「お疲れ様です」は目上の人にも使える? ご苦労様など似た用語との違いも解説
「お疲れ様です」という言葉は、仕事相手に向けたねぎらいの言葉です。ビジネスシーンでよく利用される表現なので、上手く活用して職場での円滑なコミュニケーションに繋げましょう。
ビジネスでは、相手の立場や状況に適した敬語表現を使用することが必要です。
「お疲れ様です」の正しい意味や、どんな相手に向けて使う言葉なのかをしっかり覚えていきましょう。
「お疲れ様です」の意味・使い方
「お疲れ様です」という言葉は、ビジネスシーンで挨拶の言葉として、使用される表現の一つです。特に、同僚・上司・部下など、仕事の仲間に向けた「ねぎらいの言葉」として使われます。
このほかにも、感謝を伝えたい場合やメールの簡単な挨拶としても使えるので、汎用性が高い表現となっています。
- お疲れ様です。本日の会議よろしくお願いします。
- 昨日のプレゼンすごくよかったよ。お疲れ様。
- お疲れ様です。☐☐部△△課の〇〇です。
「お疲れ様です」は上司や目上の人に使用できるのか
「『お疲れ様です』は、上司や目上の人に対しても使用できる表現なのか?」と疑問を抱く人もいるかもしれません。
ビジネスでは相手との関係性や立場によって、適切な表現を使う必要がありますね。
上司や目上の人にも使用できる
結論から言うと、「お疲れ様です」は、上司や目上の人にも使用できます。
この言葉は、相手の地位や立場に関係なく、仕事や任務をねぎらい、感謝の気持ちを表す言葉です。
より丁寧に伝えたい場合は、「お疲れ様でした」「お疲れ様でございました」といった表現にするとよいでしょう。
- お疲れ様です。〇〇部長にお客様がお見えです。
- 先方との打ち合わせ、お疲れ様でした。勉強させていただきました。
- 〇〇さん、海外出張から無事に戻られて安心しました。誠にお疲れ様でございました。
部下や同僚にも使用してOK
「お疲れ様です」は、目上の人だけでなく、同僚や部下にも使用できます。
上司や目上の人に対して利用するのと意味合いはほぼ同じですが、少し身近なニュアンスが含まれます。
また、相手との距離感や関係性によっては、「お疲れ」と略したり、「お疲れ様」などと簡略化したりすることもあります。
- 頼んでいた業務、大変だったと思うけど対応してくれてありがとう。お疲れ様。
- 今日もお疲れ様。この後、皆でご飯行こうよ。
- お疲れ。最近仕事の調子はどう?
親交が深くても外部の方には使用NG
「お疲れ様です」は社内の同僚や部下に向けた一般的な挨拶ですが、社外の人には使用すべきではありません。
社外のクライアントやビジネスパートナーに対しては、フォーマルで丁寧な表現が求められます。
そのため、社外の人との親交がいくら深くても、「いつもお世話になっております」や「いつもありがとうございます」といった表現をするほうが適切です。
- 〇〇様、いつもお世話になっております。今後ともよろしくお願いいたします。
- いつもお気遣いいただきありがとうございます。ありがたく頂戴いたします。
「お疲れ様です」と似た用語の違い
日常でよく使われる挨拶だからこそ、適切な場面で正しく利用したいものです。
他に似た意味を持つ言葉を知っておくと、相手や状況に適して使い分けることができます。
以下では、「お疲れ様です」と似た意味を持つ言葉を3つご紹介します。
ご苦労様です
「ご苦労様です」はねぎらいの意味を持つ、「お疲れ様です」と似た意味の表現です。ただし、「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人に対して使用する挨拶です。
たとえば、上司から部下へコミュニケーションを取る場面などで使えます。
「ご苦労様です」は、目上の人に使ってしまわないように注意しましょう。
お世話様です
「お世話様です」は、「お疲れ様です」「ご苦労様です」と同様にねぎらいの意を表します。
ただし、「ご苦労様です」と同じく、目上の人から目下の人に向けて使う言葉なので、上司や取引先の相手に対しての使用は避けましょう。
ありがとうございました
感謝やねぎらいを表すときに、「お疲れ様」の代わりに「ありがとうございました」を使用できます。
これは社内や社外、相手の立場を問わず、誰にでも使用できる感謝の言葉です。
たとえば、会議やプロジェクトが完了した際、協力してくれた仕事仲間への感謝の表明に使用します。
より丁寧に感謝を伝えたい場合には、「誠にありがとうございました」「心より感謝いたします」「厚く御礼申し上げます」といった表現を用いましょう。
「お疲れ様です」の言い換え表現
「お疲れ様です」という言葉は、社内で使用するにはとても便利な言葉です。
しかし、クライアントに向けて挨拶する際など状況によっては、より適切な表現に言い換えたほうが良い印象を与えることができます。
次は、「お疲れ様です」の言いかえ表現を、具体的なシーン別に確認してみましょう。
シーン1:メールや電話の定型文として
ビジネスメールや電話の定型文で、「お疲れ様です」を使用する場合、社内向けではそのまま使っても問題はありません。
この一言を添えると、同僚や上司とのコミュニケーションに親しみを感じさせます。
一方で、社外の相手にはよりフォーマルで丁寧な表現が求められるので、「平素よりお世話になっております」などに言い換えたほうが適切です。
「お疲れ様です」の使用は避けましょう。
シーン2:朝の挨拶時は「おはようございます」に言い換える
朝の挨拶には、「お疲れ様です」ではなく、「おはようございます」や「おはよう」と言い換えるのが一般的です。
朝は新しい一日の始まりであり、相手に対して穏やかで前向きな印象を与えるためには、明るい挨拶が重要です。
これから仕事を進めるという朝のタイミングに、「お疲れ様です」を使用してしまうと、相手に違和感を与えてしまうので、朝に使用するのは控えましょう。
シーン3:退社するときは「お先に失礼します」を付け加える
退社する際には、「お疲れ様です」に加えて「お先に失礼します」という言葉を添えると効果的です。
この挨拶は、同僚や上司に対して礼儀正しさと気遣いを示す一方で、自分が先に席を外すことを相手に伝えることができます。
退社する際は「お先に失礼します」を添えて、まだ職場に残っている相手に対して、丁寧な挨拶をするよう心がけましょう。
まとめ
「お疲れ様です」は目上の人への挨拶としても使用できますが、社外のクライアントなどには、よりフォーマルで丁寧な表現を使うことが望ましいでしょう。
本記事で紹介している、「いつもお世話様になっております」「ありがとうございました」など、別の言い換え表現も覚えておくと便利かもしれません。
ビジネスコミュニケーションでは、相手との関係や状況に応じて言葉を使い分け、正しい言い回しや表現を用いるように気を付けましょう。