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アクションプランの書き方とは? 作成のメリットや手順を解説!

アクションプランの書き方とは? 作成のメリットや手順を解説!

事業計画や営業目標を立てるときに、アクションプランを作成するよう求められることがあります。

しかし、アクションプランとは何なのか、何を書けば良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、アクションプランを書いたことのない人に向けて、アクションプランの概要や書き方について詳しく解説していきます。


アクションプランとは

アクションプランとは、目標を遂げるための戦略・基本方針および実施する具体的な行動内容を示した計画のことです。主に企業の経営戦略や、政府の国家戦略などで用いられます。

アクションプランに取りまとめられる内容は、計画全体を俯瞰して方針を示すものや直近の課題に対する施策を詳細に述べたもの、全体の行程・計画の流れを示したものなど多岐にわたります。

これらのアクションプランは、いずれも計画の進捗を共有して、円滑に遂行するための資料として重視されるものです。一般的に、2~3年程度の時間軸で設定した中期プランと、数ヶ月程度の短期プランの2種類を用意します。

中期プランは施策の優先順位をもとに、どのような手順で何に手をつけるかという道筋をおおまかに設定したものです。一方短期プランには、向こう数ヶ月程度の具体的なアクションを明示する必要があります。

アクションプランの書式テンプレート


アクションプランを作成するメリット

アクションプランを作成することには、さまざまなメリットがあります。

今やるべきことが明確になる

アクションプランを作成するときには、目標を細分化して、それぞれの目標達成に何が必要かを考えなくてはなりません。そのため、アクションプランを作成すると、今何をすべきかが明確になります。

目標に向かう道筋ができ、全員がブレることなく同じ方向に進めるようになるため、効率的に目標が達成できるでしょう。

現状が把握しやすくなる

アクションプランを作成すると、目標達成までどれくらい進んでいるのか、現状が把握しやすくなるのもメリットです。

進捗が遅れていたり、誤った方向に進んでいたりしても早期に気づけるため、対処しやすくなるでしょう。

モチベーション維持に役立つ

人は目標があいまいだったり、いつゴールできるのかわからなかったりすると、モチベーションが下がりやすくなります。社員のモチベーション低下は業績の低下につながるため、会社としては避けたいポイントです。

アクションプランを作成することで、目標や進捗状況が明確になり、関係者のモチベーションが維持されやすくなります。


アクションプランの作成手順

1.目標を設定する

まずは達成すべき目標を設定しましょう。土台となる大きな目標を決め、そこから目標を細分化していくことが大切です。

たとえば、「月間売上100万円」という目標を立てたとして、その目標を達成するためには何が必要かを考えます。すると、「新規顧客〇人獲得」など、小さい目標が見えてくるでしょう。

2.具体的な数値を設定する

目標が明確になったら、次に具体的な数値目標を設定します。たとえば、財務・経理部門の場合、売上高や売上高成長率、売上高利益率、原価率の見直しなどがあります。

一方で、顧客部門の場合は、顧客満足度や商品・自社のブランド売り上げ率などが挙げられます。

数値に関しても、年間の数値目標だけを設定するのではなく、半年間、1ヶ月間、1週間と期間をそれぞれ分けて設定するようにしましょう。

3.やるべきこと、やる人を洗い出す

次に、ゴールを達成するためにとれる具体的なアクション(行動)を洗い出して、リストアップします。「やるべきこと」をとにかくなんでも、できるだけ具体的に書き出すことが重要です。

優先順位や費用対効果、それぞれのアクションの関係性、実施可能性などが無秩序にラインアップされてくるので、これらを整理して関連するアクションをグループ化しましょう。

そして、そのアクションをどの順番で行えば最も効率的で効果的になるかを考え、並べ替えます。「やるべきこと」が明確になったら、どの部門の誰が、いつまでにその作業を行うかを明確にしましょう。

4.作業量・作業分担、期間などを明確にする

やるべきことと、担当者が決まったら、作業量・作業分担・期間などを決めていきましょう。作業量、作業分担については、プラン作成者が見積もり、その後実際の作業担当者に作業の可否や所要時間を確認します。

この時、作業担当者に作業内容を細かくヒアリングして、所要時間と期日を明確にすることが重要です。

作業量や作業分担が決まったら、実際にチャートに描いて作業同士をつなぐ作業に入ります。ここで重要なのはクリティカル・パスをチェックすることです。

クリティカル・パスとは、複数ある作業のうち、開始からすべてが終了するまでの時間の長さを表したものです。つまりプラン全体の長さを表したものになります。

アクションプランの実施期間を守るためにも、あらかじめクリティカル・パスを明確にし、遅れる原因となりそうなものをチェックしておきましょう。

大事なことは、目標とアクションプランの整合性が取れているかです。作業見積もりは甘くないか、所要時間は正確か、具体化されているかなどの再チェックが必要です。

アクションプラン実行前にこうした準備を怠らず、精度を上げれば上げるほど、アクションプラン実行と目標達成の確率は高まっていきます。

5.ガントチャートにまとめる

アクションプランには内容が文章でまとめられたテキスト形式のものや、表などを使用した形式のものなどさまざまな形式があります。ただ、一般的には、ガントチャートというフォーマットを使用して作られることが多いです。

ガントチャートとはプロジェクトの進捗状況を可視化するための図表で、時間軸に沿ってタスクや計画を確認することができます。

いつまでに実行するという「実施期間」と、何をするという「実施内容」、そして誰の責任で誰が実際に作業を行うかという「担当者」という3項目の記載が必須です。

ガントチャートを使うことによって、アクションプランによる目標達成への作業プロセス全体を参加者全員で共有でき、各作業の関連性も把握できます。


アクションプラン(月別)(Blue)

アクションプランの書式テンプレート


アクションプラン作成のポイント

ここでは、アクションプランを活用するために知っておきたいポイントを解説します。

行動記録を残す

アクションプランは作成して満足するものではなく、実行して目標を達成するために活用するものです。アクションプラン作成後は、作業担当者の行動記録を残し、プラン通りに進んでいるかを確認する必要があります。

定期的に行動記録を確認しておけば、進捗が遅れていたりトラブルが起きたりしていても、早期発見・解決できるでしょう。

目標達成の障害について洗い出す

アクションプランを作成する際に、目標達成の障害になりそうな出来事についても洗い出しておきましょう。あらかじめ障害について洗い出し、対策を練っておけば、計画がスムーズに進みやすくなります。

PDCAサイクルを回してアップデートする

アクションプランは一度作って終わりにするのではなく、PDCAサイクルを回してアップデートすることが大切です。

アクションプランを作成するときには、数値を洗い出したり作業担当者にヒアリングしたりして、綿密な計画を立てているはずですが、思いもよらぬ変更が伴うこともあります。

たとえば、従業員の入れ替わりや取引先の予定がつかなくなったなど、予期していなかったさまざまな要因によって、プランを予定通りに進行できなくなることもあります。

また、作業量などの見積もりが甘かった結果、スケジュールを後ろ倒しにしなければならないといったトラブルが起こることもあるでしょう。そのため、定期的にアクションプランを見直し、状況に応じて臨機応変に変更する必要があります。


アクションプランの具体例

実際のアクションプランの具体例をシーン別にご紹介していきます。

営業のアクションプラン例

営業は売り上げに直結するため、数値目標が多くなります。そういった数値目標の達成に向け、ターゲットを絞りながら具体的なアクションプランを考えていきましょう。

例:「新規顧客を20%増やす」ためのアクションプラン

  • 既存顧客からの紹介:既存顧客からの紹介を促進するためのキャンペーンを実施し、新規顧客を獲得する。
  • イベントの開催:展示会やイベントを開催して、新規顧客を獲得する。
  • セールスキャンペーンの実施:期間限定のセールスキャンペーンを実施し、新規顧客を獲得する。
  • 見込み顧客のリスト作成:見込み顧客をターゲットにした新しいリストを作成し、コンタクトをとって商談に繋げる。営業数や提案数などの数値目標も設定する。
  • ウェブサイトの改善:ウェブサイトのコンテンツやデザイン、UI・UXを改善し、見込み顧客が情報に辿りつきやすい設計をする。

人事のアクションプラン例

人事は採用や従業員のキャリアアップ、人材育成など多様な目線で業務を行う必要があるため、アクションプランをそれぞれ分けて作成するとよいでしょう。

目標やアクションプランを考えながら、それぞれに付随するタスクを細かく洗い出すとすぐに行動に移せます。

例1:新卒採用のアクションプラン

  • 大学や専門学校での就職説明会の開催→開催回数、来場者数などの目標設定(〇月開催、3日間で〇人)
  • キャリア支援センターへの協力・連携→連携数などの目標設定(〇日までに〇件)
  • 新卒採用用のWebページを充実させる→エントリー数などの目標設定(〇日までに〇件)
  • 面接選考での採用基準の明確化→採用人数などの目標設定(〇日までに〇名)

例2:人材育成のアクションプラン

  • 管理職やマネージャー職、中堅層、新人の適切な人数や分配を考える(〇〇部署:管理職〇名、マネージャー〇名)
  • マネージャー向けのリーダーシップ研修の企画、実施(1年に〇回/〇月、〇月)
  • キャリアアップを目指す社員のための教育プログラムの企画、実施(1年に〇回/〇月、〇月実施)
  • 新人研修の充実や新人教育における先輩社員のフォロー体制の整備(1年に〇回/〇月、〇月実施)

まとめ

アクションプランを作成すると、今やるべきことや現状が把握しやすくなり、効率的に目標が達成できるようになります。目標や進捗が明確になるので、社員のモチベーションも維持しやすくなるでしょう。

アクションプランはあとから見直すこともできるので、まずは作ってみることが大切です。どのように作れば良いのかわからない場合は、今回紹介した内容やテンプレートを活用してみてください。

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