採用担当者の印象アップ!面接準備とマナーを解説
面接は、自分の考えや思いを伝えるチャンスです。書類選考を通過して面接に進んだ時点で、採用担当者は「この人に会ってみたい」と期待しています。面接の場でさらに好印象を持ってもらえるよう、事前準備をしっかり行ってから臨みましょう。そのための注意点やマナーを解説していきます。
面接当日までに準備しておくことは?
前日までの準備
・面接のリハーサルをしておく
面接本番に向けて事前のリハーサルは重要です。しかし、志望動機や自己紹介などの話す内容だけを重視していませんか?
面接官は「話し方」もチェックしています。例えば、声が小さい・早口・笑顔がない・アイコンタクトがない・姿勢が悪い・落ち着きがないなど、自分ではきちんとしているつもりでも、実際に採用担当者にどのように受け止められるか分かりません。家族や友人の前で事前にリハーサルを行い、指摘してもらうと良いでしょう。それが難しければ、スマホで自撮りをして確認することもおすすめです。
・面接の場所と時間を確認する
面接当日になって慌てないように、場所・フロア・交通機関・所要時間などはチェックしておきましょう。説明会とは場所が異なることもあるので、30分前には最寄り駅に到着し、周辺やビルの様子を確認しておくと、気持ちにゆとりも生まれます。特に、1日に数社の面接を受けるときは、余裕をもった行動を心掛けましょう。
・企業情報を確認する
事前に十分確認しているつもりでも面接の場で緊張し、頭が真っ白になることもあります。企業情報は、再度確認しておきましょう。
・直近のニュースを確認する
面接官から質問されることがあります。過去数日間のニュースをただ読むのではなく、掘り下げて考えて自分なりの意見を言えるようにしておくことが大切です。
・スーツやシャツを整える
身だしなみの良し悪しで面接官への第一印象もまったく変わります。しわやほつれ、臭いがないようチェックをしておきましょう。
面接当日に必要なもの
・企業情報・説明会でもらった資料
事前に言われない限り、あまり面接で使用されることはありませんが、持っていって控室で再度確認しておくと安心です。
・担当者の部署・名前・電話番号
面接会場の受付で慌てて確認するのはNGです。しっかり覚えていきましょう。
・応募要項と応募書類のコピー
応募書類は提出してしまうと何を書いたか忘れてしまうことがあります。特に多くの企業を受ける際は、企業によって内容も異なっているはずです。いい加減な受け答えにならないよう、事前に読み返しましょう。
・筆記用具・クリアファイル
採用担当者は面接者の細かい気配りも見ています。企業からの連絡事項など、すぐにメモを取らなければならない場合に備えて、手帳やメモ、ペンも用意しておきましょう。また、企業から資料を渡されることもありますので、丁寧に扱うためにクリアファイルも持参すると便利です。
・腕時計
面接会場ではスマホの電源はOFFにしておくのが基本です。マナーモードは意外と響く上に、何かの拍子でマナーモードが解除されていると致命的です。
時間の確認には腕時計を必ず使うようにしましょう。特に年配の面接官の場合、腕時計をしていると常識がある学生だと好印象につながることもあります。ビジネス向けのシンプルな腕時計を用意しておきましょう。
その他、安心感のためにもっていきたいもの
面接ではできる限り落ち着いて臨むことが重要です。面接直前になって慌ててしまわないように、事前準備は入念にしておきましょう。下記は最低限必要なもの以外に持参しておきたいものをピックアップしていますので、これらもチェックしておきましょう。
- ヘアブラシ・くし・手鏡
- 折り畳み傘
- 歯ブラシ
- ハンカチ・ティッシュ
- 印鑑
- モバイルバッテリー
- 交通系のICカード
- ストッキングの予備(女性の場合)
面接当日の流れと注意点
人の第一印象は、出会ってから1~7秒以内の見た目や声、話し方で大きく左右されると言われています。
短い面接時間の中では、第一印象ですべてが決まると言っても過言ではありません。身だしなみを整え、背筋を伸ばし、笑顔で挨拶して面接に臨みましょう。
身だしなみのポイント
・髪・メイク
清潔感がポイントです。髪型はシンプルに整え、前髪はお辞儀をしたときに顔にかぶらないように気を付けましょう。女性の場合、メイクやヘアカラーはナチュラルが基本です。
・手・爪
手は膝の上に置くので意外と目立ちます。清潔にし、ハンドクリームなどで手入れをしておきましょう。ネイルは必要ありませんが、透明や薄いピンクやベージュならOKです。
・スーツ
スーツは体に合ったサイズのものを選びましょう。色は清潔感があるネイビーがおすすめです。また、ワイシャツやブラウスもシワがないよう整えます。スーツのポケットが膨らんでいるとスーツの形が崩れ、だらしない印象になりますので気を付けましょう。男性のネクタイは、控えめな柄の「青」が一番オーソドックスです。ただし、ネクタイの色で相手の印象も変化するため、面接に行く企業によって色を選ぶのも良いでしょう。カラーコーディネートの視点から言うと、夏は爽やかな「水色」、積極性を見せたいときは「赤やえんじ」、グループディスカッションがあるときは「黄色」にすることでコミュニケーションスキルをアピールできます。
・靴
靴は、椅子に座ると非常に目立ちます。汚れが目立たないように丁寧に磨き、かかとの減りにも気を付けておきましょう。また、色は「黒」が無難です。
男性はひも付きの靴を。女性は3~4㎝程度の太めのヒールを選びましょう。安定して足もきれいに見えます。
・コロン・香水
自分では良い香りだと思っても相手に不快感を与えてしまうことがあるため、基本は何もつけません。ただし、夏場で汗の臭いが気になる時は、爽やかな香りの制汗シートやボディミストがおすすめです。ミストをつけるときは、一カ所にスプレーするのではなく、上に向けてプッシュし全身にまとうようにすると香りが分散されます。
面接の流れ
受付
予期せぬ交通機関の乱れにも対処できるように、余裕をもって、最寄り駅に到着しましょう。早めに着いた場合は近隣で身だしなみを整えたり、資料の確認をしたりして時間を調整しておけば大丈夫です。そして、約束の5~10分前を目安に、入館・受付をします。受付では姿勢を正し、笑顔でしっかり挨拶をしてから、所属や氏名を告げた後、用件と採用担当者名を簡潔に伝えましょう。受付から面接は始まっています。
受付での挨拶例:
「お忙しいところ恐れ入ります。私、〇〇大学の〇〇と申します。本日、人事部の〇〇様と14時から面接のお約束をいただいておりますので、お取り次ぎをお願いいたします」
※挨拶は10時30分頃まで「おはようございます」で問題ありません。
控室
他にも待っている人がいたら静かに会釈か挨拶をしましょう。ただし、おしゃべりはNGです。背筋を伸ばし、姿勢正しく待つように心掛けてください。音楽を聴いたり、読書をしたりするのも控えます。待っている間にスマホの電源がOFFになっているかも確認しておきましょう。
入室
- 自分の順番が来ると名前が呼ばれます。そのときに「はい!ありがとうございます。」と元気に答えると好印象です。
- ドアを2~3回軽くゆっくりとノックします。強すぎると乱暴な印象になり、反対に弱々しくてもNGです。
- 「どうぞ、お入りください」という声が聞こえたら、「失礼いたします」と言ってドアを開けましょう。身体を正面に向け会釈し、面接官とアイコンタクトを取ります。
- 面接官になるべく背面を見せないよう、斜めの立ち位置でドアを閉めます。バタンと大きな音がしないように注意しましょう。
- ドアを閉めたら、面接官のいる正面を向きます。「よろしくお願いいたします」と、元気に挨拶・お辞儀をしましょう。面接官が複数いる場合は、中央に向かってお辞儀をすればOKです。
- その後は指示に従いましょう。椅子まではキビキビ歩きます。原則として、椅子の左側に立ち、「お座りください」と指示があってから座るようにしましょう。ドンと座らず、静かに座ることで丁寧さが伝わります。
面接中
- カバンは椅子の横に置きます。倒れないように底が硬いタイプがおすすめです。
- 男性は手を軽く握り、女性は手を重ねて膝の上に置きます。背筋を伸ばし、背もたれに背中をつけないよう気をつけましょう。
- 面接官とアイコンタクトを取りながら自然な笑顔で受け答えします。
- グループ面接の場合、突然質問を振られることもあります。他の人が話している間も気を抜かず、会話の流れを掴んでおくことが大切です。
- 面接官が複数の場合、話している人に顔を向けます。自分が答える際は、質問をしてきた担当官と中央に座っている担当官を中心に、全員とアイコンタクトを取ると好印象です。
退室
- 面接が終わったら、着席したまま「本日は、ありがとうございました。(ご検討)よろしくお願いいたします」と伝え、一礼します。面接終わりの「よろしくお願いいたします」は「ご検討よろしくお願いいたします」「頑張りますので採用してください。よろしくお願いいたします」の気持ちを込めて添えるイメージです。
- 起立して椅子の横で再度「ありがとうございました」と一礼。
- ドアの手前で面接官のほうに向き直り、「失礼いたします」と挨拶し一礼。
- 一礼が済んだらドアを開け、閉める前に面接官のほうに向き直り、会釈をして静かにドアを閉めます。
- 受付の方にも「ありがとうございました」と丁寧な挨拶を忘れずにしましょう。
- 面接会場の建物を出るまでが面接です。面接が終わっても気が緩めず、急に姿勢が崩れることがないよう注意しましょう。
面接で採用担当官に好印象を与えるには?
話し方のポイント
アイコンタクト
面接官の目を見て話すことで意識が集中でき、前向きで真剣な印象が伝わります。
表情・態度
笑顔は自分自身の緊張がほぐれ、面接官からも好感を持たれます。話の内容によっては笑っても大丈夫ですが、大きな声で笑うことは控えましょう。
スピード・声
早口にならないように1分間300文字程度を目安としてハキハキと話します。また、強調したい部分は通常よりもゆっくりと声を大きめにするなど、メリハリをつけましょう。句読点で間を空けると自分も落ち着き、面接官も内容を整理して聞くことができます。
言葉遣い
語尾は「です・ます」が基本です。基本の敬語は日常から身に付けることで、緊張する場面でも自然に使えるようになります。
話のポイントを明確に
面接官の質問をよく聴き、話が長くならないよう1主語1述語で簡潔に答えます。結論から伝えることを心掛け「理由は3点ございます。まず始めに…」といったように、ポイントを明示すると良いでしょう。
その他、好印象を与えるためのポイント
「聞き方」も評価ポイント
姿勢は良くても、無表情・無反応では「真剣に話を聞いているのだろうか」と面接官は疑問に思い、コミュニケーションスキルも問われます。以下のように、しっかり聞いていることをアピールしましょう。
- アイコンタクト
- 背筋を伸ばし正しい姿勢
- 真剣な表情
- ゆっくりとしたうなずき
- 状況により相づち
- 最後まで話を聞く
廊下ですれ違う人にも挨拶
面接を受ける側は、自分が思っている以上に周りから見られています。それは面接官だけではありません。建物内ですれ違う人には、他の人の邪魔にならない程度に挨拶や会釈をしましょう。また、最寄り駅周辺でも姿勢を崩さずにしておくのが無難です。
まとめ
近年増加傾向にあるのが「WEB面接」です。候補者にとっては移動時間や費用の節約、企業側にとっては、役員のスケジュールや会議室の調整が必要ないといったメリットがあります。しかし、すべてがWEBで完結するわけではありません。最終面接は「人と人」である場合も多いため、「この会社に自分はふさわしい人材です」とアピールする機会と考え、自信を持って臨みましょう。