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残業代の計算方法は?具体例を交えて詳しく解説

著者:きた社労士事務所 代表  北 光太郎

1日8時間、月40時間の法定労働時間を超えて働いた場合、従業員には残業代が支給されます。

残業代には法律で定められた基準があり、基本的な1時間あたりの賃金を一定の割合で割増した額が支払われなければなりません。

この記事では、残業代の計算方法を、さまざまなケースに基づいた具体例とともに解説します。


残業代の計算方法は?具体例を交えて詳しく解説

残業代の計算方法

法定外労働時間に対して支払われる賃金、いわゆる残業代には、法律で定められた基準があります。

残業代の計算方法について、ケースごとに詳しく解説します。

残業代の基本的な計算方法

残業代は、就業規則や賃金規定に従って計算します。

ただし、規定通り計算した結果、法律で定められた額を下回る場合は、その計算方法は無効です。

残業代は法律で定められた基準と同等、もしくは上回っていなければならず、企業の意思で割増賃金をなくすなど、法律を下回った計算は認められません。

また、残業時間を1日単位で切り捨てるのも違法です。

たとえば、ある日の残業時間が35分であるものを30分に切り捨てるなど、1日単位で一定の区切りで残業時間を切り捨てることは、法律上認められません。

1日の残業時間に関しては、1分単位で集計するのが原則となります。

ただし、1ヵ月の残業時間の合計に関しては、30分以上を切り上げる代わりに30分未満を切り捨てることは可能です。

時給がわかる場合の残業代の計算式

時給がわかる場合の残業代は、以下の計算式によって求められます。

〈残業代の計算式〉

「(従業員の)1時間あたりの賃金×割増率×残業時間」

時給がわかる場合の残業代は、時給をそのまま1時間あたりの賃金として計算します。残業時間は、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた就業時間です。

法定の労働時間を超えた場合は、パート・アルバイトなどの雇用形態に関係なく残業代が発生します。

月給から時給を算出する場合の残業代の計算式

正社員など、月給で働く従業員の残業代の計算は、就業規則や賃金規定に基づいて1時間あたりの賃金を求めます。

1時間当たりの賃金は原則、基本給や役職手当などの「労働の対価により支給される賃金」を「1ヵ月の平均所定労働時間」で割って算出されます。

<1時間あたりの賃金の計算式>

「月給(基本給+諸手当)÷1ヵ月の平均所定労働時間」

基本給だけではなく、手当を含んだ額で計算することに注意しましょう。

ただし、労働基準法第4章第37条第5項にある「増賃金の基礎となる賃金には算入しない手当」は、残業代計算の基礎となる賃金(月給)からは除かれます。家族手当や通勤手当などがこれにあたります。

残業代は、上記で算出した1時間当たりの賃金と割増率、残業時間を掛けて算出します。


残業代の計算に必要な割増率とは

法定外労働に対しては、ケースごとに細かく賃金の割増率が設定されています。

法定外労働とは、1日8時間、週40時間と法律で定められている労働時間を超えて働くことです。法定外労働時間の勤務に対しては、原則25%の割増賃金が支払われます。

また、1ヶ月60時間を超える法定外労働をした場合は、60時間を超えた時間から25%が上乗せされ、50%の割増賃金の支払いが必要です(中小企業は2023年4月から)。

22時から翌5時の時間帯に労働した場合は深夜労働として、25%の割増賃金が支払われます。

休日労働は、法定休日に労働した場合であり、35%の割増賃金が支払われるものです。

法定休日は、労働基準法で「週1日または4週間を通じて4日以上休日を与えなければならない」として、法律で義務づけられている休日をいいます。

なお、企業が任意で設けている法定外休日に労働した場合には35%の割増は必要なく、原則週40時間を超えた時間分の割増賃金(25%)のみが必要です。


残業代の計算例

では、実際に残業代を算出する場合は、どのように計算を行えば良いのでしょうか。

以下では、一般的な残業と休日の残業、深夜の残業について、具体的な計算例を挙げて説明します。

一般的な勤務の場合

一般的な勤務をしている場合は、1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えた労働時間が残業となります。

残業に対して発生する賃金である残業代は、1時間あたりの賃金の25%増となり、「1時間あたりの賃金(時給)×1.25(割増率)×残業時間」で算出します。

例)
月給24万円、所定労働時間8時間、平均所定労働時間160時間の人が1時間の残業を行った場合

1時間当たりの賃金=24万円÷160時間=1,500円

残業代=1,500円×1.25×1時間=1,875円

なお、残業が1ヶ月60時間を超えた場合は、60時間を超えた時間から50%の割増賃金が必要です。

休日労働の場合

休日労働をした従業員には、35%の割増賃金を支払う必要があります。

休日労働の計算方法は、以下のとおりです。

「1時間あたりの賃金(時給)×1.35(割増率)×残業時間」

また、22時から翌5時までの間で労働をした場合は、深夜労働の25%が上乗せとなり、合わせて60%の割増賃金の支払いが必要になります。

なお、35%の割増が必要な休日労働は、「法定休日」のみです。

法定外休日の労働は、原則法定労働時間を超えた時間のみが残業となります。

たとえば、1日8時間、週5日のフルタイム勤務者が法定外休日に労働した場合は、週の労働時間が40時間を超えるため、法定外休日に労働した時間分は25%割増賃金の支払いが必要になるということです。

深夜労働の場合

従業員が深夜労働22時から翌5時に労働した場合には、25%の割増賃金を支給しなければいけません。

たとえば、基本的な勤務時間が9時~18時(休憩1時間を含む)の企業で、23時まで残業を行った場合の計算方法は以下のとおりです。

時給:1,500円

法定時間外労働:18時~22時=4時間

法定時間外労働+深夜労働:22時~23時=1時間

残業代:(1,500円×4時間×1.25)+(1,500円×1時間×1.5)=9,750円

また、深夜労働に対しての割増支給は、時間外労働が適用されない管理職にも適用されます。

もし管理職が深夜労働をした場合には、25%の割増賃金の支払いが必要です。


残業代の計算についてまとめ

法律で定められた1日8時間、月40時間を超えて働いた場合、企業は従業員に対して残業代として割増賃金を支給しなければなりません。

残業代は、設定されている場合は時給を、時給が設定されていない場合は月給ベースで算出した1時間あたりの賃金を基本に、一定の割増率をかけて算出します。

法定休日や深夜の労働に対しては、さらに一定の割増率を上乗せする必要があります。

残業代の算出ルールをよく理解して、従業員には適正な残業代を支給するようにしましょう。

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著者プロフィール

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北 光太郎

きた社労士事務所 代表

2012年に社会保険労務士試験に合格。

勤務社労士として不動産業界や大手飲料メーカーなどで労務を担当。労務部門のリーダーとしてチームマネジメントやシステム導入、業務改善など様々な取り組みを行う。

2021年に社会保険労務士として独立。

労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。

法人向けメディアの記事執筆・監修のほか、一般向けのブログメディアでも労働法や社会保険の情報を提供している。

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