全建統一様式改訂5版 改訂のポイントと書き方一例【無料テンプレート付】
全建統一様式とは、一般社団法人『全国建設業協会』が定めた普遍的な安全書類(グリーンファイル)の様式で、建設工事に関わる安全書類です。
今回改訂された5版は、令和2年10月1日に改正建設業法が施行されたことに伴うもので、その書き方と変更部分のポイントを今回はご紹介したいと思います。
ポイントの説明の際に、改訂5版の書式を添付しましたので、併せてご活用いただければ幸いです。
様式改訂について
全建統一様式は、平成7年に策定されて以降、建設産業を取り巻く環境の変化に応じ、改訂を重ねられてきました。
今回改訂された5版は、令和2年10月1日に改正建設業法が施行されたことに伴うものです。
主な改訂ポイント
主な改訂ポイントは、建設業法の改正目的に沿っています。
すなわち、
- 「建設業の働き方改革の促進」
- 「建設現場の生産性の向上」
- 「持続可能な事業環境の確保」
の3点です。
その背景には、地域の経済や雇用を支え、災害時においても活躍が期待される「地域の守り手」としての役割を建設業が担っていることがあります。
その一方で、現場の急速な高齢化と若者離れが進んでいることから、限りある人材の有効活用と若者の入職促進を図っています。そのために合理化や緩和されたものもあれば、新たに確認が求められているものもあります。
今回は、監理技術者の専任義務の緩和、主任技術者の配置義務の見直し及び作業員名簿の作成が実質的に義務化されたことから、施工体制台帳、再下請負通知書及び作業員名簿等が改訂されています。
全建統一様式改訂5版の書き方
改訂された各様式について、書き方の一例をお伝えしていきます。
様式第3号 施工体制台帳
[会社名・事業者ID]
建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者IDを記載するように改訂されています。
事業者が建設キャリアアップシステムに登録されている場合には、IDを記載しましょう。
[事業所名・現場ID]
こちらも事業者IDと同じく、建設キャリアアップシステムのIDを記載するように改訂されています。
工事現場が建設キャリアアップシステムへ登録されている場合には、当該現場IDを記載しましょう。
[監理技術者補佐名]
監理技術者補佐を当該工事現場に専任で置くことで、公共性のある工作物等に関する重要な工事で政令で定めるものについては「専任」の者でなければならないとされていた監理技術者が、2現場まで兼任できるようになります。
監理技術者補佐を選任した場合には、監理技術者補佐に必要とされる資格(建設業法施行令第28条に定める技術検定等)も記載しましょう。
[一号特定技能外国人の従事の状況]
一号特定技能外国人が当該建設工事へ従事する場合は「有」予定がない場合は「無」を丸で囲みます。
一号特定技能外国人とは、技能実習又は外国人建設就労者受入事業を修了し、出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の在留資格を決定された者です。
在留カードの記載は、「在留資格:特定技能」となります。
[外国人建設就労者の従事の状況]
外国人建設就労者が当該建設工事へ従事する場合は「有」予定がない場合は「無」を丸で囲みます。
外国人建設就労者とは、技能実習に引き続き国内に在留し、又は一旦本国へ帰国した後に再入国し、建設業務に従事する者です。
在留カードの記載は、「在留資格:特定活動」となります。
「有」を丸で囲んだ場合は、様式第1号ー甲ー別紙(外国人建設就労者等建設現場入場届出書)を元請に届け出る必要があります。
[外国人技能実習生の従事の状況]
外国人技能実習生が当該建設工事に従事する場合は「有」、予定がない場合は「無」を丸で囲みます。
在留カードの記載は、「在留資格:技能実習2号ロ」のようになります。
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様式第1号ー甲 再下請負通知書(変更届)
様式第1号ー甲 再下請負通知書(変更届)の改訂点は、施工体制台帳とほぼ同じです。
ただし、別紙として以下の「外国人建設就労者等建設現場入場届出書」の作成が必要となる場合があります。
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様式第1号ー甲ー別紙 外国人建設就労者等建設現場入場届出書
「外国人建設就労者(在留資格:特定活動)」及び「1号特定技能外国人(在留資格:特定技能)」の方が建設業務に従事する場合、提出を求められます。
定住者や技能実習生の方については、本届出書を提出する必要はありません。
建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録は2022年8月現在事業者の任意ですが、例外として外国人建設就労者等を受け入れる場合、登録することが必須とされています。
外国人を受け入れる事業者は、建設キャリアアップシステムの事業者登録と、外国人本人の技能者登録の両方が義務付けられています。
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様式第5号 作業員名簿
[現場ID、事業者ID]
施工体制台帳と同じく、建設キャリアアップシステムのIDを記載しましょう。
[技能者ID]
作業員の建設キャリアアップシステムのIDを記載しましょう。
[退職金共済制度加入について]
建退共、中退共などの加入状況を確認するようになっています。
加入している退職金共済制度に丸をつけましょう。また、作業員の加入状況についても、該当する行に丸を記入しましょう。
[退職金共済手帳所有の有無]
建退共手帳所有の場合には「建」を、中退共手帳所有の場合には「中」を、その他の手帳所有の場合には「他」を、所有していない場合には「無」を丸で囲みましょう。
[健康保険、年金保険、雇用保険]
各保険の名称を記載する欄です。
健康保険欄には、健康保険組合、協会けんぽ、建設国保、国民健康保険を記載しましょう。
年金保険欄には、厚生年金、国民年金等を記載します。
各年金の受給者である場合は、「受給者」と記載しましょう。
雇用保険欄には、被保険者番号の下4けたを記載します。
それぞれの保険の適用除外である場合は、「適用除外」と記載しましょう。
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