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御社・貴社の違いは? ビジネスシーンでの正しい使い方を解説

御社・貴社の違いは? ビジネスシーンでの正しい使い方を解説

相手の会社を表す言葉として「御社(おんしゃ)」と「貴社(きしゃ)」があります。一見同じような言葉ですが、状況によってどちらを使うべきか異なります。

また、1つの文書内に「御社」と「貴社」を混在させることも避けなくてはなりません。

この記事では、二つの言葉の違いや正しい使い方を、例文とともに解説します。


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御社と貴社の違い

「御社」と「貴社」は、どちらも相手の会社を指す尊敬語です。しかし、使用するシーンが多少異なります。

「御社」は話し言葉で、電話や面接など、相手と会話をする際に使用されます。一方の「貴社」は書き言葉であるため、メールや履歴書など、文書を書く際に使用します。

用途を誤っても、相手に意図が伝わればそれほど問題はありません。
しかし、両方の言葉を混在させることは避けましょう。話す内容や文面に統一性がなくなり、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。

「御社」の使い方と例文

「御社」を使うのは、一般企業に勤める相手に対して、電話や面接・打ち合わせなど口頭でのコミュニケーションをするシーンです。実際の例文とともに、紹介します。

面接や打ち合わせでの例文

<面接>
これまでに培った経理のスキルを活かして御社に貢献したいと思い、志望いたしました。

<会社説明会>
御社で活躍している人に共通する特徴は、どういったものでしょうか。

<打ち合わせ>
御社の◯◯様からいただいたプロジェクトに関する資料について、確認させてください。

入社前の面接や会社説明会、日頃の打ち合わせなど、「御社」を使うことは多いものです。

日常的に使用するフレーズとして覚えておき、自然と使えるようになると良いでしょう。

電話をかける時の例文

<訪問日時の相談をした時>
では1月30日の10時より、御社にうかがいます。

<折り返しの電話をした時>
御社の◯◯様からお電話をいただいており、折り返しご連絡をさせていただきました。

<伝言を預かる時>
恐れ入りますが、御社名とお名前をもう一度おうかがいできますでしょうか。

取引先に電話をかける際も、「御社」を使用してください。

なお、取引先や得意先だからといって、「御社様」といった言い方をする必要はありません。相手を問わず、「御社」を使用すれば十分です。


「貴社」の使い方と例文

「貴社」は書き言葉で、メールや履歴書などの文書を書く際に使用します。

これは、「記者」「汽車」など「きしゃ」という読み方をする熟語が多々あることから、意味を取り違えることを防ぐためだと言われています。

ビジネスメールでの例文

<相手方から資料や商品などを受け取った時>
本日、貴社から◯◯を受け取りました。

<確認事項がある時>
貴社の◯◯様よりいただいた報告書の内容について、確認がございます。

<締めの挨拶をする時>
貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

ちょっとした確認や連絡から、時候の挨拶・締めの挨拶まで、「貴社」を使うシーンは幅広く存在します。「御社」と同様、1つのフレーズとして覚えてしまうと便利です。

履歴書での例文

<志望動機を書く時>
前職で身に付けた営業のスキルを活かして貴社に貢献したいと思い、志望いたしました。

貴社の「◯◯」という経営理念に感銘を受け、志望いたしました。

<本人希望欄を記入する時>
貴社の規定に従います/貴社の規定に準じます

履歴書でも、メールと同様に「貴社」を使用しましょう。もし誤って「御社」と書いてしまったり、貴社と御社を混在させてしまったりした場合は、書き直したほうが無難です。一部の企業では、そういった細かな点の使い分けもチェックするところがあるためです。


御社・貴社を使う際の注意点

御社・貴社という言葉を使用する際は、使い分け以外にもいくつか注意すべき点があります。

二重敬語を避ける

御社・貴社を使う際、「様」や「殿」などの敬称は不要です。

そもそも御社や貴社という言葉は、それ自体が敬称(尊敬語)です。取引先や得意先だからといって、「御社様」といったように、さらに敬称を付ける必要はありません。

もし「御社様」や「貴社殿」のようにすると、二重敬語になり、相手に回りくどい印象を与えてしまいます。ビジネスマナーが身に付いていないとも捉えられる可能性があるため、余分な敬称を付けないよう注意してください。

貴社・御社が使えない場合がある

「貴社」や「御社」を使うシーンは、相手方が一般企業である場合のみです。官公庁や銀行といった一般企業以外の相手には、別の敬称を使用します。

以下に、相手方に応じた敬称をまとめました。連絡する相手に応じて、適切な敬称を使い分けてください。

相手方

話し言葉

(口頭で使う)

書き言葉

(メールや文書で使う)

銀行

御行

貴行

信用金庫・労働金庫

御庫または御金庫

貴庫または貴金庫

役所

御庁

貴庁

省庁

御省または御庁

貴省または貴庁

協会

御会

貴会

社団法人・財団法人・

NPO法人

御法人

貴法人

病院

御院

貴院

小中学校・高校

御校

貴校

大学・短大

御学または御大学

貴学または貴大学

店舗

御店

貴店

弊社・当社の使い方にも注意する

「弊社」や「当社」といった、自社を指す言葉と混同しないよう注意しましょう。

「弊社」は謙譲語で、主に社外の人に対して自社のことをへりくだって指す場合に使用します。一方、「当社」は丁寧語で、主に社内の人間に対して自社のことを指す場合に使われます。

響きこそ似ていますが、意味は全く異なるものです。誤って使うと相手に意図が通じなくなってしまうため、きちんと使い分けてください。


御社・貴社を間違えた場合は?

「会社にかかってきた電話の応対中に貴社と言ってしまった」「取引先に送るメールに御社と書いてしまった」といったように、使用する敬称を誤ることもあるでしょう。

しかしそうした場合でも、訂正をする必要はありません。なぜなら敬称を誤っただけでは、すぐに取引が中止になるとは考えにくいためです。

ただし、相手やシーンに応じた言葉遣いをすることはビジネスマナーの1つです。次から同じミスをしないよう、あらためて正しい使い方をチェックしてください。

なお、履歴書で貴社と御社を誤った場合は、書き直しをおすすめします。こちらも敬称の誤りだけですぐに不採用になるとは限りませんが、企業によっては細かくチェックする場合もあるためです。

まとめ

「御社」は口頭で、「貴社」はテキストでやり取りをする際に使用することをおすすめします。また、使う場合はどちらか一方に統一しましょう。

もし使う言葉を間違えた場合でも、わざわざ訂正する必要はありません。

しかし、時と場合に応じた言葉を使うのもビジネスマナーの1つです。例文も参考に「御社」と「貴社」を正しく使い分けてください。


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