞いを書く際は、次の点に留意しましょう。
・「拝啓」などの頭語や「敬具」などの結語は不要です。
・年賀はがきや弔事用の切手を使用するのは避けましょう。
・干支など正月を想起させるイラストや写真は使用しません。
代わりに、水仙・梅・南天などの植物や、雪だるま・雪うさぎなど、
この季節を彩るイラストを添えると華やかさを演出できます。
・先方や当方が喪中の場合は、落ち着いたデザインや配色を心がけましょう。
・寒中見舞いの文例
それでは、ケースごとに文例を見てみましょう。
<一般的な季節の挨拶状として>
<寒冷地に住む知人へのお見舞い状として>
<正月にお世話になった方へのお礼状として>
<松の内を過ぎてしまった場合の年始の挨拶状として>
<喪中の方への年始の挨拶状として>
<先方の喪中を知らずに年賀状を出してしまった場合のお詫び状として>
<喪中にいただいた年賀状への返信として>
<喪中はがきの作成が間に合わなかった場合の挨拶状として>
<亡くなった家族宛に年賀状が届いた場合の通知状として>
差出人と故人の住居が別の場合、住所は故人のものとするのが良いでしょう。
喪中で年賀状を出せなかった友人知人に、寒中見舞いを送ってみませんか? きっと喜ばれますよ。