ビジネス文書の書き方 第21回 ビジネスメールの書式(8) お礼状・リコール案内状
この連載では、ビジネス文書の適切な書き方をお伝えします。
ビジネス文書には、一定の書式があります。今回は、お礼メールとリコール案内メールの文例2種を見てみましょう。
メールでのお見舞いは不向きな場合も
ところで、本連載の第10回でお見舞い状の書き方を紹介しましたが、業務用アドレス宛にお見舞いメールを送るのは控えたほうが良い場合もあります。
先方が病気や災害のため執務できなければ、メールを閲覧できずタイミングを逸してしまうためです。また、仕事に復帰した際に多くのお見舞いメールが届いていると、返信に追われ業務に支障を及ぼす可能性もあります。
お見舞い状は、手紙やはがきなど書面で郵送するのが望ましいでしょう。あるいは私用モバイルの連絡先を知っていれば、そちら宛にメッセージを送るのも簡便な方法です。その場合、先方の負担にならないよう短い文面にしましょう。
受け取った側は、状況が落ち着いてから返信すれば大丈夫です。心配してくれた方に感謝の気持ちを表すとともに、近況を報告すると先方も安心してくれるでしょう。病気見舞いに対しては経過や職場復帰の見込みなどを、災害見舞に対しては家族の安否、被害の程度、復旧具合などをお知らせできれば良いですね。就業できず先方に迷惑をかけている場合は、お詫びの言葉も入れましょう。
お詫び状はメールではなく手紙で
お客様から苦情をいただいた時に、メールを用いて謝罪すると軽い印象を与えかねません。
クレームに対しては、メールではなく書状でお詫びを述べるのが丁重な方法です。はがきより封書で、印字文書より手書き文字のほうが、より誠意が伝わりやすくなります。
その際に注意したいのは、
- すぐに
- しかるべき立場の者が
- 先方のしかるべき立場の人に
- こちらの落ち度をきちんと認め
- 再発防止の具体案を入れて書くこと
です。
詳しくは、本連載の第11回をご覧ください。
リコール案内は急を要する
ただし、お詫び状の一種であるリコール案内は、急を要するためメールを積極的に活用するのが望ましいでしょう。
リコールとは、設計・製造上の過誤などにより製品に欠陥があることが判明した場合に、法令の規定または製造者・販売者の判断で、無償修理・交換・返金・回収などの措置を行うことです。
消費者が不特定多数の場合は、自社ホームページへの掲載、SNSの公式アカウントでの発信、販売店の店頭での掲示、自治体や保健所など公共施設の掲示板への掲出、マスコミやネットでの広告掲載など、さまざまな手段で告知します。
消費者が特定できる場合は、電話・メール・手紙などで個別に連絡を取ります。ここでは、特定の個人に送るリコール案内メールの文例を見てみましょう。
【特定個人宛のリコール案内メール】
リコール製品でないか、消費者も確認しましょう
機器を使用中に「おかしいな」と感じることがあれば、故障を疑うだけでなく、リコール製品に該当していないか確認してみましょう。
経済産業省は、ホームページでリコール情報を公開しています。掲載されている製品は、
ストーブ/給湯器/バッテリー/電池/充電器/空気清浄機/温水便座類/
照明器具/IH調理器/圧力鍋/ベビーカー/チャイルドシート/玩具/子供服/
自転車/電動車椅子/介護用ベッド/電気毛布/農機具/運動用具/靴/
ノートパソコン/シュレッダー/ヘアアイロン/イヤホン/インターホン
など多岐にわたります。「経産省 リコール」で検索すると、製品別に調べることができます。消費者としても、事故を未然に防ぐ安全意識を持ちたいものですね。
次回も引き続き、リコール案内メールの文例を紹介します。