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イノベーションとは?意味やビジネスにおいての課題を解説

監修者: キャリアコンサルタント / 外国人雇用管理士®  木村 千恵子

イノベーションとは?意味やビジネスにおいての課題を解説

イノベーションは英語の「Innovation(革新、新しく取り入れたもの)」から生まれた用語で、国内では「技術革新」と訳されることが多くなっています。

確信的な手法で新たな価値を創造し、社会や顧客の課題解決へとつなげる活動が、一般にイノベーションと称されます。

新しい商品やサービスの開発にとどまらず、そのプロセスの改善や市場・販路の新規開拓、組織変革など、イノベーションにはさまざまな種類があります。

イノベーションを阻害しがちな課題や、イノベーションを成功させる企業の特徴といった観点から、ビジネスを飛躍的に成長させる可能性を秘めたイノベーションに迫ります。


イノベーションとは

確信的な技術やアイデアで商品やサービスといった新たな価値を生み出し、社会や顧客の課題解決につなげる活動を、イノベーションと称します。ビジネスの成長に大きく関わるイノベーションの定義と、発祥の背景を確認しましょう。

イノベーションの定義

イノベーションは英語では「Innovation(革新、新しく取り入れたもの)」を意味し、日本語では「技術革新」と訳されることが多い用語です。

2019年、経済産業省により策定された「日本企業における価値創造マネジメントに関する行動指針」のなかで、イノベーションは次のように定義されています。

研究開発活動にとどまらず、

  1. 社会・顧客の課題解決につながる革新的な手法(技術・アイデア)で新たな価値(製品・サービス)を創造し
  2. 社会・顧客への普及・浸透を通じて
  3. ビジネス上の対価(キャッシュ)を獲得する一連の活動を「イノベーション」と呼ぶ

出典:経済産業省「日本企業における価値創造マネジメントに関する行動指針

イノベーションの提唱者とは?

イノベーションという用語は、1911年にオーストリアの経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターが初めて定義したとされています。

シュンペーターの定義では、イノベーションとは「経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合すること」とされました。


イノベーションにおける5種類の定義

イノベーションには、一般的に以下の5種類が定義されています。

  • プロダクション・イノベーション
  • プロセス・イノベーション
  • マーケット・イノベーション
  • サプライチェーン・イノベーション
  • オーガニゼーション・イノベーション

それぞれについて、詳しく解説していきます。

プロダクション・イノベーション

プロダクション・イノベーションは、従来品とは全く異なる、革新的な新商品・サービスを開発することです。

既存ビジネスの新結合、新定義、新思考、新活用などが戦略として考えられ、例えば従来品にはなかった機能性を新しく定義した企業などが、プロダクション・イノベーションの実践企業といえます。

プロセス・イノベーション

プロセス・イノベーションは、製品やサービスを大きく変えるのではなく、業務プロセスや生産工程を改善することで、業務効率や生産性を上げる戦略です。

AIやDXなどの新しい技術を導入して、工場の無人化や高品質で低コストの商品・サービスの提供を行う企業が、典型的なプロセス・イノベーションの実践企業です。

マーケット・イノベーション

マーケット・イノベーションは、新しい市場に参入して、新たに顧客とそのニーズを開拓することです。

販売ルートや環境を改善し、情報発信の手法をはじめとするマーケティング活動を新しい戦略で展開する企業が、マーケット・イノベーションの実践企業といえます。

サプライチェーン・イノベーション

サプライチェーン・イノベーションは、商品の製造に必要な材料調達やサービスの供給チェーンを大きく改善したり、新規開拓することです。

このイノベーション戦略により、サプライチェーン全体のコスト削減を図り、消費者へのサプライチェーンに関する情報提供に取り組む企業などが、サプライチェーン・イノベーションの実践企業です。

オーガニゼーション・イノベーション

オーガニゼーション・イノベーションは、組織変革によって業界や企業に大きな影響を与える戦略です。

社内の組織改革に加え、業務提携、フランチャイズ、ファブレス経営などを展開する企業が、オーガニゼーション・イノベーション戦略の実践企業です。特にファブレス経営は、小さな資本力でイノベーション効果を期待できる戦略の一つです。


イノベーションを起こすための課題

多くの企業がイノベーションの実践をめざしていますが、その成功は簡単になし得るものではありません。組織文化や人材不足など、イノベーションを阻害する代表的な課題を紹介します。

課題①失敗を敬遠する組織文化

イノベーションを促進するには、失敗を恐れず、大胆な戦略にチャレンジするマインドセットが必要です。しかし、失敗を回避しようとしたり、敬遠したりする文化が根強く残っている組織がまだまだ多いのが現状であり、それがイノベーションを起こすうえでの大きな課題となっています。

組織文化は一朝一夕には変わるものではありません。早い段階から組織全体で失敗を許容する文化を推奨する対策を計画的に打ち、イノベーションを積極的に進めていく組織に生まれ変わりましょう。

課題②イノベーションのスピードが遅い

一つひとつの仕事やプロジェクトを確実に進めたいという、従来の思考パターンから抜け出せず、イノベーションを実現して変革をもたらすスピード感が足りないのも課題の一つです。

日本以外の国の企業では、イノベーションの実践をトライ・アンド・エラーで素早く繰り返していくなかで、結果を得ていく傾向があります。そのスピードに負けないくらいの感覚で、イノベーション戦略を実行していく感覚を取り入れるように、イノベーション実行のスピード改善にも取り組む必要があります。

課題③イノベーションを推進できる人材を育成していない

組織としてイノベーションを実現するには、戦略推進の中心となる人材が必要です。イノベーションを後押しするような企業文化の醸成とともに、その中心的な役割を担う人材が不足している企業が多いことも、イノベーションを実現するうえでの課題です。

現時点で社内にその役割を担う人材がいない場合は、早急にイノベーションを推進する力のある人材を採用するか、育成する必要があります。社内で育てている時間がない場合は、外部から適任者を採用するなど、イノベーションを推進できる人材の確保には計画的に取り組む必要があります。


イノベーションを起こす企業の特徴

イノベーションを起こす企業には、ある一定の特徴があります。課題を乗り越え、イノベーションを成功させる企業に、共通して見られる特徴をまとめました。

特徴①未知の分野への挑戦を支援する企業文化がある

イノベーションを起こすには、未知の分野に挑戦することや失敗することを恐れずに、トライ&エラーを繰り返す覚悟が必要です。イノベーションを起こす企業には、社員がまだ手掛けたことのない事業や方法に挑戦することに、組織全体で支援する文化が根付いているという特徴があります。

挑戦する対象の分野を選ぶ必要はありますが、未知の分野にも挑戦する意志のある企業は、保守的な企業よりもイノベーションを起こす可能性よりも高いといえるでしょう。

特徴②イノベーションを推進に必要な情報とリスクを、正しく管理している

イノベーションを推進するには、膨大な量の正しい情報を収集し、分析や管理を適切に行う能力が求められます。イノベーションを起こすことができる企業には、推進に必要な情報とリスク管理体制の整備が求められるのです。

自社のイノベーション実現にとって有効な情報を収集・管理し、考慮すべきリスクを良く検討することで、正しく情報を運用することができます。

特徴③イノベーションを推進できる人材を育成している

イノベーションを起こすことができる企業は、イノベーションの推進に必要な役割を担うのに適した人材の教育に力を入れているのも特徴です。計画的に多様な分野の知識や経験を持つ人材を外部からも採用し、組織全体の中長期育成計画を持っています。

イノベーションを推進するには、未知の分野に果敢に挑戦する精神を持ちつつも、冷静にリスク管理と情報管理ができる人材が必要です。また、幅広い分野の知識や経験も求められます。


イノベーションについてのまとめ

革新的な技術やアイデアにより、新たな価値を生み出すイノベーション。

ビジネスの成長のために、多くの企業がめざしています。

しかし、イノベーションを阻む組織の課題は複数あり、その成功は決して容易なものではありません。

イノベーションの成功は、ビジネスを飛躍的に成長させる可能性を秘めています。

新商品・新サービス開発に限らない、幅広いイノベーションの種類を確認するとともに、イノベーションの課題とそれを実践できる企業の特徴を押さえ、イノベーションでビジネスを成長させましょう。

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監修者プロフィール

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木村 千恵子

キャリアコンサルタント / 外国人雇用管理士®

2度のアメリカ留学経験をはさみ、20年以上外資系IT企業を渡り歩きグローバルプロジェクトに従事したのち、2016年にキャリアコンサルタントとして活動を開始。

現在は中小企業の従業員のキャリア、メンタルヘルス、テレワークに関する課題解決支援、外国人留学生の就職支援、個人向けキャリアセミナーなどを中心に活動中。

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