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健康経営優良法人に認定されるメリットとは?認定基準や申請方法を紹介

健康経営優良法人に認定されるメリットとは?認定基準や申請方法を紹介

健康経営優良法人とは、企業が従業員の健康に配慮する取り組みについて、国が表彰する認定制度のことです。

生産性の向上やリスク管理、企業イメージ向上などの効果が期待されているため、近年多くの企業が取り入れています。

この記事では、健康経営優良法人に認定されるメリットに触れながら、認定基準や申請方法などを解説します。


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健康経営優良法人とは?

健康経営優良法人とは、経済産業省が主体で運営している認定制度のひとつです。

企業が従業員の健康に配慮して自主的に行っている取り組みを評価し、特に優良な法人を表彰しています。

2016年に創設されたまだ新しい制度ですが、多くの企業から注目を集めており、2022年には大規模法人部門で2,299法人、中小規模法人部門で12,255法人が健康経営優良法人に認定されました。

健康経営が促進される背景には、少子高齢化や労働人口の減少、健康保険料の負担額増加などが挙げられます。

企業は長く働ける人材を確保しづらい状況にあるため、従業員の健康をマネジメントし生産性・効率性をアップさせる健康経営に注目が集まっているのです。


健康経営優良法人の認定部門

健康経営優良法人の認定部門は、従業員の人数によって「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」に分類されます。

認定法人のなかでも、特に優秀な法人に「ホワイト500」や「ブライト500」の称号が与えられる仕組みです。認定された法人にはグループ会社全体や取引先、地域の関係企業、顧客、従業員の家族などに健康経営の考え方を普及拡大していくトップランナーの一員としての役割が求められています。

ホワイト500は、大企業や医療法人などを対象とした大規模法人部門に与えられる称号です。従業員数が以下にあてはまる企業のうち、健康経営優良法人に認められた上位500法人が認定されます。

  • 卸売業:101人以上
  • 小売業:51人以上
  • サービス業:101人以上
  • 製造業その他:301人以上

一方ブライト500は、ホワイト500の条件に満たない中小規模法人部門に与えられる称号です。

少数精鋭の企業や法人などが対象ですが、従業員を1人以上使用している必要があります。


健康経営優良法人に認定される6つのメリット

健康経営優良法人に認定されるメリットは、従業員の健康が促進されるだけではありません。

ここでは、生産性の向上や離職率の低下など、健康経営がもたらすメリットを6つ紹介します。

助成金を受けることができる

健康経営優良法人の認定に向けて行う取り組みのなかには、健康保険関連の助成金制度が活用できるものもあります。

代表的な助成金制度は、「時間外労働等改善助成金」「心の健康づくり計画助成金」「職場環境改善計画助成金」「両立支援等助成金」などです。

健康経営を実施するためにはある程度資金が必要です。コストを削減しつつ認定を目指すには、このような助成金を活用するとよいでしょう。

労働生産性が上がる

健康経営の取り組みは、従業員の生産性に大きく影響を与えます。

従業員は働くのが辛いほどの不調があれば欠勤するものの、慢性的な疲労感や腰痛、ストレスなどは我慢してしまいがちです。それらを改善できないまま勤務を続けると、業務効率や生産性の低下などを引き起こす可能性もあるでしょう。

従業員が健康で気持ちよく働ける企業経営ができれば、労働意欲の向上やストレスの減少などが期待できます。

医療費の負担が軽減できる

健康経営で従業員の疾患や疫病率などが低下すると、企業と従業員双方の医療費を軽減できます。

少子高齢化によって企業が負担する医療費は増加傾向にあるため、少しでもコストを削減できれば嬉しいものです。健康な従業員が増えれば、欠勤率や長期休業者数を減らすことにもつながり、赤字軽減の効果も期待できます。

企業イメージが向上する

求職者が企業に求める条件は人によって異なるものの、近年は「働きやすさ」「職場の雰囲気」などを重視する人が増えています。

健康経営に注力することは、無駄な残業をなくしたり、オフィス環境を整えたりと、労働環境を見直すことにもつながるでしょう。このような取り組みが評価され企業価値が高まると、求職者からのイメージ向上が期待できます。

多くの求職者から応募がくるようになれば、優秀な人材を採用しやすくなるでしょう。

離職率の低下と優秀な人材の獲得につながる

従業員は多くの時間を会社で過ごすため、オフィス環境や社内の雰囲気、経営方針などに不満があるとストレスを感じやすいものです。日々の小さなストレスは、蓄積すると慢性的な体調不良や心の病気などを引き起こす可能性があり、それらが離職率を高めているケースも少なくありません。

健康経営によって労働環境が改善されると、それぞれが快適に業務に取り組めるようになり、健康上の理由による退職を防止できます。

リスク管理ができる

従業員が突然入院したり、健康上の理由で退職したりすると、企業にとっては大きな損失になりかねません。

新たな人材採用や教育などにはコストがかかるため、なるべく今いる人材に長く働いてもらうことが理想的です。

健康経営に取り組むことで起こりうる健康上のリスクを予防できれば、万が一問題が起こったときの損失コストを最小限に抑えられます。


健康経営優良法人の認定基準

健康経営優良法人の認定には、「企業理念」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令遵守・リスクマネジメント」の5つの認定基準があります。

認定基準ごとの主な評価項目は次のとおりです。なお、大規模法人部門と中小規模法人部門では要件が異なる場合があるため注意しましょう。

  • 企業理念
    健康宣言の社内外への発信、経営者自身の健診受診
  • 組織体制
    健康づくり担当者の設置
  • 制度・施策実行
    ストレスチェック実施やコミュニケーションの促進に向けた取り組み、食生活の改善に向けた取り組みなどの項目から一定基準を満たすこと
  • 評価・改善
    (求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供
  • 法令遵守・リスクマネジメント
    従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告)

健康経営優良法人への申請方法

健康経営優良法人の認定は、どの部門に申請するかによって申請方法が異なります。

ここでは、健康経営優良法人の申請方法をホワイト500とブライト500に分けて解説します。

大規模法人部門・ホワイト500の場合

大規模法人部門であるホワイト500の申請は、以下の手順で行います。

  1. 経済産業省が取り組む健康経営度調査への回答
  2. 日本健康会議認定事務局へ申請
  3. 認定審査
  4. 日本健康会議において認定

中小規模法人部門・ブライト500の場合

中小規模法人部門であるブライト500の申請は、以下の手順で行います。

  1. 加入している保険者が実施する健康宣言事業に参加
  2. 自社の取り組み状況を確認
  3. 認定基準に該当する具体的取組を申請書に記載
  4. 日本健康会議認定事務局に申請
  5. 認定審査
  6. 日本健康会議において認定

健康経営銘柄への申請方法

健康経営優良法人と混同されることも多い、「健康経営銘柄」という認定制度があります。健康経営銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で運営している制度です。

健康経営優良法人は上場・非上場に関わらず申請できますが、健康経営銘柄の対象となるのは上場企業のみです。

健康経営銘柄の申請は、以下の手順で行います。

  1. 経済産業省が取り組む健康経営度調査への回答
  2. 日本健康会議認定事務局へ申請
  3. 健康経営度が上位20%の上場企業を候補として選定
  4. 東京証券取引所にて財務指標スクリーニングの実施
  5. 経済産業省と東京証券取引所が共同で選定

まとめ

健康経営優良法人とは、従業員の健康を促進する取り組みを評価し、優良な法人を表彰する認定制度のことです。

認定を受けると従業員にとって働きやすい環境がつくれるだけでなく、生産性や企業イメージの向上、離職率の低下、コスト削減などさまざまなメリットが期待できます。

健康経営優良法人は企業規模によって申請する部門が違い、それぞれ異なる手順で申請を行う必要があります。また、上場企業のみが申請できる「健康経営銘柄」という認定制度もあるため、自社に合った制度を選ぶことが大切です。

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