慶弔見舞金の書き方・渡し方完全マニュアル│失礼のないマナーとポイントを徹底解説
慶弔見舞金の書き方や渡し方に悩んでいませんか?祝いやお見舞いの気持ちをお金で表す慶弔見舞金は、形式やマナーが大切です。
封筒に入れて渡す際もルールを守って適切な方法で書くことが重要ですが、具体的にどう書けば良いのか分からないという方も多いでしょう。
本記事では慶弔見舞金の基礎知識から、封筒を用意するときのマナーや具体的な書き方まで、分かりやすく丁寧に解説します。慶弔見舞金の書き方を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
慶弔見舞金とは
慶弔見舞金とは、従業員に慶弔事が起きたときに企業が支給する手当のことです。
中小企業総合研究所の調査によると、国内の約7割の企業が慶弔見舞金制度を導入しているとされています。慶弔見舞金の主な種類は以下のとおりです。
- 結婚祝金:従業員本人が結婚したときに渡すお祝い金
- 出産祝金:従業員本人やその配偶者が出産したときに渡すお祝い金
- 弔慰金:従業員本人やその家族が亡くなったときに渡すお見舞金
- 被災見舞金:従業員本人が地震や台風、火災などの災害の被害に遭ったときに渡すお見舞金
- 傷病見舞金:従業員本人が病気やケガで休業したときに渡すお見舞金
導入されている慶弔見舞金の種類や支給条件は、企業によって異なります。勤め先の慶弔見舞金の規定を確認しましょう。
慶弔見舞金と香典の違い
慶弔見舞金は、企業が福利厚生の一環として支給する手当です。一方、香典は葬儀に参加した人が故人に供える金品であり、慶弔見舞金とは異なります。
慶弔見舞金の渡し方
慶弔見舞金は、現金を封筒に入れて渡すか、銀行振込で渡すのが一般的です。銀行振込の場合でも封筒を用意し、中入れに銀行振込で支給することと振込日を記載して渡しましょう。
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慶弔見舞金の封筒の種類と書き方
慶弔見舞金を渡すときには、使用する封筒の種類や書き方のマナーを守ることが大切です。ここでは、慶弔事の種類別に、封筒の種類と書き方を解説します。
結婚祝金
結婚はおめでたいできごとなので、祝儀袋に入れて渡します。祝儀袋を使用しない場合は、白封筒を使ってもかまいません。封筒の大きさは金額に合わせ、極端に豪華、または質素にならないように注意しましょう。
水引は赤白で、「1度切りで繰り返さない」の意味を込めて結び切りを選びます。初婚・再婚にかかわらず、赤白の結び切りの水引を使用しましょう。
書き方
封筒の表書きには、「結婚祝金」と記載します。会社の規定で名目が決められている場合は、その名目を記入してください。
結婚祝金を銀行振込で渡す場合は、表書きに「目録」と記載します。祝儀袋には「寿」や「お祝」などの短冊がついていることがありますが、これらの短冊は使わないようにしましょう。
また、個人的な結婚祝いと混ざらないよう、差出人には会社名を記載し、個人名は書かないようにします。
出産祝金
出産もおめでたいできごとなので、祝儀袋に入れて渡します。祝儀袋を使用しない場合は、白封筒を使ってもかまいません。結婚祝金と同様に、封筒の大きさは金額に合わせ、極端に豪華、または質素にならないようにしましょう。
出産は何度繰り返しても良いお祝いごとなので、赤白の蝶結びの水引を用意します。「1度切り」の意味をもつ結び切りの水引を使わないよう注意しましょう。
書き方
封筒の表書きには、「出産祝金」と記載します。会社の規定で名目が決められている場合は、その名目を記入してください。
銀行振込で渡す場合は、表書きに「目録」と記載します。出産祝金の場合も、祝儀袋に付属している「寿」や「お祝」などの短冊は使わないようにしましょう。
差出人には会社名を記載します。個人的な出産祝いと混ざらないよう、個人名の記載は避けましょう。
弔慰金
弔慰金は不祝儀袋に入れて渡します。不祝儀袋が状況にそぐわない場合は、白封筒でも問題ありません。祝儀袋と同様に、封筒の大きさは金額に合わせ、極端に豪華、または質素にならないようにしましょう。
水引は銀または黒白で、「1度切りで繰り返さない」の意味を込めて結び切りを選びます。
書き方
封筒の表書きには、「弔慰金」と記載します。会社の規定で名目が決められている場合は、その名目を記載しましょう。
銀行振込の場合は、表書きを「目録」にします。不祝儀袋についている「御香典」「御霊前」「御仏前」などの短冊は使わないようにしましょう。
個人的な香典などと混ざらないよう、差出人に個人名を記載するのは避け、会社名を記載してください。
その他の慶弔見舞金
結婚・出産祝金や弔慰金以外に、災害見舞金や傷病見舞金といったものもあります。このような場合は、白封筒に入れて渡すのが一般的です。ただし、朱色で郵便番号の記入欄が書かれている封筒は避けましょう。
白封筒で渡す場合、金額による封筒の大小を気にする必要はありませんが、ポチ袋を使うのは避けてください。
書き方
封筒の表書きには、「災害見舞金」「傷病見舞金」など、支給する目的に合ったものを記載します。「お見舞い」などと略さないようにしましょう。会社の規定で名目が決められている場合は、その名目を記載してください。
銀行振込の場合は、結婚祝金や弔慰金と同じく表書きを「目録」にします。個人的な香典などと混ざらないよう、差出人に個人名を記載するのは避け、会社名を記載しましょう。
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慶弔見舞金の封筒を用意するときの注意点
慶弔見舞金の封筒を用意するときに、覚えておきたい注意点があります。くわしく見ていきましょう。
金額は旧字体の漢数字で書く
慶弔見舞金の金額は、「壱万円」「弐万円」のように旧字体の漢数字で書くようにしましょう。「一」「二」などの漢字は、金額を改ざんしやすいからです。
「万→萬」「円→圓」などと書く人もいますが、こちらは略式で書いてもかまいません。
現金の向きに注意する
慶弔見舞金を現金で支給する場合は、封筒に入れるときの現金の向きにも注意しましょう。
【慶事の場合】
- 新札を使用する
- お札の肖像画が上部に来るように、かつお札の表側(肖像画がある面)が封筒の表側に来るようにして中袋に入れる
【弔事の場合】
- 新札は使わないようにする
- お札の肖像画が下部に来るように、かつお札の表側が封筒の裏側に来るようにして中袋に入れる
上包みの重ね方にも気をつける
封筒の上包みの重ね方にもマナーがあります。
【慶事の場合】
お祝いごとは「上向く」という意味を込めて、上包みの上の折り返しに、下の折り返しが重なるようにします。
【弔事の場合】
お悔やみ事は「下向く」という意味で、上包みの下の折り返しに、上の折り返しが重なるようにします。
慶弔見舞金の金額の目安
慶弔見舞金の金額は会社によって異なりますが、相場は以下のとおりです。
- 結婚祝金:1~5万円程度
- 出産祝金:1~3万円程度
- 弔慰金:従業員本人が亡くなった場合5~10万円程度、従業員の家族が亡くなった場合1~5万円程度
再婚の場合の結婚祝金が低めに設定されていたり、何人目の子どもかによって出産祝金の金額が変わったりする会社もあります。また、配偶者が亡くなった場合は、弔慰金の金額が高めになるのが一般的です。
慶弔見舞金を渡すタイミング
慶事・弔事のどちらの場合でも、式典の当日はバタバタしているため、従業員が次に出勤したタイミングで渡すのが一般的です。渡す時期が早すぎたり遅れすぎたりしないように注意しましょう。
従業員本人が亡くなり、ご遺族に弔慰金を渡す場合は、葬儀の日以降に訪問して渡すのがおすすめです。
まとめ
慶弔見舞金は、現金で渡すにしても銀行振込するにしても、封筒が必要になります。慶弔見舞金の種類によって使用する封筒の種類や水引、書き方が変わるので、失礼のないようにマナーを理解しておきましょう。
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