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給与計算の年間スケジュール

給与計算の年間スケジュール

給与計算の手続きは、毎月同じではありません。昇給や降給があれば基本給を変える必要がありますし、毎年6月には住民税額の変更もあります。年末には、年末調整をしなければなりません。

計算間違いや手続き漏れがないよう、年間スケジュールを把握して、給与計算に取り組みましょう。

今回は、給与計算の年間スケジュールなどについて説明します。


賃金支払いの5原則

給与は、労働基準法では「賃金」と呼ばれ、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」とされています。労働者は働くことで得た賃金によって生活していますから、賃金は確実に労働者の手に渡らなければなりません。そのため、同法では「賃金支払いの5原則」が定められています。給与計算を行うにあたり、まずはこの5原則をしっかりと押さえておきましょう。

【賃金支払いの5原則】

給与から控除できるのは?

賃金全額払いの例外として、所得税や社会保険料などは控除することができます。全体像を押さえておきましょう。

(健康保険料と介護保険料は「協会けんぽ」の例)

年間スケジュールの把握を

給与は労働者の生活基盤となるものです。ですから、給与計算においては、計算ミスや支払いの遅延などが無いように気を付けなければなりません。正確に給与計算を行うには、所得税、住民税、社会保険料などに関する知識が必要です。また、年末調整など毎年定期的に行う手続きや、月額変更届など随時行わなければならない手続きについても知っておく必要があります。まずは給与計算に関する年間スケジュールを把握しましょう。

【一般的な給与計算の年間スケジュール】

(※)月額変更届の提出は7月に限られません。固定的賃金の変動に伴って大幅に報酬が変わったときから3カ月間に支給された報酬の平均月額に該当する標準報酬月額と、従来の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた場合に提出します。

月間スケジュールは?

年間スケジュールを把握した後は、月間スケジュールを確認しましょう。通常、給与支払日の2~3営業日前までにデータを銀行に送る必要があります。締日と支払日の間隔が短い場合、土日や祝日を挟むと実際に給与計算業務を行うことができる日は限られます。逆算思考で業務を進めましょう。ゴールデンウイークや年末年始は特に注意をしてください。

給与計算の対象となる労働者について、各月における主な確認事項は次の通りです。

① 入退社した労働者はいるか

② 基本給や手当の変更はあるか

③ 被扶養者の人数に変更はあるか

④ 休業中の労働者はいるか

⑤ 結婚や離婚により名前が変わった労働者はいるか

⑥ 住所が変わった労働者はいるか

⑦ 随時改定の対象者はいるか

⑧ 年次有給休暇の取得状況

⑨ 欠勤、遅刻、早退などの状況

⑩ 残業や休日出勤の状況

労働者は会社からの給与によって生活しています。給与計算担当者は、正確な金額が確実に労働者の手に渡るようにしなければなりません。給与計算は、毎月神経を使う細かな業務となりますが、労働者の生活を支える貴重な業務です。ぜひやりがいをもって取り組んでみてください。

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著者プロフィール

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角村 俊一

社労士事務所ライフアンドワークス 代表

明治大学法学部卒業。地方公務員(杉並区役所)を経て独立開業。
「埼玉働き方改革推進支援センター」アドバイザー(2018年度)、「介護労働者雇用管理責任者講習」講師(2018年度/17年度)、「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」サポーター(2017年度)。
社会保険労務士、行政書士、1級FP技能士、CFP、介護福祉経営士、介護職員初任者研修(ヘルパー2級)、福祉用具専門相談員、健康管理士、終活カウンセラー、海洋散骨アドバイザーなど20個以上の資格を持ち、誰もが安心して暮らせる超高齢社会の実現に向け活動している。

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