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丸わかり!リフレッシュ休暇の仕組みや導入時のメリット・注意点について

丸わかり!リフレッシュ休暇の仕組みや導入時のメリット・注意点について

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近年、従業員の福利厚生の一環として「リフレッシュ休暇」を導入または検討している企業が増えています。そこで今回はリフレッシュ休暇導入を検討している企業に向けて、リフレッシュ休暇の特徴をはじめ、リフレッシュ休暇を取り入れるメリット・デメリット、さらには導入するときの注意点などについて解説します。

リフレッシュ休暇とは

そもそも「リフレッシュ休暇」とは、従業員の心身の疲労回復などを目的とした休暇のことです。年次有給休暇や育児休業などの法律で定められた休暇(法定休暇)とは異なり、会社が任意で決める特別休暇(法定外休暇)にあたります。

そのため、リフレッシュ休暇の利用目的や取得方法、休暇日数などは、すべてが企業に委ねられています。

なお、厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」によると、リフレッシュ休暇制度を導入している企業は全体の13.9%で、その割合は1,000人以上の企業で42.3%、300~999人の企業で29.1%、 100~299人の企業で19.5%、30~ 99人の企業で9.7%と、大規模な企業ほど導入する割合が高い傾向にあります。

(参照元:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査 結果の概況


リフレッシュ休暇の特徴

前述したようにリフレッシュ休暇は、企業がオリジナルで定める制度のため、内容は企業ごとに異なります。そこでここからはリフレッシュ休暇の特徴を3つに分けて詳しく解説します。

有給休暇との違い

リフレッシュ休暇と勘違いされやすいのが有給休暇です。

年次有給休暇とは労働基準法で定められた休暇であり、従業員の権利として取得できる休暇です。年次有給休暇においては、一定期間勤続した従業員が対象となり、雇い入れの日から6ヵ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤したものに対して、10日間の休暇が付与されます。

(参照元:労働基準法

しかし、リフレッシュ休暇は法律による規定がなく、対象者、付与日数、有給扱いにするかどうかはもちろんのこと、導入するかどうかもすべて企業に任されています。

そのため、もし企業がリフレッシュ休暇を導入するとなると、多少手間と時間はかかりますが、企業に合うリフレッシュ休暇制度が作れるため、従業員が喜ぶだけでなく、企業にとってもさまざまなメリットが期待できます。

給料の有無

リフレッシュ休暇は法定外休暇のため、有給か無給かについても企業が独断で決められます。しかしながら、無給にするとごく限られた従業員しか取得しない可能性があるため、できれば、リフレッシュ休暇中の給料は発生するのが望ましいです。

なお、厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査報告」では、リフレッシュ休暇がある企業のうち全額有給支給が93.7%、一部有給支給が3.6%、無休が2.7%であり、ほとんどの企業で有給扱いになっています。

(参照元:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査報告

ただし、リフレッシュ休暇においては有給だけが有効とは限りません。例えば、金券や旅行券を支給する企業もあります。旅行券は実際に旅行で使用し、一定の基準を満たして申請をすれば、非課税扱いにすることも可能です。このような手当の支給がリフレッシュ休暇の取得率向上に役立ち、従業員の士気向上や取得率アップにつながれば、企業のイメージアップになり、企業・従業員両方にとってもメリットになります。

取得の条件や付与日数

リフレッシュ休暇をどのタイミングで与えるか、何日間与えるかといった内容は、すべて企業が自由に設定できます。

取得の条件は一般的に勤続年数が「3年」「5年」「10年」といったように、節目ごとのケースが多いですが、なかには「勤続年数に関係なく年に1回」「役職に就いた際」といった場合もあります。

また。取得可能な日数に関しては「5~10日間」とする企業が大半ですが、一部の企業では、海外旅行や短期留学といった仕事につながる経験を条件に長期休暇を採用する企業もあります。ただし、このようにユニークな制度で企業のイメージアップを図りたいのであれば、従業員にとって不利にならない取得の条件や付与日数を検討する必要があります。


リフレッシュ休暇を導入するメリット3つ

この制度を導入することは従業員だけでなく、企業においてもメリットがあります。

生産性が向上する

従業員が仕事で心身ともに疲れていたら、生産性は下がる一方です。リフレッシュ休暇の取得は、そんな状況を変えるのに役立ちます。

例えば、この制度を利用して家でゆっくり休んだり、日頃なかなか行けない旅行を楽しんだりすれば、心身ともにリフレッシュができ、ワークライフバランスが充実します。また、休暇があることで、仕事へのやる気度が上がり、休暇後には新たな気持ちで仕事に取り組め、新しいアイディアが生まれるかもしれません。

さらに制度を取得する従業員は、担当業務をほかの従業員に教えたり、スケジュール調整を行ったりする必要があります。この作業は一見手間がかかるように思えますが、業務内容を見直すきっかけになります。そして、業務を任せられた者にとっては、いつもと違う役割や業務を経験するため、業務の幅が広がり、成長できるチャンスにつながります。

つまり、リフレッシュ休暇をすることで、従業員の士気が上がるとともに引き継ぎ作業や業務見直し機会によって、生産性の向上が期待できるのです。

離職を防げる

リフレッシュ休暇の導入には、従業員のモチベーションを高める効果があります。まとまった休暇を取得できるということは、従業員の前向きな目標となり、会社への満足度につながります。

例えば、繁忙期のある仕事でもこの休暇を楽しみにすれば、前向きに乗り切ろうという意欲がわくことでしょう。また、リフレッシュ休暇が取りやすい会社であれば、会社への満足度や帰属意識の向上が期待でき、結果として離職防止にも効果が期待できます。

さらに、節目の年にこの制度がある場合、従業員のなかには「次の休暇までは離職しないでおこう」という考えが働くかもしれません。

求人募集のアピールポイントになる

前述したようにリフレッシュ休暇は現状、限られた企業でしか導入されていませんが、とても魅力的な福利厚生のひとつです。有給休暇以外にこのような特別休暇があり、取得もしやすい環境なら企業のイメージアップに大きく貢献します。

特に最近は「ホワイトな環境で気持ちよく仕事したい」「ワークライフバランスを重視したい」という人たちが増えています。リフレッシュ休暇の存在は、そのような考え方の人たちに、従業員を大切にする会社だという好印象を与えられ、求人募集の際に大きなアピールポイントになります。

また、有給休暇のほかに特別休暇まで定められている企業なら、有給休暇の取得率も他社より高いという印象を与えられます。


リフレッシュ休暇を導入するデメリット

企業・従業員ともに得るところが多いように思えるリフレッシュ休暇ですが、デメリットも存在します。導入する際は懸念すべき点もしっかりと把握し、対策を講じることが重要です。

業務が一時的に滞る可能性がある

リフレッシュ休暇はまとまった休みを取得できる反面、その間のフォローが大変です。休暇を取得する従業員であれば、休暇前に引き継ぎのためのマニュアル作成や準備、フォローしてくれる従業員への説明など、通常業務に加えて行う作業があります。

万が一、引き継ぎがうまくいかなかったり、不測の事態が発生したりした場合には、休暇中でも連絡や相談を受けることになるかもしれませんし、休暇を取得した後に仕事量が増えるかもしれません。そのような事態を防ぐためにもしっかりとした準備が欠かせません。

一方、引き継ぎされた従業員も休暇中は、業務が増え、担当者がいない状態で慣れない業務を任されるため、大きな負荷がかかることでしょう。そして企業においては、引き継ぎがうまくいかなかった場合や不測の事態が発生した場合、業務効率が下がる可能性があります。

とりわけ、重要な職務に就いている従業員・専門的な業務を担っている従業員が制度を取得する場合には、周りのサポートおよび組織としてのサポートが不可欠です。

取得しやすさに差が生じる

リフレッシュ休暇は、従業員が平等に取得できることが望ましいのはいうまでもありません。しかし、繁忙度や業務の運行状況、取得しやすい雰囲気などは部署ごとに異なり、取得しやすさに差が生じてしまうことが考えられます。こうした不公平感は勤労意欲のダウンにつながるため、部署や役職に関わらず、誰もが平等にリフレッシュ休暇を取得できる環境を整えることが重要です。

そのためにもまずは各部署の上司が率先してリフレッシュ休暇を取得し、お手本となるとよいでしょう。また、上司であるという立ち位置を生かし、普段から業務をマニュアル化しておく、業務を共有するなど、休暇に対応できる体制を作り上げておくことも大切です。これらが徹底されれば、取得率が上がるだけでなく、生産性向上にもつながり、誰かが病欠など急な休みの際にもスムーズに対応ができます。


リフレッシュ休暇を導入するときのポイント

リフレッシュ休暇は、うまく運用することができれば企業・従業員双方にとってすばらしい制度です。しかしながら、法律で定められた制度ではなく、企業が独自で定め、運用するため、導入するときにはいくつか注意点があります。そこでここからは、リフレッシュ休暇を導入するときのポイントを紹介します。

自社に合った内容に定める

リフレッシュ休暇は、自社の状況に合った内容を考える必要があります。導入後スムーズに運用するためにも、まずは社内でアンケートを実施して、業務実態に沿った内容を吟味しましょう。
万が一、業務形態や従業員の意に沿わない制度にしてしまうと、リフレッシュどころか従業員を疲弊させたり、余計な不満をもたれたりするなど、本末転倒な結果を招きかねません。

特に取得の条件、取得の仕方、フォロー体制においては現場の声を聞いて制定すれば、企業・従業員双方にとってとてもよいものになるはずです。

なお、すでにリフレッシュ休暇を導入している企業のなかには、すべての従業員に休暇の取得を義務づけていたり、3年ごとに30日間の休暇があったりなど、企業の工夫が見て取れるものもあります。ぜひ、企業・従業員双方が納得する内容を検討しましょう。

従業員にしっかりと伝える

リフレッシュ休暇の導入が決まったら、従業員に周知することが肝要です。導入の事実をはじめ、リフレッシュ休暇の内容に伝え漏れがあると、後々トラブルに発展するおそれがあります。そうならないためにも就業規則に、リフレッシュ休暇の対象条件、取得日数、給与の有無、特別手当などをきちんと定めましょう。

加えて、リフレッシュ休暇の目的や意図も十分に周知しなければなりません。目的や意図が伝わらないと、制度を前向きに捉えることができず、「業務が一時的に滞ることがあるのではないか」など、リフレッシュ休暇のデメリットにばかりフォーカスしてしまう可能性があります。

そのような誤解を与えないためにも、リフレッシュ休暇を導入することによって、従業員に寄り添い長く働いてもらいたいなど、企業の意図を伝達した上で、うまく運用できるように協力を得て、円滑な業務運行を目指しましょう。

休みやすい状況を作る

せっかくリフレッシュ休暇を導入するのなら、全従業員が取得できるような環境を整えることも大切です。業務状態や部署の雰囲気によっては、取得を申請しにくい場合もあるでしょうし、人によっては周りに迷惑をかけまいと遠慮して制度を利用しないことも懸念されます。

従業員にストレスなく取得してもらうためにも、まずは先述したように上司が率先してリフレッシュ休暇を取得して、広めていくのが有効です。

また、リフレッシュ休暇の制度について、いつでも調べられるようにすることが重要です。情報や雰囲気がオープンでないと前向きに取得しにくく、デメリットへの対策も進みません。そこで社内報をはじめ、労働組合などを通して内容を周知していくようにしましょう。

ほかにも業務に大きな案件が舞い込んできたり、転勤や出向が絡んだり、世界情勢によって海外旅行や短期留学ができなくなったりと、リフレッシュ休暇の取得を阻むさまざまなトラブルが起こる可能性があります。そのようなときにリフレッシュ休暇が無効になるのではなく、延期や別のもので代用するなど、柔軟な対策で従業員の士気を下げないような運用を行いましょう。

リフレッシュ休暇は従業員をねぎらうためのものであり、企業が独自に定めることができる特別休暇です。そしてリフレッシュ休暇は従業員にだけメリットがある制度でなく、企業にとっても生産性の向上が期待でき、離職防止や求人募集のアピールポイントになるなどメリットがたくさんあります。

そんなリフレッシュ休暇を導入するときは、従業員の意見に耳を傾け、誰もが取得しやすいように環境作りを整えるなど、従業員・会社にとってよりよい制度になるように心がけてください。

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