注文書の書き方(サンプル・見本テンプレート付)
注文書とは、注文を申し込む証として、その条件を記載して渡す文書のことです。特に商品を購買する場合に「注文書」と呼ばれます。
反復して注文がある取引では、基本契約書を別に取り交わし、注文書には数量、納期、支払期日などの最低限の条件のみ記載するのが一般的です。
注文書(発注書)に、見積書や基本契約書に基づいた注文である旨を記載し、注文書(注文請書)なしでも契約が成立する場合には、収入印紙の貼付を求められることがあります。
個別の取引で毎回使用される文書なので、注文書は簡潔且つ見やすいものにしておきましょう。
ステップ1:注文書を作成する
注文書の書き方は、請求書や見積書と似ています。記載内容は下記が一般的です。
赤で囲まれた部分が必須項目、青で囲まれた部分が任意項目となるので、用途によって使い分けましょう。必須項目については、国税庁のHPを参考としています。
- 【必須】宛先:法人向けには宛先を会社名にします。
- 管理番号:データ管理の目的で注文書にナンバーを付けます。
- 【必須】発行日(取引年月日):注文書を発行した日を記載します。
- 【必須】発行元又は作成者:会社名と担当者名もしくは、代表社員名を記載します。
- 注文書タイトル:「下記の通りご商品を送付いたしましたので、よろしくお願いいたします」など簡潔なものを記載します。
- 取引金額【必須】:金額の単価、数量、合計金額などを明記します。事前交渉の中で値引きがあった場合は必ず記載するようにしましょう。また、取引金額は税込み価格です。
・税率毎の内訳
2019年10月1日以降、軽減税率が適用される取引が含まれる場合、軽減8%と10%を区別できるよう内訳を記載しましょう。 - 希望納期:希望納期がある場合は記載しましょう。
- 納品場所:納品場所の名称(〇〇支店)や住所、連絡先などを記載します。
- 【必須】取引内容:金額の単価や数量など、取引内容を記載します。よりくわしく書きたい場合は、商品番号なども追加し、管理しやすいようにしましょう。
ステップ2:封筒に宛先、差出人を記載する
注文書をメールやFAXではなく現物で送付する場合、封筒の書き方で押さえておきたいポイントをご紹介します。基本的には注文書のA4サイズを三つ折りにして入れる長形3号の封筒が使われますが、都合で折れない場合などは角形2号も使われるようです。
封筒の表面の書き方
受注者の郵便番号、住所、宛先を書き、切手を貼るところまでは通常の書類を送付する際の手順と同様です。ただ、注文書の場合は、先方に届いたときの受け渡しをスムーズにするためにも「注文書在中」という文言を記載しておいた方がいいでしょう。「注文書在中」を記載する際は、手書き、スタンプどちらでも構いません。
また、会社名のあとに「御中」をつけるなど、以下のような宛名についてのマナーは最低限守りましょう。
- 会社名のみの場合:株式会社〇〇 御中
- 部署名の場合:株式会社〇〇 〇〇部 御中
- 個人宛の場合:株式会社〇〇 〇〇部 役職名 山田花子様
封筒の裏面の書き方
封筒の裏面の書き方は、継ぎ目があってもなくても、以下のサンプルのように中央より左寄りに書くのが一般的です。
しかし、封筒の裏面に継ぎ目がある場合の正式な書き方は、継ぎ目の右側に住所を、継ぎ目の左側に氏名と年月日を書くというもの。注文書を送付する際に継ぎ目のある封筒を使用する場合は、下のような正式な書き方を採用しましょう。
ステップ3:注文書を封筒に入れる
注文書が完成し、現物をそのまま送付する場合の注文書の折り方をご紹介します。一般的とされているのが、以下のような内三つ折りという折り方です。
内三つ折りをする際の注意点としては、紙を開いたときに「注文書」などの表題が必ず一番最初に目に入るように折ること。また、折り目はきっちり三等分になるようにしましょう。
注文書に関する注意点
注文書作成から送付までの一連の流れが分かったところで、次は注文書に関する注意点をチェックしておきましょう。
注文書に収入印紙は必要?
基本的に、商品の売買だけの注文に対する発注書、受注書のやり取りに収入印紙は不要です。しかし依頼内容が請負の場合は、契約と考えられるため、請書(受注書に当たるもの)に請負金額に応じた収入印紙を貼付する必要があります。
請負に収入印紙の金額
一般的な請負契約書の収入印紙金額(2号文書)は下記の通りです。
記載された契約金額 | 税額 | |
---|---|---|
1万円未満のもの | 非課税 | |
1万円以上 | 100万円以下のもの | 200円 |
100万円を超え | 200万円以下のもの | 400円 |
200万円を超え | 300万円以下のもの | 1,000円 |
300万円を超え | 500万円以下のもの | 2,000円 |
500万円を超え | 1,000万円以下のもの | 1万円 |
1,000万円を超え | 5,000万円以下のもの | 2万円 |
5,000万円を超え | 1億円以下のもの | 6万円 |
1億円を超え | 5億円以下のもの | 10万円 |
5億円を超え | 10億円以下のもの | 20万円 |
10億円を超え | 50億円以下のもの | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
引用元:国税庁「No.7102 請負に関する契約書」
注文書と注文請書はセットになる場合もある
注文請書は、注文を確かに受けましたという証明となる書類です。受発注の記録を明確にするために書類を2枚用意し、両書類をペアで使うこともあります。また企業によっては、注文書兼請書として運用される場合もあります。その場合は、注文書をベースに受注側の記載欄として用意し、「上記注文内容にて受注いたしました」という記載とともに、受注日、企業名、担当者名、押印欄を用意し運用することもあります。社内規定での取決めに関わることなので、契約の交渉が進む中で確認しましょう。
注文書などの帳簿書類は7年間保存しておく必要がある
国税庁のHPによると、法人が注文書などの帳簿書類を作成した場合、あるいは受領した場合は、「その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存」しなければなりません。また、「平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度において」は9年間、「平成30年4月1日以後に開始する欠損金の生ずる事業年度においては」10年間に保存期間が延長されています。
知っていると役立つ!注文書Q&A
注文書に関するQ&Aをまとめました。
注文書をメール・FAXで送付する際の注意点は?
注文書をPDFなどで発行しメールで送付する場合は、先方の担当者にメール送付にて対応する旨を事前に伝えておくと混乱やトラブルを避けることができます。また、メール送付の際は件名に「注文書ご送付について」などと明記しましょう。
注文書と注文請書の違いは?
注文書は「発注側(お客様)が発行する書類」です。一方で注文請書は、発注された側が引き受けを証明するために発行する書類です。注文書と注文請書は契約書の代替としての役割を持ちます。
発注書と注文書の違いは?
発注書と注文書は基本的には同じものとして扱われます。しかし会社によっては、サービスや作業を伴う依頼に対して発注書を発行し、資材などの物品購入に注文書を発行するなどの使い分けをしているケースもあります。
支払い条件の記載方法は?
注文書には、支払い方法と支払い期限を記載します。支払い方法は現金・金融機関口座・手形・小切手などのいずれを使用するかを明記します。口座を利用する場合は、金融機関名・口座の種別(当座など)・口座番号・口座名義を記載します。支払い期限は、締日として日付を明記する場合と、「請求後◯日以内」として記載する場合があります。
注文書に印鑑は必要?
法的には注文書に印鑑を押す義務はないため、印鑑の使用は任意となっています。しかし印鑑が押されている書類のほうが、先方に信頼感のある印象を与えることができるため、印鑑を使用するケースが多くなっています。
注文書のテンプレート
bizocean(ビズオーシャン)では、様々な書式・ファイル形式の注文書テンプレート見本を検索し、ダウンロードすることができます。
印刷して手書きして使うこともできますし、Excelであれば入力してから印刷することも可能です。
Excel形式の注文書
Excelを使用して作成することができる注文書です。品名や単価、単位、商品IDなどが記載できます。
Wordの注文書
Wordを使用して作成することができる注文書です。印刷して3つ折りにすると、長3の窓付封筒で送付先の住所・名前が見えるように入れることができます。
英語の注文書
英文で記載された注文書です。Excelの2シート目に日本語訳がつけられているため安心して使用することができます。